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第1章 成長
第3話 ダンジョン報酬
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「やっと動けるようになった」
しばらく目を瞑って回復に専念してると、体が動くようになった。あたりを見回すと狼の肉片があたりに散らばってる。
痛みと狼の恐怖で周りは見えていなかったけど、ダンジョンの最深部はまるで内臓の中みたいな内装。脈打つ壁に地面、悪趣味と言わざる負えない。
「ひ!? 大きな斧を持った豚人間!?」
興味津々とダンジョンの中を見ていると化け物が現れる。私を見るや否や駆け込んでくる。
彼の表情はとてもうれしそうでよだれが凄い。私を食べ物と思っているみたい。
「いや~!【我がマナを糧に敵を穿て。【ファイアアロー】【ファイアアロー】【ファイアアロー】【ファイアアロー】】」
豚人間が動かなくなるまで魔法を唱える。彼は一発目で頭が吹っ飛び、二つ目で胴体が消えた。三つ目はダンジョンの壁に当たり、四つ目は地面に当たった。煌々と燃えるファイアアロー、胃の中で使ったファイアアローよりも強くなってるように感じる。
「……主を倒した時にレベルが上がってるんだった」
あの狼を倒した時にレベルが上がったどのくらい上がったのか確認すると20レベルも上がってた。
狼は私の倍以上も強かったんだ。それなのに倒せた。エクスプロージョンがどれだけ凄い魔法なのかがわかる。外では使わないようにしないとダメだな。
「……とにかく出口を探さなくちゃ。武器も持っておこう」
さっき倒した豚人間の大きな斧と盾を持つ。ないよりはましと思ったけど、斧は大きすぎて振り回しにくい。私よりも大きな斧、地面にしょっちゅう当たる。それでもあるとないとじゃ気持ちが違う。
「き、来た!?」
豚人間と小さな狼の魔物が現れた。私をひと飲みにした狼とは大きさが違う。トラウマを感じたけど、手が勝手に動いて大きな斧を振りかざす。
ドスン! そんな音と共に狼の頭を砕く。見事にぺっちゃんこ。それを見ていた豚人間はうろたえながらも大きな斧を振り上げてくる。
「ひぃ!?」
振り上げた大きな斧が振り下ろされる。私はそれを盾で受け止める。軽い? こんなに軽いの? 私はそう思いながら豚人間を見上げる。彼は顔を青くさせて逃げようと背中を向けてきた。
「……逃げるんだ。私って強いんだな~」
自分の姿を見て首を傾げる。
私はかなり強くなってしまったみたい。魔物が私に恐怖を感じて逃げていった。これが証拠。
「私の人生。どうなっちゃうんだろう……」
化け物認定されたことにショックを感じてトボトボと歩き出す。まあ、とにかくこのダンジョンから出ないとね。まずはそこから。
前向きに気持ちを切り替えて元気に歩き出す。何度か豚人間と狼にあったんだけど、豚人間は逃げていく。狼は何も考えずに噛みつこうとしてきたので頭をパンッてしてあげた。
そして、とうとうダンジョンの出口っぽい所にたどり着いた。
「大きな扉、開いてる?」
とても大きな扉。とても人が開けるとは思えない大きさの扉だ。金の装飾がされていてとても高そう。地球に持ち帰れたらさぞ楽しいだろうと妄想してしまう。涎が思わず出てきちゃった。
「ここからあの狼が出てきちゃったってことかな?」
推測を口に出しながら扉の中に入る。主を倒したと知らせてくれた。主ってことはボスってことで、この部屋はそのボス部屋っぽいと勝手に思った。
ダンジョンのボスは普通、部屋から出ないって言ってた。ダンジョンに潜りに来た冒険者がそんな話をしてた。
