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第一章 新たな地で
第13話 魔物を作る
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「でもいいんですか? 僕にそれを教えて?」
シャドウさんの元居た研究室に戻ってきた。
彼に問いかけると笑顔で答える。
「人族に教えても、魔族に教えても碌なことに使わない。だがな、シンならば信頼できる。そう思った」
「え? なんでですか?」
「ははは、それだよそれ」
シャドウさんは楽しそうに話す。
「碌な者でないものは何も疑問に思わずに、私から魔物の作り方を学ぼうとするだろう。そして悪いことに使う。しかし、シンは自分がそれを教えてもらうに値する者かと自問する。正しき心を持っている証拠だ」
「そういうものですか?」
「ああ、残念ながら魔族にはそう言った者の方が多い。知る機会は多かったのだよ」
魔族の話はいくつか知っているけど、碌な話じゃなかった。魔族を助けた人が騙されて崖から落される話や、食べ物を分けてくれた人に魔族がお礼じゃなくて略奪する話とかね。
シャドウさんは魔族と言う種族の中でそれを見てきた。だからかな、魔族なのに平和目的の魔物生成を研究しているのは。
「もちろん、知ってからシンがおかしくなったら力ずくで正してやるがね。他に質問は?」
「そんなことにはなりませんよ。質問もないです」
「よし! では血を一滴いただこうか」
話し終わるとシャドウさんは針を取り出した。僕は手のひらを見せると指に針を刺していく。少し痛いけど、今更だ。腕がなくなるほどじゃない。
「この血を媒体に周りの魔素を集めて行くわけだが、これが少し時間かかる」
針についた血を小さな瓶に入れる。シャドウさんは血の入った瓶に向かって両手をかざすと目を瞑って唱え始める。
「【自然なる魔素よ、人の魔素に宿り、新たな命を作りたまえ】」
シャドウさんが唱えていると薄っすらと光った。光が瓶の中に移って行くと血が脈打ち跳ねる。
「ふむ、成功だ。人の血でも出来るな」
「こんな簡単なんですか?」
「詠唱は簡単だがな。私以外は少し無理がある」
シャドウさんが汗を拭いながら話す。こんな簡単なら誰でも出来るんじゃないかなと思っていると彼が服を脱ぎ始めた。
「この模様は魔王の血族の証だ」
「魔王?」
タトゥーがシャドウさんの背中いっぱいに書かれている。これが魔王の血族の証ってことはシャドウさんは魔王の?
「私は魔国マルグリアの第二王子。隠すつもりもないから話すがね」
王子様だとは思わなかったな。
「魔王は魔の王。魔族はもちろんのこと、魔物の王でもあるのだよ。そして、魔物を作り出すことも出来るのが魔王の血族。大昔の戦争の原因でもあるのでな、あまり好きではないのだが」
「そうだったんですね。でも凄いですね、シャドウさんは」
「ん? 凄い?」
「はい! そんな魔王の力を使って平和を作り出そうとしてる。凄いですよ」
シャドウさんの話を聞いて率直に褒めると彼は恥ずかしそうに顔を背ける。少し頬が赤くなってるから照れてるのかな。
「シャドウさん、照れてるんですか?」
「て、照れてなどいない! ふむ、そんな話をしている場合ではない。血に魔素が集まりきったようだ。瓶から出すぞ」
シャドウさんが瓶から血を地面に垂らす。地面に落ちた血はみるみる姿を変えていく。
「む? むむむ? な、なんだこの魔物は?」
「え?」
血が液体の粒の形で大きくなっていく。膝下くらいの大きさになると動きを止めた。シャドウさんも見たことのない魔物。スライムのようにも見えるけど、スライムじゃない?
「話せるか?」
「……」
「ふむ、知性はないか。親であるシンが話しかけて見ろ」
シャドウさんが話しかけても応答がない。僕は前に出て声をかける。
「話せる?」
「……。!」
「わっ! 冷たい! けど、気持ちいい」
問いかけると肩に乗ってきた。冷たさに驚くとすぐにぬるま湯の温度に変化していく。僕の声に反応したのか?
