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第二章 信仰と差別

第十四話 隠せない強さ

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 だいぶ空は暗くなってきた。僕はソーアさん達のいる馬車の上空に着くと何やら面倒なことになっていた。

「イヒヒ、護衛一人のいい馬車を見つけたな~」
「死にたくなけりゃ、女をおいてどっかに行きやがれ」

 そんな声が聞こえてくる。

「あら?盗賊かしら・・・10人はいるんじゃないの?大丈夫?」

 フェリアさんが心配している。僕は盗賊達を調べたけどこんな感じだ

盗賊 №1~10

 LV 20

 HP250
 MP50 

 STR100
 VIT90
 DEX90
 AGI100
 INT15
 MND20

 とても弱い・・・、あれではソフィアさん達でも簡単に倒せそうだ。ちなみに僕はこんな感じになってきました。

アステリア・ジーニ

 LV 1

 HP 7 [5500倍(秘匿)38500]
 MP 600 [5500倍(秘匿) 3300000]

 STR8 [5500倍(秘匿)44000]
 VIT7 [5500倍(秘匿)38500]
 DEX9 [5500倍(秘匿)49500]
 AGI7 [5500倍(秘匿)38500]
 INT6 [5500倍(秘匿)33000]
 MND5 [5500倍(秘匿)27500]

 スキル [神眼(秘匿)][超早熟][超大器晩成][匍匐の達人][格闘術][空中散歩][魔法全集][MP吸収]

 称号 [小さくても力持ち][ハイハイ世界記録][一歳で熊を仕留めた][一歳で世界最強][救急救命士][暗殺家業][ダイヤモンドヘッド][クッション][罠をあざ笑う者]

 ・・・最初からわかっていた事だけど僕って人間やめてるね。まだ赤ちゃんですよ、僕。罠のおかげでもう鑑定持ちの人からはステータスを隠せなくなっちゃった。

 心配していた通りMPの初期値があがってる・・・600ってすでに魔法職の20レベルの人以上のMPですよ・・・。確か魔法職の20レベルの人のMPは300でそれの10人分を二回って事は1割ずつ吸収しちゃってたのかな?、でもこういうスキルって大体現在値を回復するもんで絶対値を増やす物じゃないはずだよね。ジーニ困っちゃう...もう隠せないですよどうしよう。

 スキルと称号の効果はこんな感じみたい、

 [MP吸収] 手で防いだ魔法を吸収
 [クッション] 自分の体で他者を守った物に送られる称号。柔らかさ2倍
 [罠をあざ笑う者] 罠と分かっていて作動させて壊す者に送られる称号。罠にかかった場合ダメージ軽減

 MP吸収は極力使わないようにしないと更にMP上がっちゃいそう...。

 とか思案しているうちに盗賊を撃退したみたい。デシウスが馬車から少し離れた所へ気絶させたであろう盗賊達を放り投げている。僕はフェリアさんと一緒に馬車の前に降り立つ。

「ジ~ニ様~」
「デシウシュ、苦しい」

 鎧を着たままのデシウスが僕を抱きしめた。またもや鎧がギシギシと悲鳴を上げている。フェリアさんは微笑んでその光景を見ていた。

「フェリア様!!」

 馬車の中にいたソーアさんが急いでフェリアさんの元へ駆け寄り跪いた。

「ソーアさん・・・顔を上げてください」

 フェリアさんが顔を上げるように促すとゆっくりとソーアさんは顔を上げる。そしてフェリアさんの出した手を取り立ち上がると涙を流して抱き合った。

「ソーア・・・ありがとう」
「・・いえフェリア様も元気そうで何よりです」

 二人は涙して再会した。こんなに二人で喜んでいるのを見るとただの知り合いではないのが伺えた。

「二人はどんな関係なの?」

 僕の疑問と同じ思いだったのだろう。ソフィアがそんな疑問を投げかけた。

「ふふ、私達は腹違いの姉妹なのよ」
「・・・」
「え!?」

 フェリアさんの言葉にソフィアは驚いている。ソーアさんとフェリアさんはそんなに似ていない。その為想像もつかなかった。
 
「本当に皆さんありがとう。特にジーニちゃん、あなたは私の・・いえ、私達の救世主かもしれない」
「アイ?」
「ジーニ様は神様ですよ!」
「ふふ、そうですね。神かもしれないわね」

 フェリアの言葉にデシウスが訂正をすると僕以外が笑い出した。神様か~、本当に神様なら色々世界を変えられるんだけどな~とため息をついた。

「ジーニ様、どうしたんですか?」
「ふこうなひとたちばっかりでぼくはやくたたずだなって・・・」
「そんなことはありませんよ!私やフェリアさん、それにソフィアとソーアさん。この前なんてツヴァイ様を助けているじゃないですか。これ以上何を求めているんですか?」

 デシウスがネガティブに考える僕を説教し始めた。ちょっと僕も暗く考えすぎたと反省する。こんなデシウスと僕のやり取りを見てフェリアさんが吹きだして笑い出した。

「プ!ふふふ、ごめんなさい・・・昔の私とベンジャミン様を思い出してしまって、そうですよね。すべての人を幸せに何てそれこそ神にならないと無理なのよね」

 フェリアさんは俯いて涙ぐむ、昔の自分達の事を考えているのだろう。幸せに向かっていると思っていた頃の自分達の事を。

 デシウスは何故か頬を赤く染めて俯いた。ちょっとちょっと何照れてるの、僕はシリカさんの物なんだからね・・・でもやっぱりデシウスも美人だなとつくづく思う。

「それで・・私はどうすれば?」
「・・・ベンジャミンをらちします」
「「「え!?」」」

 デシウス以外が声を張り上げて驚く。

 僕の提案を全員に伝えて馬車を今のこの位置に止めるように伝える。

 フェリアさんはベンジャミンと一対一で話せると幸せそうな顔になったが緩んだ顔を引き締める。

 今日中に行いたかったがフェリアさんにも心の準備という物があるだろう。今日はもう休んでもらい明日に気持ちを切り替えてもらう。

 僕は一度アルサレムへ帰る。あ~シリカさんに会いたいよ~。
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