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第一章 新たな地で
第4話 僕はグミを売る
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「おはようございます!」
「おはようシン君」
次の日、冒険者ギルドに朝一でやってきた。
ヴィラさんの受付に座って、早速グミの話をする。
「昨日のグミのことなんですけど」
「グミ? あの品はそう言う名前なの?」
「あっ」
そういえば、近くの森で拾ったとしか言ってなかったっけ。
「えっと、商品にするにあたって名前を付けたほうがいいかなって思って、つけました」
「なるほどね。確かにそうね。名前がないと商人ギルドで登録も出来ないしね」
何とか理由をつけると納得してくれた。よかった。
「安定して手に入るなら商人ギルドに登録したほうがいいわ。手に入りそう?」
「はい。そのことで話があるんですが、あまり目立つのは良くないと思ってたんですけど。状況が変わってしまって」
「え? どういうこと?」
僕の話を聞いて困惑するヴィラさん。
「実は僕のスキルで作ったもので。今日はこれだけ持ってきたんです」
「ええ!?」
ドサッとグミの入った革袋を取り出して話すと驚愕の声をあげるヴィラさん。目をまん丸くさせて視線を僕とグミで反復させる。
「こ、これ全部同じそのグミなの?」
「はい。同じものです。今はこれしかつくれないみたいなので」
「そ、そう……」
僕の説明を聞いてゴクリと生唾を飲み込むヴィラさん。なんか緊張している様子だな。
「あのねシン君。落ち着いて聞いてね」
ヴィラさんはそう言って耳元に近づいてくる。そして、囁いた。
「一個で金貨2枚みたいなの」
「そうですか2枚だったんですか~……。って! ええ!?」
折角、ヴィラさんが内緒話をしてくれたのに驚愕してしまう僕。
金貨が動くと言われていたから1枚だと思っていたら二倍の2枚で買い取ってくれるみたい。
革袋には120個のグミが出来上がってるわけで……。金貨240枚、大金貨2枚と金貨40枚。
えっと、銅貨が100円だから……。100億円? いや違う、金貨で100億円だ。ってことは一兆円?
ダメだ頭がおかしくなりそうだ。
「とりあえず、そんなにギルドにお金ないから安心して」
「そ、そうですか。よかった。そんな大金もらったら普通に生活できませんよ」
こそこそとヴィラさんと話す。流石にこんな話を大っぴらにできないな。
「金貨20枚分買い取ってもらっていいですか? 昨日のと合わせると6個」
「了解。それにしてもそんな大金何に使うの?」
「実は……」
質問してくるヴィラさんに孤児院の話をすると涙ぐんで聞いてくれた。親指を立てて金貨20枚を手渡してくれる。
「もっと買い取ってほしかったら言ってね。商人ギルドに持ちかけて買わせるから。と言うかアイテム登録をしたほうがいいわよ。誰かに先をこされると売れなくなっちゃうかもしれないからね」
僕の両手を掴んで泣いてくれるヴィラさん。そうか、商標登録みたいなものがこの世界にもあるんだな。借金を返したらすぐに登録しよう。
「ありがとうございます」
「いえいえ、ギルドとしてもいいアイテムをもらえてよかったわ。怪我人は絶えないし、欠損を治せるアイテムはいくらでも欲しいからね」
お辞儀をしてお礼を言うとヴィラさんは悲しい表情で冒険者の表札を見上げた。
彼女の視線を追うと裏っ返してある表札がいくつもある。それは引退した冒険者の名前だって聞いていた。彼らは怪我で引退をした冒険者ってことなのかな。ヴィラさんは彼らがいなくなってこんなに悲しい表情をするほど優しい人、尊敬しちゃうな。
「さて、シン君はこの後依頼をする? また薬草とか? ってお金はあるからいいのかな?」
「いえ、一から仕事をしていこうと思ってるのでこれからもやります。ただ、今日はこの後借金を返しに行って、アイテム登録をしに行こうと思います」
「うん。それがいいね。じゃあ、また明日ね」
ヴィラさんに答えて席を立つ。冒険者ギルドを後にして孤児院に一度戻った。
「おいおい。借金を返せないから立ち退くって話だったよな? なんで何も準備してないんだ?」
孤児院に帰ってくると男達がエリナさんを取り囲んでいた。子供達は孤児院の中から震えながら見てる。
「す、すぐにお返しします。なのであと一日。約束は明日でしたよね?」
エリナさんは精いっぱい声を張り上げて答える。男達はニヤついて口を開く。
「おいおい、一日で金貨10枚なんて稼げるわけがないだろ? お姉ちゃんが体で稼げば簡単かもしれないけどよ」
「げはは。それよりも子供を売り飛ばせばいいんじゃないか? 子供の働き手が欲しいところは沢山あるからな~」
「そりゃいいな~」
高笑いをする男達。僕は大きなため息をついて間に入った。男達は僕を睨みつけてくる。
「なんだ坊主?」
「ガキに用はないぞ」
男達が僕を囲んで睨みをより一層強める。僕は無言で金貨20枚の入った革袋を突きつける。
「借金は金貨10枚だろ? おまけで20枚あげるよ。だから、これ以上孤児院やエリナさんにつきまとうな。わかったか!」
革袋に驚く男達に言葉を吐きかける。10枚多めに渡したのはやりすぎかと思ったけど、男達は唾を吐き捨ててはきたけど、黙って帰っていった。
「シン!? 金貨20枚も手に入ったの?」
「うん。思ったよりも高く売れてね。それよりもあの人達は?」
エリナさんが駆け寄ってくる。昨日は確かに明後日って聞いていたのに今日来るなんて、何があったんだ?
「この土地が欲しいって言う人が現れたみたいで……すぐに立ち退くようにって言われたの。約束は確かに明日だったのに」
エリナさんが不安な表情で話す。孤児院の土地は海を一望できる中々の見晴らし。欲しがる人はいるかもしれないな。
「また来るかもしれないな。少し不安だ」
土地が欲しい人が要求してきたらあの人たちはまた来るかもしれない。ましてや、襲ってくるかも……。僕がみんなを守るしかない、強くなるしかない!
「エリナさん。お金をもう少し作ってきます。あと、後ろ盾も作ってきます」
「後ろ盾?」
「はい。じゃあ、行ってきますね」
「う、うん。行ってらっしゃい」
困惑するエリナさんを他所に、僕は商人ギルドに駆けていく。グミを登録してお金を継続的に貰う。そして、商人ギルドの偉い人に後ろ盾になってもらう。後ろ盾は少し難しいかもしれないけど、前世では営業をしていた。うまく、立ち回るぞ。
「おはようシン君」
次の日、冒険者ギルドに朝一でやってきた。
ヴィラさんの受付に座って、早速グミの話をする。
「昨日のグミのことなんですけど」
「グミ? あの品はそう言う名前なの?」
「あっ」
そういえば、近くの森で拾ったとしか言ってなかったっけ。
「えっと、商品にするにあたって名前を付けたほうがいいかなって思って、つけました」
「なるほどね。確かにそうね。名前がないと商人ギルドで登録も出来ないしね」
何とか理由をつけると納得してくれた。よかった。
「安定して手に入るなら商人ギルドに登録したほうがいいわ。手に入りそう?」
「はい。そのことで話があるんですが、あまり目立つのは良くないと思ってたんですけど。状況が変わってしまって」
「え? どういうこと?」
僕の話を聞いて困惑するヴィラさん。
「実は僕のスキルで作ったもので。今日はこれだけ持ってきたんです」
「ええ!?」
ドサッとグミの入った革袋を取り出して話すと驚愕の声をあげるヴィラさん。目をまん丸くさせて視線を僕とグミで反復させる。
「こ、これ全部同じそのグミなの?」
「はい。同じものです。今はこれしかつくれないみたいなので」
「そ、そう……」
僕の説明を聞いてゴクリと生唾を飲み込むヴィラさん。なんか緊張している様子だな。
「あのねシン君。落ち着いて聞いてね」
ヴィラさんはそう言って耳元に近づいてくる。そして、囁いた。
「一個で金貨2枚みたいなの」
「そうですか2枚だったんですか~……。って! ええ!?」
折角、ヴィラさんが内緒話をしてくれたのに驚愕してしまう僕。
金貨が動くと言われていたから1枚だと思っていたら二倍の2枚で買い取ってくれるみたい。
革袋には120個のグミが出来上がってるわけで……。金貨240枚、大金貨2枚と金貨40枚。
えっと、銅貨が100円だから……。100億円? いや違う、金貨で100億円だ。ってことは一兆円?
ダメだ頭がおかしくなりそうだ。
「とりあえず、そんなにギルドにお金ないから安心して」
「そ、そうですか。よかった。そんな大金もらったら普通に生活できませんよ」
こそこそとヴィラさんと話す。流石にこんな話を大っぴらにできないな。
「金貨20枚分買い取ってもらっていいですか? 昨日のと合わせると6個」
「了解。それにしてもそんな大金何に使うの?」
「実は……」
質問してくるヴィラさんに孤児院の話をすると涙ぐんで聞いてくれた。親指を立てて金貨20枚を手渡してくれる。
「もっと買い取ってほしかったら言ってね。商人ギルドに持ちかけて買わせるから。と言うかアイテム登録をしたほうがいいわよ。誰かに先をこされると売れなくなっちゃうかもしれないからね」
僕の両手を掴んで泣いてくれるヴィラさん。そうか、商標登録みたいなものがこの世界にもあるんだな。借金を返したらすぐに登録しよう。
「ありがとうございます」
「いえいえ、ギルドとしてもいいアイテムをもらえてよかったわ。怪我人は絶えないし、欠損を治せるアイテムはいくらでも欲しいからね」
お辞儀をしてお礼を言うとヴィラさんは悲しい表情で冒険者の表札を見上げた。
彼女の視線を追うと裏っ返してある表札がいくつもある。それは引退した冒険者の名前だって聞いていた。彼らは怪我で引退をした冒険者ってことなのかな。ヴィラさんは彼らがいなくなってこんなに悲しい表情をするほど優しい人、尊敬しちゃうな。
「さて、シン君はこの後依頼をする? また薬草とか? ってお金はあるからいいのかな?」
「いえ、一から仕事をしていこうと思ってるのでこれからもやります。ただ、今日はこの後借金を返しに行って、アイテム登録をしに行こうと思います」
「うん。それがいいね。じゃあ、また明日ね」
ヴィラさんに答えて席を立つ。冒険者ギルドを後にして孤児院に一度戻った。
「おいおい。借金を返せないから立ち退くって話だったよな? なんで何も準備してないんだ?」
孤児院に帰ってくると男達がエリナさんを取り囲んでいた。子供達は孤児院の中から震えながら見てる。
「す、すぐにお返しします。なのであと一日。約束は明日でしたよね?」
エリナさんは精いっぱい声を張り上げて答える。男達はニヤついて口を開く。
「おいおい、一日で金貨10枚なんて稼げるわけがないだろ? お姉ちゃんが体で稼げば簡単かもしれないけどよ」
「げはは。それよりも子供を売り飛ばせばいいんじゃないか? 子供の働き手が欲しいところは沢山あるからな~」
「そりゃいいな~」
高笑いをする男達。僕は大きなため息をついて間に入った。男達は僕を睨みつけてくる。
「なんだ坊主?」
「ガキに用はないぞ」
男達が僕を囲んで睨みをより一層強める。僕は無言で金貨20枚の入った革袋を突きつける。
「借金は金貨10枚だろ? おまけで20枚あげるよ。だから、これ以上孤児院やエリナさんにつきまとうな。わかったか!」
革袋に驚く男達に言葉を吐きかける。10枚多めに渡したのはやりすぎかと思ったけど、男達は唾を吐き捨ててはきたけど、黙って帰っていった。
「シン!? 金貨20枚も手に入ったの?」
「うん。思ったよりも高く売れてね。それよりもあの人達は?」
エリナさんが駆け寄ってくる。昨日は確かに明後日って聞いていたのに今日来るなんて、何があったんだ?
「この土地が欲しいって言う人が現れたみたいで……すぐに立ち退くようにって言われたの。約束は確かに明日だったのに」
エリナさんが不安な表情で話す。孤児院の土地は海を一望できる中々の見晴らし。欲しがる人はいるかもしれないな。
「また来るかもしれないな。少し不安だ」
土地が欲しい人が要求してきたらあの人たちはまた来るかもしれない。ましてや、襲ってくるかも……。僕がみんなを守るしかない、強くなるしかない!
「エリナさん。お金をもう少し作ってきます。あと、後ろ盾も作ってきます」
「後ろ盾?」
「はい。じゃあ、行ってきますね」
「う、うん。行ってらっしゃい」
困惑するエリナさんを他所に、僕は商人ギルドに駆けていく。グミを登録してお金を継続的に貰う。そして、商人ギルドの偉い人に後ろ盾になってもらう。後ろ盾は少し難しいかもしれないけど、前世では営業をしていた。うまく、立ち回るぞ。
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