異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
48 / 252
第三章 建国

第十四話 月夜の涙

しおりを挟む
 僕とフローラちゃんは寄り道をせずにシュミットへと帰ってきた。

 寄り道をしなかったからとても早く帰ってきたよ。

「ジーニ様おかえりなさい!!」

 帰ってくると早速デシウスに捕まった。デシウスは今日の出来事を話す。

「今日、私頑張ったんですよ。ベンジャミンに絡んでくる人を次々と改心させていったんです」
「昨日からのデシウスさんは凄かったんですよ。褒めてあげてください」

 デシウスは褒めてほしそうに今日の成果を話す。ベンジャミンも褒めてあげてほしいと促して来た。

「デシウスはいい子!これからも頑張ってね」
「えへへ、頑張ります....ってこれからってまだここにいなくちゃいけないんですか?。だいぶベンジャミンを邪魔する人達もいなくなったと思うんですけど」

 デシウスは驚いている。確かにだいぶ減ったんだろうけど絶対安全とは言いきれないと思うんだよね。

「え~、だって...ね~?」

 僕はみんな賛同してくれると思ってみんなに視線を送る。だけどみんな僕と目をあわせてくれない。そしてデシウスは泣きそうな顔で僕に近づいてきた。

「ジーニ様、どうかお慈悲を」
「そんな事言ったって....」

 僕は再度みんなを見たんだけどみんな視線を逸らす。みんな薄情だよ!!。ひどいわん。

「わかりました。これ以上いってもジーニ様を困らせるだけですよね....じゃあこうしましょう。今日私と一緒に寝てください!!」
「ええ~」
「そうしてくれないんだったら....泣きます」

 今にも涙が溢れそうなデシウス。僕は仕方なく頷いた。その後デシウスは子供のようにはしゃぐのだった。

 



「ん、ジーニ様から手紙」
「え!ジーニ様から?」

 ララがテレパシーメールを見てシリカに話す。ララはそのまま手紙の内容を話し始めた。

「ん、ジーニ様今日はデシウスと寝るんだって」
「ええ!?」

 シリカはララの言葉に驚愕した。そして目に涙を溜める。

「大丈夫よシリカ。今のはララの冗談よ。私のジーニがシリカ以外の人を選ぶはずないわ」
「そう・・そうですよね。私はジーニ様を信じています」

 メリアの言葉にシリカは自分を取り戻していく。

「ん、シリカごめんね。今のは冗談だけど。ジーニ様、今日はあっちに泊まるみたい」
「・・・」

 バタッ!

「シリカ!!」

 シリカは卒倒したのだった。




 そしてその夜。

「ジーニ様、寝ましょうね~」
「ごめんねデシウス。ちょっとお外で遊んでくるから待っててね」
「ええ~」

 僕はやる事があるので少しデシウスをなだめて外に出ていった。

「ぐふふ、今日こそは」

 そんな声が聞こえる。そうですここは皆さんご存知のロクーデのいる家でございます。僕はロクーデが諦めていないと思って様子を見に来ました。

 やっぱり思った通りのようです。

「私の持っている最高の酒にこの最高の媚薬を入れてっと。ふふふ、ガルドの奴ももう帰したしな...ぐふふ」

 ロクーデは妄想で下品に笑う。そしてローズと一緒に飲もうと階下へと降りる。

「ローズ、ローズ!」
「なんだロクーデ?だから前にも言っただろう。私はお前のお母さんではないぞ」
「いやすまん、一緒に飲もうと思ってな。これは私の持つ最高の酒だぞ。どうだ一緒に?」

