20 / 49
第一章 ジーニアスベル
第20話 エリカちゃん
しおりを挟む
トルトさんを見送って三日ほどが経った。前まで僕らの村を素通りしていた行商の馬車が行商の手形を見て止まってくれるようになった。
良かったなと思ったんだけど、ここで問題が発覚。宿屋がない!
「人の住む家ばかり作ってたからな~」
「そうだな~」
宿屋を作るという相談をするために家で話し中。
家づくりを先導してくれた難民の大工さん、ダンクさんと共にお父さんが頷く。
「みんなの家は全部出来たんでしたっけ?」
「ああ、張り切りすぎて多めに作っちまった」
「多い分には問題ないですね」
「ふむ、今から作るには問題ないが当分はその家を使ってもらうってことでいいんじゃないか?」
お父さんと共に考えだすダンクさん。確かにそうすれば宿屋の問題はなくなるかな?
「家具、ベッドがないのがいくつかあるが、それを作ればいいだけだしな。シーツも騎士団の連中が持ってきてくれてるし、藁を引けばすぐにできる」
「そうですか。じゃあ、すぐにでも取り掛かってもらって」
「おう。任せておけ。命を助けてもらった恩は一生をかけて返すぞ」
ダンクさんはガッツポーズをして家を後にする。
「ジーク、頼もしい人達ね」
「ああエリアス、あの戦いを生き残った人たちだからな」
大盾をもって矢の雨をしのいだ人達だもんな。強くならざる負えない。
「ジーニちゃんあそぼ~」
「あら、いらっしゃいエリカちゃん」
エリカちゃんが我が家にやってきた。王都に向かう時から仲良くなった彼女。僕の強さを最初に理解した子で理解者だな。
「今日はお母さんがお裁縫するから遊びに来てあげたよ~」
「ふふ、ありがと」
「バブ……」
エリカちゃんのお母さんは裁縫上手。繊細な作業を要する裁縫。彼女と遊びながらはできないことだよな~。
「ジーニちゃん! 今日はなにして遊ぶ?」
たまに遊ぶようになったエリカちゃんだけど、普通の遊びはつまらないと言ってくる。なので毎回、僕にしかできない遊びをする。
「わ~、高~い」
「バブ」
エリカちゃんを抱えて跳躍。屋根を飛び回っていく。ダンクさん達には普通に見られてるので驚くことなく笑ってくれる。
「城壁も作らんといけんが、魔石がないとどうせ進まん」
「そうっすね」
屋根の上からダンクさん達を見ているとなんか話してるのが聞こえてくる。魔石がないと城壁は作れないのか~。僕のをあげられたらいいんだけどな。
あれ? どうせ、みんなに強いのバレてるから出してもいいのか。じゃあ、
「!? なんじゃこの魔石の数は!?」
「親方! 上!」
「!? ジーニ様……」
屋根の上から魔石をマジックバッグから出す。ダンクさん達が驚いて声をあげてる。
「こ、これはあなたが?」
「バブ!」
「使ってよろしいんですか?」
「バブバブ!」
なぜか畏まって話しかけてくるダンクさん。頷いて答えると深くお辞儀をしてきた。
「では使わせていただきます。城壁に魔石を混ぜると強度がますのです。魔法にも強くなるのでこれだけあれば王都並みには出来るはず」
ダンクさんは目を輝かせて説明してくれる。なるほど、この世界は魔法があるんだよな。魔石が魔法に対する防御になるわけだ。なんかレアアースとかメタルな物質なんだな、魔石は。
「ジーニちゃん凄いね。魔石は魔物さんが落とすんでしょ? 全部倒したの?」
「バブ!」
「凄いな~。私もジーニちゃんみたいになりたいな~」
エリカちゃんの疑問に答えると彼女は俯いて呟いた。強さに憧れてるのか~、応援したいけど、そこは両親と要相談だよな~……。とおもうけど、
「バブ!」
「え? なにこれ~、ジュース?」
試練をしまくってため込んだ筋力の秘薬を手渡す。ジュースと思って蓋を開けるエリカちゃん。なんの疑いもなく口にしていく。
「わ~、おいし~。それに体があったか~い」
