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第二章 フェイク
第28話 双子のヴァンパイア
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嫌な予感がしていた通り、縦穴の無数の横穴から蟻や蜘蛛の魔物が這い出てきていた。蝙蝠の魔物も加わって文字通り、僕らに降りかかってくる。
「ダブダブダブ~【バイボ~】」
僕はつかさず聖属性の魔法【ライト】通常は光を照らすだけの魔法を唱える。僕の魔法は普通よりもかなり強くなってる。照らすだけの魔法が魔物に対しては、強力な結界みたいにダメージを与えることが出来る。魔物は僕の魔法を受けてボトボトと落ちてくる。
「ジーニ様! 流石です!」
魔物を倒しているとデシウスさんが褒めてくる。だけど、そんな悠長なことをしている場合じゃない。
「!? 横からも来てる! みんな応戦して!」
ララちゃんが気配に気づいて声をあげる。同時に松明を横の通路に放り投げると人ほどの大きさの蛇の魔物がノソノソと集まってくる。
「魔物を育てて配下に加える。昔から変わらないな、ヴァンパイアは」
剣を引き抜いてデシウスさんが蛇たちへと切りかかる。ちぎっては投げちぎっては投げ、流れるように蹴散らしていく。お父さんよりも強いんじゃないかな? そういえば、デシウスさんのレベルを聞いてなかった。50年は生きているエルフさんだから、相当強いかもな。
『はははは、どうだ? お客人。歓迎は楽しいか?』
『シャル兄さん。どうせ死んでいるよ』
『ははは、そうだろうな、ソル。赤ん坊なんて真っ先に死んでいるだろうな』
魔物達を蹴散らしていると空から声が聞こえてくる。縦穴の上を見上げると光が見える。相当深くまで落とされたみたいだな。
でも、あの双子は完全に僕らを舐めていたみたいだな。
『ん? 静かになったな。そろそろ降りても大丈夫か?』
『兄さん。早く済ませないとヤゾの兄貴に全部取られちゃうから急ごう』
『おお、そうだった。ヤゾの兄貴がいない間に美味しい思いができると思って”奴”の話に乗ったんだったな』
魔物を全部始末すると上からの声がはっきりと聞こえてくる。みんなで顔を見合うと笑顔になる。
「降りてきたら捕まえよう」
「了解」
「バブ!」
お父さんの提案にデシウスさんが頷いて答える。僕も思わず黒い笑みを浮かべて声をあげちゃった。
「さてさて、死体はどこだ~」
「シャル兄さん。赤ん坊は僕が貰ってもいいかい?」
「ははは、仕方ないなソルは。今回だけだぞ」
「やった~、兄さん大好き」
抱き合う双子。シャルとソルって言う名前なのか。中性的な顔でカッコいいのに、なんかもったいないな。
「ん? 死体が見当たらない。魔石ばかりが……」
「兄さん!? こいつら生きてる!?」
「何!?」
蛇が出てきた通路に身を隠していたけど、双子が降りるのを確認して出てきた。背中に羽根を生やして降りてきたみたいで更にかっこよくなってるな。
「この数の魔物を倒すとはやるな。しかし、俺達には勝てんぞ」
「ふふ、ヴァンパイアの貴族の力を見せてやる」
双子は腕を噛み合う。血液が腕から垂れると鋭い刃に変わっていく。ヤゾとか言っていたけど、奴と同じ攻撃を使うんだな。
「気をつけてください。ヴァンパイアは血の魔法を使います」
デシウスさんはそういってシャルへと切りかかる。同時にお父さんがソルへと切りかかると双子は冷や汗を見せる。
「人がこのレベルに到達するとは!?」
「まさか!? 兄さん! ヤゾの兄貴が期日に帰ってこなかったのって!?」
「……そのまさかかもしれん」
双子は推測に顔を青ざめさせる。お父さんもデシウスさんも想像よりも強いみたいだ。
「戦いながら会話とは余裕だな」
「ん、私もいるの忘れてる」
デシウスさんが切りつけながら話すとララちゃんが横からシャルへと切りかかる。彼女の武器は短剣、素早い攻撃がシャルの体を傷つけていく。
「に、兄さん!?」
「よそ見はダメだな!」
「ぐあ!?」
ソルがシャルを心配して隙を作った。お父さんはそれを見逃さずに足を切りつける。片足になったソルはシャルへと飛び跳ねる。
「ソル!? き、貴様ら!? 生きて出られるとおもうなよ」
「出れるさ、お前達に出してもらう」
ソルを抱きしめるシャルが声をあげるとお父さんが剣を突きつける。動けないソルを抱えて勝てるわけがない。シャルは苦虫を嚙み潰したような顔で頭垂れた。