 ローズは断ろうと思ったが最高の酒という言葉に負けて一緒に飲むことにした。そして、

「このしゃけはおいしいにゃ~」
「そうだろうそうだろう。ぐふふ」

 ローズはロクーデの思惑通り酔い始めている。ろれつが回らなくなってきたローズを見てロクーデはよだれを垂らした。

「なんにゃか、ねむきゅなってきにゃ~」
「お~お~。そうかそうか、ではベッドに連れて行ってやろう」

 テーブルにもたれかかったローズの肩を持ってベッドへと運ぶロクーデ。その顔はとても紳士とは言えない顔である。

 ローズは自分のベッドへと無防備に横たわる。その姿を見てロクーデはタガが外れた。

「もう我慢できん!!」
「は~い!しゅうりょ~」
「モガ!!、またこの感触!!.....ガバッ」

 僕はロクーデの顔にダイブして気絶させる。ロクーデをまた教会の大きな鐘に括り付けて僕はローズさんの元に帰ってきた。

 ローズさんは服も乱れて布団も被っていなかったので風邪をひくと思い戻ってきたのだ。

 そして僕はローズさんに布団をかぶせていく。

「やはり君だったんだな」
「え!?」

 布団を首元までかけていた時、ローズさんの目が開き口が開いた。僕は驚いて後ずさる。

「半信半疑だったがこの間の君の自供で確信に変わったよ。この間も君は私を助けてくれたんだね」

 ローズさんは前回のロクーデに薬を盛られた話をしているのだろう。ローズさんは僕の返事も聞かずに話し続ける。

「もう帰ってきたという事はもうグリンベイルンへ行って帰ってきたのか?」
「うん、そうだよ。その証拠に、はい!これ」

 僕はシスターから受け取った手紙を渡した。その手紙を見たローズさんは泣いてしまった。

「...ははは、すまない。シスターも変わっていないみたいで安心したよ」
「うん、とてもローズさんに感謝してたよ」
「感謝何て要らないのにな。私はシスターのおかげで生きてこられたのだから」

 ローズさんは酔ったふりをしてロクーデの出方を見ていたようだ。飲んだふりをしてレアアイテムのアイテムバックへと流し込んでいたみたい。

「しかし、今回の事で納得した。君はとても強いのだな」

 ローズさんは僕を見て頬を赤くした。そして僕の顔へ、手を伸ばして頬を触る。

「赤ん坊を好きになってしまっていいのだろうか。確実に私よりも強い、それだけはわかる」

 ローズさんは全く僕から視線を外さずに呟いている。その呟きは僕にも聞こえるんだけど何て反応したらいいのかわからずに聞こえないふりをした。

「シリカには悪いが印をつけさせてもらうよ」

 チュ!

 ローズさんは僕の頬へとキスをした。僕はキスされた頬をさする。

「君が結婚できる歳になったその時、私は33歳ほどか...その時までに私よりも強い者がいなかったとき、私は君を物にする」

 わ~とっても男前。好きになっちゃうよ。でも僕にはシリカさんがいるからダメだってば。と思い僕は首を横に振った。

「....ふふ、そうせくな。時間はまだまだある。本当にその時がくるまでに決めてくれればいいんだよ」
「アウ~」
 
 僕はやっぱり女ったらしになる運命なのかな。シリカさんごめんなさい。

「今日はありがとう、君はもう帰りなさい」

 ローズさんはそう言って僕を帰そうと促す。急に話が変わった事に僕は違和感を感じた。僕は帰ろうとローズさんの後ろの窓に向かうとローズさんのすすり泣く声が聞こえた。

「これが失恋という奴か...中々痛いものなのだな」

 ローズさんの呟きを僕は聞いてしまった。男らしい言葉からは思いもよらなかったけど傷ついていたみたい。

 僕は後ろからローズさんを抱きしめた。

「大丈夫だよ。みんなローズさんを愛してるから。だから元気をだして」

 自分でふっておいていう言葉じゃないけど僕はローズさんを元気づける言葉をかけた。するとローズさんは抱きしめた僕の手を取って口を開いた。

「そうやって女をたぶらかしているのか...。普通の女ならばイチコロだろうな。私もやられてしまったよ」

 再度僕の頬にキスをしたローズさん。僕は流石に何度もキスをされた事でドギマギしてしまう。そんな僕をみてローズさんは笑みをうかべた。

「ふふ、もう大丈夫。私は大丈夫だよ。この間と今回、助けてくれてありがとう。できればこれからも助けてくれると嬉しいな」

 ローズさんは満面の笑みで笑った。

 その時のローズさんは月夜に照らされてとても綺麗だった。


しおりを挟む
感想 179

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。 今年で33歳の社畜でございます 俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう 汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。 すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。 そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな

異世界での異生活

なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...