「ふむ、スライムのようだが液体ではないな。グニグニしている。こんな魔物始めてだ」
「グニグニか……。もしかしてグミ?」
「!」
シャドウさんの呟きを聞いて声をあげると肩の上で頷いて見せてくる。どうやら、グミらしい。僕の血や魔素もグミに関係しているようだ。
「グミ? ふむ、新たな魔物の誕生か。めでたいな。早速、記録を残すか」
シャドウさんはそう言って机に向かって行く。僕はこの子の名前でも考えるか。
「赤いグミだからレッドがいいかな」
「!」
「気に入ったみたい」
ツンツンしながら名前を付けると喜んでくれた。まさか、従魔が手に入るなんてな~。それも僕のスキルと同じグミの魔物。レアリティレッドとはこのことか?
「グミ、お前は何が出来る?」
「シャドウさん。今名前を付けました。レッドです」
「レッド? 魔物なのだから魔物の名称でいいだろ? 面倒だ」
そう言えば、シャドウさんはゴブリンをゴブリンとしか呼んでなかったな。
「!? !? !?」
「何! 気に入らないのか? しかし、グミはグミなのだろ?」
「!? !」
「な!? なんだこれは! 酸か?」
レッドは体を揺らしながら訴えた。それを無視していると体の一部をシャドウさんに投げつけ始める。
レッドの体が当たった彼の服が湯気を出し始める。酸とはえげつない。
「レッド! それはやりすぎだ!」
「……」
「む、再生も出来るのか」
声をあげて非難すると溶けた服を再生させていく。レッドは色んな事が出来るグミのようだ。
「ふむ、物を再生か……。これは私の目指す平和に大きく貢献できるな」
「しゃ、シャドウさん?」
シャドウさんは黒い笑みを浮かべると僕に迫ってきた。レッドも怖がって部屋の隅に逃げて行く。僕は何をされてしまうんだ~?
シャドウさんの元居た研究室に戻ってきた。
彼に問いかけると笑顔で答える。
「人族に教えても、魔族に教えても碌なことに使わない。だがな、シンならば信頼できる。そう思った」
「え? なんでですか?」
「ははは、それだよそれ」
シャドウさんは楽しそうに話す。
「碌な者でないものは何も疑問に思わずに、私から魔物の作り方を学ぼうとするだろう。そして悪いことに使う。しかし、シンは自分がそれを教えてもらうに値する者かと自問する。正しき心を持っている証拠だ」
「そういうものですか?」
「ああ、残念ながら魔族にはそう言った者の方が多い。知る機会は多かったのだよ」
魔族の話はいくつか知っているけど、碌な話じゃなかった。魔族を助けた人が騙されて崖から落される話や、食べ物を分けてくれた人に魔族がお礼じゃなくて略奪する話とかね。
シャドウさんは魔族と言う種族の中でそれを見てきた。だからかな、魔族なのに平和目的の魔物生成を研究しているのは。
「もちろん、知ってからシンがおかしくなったら力ずくで正してやるがね。他に質問は?」
「そんなことにはなりませんよ。質問もないです」
「よし! では血を一滴いただこうか」
話し終わるとシャドウさんは針を取り出した。僕は手のひらを見せると指に針を刺していく。少し痛いけど、今更だ。腕がなくなるほどじゃない。
「この血を媒体に周りの魔素を集めて行くわけだが、これが少し時間かかる」
針についた血を小さな瓶に入れる。シャドウさんは血の入った瓶に向かって両手をかざすと目を瞑って唱え始める。
「【自然なる魔素よ、人の魔素に宿り、新たな命を作りたまえ】」
シャドウさんが唱えていると薄っすらと光った。光が瓶の中に移って行くと血が脈打ち跳ねる。
「ふむ、成功だ。人の血でも出来るな」
「こんな簡単なんですか?」
「詠唱は簡単だがな。私以外は少し無理がある」
シャドウさんが汗を拭いながら話す。こんな簡単なら誰でも出来るんじゃないかなと思っていると彼が服を脱ぎ始めた。
「この模様は魔王の血族の証だ」
「魔王?」
タトゥーがシャドウさんの背中いっぱいに書かれている。これが魔王の血族の証ってことはシャドウさんは魔王の?
