異世界転生したら【スキル】が【グミ】でした 【魔王】の友達もできたので世界を平和にしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 新たな地で

第8話 黒い魔物

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「ゴブリンの大きい版? ゴブリンにしては肌の色が黒い……」

 ゴブリンは通常緑の肌。黒いゴブリンは聞いたことがない。変異種ってやつかもしれない。
 変異種でも今なら負ける気がしない。倒してやる!

「【ファイアシーク】!」

 ファイアシークを放って駆け寄る。見事に当たるファイアシーク、顔を当たったことで黒い魔物は顔を拭っている。今がチャンス、顔を拭っているから死角になってる。これなら簡単に紫炎を振るえる。

「はっ! え!?」

「グルルル」

 見えていなかったはずなのに黒い魔物は横なぎに振るった紫炎を屈んで避けた。頭を狙ったせいで避けられたか。

「ぐあっ!?」

 僕は飛び込んだから隙だらけ、屈んだ状態から回転して回し蹴りを食らわせてきた。後ろに吹き飛ばされるけど、そんなにダメージはないな。

「ステータスをアップしておいてよかった」

 ステータスアップをしてなかったらと思うと寒気がする。

「今度のは躱せないぞ! 【ファイアディーク】!」

 ファイアディークを放つ。今度はしっかりと胴体を狙う。もちろん、紫炎での切りつけも胴体を狙う。

「グルア!」

「な!」

 ファイアディークを手で払う黒い魔物。紫炎で攻撃しようと思ったけど、思わず静観してしまった。

「グルアァァ!」

「早い!」

 黒い魔物は雄叫びをあげると一瞬で僕との距離を詰めてくる。鋭い爪で左右からかき上げてくる。紫炎でガードすると紫炎に軍配が上がり爪が切り落とされる。
 早いけど見えないわけじゃない、やれるぞ。そう思っていると黒い魔物は地面を擦り土煙を起こし始める。

「目くらまし!」

「ガア!」

「うっ!?」

 やつを見失うと脇腹に痛みが走る。視線を落とすと噛みつかれているのが分かる。黒い魔物の赤い瞳とにやける口元が見える。

「この!」

 紫炎の峰で黒い魔物の頭を打ち付ける。痛がって奴が離れると同時に煙の外に出る。すぐにグミを口にいれると体が回復するのを感じる。

「ケッケッケッケ」

 まるで悪魔のように笑う黒い魔物。口元は僕の血でいっぱいになってる。もう僕に勝った気でいるのか。怪我が治ってるのに気が付かないな。

「ガア!」

「見えてたらお前なんか! 【ファイアディーク】! はっ!」

 黒い魔物が大きく口を開いて襲い掛かってくる。僕が傷ついていると思って急いで攻撃してきたんだろう。だけど、それは悪手だ!
 ファイアディークを放ちやつの顔に当たると駆け寄って紫炎を横なぎに走らせる。紫炎はやつの腕を一つ切り落とし、返す刃で首を狙ったけど、やつは凄い反射神経で後方へと飛び上がる。

「逃がさない! 【ファイアディーク】三発!」

「!?」

 飛び上がったのが命取りだ。着地地点にファイアディークを三発叩き込む。土煙が上がるほどの爆発が起こってやつの脚が折れるのが見える。

「グ、グルルル」

「逃げられないぞ。!?」

 声をもらしながら洞窟の方へ体を引きずる黒い魔物。紫炎を振りゆっくりと歩み寄っていると洞窟から嫌な視線を感じた。視線を感じた方向を見ると戦っていた黒い魔物と同じ魔物が2体こちらを見ていた。まずい!
 
「逃げなきゃ!」

「ガア!」

「うっ!? 早い!」

 結構早く逃げようと思ったのに回り込まれた。よく見ると回り込んできた黒い魔物は足が肥大化してる。スピード特化の魔物ってことか。

「もう一体は傷ついてる魔物に付き添ってる? まさか!? 回復!? まずい!」

 もう一人の黒い魔物を見ると傷ついた魔物に光を当ててるのが見える。あの光は回復魔法だ。切り落とした腕は回復することはないと思うけど、3体1はまずい。

「回復してるなら動けないはずだ! 【ファイアディーク】」

 すかさず魔法を放つ。煙を見てると僕の前にいた魔物が襲い掛かってくる。紫炎で腕を切り落とすと後ずさっていく。最初の魔物よりも弱いな。スピードに頼ってる感じだ。

「ガルルル!?」

「もう逃がさないぞ!」

 数を減らす! そう思って逃げる魔物を追いかけて首を切り落とす。黒い魔物は大きな魔石を残して霧散して消える。

「ハァハァ……あと2体」

「レベルが上がりました」

 一体を倒しただけでレベルが上がった。あと二体も倒せば更に上がる。
 そう思って向き直ると足の怪我の治った黒い魔物ともう一体が睨みつけてきてる。仲間意識がある相手はやりにくい。だけど、こっちも命がかかってる。やらないわけには行かない。

「ガア!」

 考えなしに突っ込んでくる怪我をしてる魔物。残っている腕を振り回して攻撃してくるけれど、爪もなくしてるそんな攻撃は怖くない。紫炎を横なぎに振るって魔物を上下に切り分ける。霧散して消える魔物を見送って、残りの魔物を見ると大きな光の玉を作っているのが見えた。
 
「ギャア!」

「う!?」

 光の玉が僕に放たれる。僕よりも大きな光の玉。なんで魔物が聖属性である光の玉とか回復魔法が使えるんだ!

「うっ!? ついてくる?」

 走って逃げると同じ速度で追いかけてくる光の玉。何かに当てるか。

「木を切る!」

 紫炎で木を切り落とす。光の玉が見事に倒れる木に当たって霧散していく。

「ガア!」

「この!」

 僕を倒すのを諦めない黒い魔物が襲い掛かってくる。鋭い爪と牙が日の光で怪しく光る。
 僕の紫炎も鋭さなら負けていない。斜めに切り落として返す刃で足を切り落とす。黒い魔物は痛みを感じる間もなく霧散して消えていく。

「レベルが上がりました」

「ふぅ……」

 システム音声を聞いてホッと胸を撫でおろす。その場に座りこんで空を見上げた。達成感で胸がいっぱいだ。

「どうなることかと思ったけど、何とかなったな。レベルも2も上がっちゃった」

 仰向けに倒れて呟く。紫炎のおかげで難なく倒せたな。でも、この魔物は何なんだ? ゴブリンを黒くして大きくしたような魔物だけど、見たことも聞いたこともないぞ。

「とりあえず、報告しておいた方がいいよな」

「【ファイアドゥーク】」

「え!?」

 起き上がって帰ろうと思ったら魔法を唱える声が聞こえてきた。そして、刹那……足元から大きな炎の柱が僕を襲った。
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