99 / 252
第四章 ルインズガル大陸
第三十七話 トゥルース
しおりを挟む
「ヘンダークの言った通りだったか...」
「ええ、アステリアは嘘をついていたようです」
アルサレムの王、アルス王は頭を抑えて嘆くように声をあげた。それを肯定するのはエルエスである。
「そうでしょう、そうでしょう。ですがもう遅いのですよ。終わりです。もうヘンダークは力をなくしてしまいました」
仮面をかぶった細身の男はスラスラと話す。
「ああ、お前の言葉をもっと早く聞いていればヘンダークに協力したのだがな」
仮面の男へとアルス王は詫びを入れている。それほど後悔してしまっているようだ。だが仮面の男は信じてはいけない、彼は”嘘”が大好きなのだ。
「しかし、ツヴァイがこちらに来るのか?」
「ええ、それは大丈夫です。クァンタムを逃がしましたので」
彼らは罠を仕掛けた。クァンタムはわざと逃がされたのだ。だがクァンタムもAランク以上Sランク未満といった騎士なのだがそれでもアルス王とエルエスを相手に勝てるほどではないのだ。
「いいですね、いいですよ。そういう嘘は大好きですよ。そしてジーニ坊やを我々の物にしていくのですよ」
「ああ、わかっている。なぜベンジャミンとアドスバーンが取り合ったのか、やっとわかった。彼は奇蹟そのもの、あの年齢でクラーケンを倒し。更にはシュミットを変えた。僕は絶対に彼を手に入れる」
アルス王は握りこぶしを顔の前で構え、決意を口にした。
彼はわかっていなかった。そのねじ曲がった思想が仮面の男によってつくりあげられている事に。それは横に控えるエルエスも同じだ。
彼らは仮面の男によって作り替えられていく。
Gaaaaaaa
「また騒いでいますね」
「ああ、最近は毎晩だ」
アルサレム城の結界を破るほどの奇声。サクリファイスキメラの叫び声である。奈落の底から這い出るような声は常人ならば失神してしまうほどの不気味さを帯びている。
「ジーニ坊やは異常な強さです。彼らを使わなくてはまるで歯が立ちません。あのようなゾンビなどは制御が簡単ですからね。私にお任せください」
仮面の男はそう言っているが常人では簡単ではない。ゾンビは思考が無くなっているのだ。本能のみで動くそれを制御するには新しい思考を植え付ける必要がある。しかし脳に入る段階で常人ではもう手の付けようがないのだ。だが仮面の男は違う、簡単に入り込んで思考を加えていくのだ。恐ろしい男である。
「ああ、トゥルース、君には感謝しているよ」
「ええ、ええ、感謝してください。真実はいつも私の中にあるのですから....」
アルス王にトゥルースと言われた仮面の男は仮面の奥でほくそ笑み笑うのだった。
「も~何なのよ!!」
「どうしたんだ?レミ」
ここはアルサレムの冒険者ギルド、そこではレミが抱えきれないほどの書類を机にぶちまけていた。
「どうしたもこうしたもないわよ!!。この討伐依頼の数....おかしいわよ。それも全部この街からの水路や街中よ!」
この一週間余りの間の依頼の数は平常時の3か月分の依頼になっている。ギルドとしては[薔薇]がいなくなったので依頼を受ける数を減らし始めたのだがそれでも緊急の依頼が殺到している現状である。これは他の街にも助けを求めないといけない事態かもしれないとレミは考え始めた。
「ジョシュはどうするって?」
「マスターも討伐に向かっているわ。[薔薇]がいなくなってから依頼を減らしたおかげで最近は書類整理をしてもらっていたのだけど....」
「レミ先輩、また依頼が....」
「もう!いや!」
「レミ落ち着けよ。俺も手伝う」
アルサレムは混沌に巻き込まれて行くのだった。
「ありがとう、ボルケーノ」
「礼はいい、そのなんだ....お前だけの体じゃないんだからな...」
「「・・・・」」
「はいはい、熱い熱い。お二人共手が止まってますよ~」
「「ああ、ごめん」」
「は~、私も彼氏ほしい。ってそんな時間ないんだった」
最近は依頼数を少なくしたことでだいぶ早く帰れていたのだがこれからは帰れないだろうとファレはため息をつく。仕事中に恋愛となるとあとはアブサンくらいしかいい物件はない。他は有象無象の名無しばかりだ。
ファレは二人を見て、再度大きなため息をつく。
アルサレムはトゥルースの手によって変えられて行く。それはとても小さい変化だが着実にトゥルースの計画通りに変異していく。
「ええ、アステリアは嘘をついていたようです」
アルサレムの王、アルス王は頭を抑えて嘆くように声をあげた。それを肯定するのはエルエスである。
「そうでしょう、そうでしょう。ですがもう遅いのですよ。終わりです。もうヘンダークは力をなくしてしまいました」
仮面をかぶった細身の男はスラスラと話す。
「ああ、お前の言葉をもっと早く聞いていればヘンダークに協力したのだがな」
