異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

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第六章 学園都市ブラウディア

第四十八話 ジーニちゃんの邪魔をしないで!

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「ジーニちゃん遅いな~」

 ジーニがナイトフォレストに行ってからすぐにフローラは不満をもらす。ダラクを倒した時、フローラはそこにはいなかった。

 そしてずっと待っていたのだが一向に帰ってこない事に不満をもらしているのだ。

「どこに行ったのかな~」
「お兄ちゃんトレントの所に行くとか言ってなかったっけ?」
「あ、そうか~。じゃあ行ってくるね。ジャンヌちゃんはシリカをお願いね!」
「う~私も行きたいけど。お兄ちゃんにも言われたから今回は譲る~」

 ジャンヌは頬を膨らませて不満顔でフローラを見送った。フローラは宙に浮いてナイトフォレストへと飛んでいった。







 しばらくナイトフォレストへと飛んでいたフローラはすぐに集団で前進している人達を目視した。

「あれ?何だろうあの人達。結構暗くなってきてるのに」

 フローラは首を傾げた。夕日は落ちて暗くなっているので普通ならば野営をするはずなのだが、その様子がない人達を見て首を傾げているのだ。

「よく見ると凄いいっぱいいる~。杖を持った人が魔法唱えてるけど魔物でもいたのかな?」

 集団はナイトフォレストに向かって魔力をかき集めだした。そして詠唱を唱えていって黒いマナを膨らませていく。

「まさか、ナイトフォレストに向かって放とうとしてるの?、ジーニちゃん!!」

 ナイトフォレストに向かって速度を上げたフローラだったがフローラは間に合わなかった。

 天を覆うほどの大きなマナが凝縮されて野球ボールほどまで小さくなりナイトフォレストに向かって高速で飛んでいった。そして天まで届くほどの閃光が見えてフローラは髪を逆立てるほどの怒りを感じて魔人に変身してしまう。

 ナイトフォレストへと向けられた悪意をジーニに向けられたものと思ってしまったのだろう。フローラの殺意は人間の集団へと向けられていく。

「何で、何でみんなジーニちゃんの邪魔をするの!!」

 フローラは人間の集団へと炎を纏って無数の[ファイアボール]と共に突進していった。五千以上はいる軍を蹂躙していくフローラはこの日[紫炎]と恐れられていく。







「なんだ?どうしたのだ!」

 俺はこのエグバンの軍を任せられているサリバンだ。現在エルダートレントへと極大魔法を放って幻影を戻してきたところなのだが、俺の軍が一人の魔族?に蹂躙されているという事らしい。ナイトフォレストの子供に驚愕したばかりなのになんて日だ。

「サリバン様!撤退を!!」
「何を言っている。ただ一人の魔族に何故我々エグバンが後退しなくてはならないんだ!制圧しろ!」

 俺は今にも怯えて逃げてしまいそうな部下をたきつける。部下は仕方なく進軍の合図を空にうちあげた。

「それでいい!いかな一騎当千の武を持っていようともいつかは魔力が尽きる。数で押すのだ!!」

 俺は間違っていない。この時俺はそう思っていた。

 しかし過ちに気付くときはすぐにやってきた。

「うわ~」
「助けてくれ~炎だ!!奴は悪魔だ!誰もあの炎は消せない!!」

 すぐそこの兵士達の悲鳴が聞こえてくる。陣の幕に阻まれて姿は見えないが暗いはずの空が紫に照らされて不穏な月の光によって幕に照らした。

「助けてくれ!!」

 幕に手を掛けて倒れた兵士によって幕が倒れた。そして幕の先には紫火を纏った魔族がゆらゆらと体を揺らしながら俺を睨んできた。

「サリバン様!お下がりください!!」
「ここは我々が!!」

 俺を下がらそうとエグバンの10本の指に入る騎士、ユーラとルアが魔族の前に躍り出た。しかし・・・、

「ぐあ!」
「な、なんて強さだ・・・サリバン様お逃げください!!」
「ひい!!早い!。これでは私の魔法は間に合わん!」

 俺は魔法の詠唱を唱えながら後方に下がっていたのだが全然間に合わなかった。紫火はゆっくりとこちらに歩いてきている。

「・・魔法を使ってみろという事か!!」
「・・・」

 魔族の女は今もゆっくりと歩いて来ていた。まるで俺の魔法が見たいと言わんばかりに。

「後悔させてやる!![スパークハリケーン]!!」

 上級魔法のスパークハリケーンだ。これを食らったらハイオーガですら灰になって消し飛ぶ。

 雷を纏った竜巻が魔族を襲った。俺や周りにいた兵士達はホッと胸をなで下ろした。

「助かった・・・」
「流石サリバン様だ」

 俺達は安堵してナイトフォレストに目を向ける。まだあの子供が残っている。そしてエルダートレントも。

「あ!!、あああああ~~~」
「そんな!まさか!!」

 スパークハリケーンの発生している方を見て兵士達が絶望している。俺は恐怖に勝てずにその方向に体が向いて行く。

「ああ!!何故だ!あの魔法で何故立っている!」

 俺のズボンは水にぬれた。こんな事は生まれて初めてだ。恐怖で下半身を濡らすなど・・・。

 しかし恥ずかしさなどこの恐怖で塗り替えられていく。紫の火を纏った魔族の女は竜巻の中で笑ったように見えた。

 それが俺の最後の記憶だ。

 
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