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第六章 学園都市ブラウディア

第四十七話 サリバン

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「こっちだ。こっちから子供達の匂いが・・」

 森に降り立つとすぐにドラゴンは匂いを嗅いで歩いて行く。木陰から小さなトレント達が怖いもの見たさで覗いてくるけど攻撃はしてこないみたい。エルダートレントが知らせてくれてるのかな。

「確かに子供の匂いがするぞ!」

 ドラゴンは声高らかにあげると速度を上げた僕は宙に浮いて追いかける。

「いた!!・・・」
「クゥゥ・・」

 ドラゴンの子供は息も絶え絶えで井戸のように陥没した木の中に入れられていた。ドラゴンの子供はドラゴンを見ると涙を流して喜んでいるように見える。

「すぐに治すよ。[ヒール]」
「キャウ!!」

 ドラゴンの子供は僕の[ヒール]を受けるとすぐに木の穴から這い出てきてドラゴンの背に飛んでいった。

「お~さっきも見たが凄い回復量だ。先ほどまで翼もボロボロだったはずのこの子が・・・。何と礼を言えばいいか」
「それよりもエルダートレントや森にすむトレント達に謝ってね。でもなんでこの子はあんなところに」

 僕が不思議に思っていると子ドラゴンはドラゴンに耳打ちし始めた。

「何!、人に」

 どうやら子ドラゴンは人によってこの森に放置されたようだ。だけどどうしてそんなことを。

「儂らの事を良く思っていない者達の仕業だろう」

 僕たちの後ろからエルダートレントが声を上げた。僕らは振り返るとエルダートレントは言葉をつづけた。

「今回儂らは”人”として認定されると聞いた。木人としてな。それを良く思わない人間は一人や二人ではないだろう。ジーニには悪いがやはり人間と共存など」
「諦めちゃダメだよ。そういう悪い人は僕が成敗するから」
「ははは、はははははは」
「誰!?」

 僕が話していると木陰から一人の男が姿を現した。その男は頭に角を生やしていて普通の人間ではないように思えた。

「お前は誰だ?何故このナイトフォレストに魔族がおるのだ」

 エルダートレントが警戒して根っこをうねうねとさせて攻撃の体勢にはいった。ドラゴンも同じように口に火を溜めて今にも攻撃し始めてしまいそうだ。

「私か!私はサリバンだ」
「そのサリバンさんは何でここにいるの?」

 金色の目を輝かせるサリバンは僕の質問に答えずに深くお辞儀をし始める。

「終焉でございます!」

 サリバンは深くお辞儀をするとそう声を張り上げた。

 僕らに天から真っ黒な球が降りてきた、真っ黒な球を警戒した僕は[マナパック]で真っ黒な球を包むと真っ黒な球が大きく膨らんできて光を放った。

「わ~凄いよ。僕の[マナパック]をパワーだけで膨らますなんて」
「・・・まだ終わりではないですよ!!ハッ!!」

 サリバンが真っ黒な球に向かって黒い靄を投げ放った。靄は僕の[マナパック]の隙間を通って球に入っていった。そして、僕らを白い光が包んでいった。

 






「・・・・・そんな馬鹿な!!」

 サリバンは驚愕した。

「あ~びっくりした。でも凄いな~[マナパック]にひびが入って少しだけ出てきちゃったよ」
「今のは人間達の極大魔法という奴ではないのか?」

 ドラゴンがそう話した。

 なるほどこれが核みたいな魔法の一つ何だね。僕の[マナパック]で包んでなかったらどうなってたんだろう?。

「そんな馬鹿な話があるか!![ゼロ・レイ]を止める事など人間に出来るはずがない!!発動したらすべてがなくなると言われているんだぞ!」

 サリバンは自分の見た物を理解しようとせずに叫びだした。サリバンは両手で顔を歪めて青ざめていく。

「[ゼロ・レイ]って言うんだね。でも出来ちゃったものは仕方ないよ・・・という事で君はどこのサリバンさんなの?」
「ぐあ、何だこれは何故私は浮いているんだ!」

 何が起きているのかわからないみたいで混乱し始めるサリバン。

 僕はサリバンを[マナパック]で浮かせています。この人どうしてくれようか?。

「エルダートレントさえ殺せればよかったがまさかこんな結果になろうとは。では私は失礼させていただく」
「あっ」

 サリバンはグロリアさんみたいに一瞬で消えていった。

「幻影じゃな。しかし言葉や干渉もしてくるとはなかなかの使い手じゃな」
「へ~凄いんだね・・・」

 僕は憤りを感じた。たぶんあのサリバンがすべての元凶だと思うんだ。子ドラゴンは傷つけるし僕らに極大魔法を使ってきたし、何が目的なんだ?。

「ん?・・・同胞から連絡がはいった。学園都市の方角に人間達の軍が・・・」
「ええ!なんで?」

 エルダートレントが念話みたいなのでトレント達と会話してたみたい。僕はその報告を聞いて信じられない気持ちになった。

 何で軍がナイトフォレストに向かってるの?

「何!。同胞の話では軍の前に女の子が空から降りてきたようだぞ」
「ええ。女の子ってまさか!」

 僕は思い当たる人の心配をしてすぐにナイトフォレストの外へと飛んでいった。
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