この世界の人もファイトな飲み物は口に合うみたいだ。エリカちゃんは美味しそうに飲み干していく。
「このジュースどこにあったの? もっと欲しい~」
「バブバブ」
「え? ダメ? ん~、ジーニちゃんがそういうならしょうがないかな、我慢するね」
欲しがるエリカちゃんに首を横に振って答えると我慢してくれた。彼女は我慢も出来る子なんだな。偉いな~。僕の小さな頃は欲しいほしいの一点張りだったけどな。って今は赤ん坊だけど。
「ありがとねジーニちゃん!」
腕を組んで感心していると不意に彼女がキスをしてくる。頬に温かな感触を感じて振り返ると顔を真っ赤にする彼女が笑っていた。
「じゃ、帰ろ」
「アイ……」
思わず惚けているとエリカちゃんが手を握ってきた。僕は力なく答えて彼女を抱える。少女とはいえ、不意にそんな頬にキスなんてされたら流石に惚けてしまうよ。
「ありがとジーニちゃん。ただいま~」
「お帰りなさい。エリカちゃんジーニ」
家に帰ってくるとエリカちゃんがお礼を言ってお母さんが迎えてくれた。家に入るといい匂いが鼻をくすぐる。
「おやつを作っておいたわよ。今日はハチミツが手に入ったから薄く焼いた生地にハチミツを挟んだの。美味しいわよ」
お母さんが嬉しそうに机に並べていく。クレープのハチミツを挟んだものって感じかな。美味しそうだが、アイスクリームが欲しくなるところだな。
「わぁ~。美味しそ~。食べていいの~?」
「いいわよ~。みんなで食べましょ」
僕を抱き上げたお母さんも席について一緒におやつ。と言っても僕はまだまだ固形物はダメだ……。早く、大人になりたい。
良かったなと思ったんだけど、ここで問題が発覚。宿屋がない!
「人の住む家ばかり作ってたからな~」
「そうだな~」
宿屋を作るという相談をするために家で話し中。
家づくりを先導してくれた難民の大工さん、ダンクさんと共にお父さんが頷く。
「みんなの家は全部出来たんでしたっけ?」
「ああ、張り切りすぎて多めに作っちまった」
「多い分には問題ないですね」
「ふむ、今から作るには問題ないが当分はその家を使ってもらうってことでいいんじゃないか?」
お父さんと共に考えだすダンクさん。確かにそうすれば宿屋の問題はなくなるかな?
「家具、ベッドがないのがいくつかあるが、それを作ればいいだけだしな。シーツも騎士団の連中が持ってきてくれてるし、藁を引けばすぐにできる」
「そうですか。じゃあ、すぐにでも取り掛かってもらって」
「おう。任せておけ。命を助けてもらった恩は一生をかけて返すぞ」
ダンクさんはガッツポーズをして家を後にする。
「ジーク、頼もしい人達ね」
「ああエリアス、あの戦いを生き残った人たちだからな」
大盾をもって矢の雨をしのいだ人達だもんな。強くならざる負えない。
「ジーニちゃんあそぼ~」
「あら、いらっしゃいエリカちゃん」
エリカちゃんが我が家にやってきた。王都に向かう時から仲良くなった彼女。僕の強さを最初に理解した子で理解者だな。
「今日はお母さんがお裁縫するから遊びに来てあげたよ~」
「ふふ、ありがと」
「バブ……」
エリカちゃんのお母さんは裁縫上手。繊細な作業を要する裁縫。彼女と遊びながらはできないことだよな~。
「ジーニちゃん! 今日はなにして遊ぶ?」
たまに遊ぶようになったエリカちゃんだけど、普通の遊びはつまらないと言ってくる。なので毎回、僕にしかできない遊びをする。
「わ~、高~い」
「バブ」
エリカちゃんを抱えて跳躍。屋根を飛び回っていく。ダンクさん達には普通に見られてるので驚くことなく笑ってくれる。
「城壁も作らんといけんが、魔石がないとどうせ進まん」
「そうっすね」
屋根の上からダンクさん達を見ているとなんか話してるのが聞こえてくる。魔石がないと城壁は作れないのか~。僕のをあげられたらいいんだけどな。