「……い、命だけは」
「兄さん」
命乞いをするシャルにソルは涙してる。
「……とにかく、俺たちをここから出せ。話はその次だ」
「……わかった。俺が一人づつあげる。ソルは足を治させてくれ」
「……いいだろう。何かしたら弟の命はないからな」
「ああ」
シャルはお父さんの要求に答えて、僕を抱きかかえるララちゃんをお姫様抱っこで抱き上げる。ララちゃんは短剣を構えてるけど、用心に越したことはないよな。
「こ、これでいいか?」
「ありがとよ」
「じゃ、じゃあ。俺達は」
「待て」
「「……」」
みんなを縦穴から出してすぐに立ち去ろうとする双子。お父さんが引き止めるとゆっくりと僕らへと振り返る。
「このまま帰すわけには行かない。お前達、人を食べているだろ?」
「「……」」
ヴァンパイアは人の血を好んで食べる。もちろん、動物の血でも大丈夫だろうけど、一人も人を食べていないなんてあり得ないだろうな。こんな世界だしね。
「人は食べたが盗賊ばかりだ。町なんかで狩ると騒ぎになって大変だからな。はぐれを狩ることにしてた」
「村なんかの狩りはヤゾの兄貴が勝手にやってたことばかりだ」
僕の倒したヤゾがやられてると思ってるから口が軽いな。まあ、ほんとに死んでるんだけどね。
双子の話を聞いてみんな考え込む。
「親玉みたいなのがいたということか」
「それが私の両親を殺したヴァンパイアだろう。それは確かに死んでいるはず、ジーニ様によって」
「ってことはこいつらは仇じゃないってことだよな。ってことは言っていることは間違いないか」
コソコソとお父さんとデシウスさんと話してる。ララちゃんも頷いて聞いてるな。
「兄さん、この隙に逃げよう」
「ダメだソル。逃げられる気がしない。俺達の運を信じろ」
「兄さん……」
シャルたちは天に祈りを捧げてお父さん達の話を待ってる。この人達はいい人なのかな? それにしては赤ん坊は僕が食べる~みたいなこと言ってたよな。盗賊ばかりで一般人は本当にこれが初めてなのか?
「契約をしよう」
「「契約!?」」
「俺達に人のペットになれと言うのか!」
お父さんの提案に双子が絶叫をあげる。契約か~。誰のものになるんだろう?
「主人はジーニ様?」
「ああ、俺は魔力が少ないからな。ヴァンパイアを使役なんてできん」
「バブ!?」
デシウスさんの話にお父さんが僕を見て話した。僕は思わず首を傾げる。こんなイケメンヴァンパイアいらないよ~。
「ダブダブダブ~【バイボ~】」
僕はつかさず聖属性の魔法【ライト】通常は光を照らすだけの魔法を唱える。僕の魔法は普通よりもかなり強くなってる。照らすだけの魔法が魔物に対しては、強力な結界みたいにダメージを与えることが出来る。魔物は僕の魔法を受けてボトボトと落ちてくる。
「ジーニ様! 流石です!」
魔物を倒しているとデシウスさんが褒めてくる。だけど、そんな悠長なことをしている場合じゃない。
「!? 横からも来てる! みんな応戦して!」
ララちゃんが気配に気づいて声をあげる。同時に松明を横の通路に放り投げると人ほどの大きさの蛇の魔物がノソノソと集まってくる。
「魔物を育てて配下に加える。昔から変わらないな、ヴァンパイアは」
剣を引き抜いてデシウスさんが蛇たちへと切りかかる。ちぎっては投げちぎっては投げ、流れるように蹴散らしていく。お父さんよりも強いんじゃないかな? そういえば、デシウスさんのレベルを聞いてなかった。50年は生きているエルフさんだから、相当強いかもな。
『はははは、どうだ? お客人。歓迎は楽しいか?』
『シャル兄さん。どうせ死んでいるよ』
『ははは、そうだろうな、ソル。赤ん坊なんて真っ先に死んでいるだろうな』
魔物達を蹴散らしていると空から声が聞こえてくる。縦穴の上を見上げると光が見える。相当深くまで落とされたみたいだな。
でも、あの双子は完全に僕らを舐めていたみたいだな。
『ん? 静かになったな。そろそろ降りても大丈夫か?』
『兄さん。早く済ませないとヤゾの兄貴に全部取られちゃうから急ごう』
『おお、そうだった。ヤゾの兄貴がいない間に美味しい思いができると思って”奴”の話に乗ったんだったな』
魔物を全部始末すると上からの声がはっきりと聞こえてくる。みんなで顔を見合うと笑顔になる。
「降りてきたら捕まえよう」
「了解」
「バブ!」
