異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

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第三章 建国

第九話 冒険者ギルド

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「やはりあの子だったか・・・」

 ローズは一人自室のベッドに座り呟いた。

 ローズはベンジャミンの演説の時赤子を見てジーニだと思ったのだが、まさかと自分の考えを否定したのだった。

 だが今回ジーニ自ら自分であると言った事によってローズの考えは確信に変わった。そしてローズはもう一つの不思議を体験したのだ。それは、

「あの子を見ると顔が赤くなってしまうのはどうしてなのだ?。それにこのロクーデと飲んだ。あの時のような胸の高鳴りは何なんだ」

 ローズは胸が苦しいのか、手で胸を抑えている。ローズは恋煩いにかかってしまったようだ。

 だがローズがその真実に気付くのはまだ先の話である。






 ローズさんに依頼を出したギルドはアルサレムのギルドマスターである為、僕はフローラちゃんと一緒にアルサレムへと飛ぶことになった。

 その際デシウスはタオルを歯噛みして悔しがって見送っていた。

 という事でアルサレムへとうちゃ~く。ものの20分ほどで到着です、正直早すぎだね。

「ここがギルド?」
「そうみたいだよ」

 フローラちゃんに抱かれて両開きの扉からギルド内に入った。ギルド内には併設の酒場があり暖簾のようなもので区切られている。

 僕たちはギルドに用があったので入口正面の受付へと近づいて行く。

「いらっしゃい。ご依頼ですか?」

 受付のお姉さんは僕たちをお客さんだと思って応対してくれた。なので僕ははっきりと告げる。

「ギルドマスターを出してください」
「..はい?」
「マスターを出して~」

 僕がはっきりと告げると受付のお姉さんはそれを疑問に思い聞き返してきた。だがそれにフローラちゃんが告げるとお姉さんは頬に手を当てて困っている。

「こんな赤ん坊が流暢に話すのね。でもマスターは忙しいのよ。ごめんなさいね」
「この奥にはいるの?」
「え?ええ、今日はずっと書類整理をしているわ」

 ふむふむ、奥にいるんですね。

 ではでは、

「じゃあ失礼します」
「ちょ!ちょっと」

 受付のお姉さんは僕を抱えるフローラちゃんを止めようと手で抑えるのだが勝てるはずもなくずるずると押し込まれる。受付のお姉さんとは別の係りの人も加勢に来たけど4人でフローラちゃんに勝てないでいる。

 そして一つ目の扉が開けられた。

「ちょ~!何なのこの子凄いパワー。応援をよんで!」
「ハイ!」

 お姉さんの叫びにお姉さんよりも若そうなお姉さんが「大きなお世話よ」おっと失礼。怒られちゃった..てへ。若いお姉さんが応援を呼びに扉の向こうに走っていった。

「ジーニちゃん思いっきり走っちゃダメなの?」
「うん、このまま騒ぎにしてギルマスを出させるしかないからね。冒険者登録もしてないし、コネもないし」

 ツヴァイお父様に言えば会えるのかもしれないけど今は時間がないんだよね。早くアステリアを発展させたいんだけど...。

「何事だ!」

 おっと。ギルマスかな?。高価な服を来た茶髪のおじさんが現れた。ふむ、ダンディー。ではでは本題に入らせてもらいましょうか。

「あなたがギルドマスターですか?」
「ああ、そうだが。って赤ん坊が首謀者か?」
「別に悪い事しようとしているわけではないですから安心してください。取りあえずこんな所では話がダダ漏れです。個室に案内してもらえますか?」

 僕はギルドマスターだけに案内をさせてギルドマスタ-の部屋へ。そして僕はローズさんや[薔薇]の人達をロクーデの護衛の任から外すよう話す。ギルドマスターのジョシュは顎に手を当てて悩んだ。

「申し訳ない、それはできない相談だ」
「何故ですか?もうロクーデはシュミットにいるんですよ。依頼はシュミットまでの護衛だったはずです」

 僕は確かにマリーさんからそんな話を聞いた。ギルドマスターは俯いて話し出した。

「ロクーデからは多額の寄付を受けていてね。それで今回は急に延長を申し込まれたんだよ。何があったのやら」

 あれ?これってまさかしてあの薬を盛ろうとして失敗したからかな?。それじゃ僕のせいかも。でもあれを見過ごしてたらローズさんの心に一生の傷が出来ちゃったもんね。仕方ないよね。

「そんな急にSランクの冒険者を延長なんてさせてギルドの方は大丈夫なんですか?」
「ああ、大きな戦争も終わったみたいだから大丈夫なのさ。大きな魔物もここの所全然見ていないしな。アステリアの難民が来てからギルドはとても暇でね」

 ありゃ、僕のせいかもしれない。熊とイノシシさんをいっぱい狩っちゃったから...う~ん。

「ジーニちゃんこの人黙らす?」
「フローラちゃん、物騒な事言わないの。この人も自分やギルドの事を考えてやっているんだから」

「...耳が痛いな。だがそうだな。私は確かに自分の保身の為にやっているのだ。ロクーデは裏の世界に精通している。私は怖いのかもしれないな」

 ジョシュはいい人なのだろう、自分のせいでローズが不自由している事を理解しているようだ。だけど僕は黙るわけにはいかない。

「あなたは中々に強い人だと思うんだけどどうなんですか?」

「そうですね。自分で言うのも何ですがこの国の10本の指に入るほどには」

「それなのに怖いの?。じゃあ僕が守ってあげるよ」

「子供に守ってもらう?。ちょっと馬鹿にし過ぎだ!」

 ジョシュは僕の言葉に憤り椅子から立ち上がり机をたたいた。それでも僕は黙らない。

「怖いんでしょ?じゃあ守るって言ってあげてるんだよ。好意にはちゃんと答えないと」

「私を本当に怒らせたいのか?」

 ジョシュは腰に差していたレイピアのような武器に手を掛ける。それにいち早く反応したのはフローラちゃんだった。

 パキ!

「こんなおもちゃで私達をどうするの?」

 フローラちゃんは一瞬でジョシュの背後に周りレイピアのような武器をへし折った。

 ジョシュは開いた口が塞がらない様子である。

「ジーニちゃんは私の100倍は強いんだよ。凄いでしょ?」

 フローラちゃんはにこやかに笑いそう告げた。更にジョシュは唖然としている。流石に100倍は言い過ぎだよフローラちゃん。

 フローラはともかくとして赤ん坊が自分よりも強いと告げられたのだ。平然とはしていられない。そしてジョシュはある結論に至った。

「まさか、ここ最近のおかしな事件は君達の仕業なのか?」
「??」

 ジョシュの指摘にフローラちゃんは困惑した。フローラちゃんは僕がやっていたことを知らないから仕方ないね。

 僕はジョシュの質問には答えずに要求と提案をした。  

「[薔薇]を撤退させてくれれば僕があなたの味方になります。それにフローラちゃんもね。お金になる素材もある程度は供給できますし」

 僕の要求にジョシュは悩んで俯いた。 
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