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第一章 新たな地で
第11話 魔族の男
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「君達はシン君の力を知らなすぎる」
熱弁するエッジさん。逃げようと思ったら肩を掴まれた。
「シン君は真面目でいい子だとは思う。だが、荷物も持てない彼を擁護する意味がわからない」
「はは、それが見る目がないんだよ」
ロジールさんはそんなに悪口は言わないけど、彼の取り巻きがクスクス笑ってくる。エッジさんも気が付いてため息をつく。
「エッジさん。僕は誰かに認められたくて冒険者をしてるわけじゃないですから」
「シン君。そうは言ってもね」
「いいんです。じゃあ、僕は依頼があるので」
「あっ、ちょっとシン君」
引き止めるエッジさんを他所に、僕は冒険者ギルドを後にする。まったく、グスコーとお金の不安がなくなったけど、新たな不安が出来そうだ。
「ゴブリン5体の討伐か」
依頼書を見ながら町の外の森にたどり着く。ゴブリンと聞いて昨日のブラックゴブリンを思い出す。奴らが出てきた洞窟はしっかりと調べておきたい。エリナさんのいる町に危険があるなら排除しておきたい。
「ここか。エッジさんのドゥークの魔法の跡が残ってる」
洞窟前の木々が燃えて消し飛んでいる。場所はここであってるはずだ。ここから僕はあの山の中腹まで吹き飛んだんだな。腕が片方なくなった時は本当に絶望したな。
「一応、全種類のグミを5個ずつ食べておこう」
グミを入れている革袋からじゃなくて、新たにグミを作り出す。本来はお菓子として食べたいところだけど、仕方ない。
シュン 12歳
レベル 5
HP 1040
MP 730
STR 213
VIT 215
DEX 215
AGI 219
INT 217
MND 217
スキル 【グミ】
グミのステータスアップが本当に凄い。これだけ上がれば、複数のブラックゴブリンと洞窟内であっても何とかなるだろう。
「ギャギャギャ」
「ん? 普通のゴブリン?」
洞窟に入ってしばらくするとゴブリンが見えた。何かを探している様子のゴブリンは見つからずに背後から狩れた。
「普通のゴブリンだな。でも、腕が黒くなってる?」
霧散していくゴブリンを観察すると右腕だけが黒くなっている。この洞窟特有の何かがあるのかもしれないな。
「思ったよりも深い洞窟だな~」
しばらく歩いてきたけど、道がなくなることがない。少し広い部屋のようになっているところをいくつか通ってきたけどゴブリンが5体程いたくらいで特別何かがあったわけじゃない。
ただ、ゴブリン達はそれぞれ黒くなっている部位があった。外で出会ったブラックゴブリン程ではないけど、成長したらあれになるのかもしれないな。
「ギャギャギャ?」
更に進んでいると大勢のゴブリンの声が聞こえてくる。声の先を覗いてみると20体程のゴブリンが一列に並んでいるのが見える。
無秩序な魔物のはずのゴブリンがちゃんと一列になってる。異様な光景だ。そういえば、ブラックゴブリンは仲間を回復することを優先してた。仲間意識があったか、教えられているか……どちらにしても黒幕がいそうだな。
「とりあえず、一掃する!」
20体のゴブリンの列に駆け出す。物音でゴブリン達が僕を見るけれど、遅い!
「はぁぁっ!」
紫炎を地面に走らせて火花を作り出す。そのまま切り上げるとゴブリンを5体斬り伏せる。霧散して消えていく間に更に5体のゴブリンを返す刃で霧散させる。残りの10体のゴブリンは驚いて奥に逃げていく。
「【ファイアシーク】」
ファイアシークを先頭を逃げていくゴブリンに当てる。当たったゴブリンが転ぶとみんな転倒していく。すかさず紫炎で切り伏せていく。
こんなに簡単に倒せるとは思っていなかったけど、この洞窟はおかしい。こんなにゴブリンがいるのに外に出て行っていない。秩序があるのがおかしな感じなんだよな。
「ん? 奥に扉? 人工的に作ったような扉だけど、骨で作られてる?」
ゴブリンが一列に並んでいたところの更に奥に扉が見える。もしかしたらこのゴブリン達はあの扉に入るために順番を待っていたのかもしれないな。
「あ!?」
考えていると扉が開きだした。僕は慌てて隠れる。
「次のもの中へ……。ん? ゴブリン共がいなくなってる? まったく、これだから下等な魔物は」
帽子と眼鏡をつけて、更に角のついた男が扉から出てきて首を傾げた。魔石が落ちているのも気にせずに扉を閉めて帰っていった。
「言葉を話してる。人なのかな?」
角も生えていたから人族じゃないとおもう。角の生えている種族は魔族……。あまり良い噂を聞かない種族だな。
「代わりの魔物を連れてこなくては。ん? お前」
「あっ……」
突然扉が開く。服装を変えた男が出てきて僕を見つけると顔をしかめた。
「ゴブリンではないな。なぜここに入れた?」
「えっと。冒険者ギルドの依頼でゴブリンを」
「ふむ、なるほど。それで魔物がいなくなってしまったわけか。ん? ブラックゴブリンはどうした? それも倒したというのか?」
男の問いに頷いて答えると男は顎に手を当てて考え込んでいく。