仮面の男へとアルス王は詫びを入れている。それほど後悔してしまっているようだ。だが仮面の男は信じてはいけない、彼は”嘘”が大好きなのだ。
「しかし、ツヴァイがこちらに来るのか?」
「ええ、それは大丈夫です。クァンタムを逃がしましたので」
彼らは罠を仕掛けた。クァンタムはわざと逃がされたのだ。だがクァンタムもAランク以上Sランク未満といった騎士なのだがそれでもアルス王とエルエスを相手に勝てるほどではないのだ。
「いいですね、いいですよ。そういう嘘は大好きですよ。そしてジーニ坊やを我々の物にしていくのですよ」
「ああ、わかっている。なぜベンジャミンとアドスバーンが取り合ったのか、やっとわかった。彼は奇蹟そのもの、あの年齢でクラーケンを倒し。更にはシュミットを変えた。僕は絶対に彼を手に入れる」
アルス王は握りこぶしを顔の前で構え、決意を口にした。
彼はわかっていなかった。そのねじ曲がった思想が仮面の男によってつくりあげられている事に。それは横に控えるエルエスも同じだ。
彼らは仮面の男によって作り替えられていく。
Gaaaaaaa
「また騒いでいますね」
「ああ、最近は毎晩だ」
アルサレム城の結界を破るほどの奇声。サクリファイスキメラの叫び声である。奈落の底から這い出るような声は常人ならば失神してしまうほどの不気味さを帯びている。
「ジーニ坊やは異常な強さです。彼らを使わなくてはまるで歯が立ちません。あのようなゾンビなどは制御が簡単ですからね。私にお任せください」
仮面の男はそう言っているが常人では簡単ではない。ゾンビは思考が無くなっているのだ。本能のみで動くそれを制御するには新しい思考を植え付ける必要がある。しかし脳に入る段階で常人ではもう手の付けようがないのだ。だが仮面の男は違う、簡単に入り込んで思考を加えていくのだ。恐ろしい男である。
「ああ、トゥルース、君には感謝しているよ」
「ええ、ええ、感謝してください。真実はいつも私の中にあるのですから....」
アルス王にトゥルースと言われた仮面の男は仮面の奥でほくそ笑み笑うのだった。
「も~何なのよ!!」
「どうしたんだ?レミ」
ここはアルサレムの冒険者ギルド、そこではレミが抱えきれないほどの書類を机にぶちまけていた。
「どうしたもこうしたもないわよ!!。この討伐依頼の数....おかしいわよ。それも全部この街からの水路や街中よ!」
この一週間余りの間の依頼の数は平常時の3か月分の依頼になっている。ギルドとしては[薔薇]がいなくなったので依頼を受ける数を減らし始めたのだがそれでも緊急の依頼が殺到している現状である。これは他の街にも助けを求めないといけない事態かもしれないとレミは考え始めた。
「ジョシュはどうするって?」
「マスターも討伐に向かっているわ。[薔薇]がいなくなってから依頼を減らしたおかげで最近は書類整理をしてもらっていたのだけど....」
「レミ先輩、また依頼が....」
「もう!いや!」
「レミ落ち着けよ。俺も手伝う」
アルサレムは混沌に巻き込まれて行くのだった。
「ありがとう、ボルケーノ」
「礼はいい、そのなんだ....お前だけの体じゃないんだからな...」
「「・・・・」」
「はいはい、熱い熱い。お二人共手が止まってますよ~」
「「ああ、ごめん」」
「は~、私も彼氏ほしい。ってそんな時間ないんだった」
最近は依頼数を少なくしたことでだいぶ早く帰れていたのだがこれからは帰れないだろうとファレはため息をつく。仕事中に恋愛となるとあとはアブサンくらいしかいい物件はない。他は有象無象の名無しばかりだ。
ファレは二人を見て、再度大きなため息をつく。
アルサレムはトゥルースの手によって変えられて行く。それはとても小さい変化だが着実にトゥルースの計画通りに変異していく。
23
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。
今年で33歳の社畜でございます
俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました
しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう
汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。
すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。
そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな
異世界での異生活
なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。
異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる