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第1章 成長
第42話 レベル上げ
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「はぁはぁ」
ユマ君を助けて戻ってくると早速ダンジョンに入ってもらった。よるということもあって眠そうだったけど、彼はやる気を見せてゴブリンと戦う。
「水の魔法が得意なのかな?」
「ウォッシュは光魔法みたいなんです。それで司祭のロンドがしつこく誘ってきてて」
ウォッシュは水の魔法だと思ったら光魔法だったみたい。教会は光魔法に熱心だと聞いてる。それなら狙われたのは納得だな~。
「ギャギャ!」
「【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が敵を穿て】【シャインアロー】」
ゴブリンが襲い掛かってくるとユマ君が魔法を唱える。ロンドに教えてもらった詠唱を唱えて光の矢を放つ。矢はゴブリンを貫いて後ろの地面に落ちる。
「れ、レベル上がりました……。ス~ス~」
三匹目のゴブリンを倒すとユマ君は後ろに倒れてそのまま目を瞑ってしまう。可愛い寝顔を見せて眠る彼を私はおんぶしてダンジョンを出た。
「まだまだ軽いね」
ステータスが高いから軽く感じているんだろう。それを嬉しく思う。まだまだ彼は成長できるから。改めて私は大きくなれないことに悲しみを覚える。
「カギ閉めてない……」
私達の部屋に入れるわけにもいかないので男子の部屋のドアノブに触れる。すると開いてしまって呆れの声をもらす。
ぐっすり眠ってるみんな。私を信頼しているのか。それとも子供だから起きていられなかったのか。
「よいしょっと」
ベッドの空いている箇所にユマ君を横にする。ラッドもドンタ君もドロップ君も気づかずにいびきをかいてる。
「これでよし。ウォッシュで綺麗にもしてるから汚くもない」
私もウォッシュで綺麗にしてる。こんな便利な魔法はないね。
ロンドの死体や血もウォッシュで綺麗にしてるし。死体なんてイーターにあげてポイントにしてる。100ポイントになるのは確かに美味しいかもしれないな~。これから私の邪魔をしてきた人はいなくなってもらおうかな。
って私はそんな恐ろしい存在になる気はない。でも、危害を加えてくるならそれに答えるだけ。この子達が傷つく可能性もある。回復魔法を早く覚えないとな。
「ふぁ~。流石に私も眠いや」
みんなの寝顔をみているとさすがに眠くなってきた。もう日が昇りそうだけど、少しでも寝ておこ。
「ファムお姉ちゃ~ん」
「朝だよ~」
「ん、もう少しだけ~」
ムムちゃんとナナちゃんが眠る私の上に乗って声をあげる。体をゆすってきて絶対に起こす気概を感じる。仕方なく体を起こすとラッドがにっこりと笑って抱きしめてきた。
「ありがとうファム。ほんとファムがいてくれてよかった」
涙目でお礼を言ってくるラッド。何のことかと思ったらユマ君のことだった。眠すぎて頭が回らない。
「ラッドはファム様が好きすぎるね」
「な!? 違うって言ってるだろ。ファムは俺の目標ってだけだ!」
抱きしめられてそのまま目を瞑っているとレイブンにラッドがからかわれてる。眠すぎて気にしていられない。彼の体温が更に私を夢の世界に運ぶ。
「はいはい。みんな~、ごはんを食べなさい。ご飯を食べないと大きくなれないよ!」
ネネさんが見かねて声をかけてくれる。彼女の声でみんな食堂にかけていく。私はネネさんに預けられる。
「まったく、小さいのに凄い子だね」
ネネさんの優しい声が聞こえる。その声を聞いて更に舟をこぐ私。
「ん~……よく寝た~」
子供の体だからか、少し夜更かしをしただけでお昼まで寝てしまった。体を起こして周りを見ると誰もいない。ユマ君には洗濯屋の仕事を当分休んでもらおうと思ってる。だから、宿屋にいるはずなんだけど?
「あ、マスターが起きてきたよ」
「イーターも手伝ってるの?」
姿を隠さずにイーターが食堂の掃除をしてる。私達以外のお客さんは断ってくれてる。実質、これからは私達の貸し切りになる。それでも間違って誰かが入ってくるかもしれないから、彼女には姿を隠してほしいんだけどな。まあ、手伝ってるなら仕方ないけど。
「ファム姉さん」
「あ、ユマ君。体はどう?」
「絶好調だよ。レベルが上がったら調子が更によくなってステータスもみてください」
ユマ君が嬉しそうにステータスを見せてくる。その数字は凄いものだった。
ーーーーー
ユマ 5歳 LV 2
職業 聖職者
HP 20
MP 4000
STR 20
DEF 20
DEX 16
AGI 18
MND 1500
INT 1500
ーーーーー
魔法関係のステータスが恐ろしい速度で上がってる。すぐに私を追い越してしまうだろう。ユマ君は特殊な才能を持った子なのかもしれない。
「凄いなユマ君は」
私は思わず彼の頭を撫でる。彼は恥ずかしそうにそれを受け入れて嬉しそうに笑った。
「ラッド達は?」
ふと周りを見回すとラッドとレイブンがいなかった。ネーナちゃん達はいつも通り、ネネさんのお手伝い。
もしかして、ラッドとレイブンはダンジョンに入ってるのかな?