「ふむ、興味深い。人族の冒険者で一人でブラックゴブリンを5体も倒せる猛者はそうそういないはずだが?」
ブツブツと呟く男。僕は眼中にない様子だ。
「ブラックゴブリンの質が落ちたか。もう少し研究が必要だな」
「研究? それはどういう?」
男の呟きに問いかけると男は僕に近づいてきた。警戒して紫炎を構えてもお構いなしに近づいてくる。
「おお~。研究に興味があるか? 私の仲間は全然興味を示さなくてな。人族の方がこういうことには興味があるのかもしれんな」
男はそう言って再度離れると扉の中へと僕を案内してくれた。
「私の名前はシャドウ。魔物研究をしている。お前の名は?」
「僕の名前はシンです」
「シン。お前は魔物のことを知っているか?」
自己紹介をすると質問してくる。
「えっと、魔素が集まって生まれることくらいしか」
「ふむ、普通の知識だな」
シャドウさんは僕の答えを聞いて壁に文字を書き始める。絵も加えて書いてくれて分かりやすい。
「これが普通の魔物の誕生。魔素の集まりだ。そして、これが私の研究の魔物達」
「え? 自分のマナ、MPで作ってる?」
「そうだ。私の子供と言ってもいい個体だ。強くなると制御が出来なくなって出て行ってしまうことが増えてしまったが」
なるほど、人の出したマナに自然の魔素を集めるのか。そうすれば、ある程度魔物を操れる。シャドウさんの研究って凄いことだぞ。魔物を操れた人なんて今までいないんだから。
「私のステータスではゴブリンがやっとだからな。研究が全然進まない。ブラックゴブリンにしてやっても言うことを聞かなくてな。強い個体で新たな研究も出来ない。行き詰まっているんだ。そこへお前が現れたわけだ。運命を感じたぞ」
……いいように考えている様子のシャドウ。ブラックゴブリンがこの人のせいで生まれたとわかったら大騒ぎになるぞ。グスコーは確かにブラックゴブリンが殺してしまったからね。
「お前の魔素を使わせてくれ」
シャドウさんはそう言って両手を広げる。僕はため息をついて俯いた。
熱弁するエッジさん。逃げようと思ったら肩を掴まれた。
「シン君は真面目でいい子だとは思う。だが、荷物も持てない彼を擁護する意味がわからない」
「はは、それが見る目がないんだよ」
ロジールさんはそんなに悪口は言わないけど、彼の取り巻きがクスクス笑ってくる。エッジさんも気が付いてため息をつく。
「エッジさん。僕は誰かに認められたくて冒険者をしてるわけじゃないですから」
「シン君。そうは言ってもね」
「いいんです。じゃあ、僕は依頼があるので」
「あっ、ちょっとシン君」
引き止めるエッジさんを他所に、僕は冒険者ギルドを後にする。まったく、グスコーとお金の不安がなくなったけど、新たな不安が出来そうだ。
「ゴブリン5体の討伐か」
依頼書を見ながら町の外の森にたどり着く。ゴブリンと聞いて昨日のブラックゴブリンを思い出す。奴らが出てきた洞窟はしっかりと調べておきたい。エリナさんのいる町に危険があるなら排除しておきたい。
「ここか。エッジさんのドゥークの魔法の跡が残ってる」
洞窟前の木々が燃えて消し飛んでいる。場所はここであってるはずだ。ここから僕はあの山の中腹まで吹き飛んだんだな。腕が片方なくなった時は本当に絶望したな。
「一応、全種類のグミを5個ずつ食べておこう」
グミを入れている革袋からじゃなくて、新たにグミを作り出す。本来はお菓子として食べたいところだけど、仕方ない。
シュン 12歳
レベル 5
HP 1040
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STR 213
VIT 215
DEX 215
AGI 219
INT 217
MND 217
スキル 【グミ】
グミのステータスアップが本当に凄い。これだけ上がれば、複数のブラックゴブリンと洞窟内であっても何とかなるだろう。
「ギャギャギャ」
「ん? 普通のゴブリン?」
洞窟に入ってしばらくするとゴブリンが見えた。何かを探している様子のゴブリンは見つからずに背後から狩れた。
「普通のゴブリンだな。でも、腕が黒くなってる?」
霧散していくゴブリンを観察すると右腕だけが黒くなっている。この洞窟特有の何かがあるのかもしれないな。
「思ったよりも深い洞窟だな~」
しばらく歩いてきたけど、道がなくなることがない。少し広い部屋のようになっているところをいくつか通ってきたけどゴブリンが5体程いたくらいで特別何かがあったわけじゃない。
ただ、ゴブリン達はそれぞれ黒くなっている部位があった。外で出会ったブラックゴブリン程ではないけど、成長したらあれになるのかもしれないな。
「ギャギャギャ?」
更に進んでいると大勢のゴブリンの声が聞こえてくる。声の先を覗いてみると20体程のゴブリンが一列に並んでいるのが見える。
無秩序な魔物のはずのゴブリンがちゃんと一列になってる。異様な光景だ。そういえば、ブラックゴブリンは仲間を回復することを優先してた。仲間意識があったか、教えられているか……どちらにしても黒幕がいそうだな。
「とりあえず、一掃する!」
20体のゴブリンの列に駆け出す。物音でゴブリン達が僕を見るけれど、遅い!
