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第三章 建国

第十一話 脅迫

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 フローラちゃんとボルケーノのおじさんは構えた。

 そして拳がぶつかり合った。

 しばらく拳と拳のぶつかり合いで辺りを傷つけるとボルケーノがその拮抗を破る為動き出す。

「さっきよりも圧が上がってやがる。だがこれでどうだ![フレアスパイク]」

 ボルケーノは僕にも使った溶岩の棘を放った。その棘は地面を這いフローラちゃんに迫る。

 だがフローラちゃんはその棘が到達する前に地面を割り棘を相殺した。

 その一瞬の隙をつきボルケーノの蹴りが炸裂する。

「キャ!」
「ははは、可愛い声出すじゃねえの。同じ魔人なんだ本気で来いよ」

 フローラちゃんは体勢を戻すとあまりやってほしくない本気を出してしまう。

「後悔しても許さないから!」

 フローラちゃんはその言葉と一緒に魔力を練り上げて纏う。先ほどの彼女よりも強いその圧はボルケーノを唖然とさせるものだった。

「何だってんだ。あの赤ん坊といい、化物ばっかじゃねえかよ」

 茫然自失といった様子のボルケーノにフローラちゃんは構わずに拳を振り下ろそうとしていた。

 ドドン!

「フローラちゃんちょっとまった~」
「ジーニちゃん何で止めるの?」

 僕は間に入りその拳を受け止めた。その衝撃波でボルケーノは少し吹き飛ばされ更に地面が割れた。

「フローラちゃんもそんな簡単に本気だしちゃダメでしょ。君はまだ完全に回復したわけじゃないんだから」
「う~ごめんなさい」

 僕の注意にフローラちゃんは涙目になってしまう。そして纏っていた魔力が霧散していった。

 ちょっと強く言い過ぎちゃったかな、でも本当に本気出し過ぎると危ないんだよね...。

 僕はその様子を笑顔でみてフローラちゃんの頭を撫でてからボルケーノへと視線を向ける。

「さ~ボルケーノさん。君には僕の指揮下に入ってもらいます」
「は?何でそうなる。俺はまだ負けてね~ぞ」

 僕の言葉にボルケーノは憤っている。だけど僕は更に話を続ける。

「いやいや、君は僕らに負けたんだよ。それは認めてね。じゃないと一生氷漬けだよ」

 僕の不敵な笑顔にボルケーノはたじろいだ。そして頷くのを確認すると僕は本当の笑顔でボルケーノの首根っこを掴み引きずる。

「おい!、おれは猫じゃねえぞ。ちきしょう」
「あんまり暴れると本当におこるよ。君にはアルサレムのギルドマスターを守ってもらわないといけないんだからね」
「何!、なんだそりゃ。俺はあいつも監視していたんだぞ。それを守るってわけわかんねえだろ」

 ボルケーノはもっともな事を言っている。それは僕もわかるが手駒がいなすぎでこの子を使うしかないんだよね。フローラちゃんは僕から離れられないしローズさんも今から解放されてアルサレムへ来たとしても十日かかるわけだし。でも僕が届ければいいのかな。でも僕はグリンベイルンに行かなくちゃいけないわけだし、やっぱだめだね。

 もっと強い人がほしいな~。だれかいないかな~。お父様を使うわけにもいかないし。ととそれは今度考えるとして今はこの人だよね。

「はん!俺がゆうこと聞くとでも思うのかよ。俺は守らねえからな」
「へ~そんな事言ってもいいんだ~。じゃあ首だけになっても喋れるのか実験してみようかな~。フェイクの件もあるし君が不死身という可能性もあるしね~....」

 僕はボルケーノの態度に対して脅迫をした。ボルケーノは委縮してうつむく。ボルケーノは抵抗をしても無駄だと悟ったようだ。それにしてもボルケーノは情報をくれる。不死身ではない事が今回の事で確認は取れたと言っても過言ではないだろう。

 何故早々にボルケーノは抵抗をやめたのか。それはある程度の力を持っているからこそ僕の力に気付いてしまったからだ。中途半端な力は生き残る力を手に入れる事が出来るのだろう。

 こうしてボルケーノを手駒にすることが出来たがまだまだ信用はしていない。彼には僕の魔力をまとわりつかせて場所を知る事ができる魔法の[コンパス]をかけてアルサレムへと配置する。

 最悪、事が起きてから代償を払わせるという脅迫で抑止していくことにした。

 僕らが冒険者ギルドに帰還するとジョシュは呆然としてボルケーノを迎え入れて笑顔何だか泣き顔なんだかわからない様子だった。

 そりゃ怖いよね。命を奪われていたかもしれない人物に守られる事になったのだから。

 でも僕は容赦はしないよ。だってある意味ジョシュがロクーデの脅迫に負けたから僕がこんなに動かないといけなくなったのだからね。

 アルサレムの用事は済んだので僕はフローラちゃんと一緒にグリンベイルンのある方向へと飛んでいく。

 
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