冒険者は人の依頼で食べてる人たちのこと、私はそんな人たちに憧れがあった。村の人の困りごとも解決していて、ヒーローみたいだったから。今世の両親も冒険者だったし、私も冒険者になるんだろうって、勝手に思ってた。
まさか、ダンジョンの生贄に捧げられるなんてこれっぽっちも思ってなかったな~。
「あ、宝箱」
ダンジョンの最後にはボスと宝箱。そんな噂を信じて冒険者は命を落としていった。私が初めての制覇者。なんだか感慨深いな~。
「本に剣?」
宝箱にはへんてこな装飾がされている本とこれまた豪華な装飾のされた剣が入っていた。
ダンジョンの最後のお宝、かなり凄いアイテムなんだろうな。
「えっと? 【インベントリの書】と【魔剣ダモクレス】……なんだか凄そう」
本の表紙と剣を見つめると名前が浮かび上がる。普通に本は書いてるんだけど、魔剣はまるでゲームのように名前が浮かび上がる。名前が仰々しくてこの場に置いていきたくなる。
だけど、貧乏性の私は魔剣を腰に差す。服は狼の皮をかぶっているだけでヌメヌメしてるけど、魔剣だけは高価な感じになった。盾は大きすぎて似合わないけど、とりあえず持っておこうかな。
「インベントリの書はどうすればいいのかな? え? 魔法?」
魔剣を腰に差して本の方を見つめる。すると勝手に頭に言葉が浮かび上がる。
「【インベントリ】 わっ!?」
浮かび上がってきた言葉をつぶやくと目の前に黒い小窓が現れる。現れるとインベントリの書が吸い込まれていく。
アイテムをしまうことのできる小窓っていうわけね。凄い魔法。
「剣と盾をしまっておこ。斧もしまっちゃおうかな。何かで使うかもしれないし」
貧乏性なので捨てられない。とりあえずとっておこう。
「あ! クリスタルだ。冒険者さん達の言っていた通り」
宝箱があったところから更に奥に入ると大人程の大きさのクリスタルが浮いていた。
ダンジョンの一定の階層にはこういったクリスタルが存在する。それに触れると地上に帰ることができる。また一階からスタートなので面倒だって言ってたっけ。
私には関係ない。早く日の下に戻りたい。
しばらく目を瞑って回復に専念してると、体が動くようになった。あたりを見回すと狼の肉片があたりに散らばってる。
痛みと狼の恐怖で周りは見えていなかったけど、ダンジョンの最深部はまるで内臓の中みたいな内装。脈打つ壁に地面、悪趣味と言わざる負えない。
「ひ!? 大きな斧を持った豚人間!?」
興味津々とダンジョンの中を見ていると化け物が現れる。私を見るや否や駆け込んでくる。
彼の表情はとてもうれしそうでよだれが凄い。私を食べ物と思っているみたい。
「いや~!【我がマナを糧に敵を穿て。【ファイアアロー】【ファイアアロー】【ファイアアロー】【ファイアアロー】】」
豚人間が動かなくなるまで魔法を唱える。彼は一発目で頭が吹っ飛び、二つ目で胴体が消えた。三つ目はダンジョンの壁に当たり、四つ目は地面に当たった。煌々と燃えるファイアアロー、胃の中で使ったファイアアローよりも強くなってるように感じる。
「……主を倒した時にレベルが上がってるんだった」
あの狼を倒した時にレベルが上がったどのくらい上がったのか確認すると20レベルも上がってた。
狼は私の倍以上も強かったんだ。それなのに倒せた。エクスプロージョンがどれだけ凄い魔法なのかがわかる。外では使わないようにしないとダメだな。
「……とにかく出口を探さなくちゃ。武器も持っておこう」
さっき倒した豚人間の大きな斧と盾を持つ。ないよりはましと思ったけど、斧は大きすぎて振り回しにくい。私よりも大きな斧、地面にしょっちゅう当たる。それでもあるとないとじゃ気持ちが違う。
「き、来た!?」
豚人間と小さな狼の魔物が現れた。私をひと飲みにした狼とは大きさが違う。トラウマを感じたけど、手が勝手に動いて大きな斧を振りかざす。