「はぁぁっ!」
紫炎を地面に走らせて火花を作り出す。そのまま切り上げるとゴブリンを5体斬り伏せる。霧散して消えていく間に更に5体のゴブリンを返す刃で霧散させる。残りの10体のゴブリンは驚いて奥に逃げていく。
「【ファイアシーク】」
ファイアシークを先頭を逃げていくゴブリンに当てる。当たったゴブリンが転ぶとみんな転倒していく。すかさず紫炎で切り伏せていく。
こんなに簡単に倒せるとは思っていなかったけど、この洞窟はおかしい。こんなにゴブリンがいるのに外に出て行っていない。秩序があるのがおかしな感じなんだよな。
「ん? 奥に扉? 人工的に作ったような扉だけど、骨で作られてる?」
ゴブリンが一列に並んでいたところの更に奥に扉が見える。もしかしたらこのゴブリン達はあの扉に入るために順番を待っていたのかもしれないな。
「あ!?」
考えていると扉が開きだした。僕は慌てて隠れる。
「次のもの中へ……。ん? ゴブリン共がいなくなってる? まったく、これだから下等な魔物は」
帽子と眼鏡をつけて、更に角のついた男が扉から出てきて首を傾げた。魔石が落ちているのも気にせずに扉を閉めて帰っていった。
「言葉を話してる。人なのかな?」
角も生えていたから人族じゃないとおもう。角の生えている種族は魔族……。あまり良い噂を聞かない種族だな。
「代わりの魔物を連れてこなくては。ん? お前」
「あっ……」
突然扉が開く。服装を変えた男が出てきて僕を見つけると顔をしかめた。
「ゴブリンではないな。なぜここに入れた?」
「えっと。冒険者ギルドの依頼でゴブリンを」
「ふむ、なるほど。それで魔物がいなくなってしまったわけか。ん? ブラックゴブリンはどうした? それも倒したというのか?」
男の問いに頷いて答えると男は顎に手を当てて考え込んでいく。
「ふむ、興味深い。人族の冒険者で一人でブラックゴブリンを5体も倒せる猛者はそうそういないはずだが?」
ブツブツと呟く男。僕は眼中にない様子だ。
「ブラックゴブリンの質が落ちたか。もう少し研究が必要だな」
「研究? それはどういう?」
男の呟きに問いかけると男は僕に近づいてきた。警戒して紫炎を構えてもお構いなしに近づいてくる。
「おお~。研究に興味があるか? 私の仲間は全然興味を示さなくてな。人族の方がこういうことには興味があるのかもしれんな」
男はそう言って再度離れると扉の中へと僕を案内してくれた。
「私の名前はシャドウ。魔物研究をしている。お前の名は?」
「僕の名前はシンです」
「シン。お前は魔物のことを知っているか?」
自己紹介をすると質問してくる。
「えっと、魔素が集まって生まれることくらいしか」
「ふむ、普通の知識だな」
シャドウさんは僕の答えを聞いて壁に文字を書き始める。絵も加えて書いてくれて分かりやすい。
「これが普通の魔物の誕生。魔素の集まりだ。そして、これが私の研究の魔物達」
「え? 自分のマナ、MPで作ってる?」
「そうだ。私の子供と言ってもいい個体だ。強くなると制御が出来なくなって出て行ってしまうことが増えてしまったが」
なるほど、人の出したマナに自然の魔素を集めるのか。そうすれば、ある程度魔物を操れる。シャドウさんの研究って凄いことだぞ。魔物を操れた人なんて今までいないんだから。
「私のステータスではゴブリンがやっとだからな。研究が全然進まない。ブラックゴブリンにしてやっても言うことを聞かなくてな。強い個体で新たな研究も出来ない。行き詰まっているんだ。そこへお前が現れたわけだ。運命を感じたぞ」
……いいように考えている様子のシャドウ。ブラックゴブリンがこの人のせいで生まれたとわかったら大騒ぎになるぞ。グスコーは確かにブラックゴブリンが殺してしまったからね。
「お前の魔素を使わせてくれ」
シャドウさんはそう言って両手を広げる。僕はため息をついて俯いた。
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