お父さんの提案にデシウスさんが頷いて答える。僕も思わず黒い笑みを浮かべて声をあげちゃった。
「さてさて、死体はどこだ~」
「シャル兄さん。赤ん坊は僕が貰ってもいいかい?」
「ははは、仕方ないなソルは。今回だけだぞ」
「やった~、兄さん大好き」
抱き合う双子。シャルとソルって言う名前なのか。中性的な顔でカッコいいのに、なんかもったいないな。
「ん? 死体が見当たらない。魔石ばかりが……」
「兄さん!? こいつら生きてる!?」
「何!?」
蛇が出てきた通路に身を隠していたけど、双子が降りるのを確認して出てきた。背中に羽根を生やして降りてきたみたいで更にかっこよくなってるな。
「この数の魔物を倒すとはやるな。しかし、俺達には勝てんぞ」
「ふふ、ヴァンパイアの貴族の力を見せてやる」
双子は腕を噛み合う。血液が腕から垂れると鋭い刃に変わっていく。ヤゾとか言っていたけど、奴と同じ攻撃を使うんだな。
「気をつけてください。ヴァンパイアは血の魔法を使います」
デシウスさんはそういってシャルへと切りかかる。同時にお父さんがソルへと切りかかると双子は冷や汗を見せる。
「人がこのレベルに到達するとは!?」
「まさか!? 兄さん! ヤゾの兄貴が期日に帰ってこなかったのって!?」
「……そのまさかかもしれん」
双子は推測に顔を青ざめさせる。お父さんもデシウスさんも想像よりも強いみたいだ。
「戦いながら会話とは余裕だな」
「ん、私もいるの忘れてる」
デシウスさんが切りつけながら話すとララちゃんが横からシャルへと切りかかる。彼女の武器は短剣、素早い攻撃がシャルの体を傷つけていく。
「に、兄さん!?」
「よそ見はダメだな!」
「ぐあ!?」
ソルがシャルを心配して隙を作った。お父さんはそれを見逃さずに足を切りつける。片足になったソルはシャルへと飛び跳ねる。
「ソル!? き、貴様ら!? 生きて出られるとおもうなよ」
「出れるさ、お前達に出してもらう」
ソルを抱きしめるシャルが声をあげるとお父さんが剣を突きつける。動けないソルを抱えて勝てるわけがない。シャルは苦虫を嚙み潰したような顔で頭垂れた。
「……い、命だけは」
「兄さん」
命乞いをするシャルにソルは涙してる。
「……とにかく、俺たちをここから出せ。話はその次だ」
「……わかった。俺が一人づつあげる。ソルは足を治させてくれ」
「……いいだろう。何かしたら弟の命はないからな」
「ああ」
シャルはお父さんの要求に答えて、僕を抱きかかえるララちゃんをお姫様抱っこで抱き上げる。ララちゃんは短剣を構えてるけど、用心に越したことはないよな。
「こ、これでいいか?」
「ありがとよ」
「じゃ、じゃあ。俺達は」
「待て」
「「……」」
みんなを縦穴から出してすぐに立ち去ろうとする双子。お父さんが引き止めるとゆっくりと僕らへと振り返る。
「このまま帰すわけには行かない。お前達、人を食べているだろ?」
「「……」」
ヴァンパイアは人の血を好んで食べる。もちろん、動物の血でも大丈夫だろうけど、一人も人を食べていないなんてあり得ないだろうな。こんな世界だしね。
「人は食べたが盗賊ばかりだ。町なんかで狩ると騒ぎになって大変だからな。はぐれを狩ることにしてた」
「村なんかの狩りはヤゾの兄貴が勝手にやってたことばかりだ」
僕の倒したヤゾがやられてると思ってるから口が軽いな。まあ、ほんとに死んでるんだけどね。
双子の話を聞いてみんな考え込む。
「親玉みたいなのがいたということか」
「それが私の両親を殺したヴァンパイアだろう。それは確かに死んでいるはず、ジーニ様によって」
「ってことはこいつらは仇じゃないってことだよな。ってことは言っていることは間違いないか」
コソコソとお父さんとデシウスさんと話してる。ララちゃんも頷いて聞いてるな。
「兄さん、この隙に逃げよう」
「ダメだソル。逃げられる気がしない。俺達の運を信じろ」
「兄さん……」
シャルたちは天に祈りを捧げてお父さん達の話を待ってる。この人達はいい人なのかな? それにしては赤ん坊は僕が食べる~みたいなこと言ってたよな。盗賊ばかりで一般人は本当にこれが初めてなのか?
「契約をしよう」
「「契約!?」」
「俺達に人のペットになれと言うのか!」
お父さんの提案に双子が絶叫をあげる。契約か~。誰のものになるんだろう?
「主人はジーニ様?」
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