あれ? どうせ、みんなに強いのバレてるから出してもいいのか。じゃあ、
「!? なんじゃこの魔石の数は!?」
「親方! 上!」
「!? ジーニ様……」
屋根の上から魔石をマジックバッグから出す。ダンクさん達が驚いて声をあげてる。
「こ、これはあなたが?」
「バブ!」
「使ってよろしいんですか?」
「バブバブ!」
なぜか畏まって話しかけてくるダンクさん。頷いて答えると深くお辞儀をしてきた。
「では使わせていただきます。城壁に魔石を混ぜると強度がますのです。魔法にも強くなるのでこれだけあれば王都並みには出来るはず」
ダンクさんは目を輝かせて説明してくれる。なるほど、この世界は魔法があるんだよな。魔石が魔法に対する防御になるわけだ。なんかレアアースとかメタルな物質なんだな、魔石は。
「ジーニちゃん凄いね。魔石は魔物さんが落とすんでしょ? 全部倒したの?」
「バブ!」
「凄いな~。私もジーニちゃんみたいになりたいな~」
エリカちゃんの疑問に答えると彼女は俯いて呟いた。強さに憧れてるのか~、応援したいけど、そこは両親と要相談だよな~……。とおもうけど、
「バブ!」
「え? なにこれ~、ジュース?」
試練をしまくってため込んだ筋力の秘薬を手渡す。ジュースと思って蓋を開けるエリカちゃん。なんの疑いもなく口にしていく。
「わ~、おいし~。それに体があったか~い」
この世界の人もファイトな飲み物は口に合うみたいだ。エリカちゃんは美味しそうに飲み干していく。
「このジュースどこにあったの? もっと欲しい~」
「バブバブ」
「え? ダメ? ん~、ジーニちゃんがそういうならしょうがないかな、我慢するね」
欲しがるエリカちゃんに首を横に振って答えると我慢してくれた。彼女は我慢も出来る子なんだな。偉いな~。僕の小さな頃は欲しいほしいの一点張りだったけどな。って今は赤ん坊だけど。
「ありがとねジーニちゃん!」
腕を組んで感心していると不意に彼女がキスをしてくる。頬に温かな感触を感じて振り返ると顔を真っ赤にする彼女が笑っていた。
「じゃ、帰ろ」
「アイ……」
思わず惚けているとエリカちゃんが手を握ってきた。僕は力なく答えて彼女を抱える。少女とはいえ、不意にそんな頬にキスなんてされたら流石に惚けてしまうよ。
「ありがとジーニちゃん。ただいま~」
「お帰りなさい。エリカちゃんジーニ」
家に帰ってくるとエリカちゃんがお礼を言ってお母さんが迎えてくれた。家に入るといい匂いが鼻をくすぐる。
「おやつを作っておいたわよ。今日はハチミツが手に入ったから薄く焼いた生地にハチミツを挟んだの。美味しいわよ」
お母さんが嬉しそうに机に並べていく。クレープのハチミツを挟んだものって感じかな。美味しそうだが、アイスクリームが欲しくなるところだな。
「わぁ~。美味しそ~。食べていいの~?」
「いいわよ~。みんなで食べましょ」
僕を抱き上げたお母さんも席について一緒におやつ。と言っても僕はまだまだ固形物はダメだ……。早く、大人になりたい。
58
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活
アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。
妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。
貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。
しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。
小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる