異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

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第四章 ルインズガル大陸

第三十七話 トゥルース

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「ヘンダークの言った通りだったか...」
「ええ、アステリアは嘘をついていたようです」

 アルサレムの王、アルス王は頭を抑えて嘆くように声をあげた。それを肯定するのはエルエスである。

「そうでしょう、そうでしょう。ですがもう遅いのですよ。終わりです。もうヘンダークは力をなくしてしまいました」

 仮面をかぶった細身の男はスラスラと話す。

「ああ、お前の言葉をもっと早く聞いていればヘンダークに協力したのだがな」

 仮面の男へとアルス王は詫びを入れている。それほど後悔してしまっているようだ。だが仮面の男は信じてはいけない、彼は”嘘”が大好きなのだ。

「しかし、ツヴァイがこちらに来るのか?」
「ええ、それは大丈夫です。クァンタムを逃がしましたので」

 彼らは罠を仕掛けた。クァンタムはわざと逃がされたのだ。だがクァンタムもAランク以上Sランク未満といった騎士なのだがそれでもアルス王とエルエスを相手に勝てるほどではないのだ。

「いいですね、いいですよ。そういう嘘は大好きですよ。そしてジーニ坊やを我々の物にしていくのですよ」
「ああ、わかっている。なぜベンジャミンとアドスバーンが取り合ったのか、やっとわかった。彼は奇蹟そのもの、あの年齢でクラーケンを倒し。更にはシュミットを変えた。僕は絶対に彼を手に入れる」

 アルス王は握りこぶしを顔の前で構え、決意を口にした。

 彼はわかっていなかった。そのねじ曲がった思想が仮面の男によってつくりあげられている事に。それは横に控えるエルエスも同じだ。

 彼らは仮面の男によって作り替えられていく。

 Gaaaaaaa

「また騒いでいますね」
「ああ、最近は毎晩だ」

 アルサレム城の結界を破るほどの奇声。サクリファイスキメラの叫び声である。奈落の底から這い出るような声は常人ならば失神してしまうほどの不気味さを帯びている。

「ジーニ坊やは異常な強さです。彼らを使わなくてはまるで歯が立ちません。あのようなゾンビなどは制御が簡単ですからね。私にお任せください」

 仮面の男はそう言っているが常人では簡単ではない。ゾンビは思考が無くなっているのだ。本能のみで動くそれを制御するには新しい思考を植え付ける必要がある。しかし脳に入る段階で常人ではもう手の付けようがないのだ。だが仮面の男は違う、簡単に入り込んで思考を加えていくのだ。恐ろしい男である。

「ああ、トゥルース、君には感謝しているよ」
「ええ、ええ、感謝してください。真実はいつも私の中にあるのですから....」

 アルス王にトゥルースと言われた仮面の男は仮面の奥でほくそ笑み笑うのだった。






「も~何なのよ!!」
「どうしたんだ?レミ」

 ここはアルサレムの冒険者ギルド、そこではレミが抱えきれないほどの書類を机にぶちまけていた。

「どうしたもこうしたもないわよ!!。この討伐依頼の数....おかしいわよ。それも全部この街からの水路や街中よ!」

 この一週間余りの間の依頼の数は平常時の3か月分の依頼になっている。ギルドとしては[薔薇]がいなくなったので依頼を受ける数を減らし始めたのだがそれでも緊急の依頼が殺到している現状である。これは他の街にも助けを求めないといけない事態かもしれないとレミは考え始めた。

「ジョシュはどうするって?」
「マスターも討伐に向かっているわ。[薔薇]がいなくなってから依頼を減らしたおかげで最近は書類整理をしてもらっていたのだけど....」
「レミ先輩、また依頼が....」

「もう!いや!」
「レミ落ち着けよ。俺も手伝う」

 アルサレムは混沌に巻き込まれて行くのだった。

「ありがとう、ボルケーノ」
「礼はいい、そのなんだ....お前だけの体じゃないんだからな...」
「「・・・・」」

「はいはい、熱い熱い。お二人共手が止まってますよ~」
「「ああ、ごめん」」

「は~、私も彼氏ほしい。ってそんな時間ないんだった」

 最近は依頼数を少なくしたことでだいぶ早く帰れていたのだがこれからは帰れないだろうとファレはため息をつく。仕事中に恋愛となるとあとはアブサンくらいしかいい物件はない。他は有象無象の名無しばかりだ。

 ファレは二人を見て、再度大きなため息をつく。

 アルサレムはトゥルースの手によって変えられて行く。それはとても小さい変化だが着実にトゥルースの計画通りに変異していく。
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