「冒険者ギルドで薬草と毒消し草の納品依頼を受けてダンジョンに入ってますよ」
「やっぱり……私をのけ者にして」
ユマ君が教えてくれる。私は不貞腐れながらダンジョンの入り口の祠へ向かう。ユマ君もついてきて『ファムを超えるんだ』って言ってましたよ。と報告してくれる。
目標は大きければ大きいほどいいと思うけど、私はやりすぎだよ。せめてトロールを倒すくらいでいいと思う。
ユマ君を助けて戻ってくると早速ダンジョンに入ってもらった。よるということもあって眠そうだったけど、彼はやる気を見せてゴブリンと戦う。
「水の魔法が得意なのかな?」
「ウォッシュは光魔法みたいなんです。それで司祭のロンドがしつこく誘ってきてて」
ウォッシュは水の魔法だと思ったら光魔法だったみたい。教会は光魔法に熱心だと聞いてる。それなら狙われたのは納得だな~。
「ギャギャ!」
「【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が敵を穿て】【シャインアロー】」
ゴブリンが襲い掛かってくるとユマ君が魔法を唱える。ロンドに教えてもらった詠唱を唱えて光の矢を放つ。矢はゴブリンを貫いて後ろの地面に落ちる。
「れ、レベル上がりました……。ス~ス~」
三匹目のゴブリンを倒すとユマ君は後ろに倒れてそのまま目を瞑ってしまう。可愛い寝顔を見せて眠る彼を私はおんぶしてダンジョンを出た。
「まだまだ軽いね」
ステータスが高いから軽く感じているんだろう。それを嬉しく思う。まだまだ彼は成長できるから。改めて私は大きくなれないことに悲しみを覚える。
「カギ閉めてない……」
私達の部屋に入れるわけにもいかないので男子の部屋のドアノブに触れる。すると開いてしまって呆れの声をもらす。
ぐっすり眠ってるみんな。私を信頼しているのか。それとも子供だから起きていられなかったのか。
「よいしょっと」
ベッドの空いている箇所にユマ君を横にする。ラッドもドンタ君もドロップ君も気づかずにいびきをかいてる。
「これでよし。ウォッシュで綺麗にもしてるから汚くもない」
私もウォッシュで綺麗にしてる。こんな便利な魔法はないね。
ロンドの死体や血もウォッシュで綺麗にしてるし。死体なんてイーターにあげてポイントにしてる。100ポイントになるのは確かに美味しいかもしれないな~。これから私の邪魔をしてきた人はいなくなってもらおうかな。
って私はそんな恐ろしい存在になる気はない。でも、危害を加えてくるならそれに答えるだけ。この子達が傷つく可能性もある。回復魔法を早く覚えないとな。
「ふぁ~。流石に私も眠いや」
みんなの寝顔をみているとさすがに眠くなってきた。もう日が昇りそうだけど、少しでも寝ておこ。
「ファムお姉ちゃ~ん」
「朝だよ~」
「ん、もう少しだけ~」
ムムちゃんとナナちゃんが眠る私の上に乗って声をあげる。体をゆすってきて絶対に起こす気概を感じる。仕方なく体を起こすとラッドがにっこりと笑って抱きしめてきた。
「ありがとうファム。ほんとファムがいてくれてよかった」
涙目でお礼を言ってくるラッド。何のことかと思ったらユマ君のことだった。眠すぎて頭が回らない。
「ラッドはファム様が好きすぎるね」
「な!? 違うって言ってるだろ。ファムは俺の目標ってだけだ!」
抱きしめられてそのまま目を瞑っているとレイブンにラッドがからかわれてる。眠すぎて気にしていられない。彼の体温が更に私を夢の世界に運ぶ。
「はいはい。みんな~、ごはんを食べなさい。ご飯を食べないと大きくなれないよ!」
ネネさんが見かねて声をかけてくれる。彼女の声でみんな食堂にかけていく。私はネネさんに預けられる。
「まったく、小さいのに凄い子だね」
ネネさんの優しい声が聞こえる。その声を聞いて更に舟をこぐ私。
「ん~……よく寝た~」
子供の体だからか、少し夜更かしをしただけでお昼まで寝てしまった。体を起こして周りを見ると誰もいない。ユマ君には洗濯屋の仕事を当分休んでもらおうと思ってる。だから、宿屋にいるはずなんだけど?
「あ、マスターが起きてきたよ」
「イーターも手伝ってるの?」
姿を隠さずにイーターが食堂の掃除をしてる。私達以外のお客さんは断ってくれてる。実質、これからは私達の貸し切りになる。それでも間違って誰かが入ってくるかもしれないから、彼女には姿を隠してほしいんだけどな。まあ、手伝ってるなら仕方ないけど。
「ファム姉さん」
「あ、ユマ君。体はどう?」
「絶好調だよ。レベルが上がったら調子が更によくなってステータスもみてください」
ユマ君が嬉しそうにステータスを見せてくる。その数字は凄いものだった。
ーーーーー
ユマ 5歳 LV 2
職業 聖職者
HP 20
MP 4000
STR 20
DEF 20
DEX 16
AGI 18
MND 1500
INT 1500
ーーーーー
魔法関係のステータスが恐ろしい速度で上がってる。すぐに私を追い越してしまうだろう。ユマ君は特殊な才能を持った子なのかもしれない。
「凄いなユマ君は」
私は思わず彼の頭を撫でる。彼は恥ずかしそうにそれを受け入れて嬉しそうに笑った。
「ラッド達は?」
ふと周りを見回すとラッドとレイブンがいなかった。ネーナちゃん達はいつも通り、ネネさんのお手伝い。
もしかして、ラッドとレイブンはダンジョンに入ってるのかな?
「冒険者ギルドで薬草と毒消し草の納品依頼を受けてダンジョンに入ってますよ」
「やっぱり……私をのけ者にして」
ユマ君が教えてくれる。私は不貞腐れながらダンジョンの入り口の祠へ向かう。ユマ君もついてきて『ファムを超えるんだ』って言ってましたよ。と報告してくれる。
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