異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

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第四章 ルインズガル大陸

第四十話 アルサレム②

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「ツヴァイが屋敷に来たようです」
「それでリビングウェポン達はどうなった?」

「それが、ハウンドドック達は屋敷に入る前に全滅、リビングウェポンとアーマーは少し手傷を負わせられましたが全滅です」
「何!?。リビングウェポン達では倒せないとは思っていたがハウンドドック達で一人位は重傷にできなかったのか?」

 エルエスの報告にアルスは驚く。確かに全員がツヴァイほどの手練れならば無傷でもおかしくない手勢だったのだが事前の報告では[薔薇]のフッティア、マリーが来ているとだけ聞いていたのだ。

 フッティアとマリーは確かに手練れであるがそれも数で押し込めばどうにかなるレベルである、特に建物の中では。しかし今回少しの手傷をつける事しかできなかったと報告が来たので首を傾げるアルスであった。

「どうやら召喚士かゴーレム使いがいるようで。ハウンドドック達はそれにやられたようです」
「召喚士かゴーレム使い....そんなもの遠方の国にいるとしか聞いた事はないぞ」

 ジャンヌはこの二つに当てはまらない、彼女は巨人達の意思で守られているのだゴーレムではない、そうゴーレムではないのだ。
 
 エルエスはアルスの指摘に頷き肯定している。

「そうなるとこちらも本気を出すしかないようだな」
「ああ、俺はアルスの為に命をかけてきた、これからもそうだ。俺に迷いはない」

「エルエス、ありがとう」

「ふっふっふ、計画通りあの水晶を使ってくれるようですね...しかし何とも絵になる男達でしょうね~」

 トゥルースは柱の陰に隠れて二人をみやる、そしてほくそ笑み闇へと消えていった。





 
 闇夜に紛れてツヴァイ達は王城へと忍び込む。クァンタムがいるので堂々と入っていけるのだがそうなるとアルス達にも報告が言ってしまう。その場合その兵士達とも戦闘しなくてはいけなくなる。出来るだけ兵士達には被害を出したくない優しいツヴァイらしい理由であった。

「私の部下が城の入口の警備に入っているはず。私が先にいこう」

 クァンタムが堂々と城の前に歩いて行く。門の兵士達はクァンタムを見ると敬礼している。そしてツヴァイ達を呼びこみ無事に城へと入っていった。

「あの入口は誰も入って来れないように言っておいた。出る時は出れるがな」
「これで今中にいる者達だけをどうにかすれば被害は最小限だな」
「「「了解」」」
「アブ!」

 4人と1人はツヴァイに頷く。ジャンヌの返事はとても緊張している場面には似合っていなかったがその気張らないジャンヌのおかげで緊張が和らいでいく。

「俺とクァンタムは玉座に行くぞ。キーファはジャンヌを連れて非戦闘員を外に出してくれ」
「了解しました。ではジャンヌ様....あれ?ジャンヌ様は?」
「「「え?」」」

 今さっきまで返事をしていたジャンヌだったが返事をした途端にある場所へとハイハイしていったのだった。ジーニと同じように隠密効果のあるハイハイで移動したためみんなに気付かれないのだった。

「ダ~ダ~ダ~」

 ジャンヌは自分の周囲を風の女神でガードしながら不穏なエリアへとやってきた。それは王城の下に築かれた王の墓。ここにサクリファイスキメラがいるのだがジャンヌは知らずに強者の気配を察知して侵入していく。

 Giaaaaaa!!!

 そんな声のような音がジャンヌへと叫ばれる。結界に入った瞬間にジャンヌを餌と判断したようだ。サクリファイスキメラの走り込んでくる音が聞こえてきた。

「ダブ?」

 ガシャン!!

 この墓には王の遺体を守る為に複数の鎧が設置してある。その鎧が動き出しサクリファイスキメラへと剣を振り下ろす。

 ジャンヌはすべての物質から巨人を出す事が出来る。サイズは巨人でなくても出せるのだ。鎧はジャンヌの魔力によって強化されている為サクリファイスキメラといい勝負を繰り広げる。

「バ~ブ~」

 ジャンヌはジェスチャーでやれやれ~と応援をしている。その横では風の女神が微笑ましくジャンヌを観察している。ジャンヌは過保護に警護されているので安心である。

 そしてジャンヌを見失ったツヴァイ達は仕方なく当初の役割を遂行していく。

「メイドと執事はすぐに城の外へ。兵士には入口に集まるように言ってください。王が言っていたと」

 複数のメイドにそう伝えると瞬く間に城内に残っていた人達が移動を開始していった。そして静まり返るアルサレム城。

「妙に静かだ」
「ええ、全員避難したのでしょう」

「それもあるが...」

 ツヴァイとクァンタムは玉座の手前の広間で扉に耳を押しあてて話す。これだけ人が動いていれば焦って外に出てくるのではないかと思っていたツヴァイなのだがそれがなかったため少し不安になっていく。これは罠ではないかと。

「腹をくくるか。ジーニの帰りを待ちたかったがいないものを求めても仕方ないな」
「大丈夫です。エルエスは私が。ツヴァイ様がアルス王を」

「ああ....話て分からなければな....」

 ツヴァイはツインディアを見て目頭を熱くさせる。ツインディアはアルサレム王を守る為に授かったのだ。それを成しえなかっただけではなくその王の子を討たなくてはいけないかもしれないのだ。ツヴァイはいたたまれない気持ちでいっぱいになる。

「ツヴァイ様行きますよ」
「ああ、覚悟は決まった!」

 玉座への扉が開かれた。
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