ドスン! そんな音と共に狼の頭を砕く。見事にぺっちゃんこ。それを見ていた豚人間はうろたえながらも大きな斧を振り上げてくる。
「ひぃ!?」
振り上げた大きな斧が振り下ろされる。私はそれを盾で受け止める。軽い? こんなに軽いの? 私はそう思いながら豚人間を見上げる。彼は顔を青くさせて逃げようと背中を向けてきた。
「……逃げるんだ。私って強いんだな~」
自分の姿を見て首を傾げる。
私はかなり強くなってしまったみたい。魔物が私に恐怖を感じて逃げていった。これが証拠。
「私の人生。どうなっちゃうんだろう……」
化け物認定されたことにショックを感じてトボトボと歩き出す。まあ、とにかくこのダンジョンから出ないとね。まずはそこから。
前向きに気持ちを切り替えて元気に歩き出す。何度か豚人間と狼にあったんだけど、豚人間は逃げていく。狼は何も考えずに噛みつこうとしてきたので頭をパンッてしてあげた。
そして、とうとうダンジョンの出口っぽい所にたどり着いた。
「大きな扉、開いてる?」
とても大きな扉。とても人が開けるとは思えない大きさの扉だ。金の装飾がされていてとても高そう。地球に持ち帰れたらさぞ楽しいだろうと妄想してしまう。涎が思わず出てきちゃった。
「ここからあの狼が出てきちゃったってことかな?」
推測を口に出しながら扉の中に入る。主を倒したと知らせてくれた。主ってことはボスってことで、この部屋はそのボス部屋っぽいと勝手に思った。
ダンジョンのボスは普通、部屋から出ないって言ってた。ダンジョンに潜りに来た冒険者がそんな話をしてた。
冒険者は人の依頼で食べてる人たちのこと、私はそんな人たちに憧れがあった。村の人の困りごとも解決していて、ヒーローみたいだったから。今世の両親も冒険者だったし、私も冒険者になるんだろうって、勝手に思ってた。
まさか、ダンジョンの生贄に捧げられるなんてこれっぽっちも思ってなかったな~。
「あ、宝箱」
ダンジョンの最後にはボスと宝箱。そんな噂を信じて冒険者は命を落としていった。私が初めての制覇者。なんだか感慨深いな~。
「本に剣?」
宝箱にはへんてこな装飾がされている本とこれまた豪華な装飾のされた剣が入っていた。
ダンジョンの最後のお宝、かなり凄いアイテムなんだろうな。
「えっと? 【インベントリの書】と【魔剣ダモクレス】……なんだか凄そう」
本の表紙と剣を見つめると名前が浮かび上がる。普通に本は書いてるんだけど、魔剣はまるでゲームのように名前が浮かび上がる。名前が仰々しくてこの場に置いていきたくなる。
だけど、貧乏性の私は魔剣を腰に差す。服は狼の皮をかぶっているだけでヌメヌメしてるけど、魔剣だけは高価な感じになった。盾は大きすぎて似合わないけど、とりあえず持っておこうかな。
「インベントリの書はどうすればいいのかな? え? 魔法?」
魔剣を腰に差して本の方を見つめる。すると勝手に頭に言葉が浮かび上がる。
「【インベントリ】 わっ!?」
浮かび上がってきた言葉をつぶやくと目の前に黒い小窓が現れる。現れるとインベントリの書が吸い込まれていく。
アイテムをしまうことのできる小窓っていうわけね。凄い魔法。
「剣と盾をしまっておこ。斧もしまっちゃおうかな。何かで使うかもしれないし」
貧乏性なので捨てられない。とりあえずとっておこう。
「あ! クリスタルだ。冒険者さん達の言っていた通り」
宝箱があったところから更に奥に入ると大人程の大きさのクリスタルが浮いていた。
ダンジョンの一定の階層にはこういったクリスタルが存在する。それに触れると地上に帰ることができる。また一階からスタートなので面倒だって言ってたっけ。
私には関係ない。早く日の下に戻りたい。
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