「私は魔国マルグリアの第二王子。隠すつもりもないから話すがね」
王子様だとは思わなかったな。
「魔王は魔の王。魔族はもちろんのこと、魔物の王でもあるのだよ。そして、魔物を作り出すことも出来るのが魔王の血族。大昔の戦争の原因でもあるのでな、あまり好きではないのだが」
「そうだったんですね。でも凄いですね、シャドウさんは」
「ん? 凄い?」
「はい! そんな魔王の力を使って平和を作り出そうとしてる。凄いですよ」
シャドウさんの話を聞いて率直に褒めると彼は恥ずかしそうに顔を背ける。少し頬が赤くなってるから照れてるのかな。
「シャドウさん、照れてるんですか?」
「て、照れてなどいない! ふむ、そんな話をしている場合ではない。血に魔素が集まりきったようだ。瓶から出すぞ」
シャドウさんが瓶から血を地面に垂らす。地面に落ちた血はみるみる姿を変えていく。
「む? むむむ? な、なんだこの魔物は?」
「え?」
血が液体の粒の形で大きくなっていく。膝下くらいの大きさになると動きを止めた。シャドウさんも見たことのない魔物。スライムのようにも見えるけど、スライムじゃない?
「話せるか?」
「……」
「ふむ、知性はないか。親であるシンが話しかけて見ろ」
シャドウさんが話しかけても応答がない。僕は前に出て声をかける。
「話せる?」
「……。!」
「わっ! 冷たい! けど、気持ちいい」
問いかけると肩に乗ってきた。冷たさに驚くとすぐにぬるま湯の温度に変化していく。僕の声に反応したのか?
「ふむ、スライムのようだが液体ではないな。グニグニしている。こんな魔物始めてだ」
「グニグニか……。もしかしてグミ?」
「!」
シャドウさんの呟きを聞いて声をあげると肩の上で頷いて見せてくる。どうやら、グミらしい。僕の血や魔素もグミに関係しているようだ。
「グミ? ふむ、新たな魔物の誕生か。めでたいな。早速、記録を残すか」
シャドウさんはそう言って机に向かって行く。僕はこの子の名前でも考えるか。
「赤いグミだからレッドがいいかな」
「!」
「気に入ったみたい」
ツンツンしながら名前を付けると喜んでくれた。まさか、従魔が手に入るなんてな~。それも僕のスキルと同じグミの魔物。レアリティレッドとはこのことか?
「グミ、お前は何が出来る?」
「シャドウさん。今名前を付けました。レッドです」
「レッド? 魔物なのだから魔物の名称でいいだろ? 面倒だ」
そう言えば、シャドウさんはゴブリンをゴブリンとしか呼んでなかったな。
「!? !? !?」
「何! 気に入らないのか? しかし、グミはグミなのだろ?」
「!? !」
「な!? なんだこれは! 酸か?」
レッドは体を揺らしながら訴えた。それを無視していると体の一部をシャドウさんに投げつけ始める。
レッドの体が当たった彼の服が湯気を出し始める。酸とはえげつない。
「レッド! それはやりすぎだ!」
「……」
「む、再生も出来るのか」
声をあげて非難すると溶けた服を再生させていく。レッドは色んな事が出来るグミのようだ。
「ふむ、物を再生か……。これは私の目指す平和に大きく貢献できるな」
「しゃ、シャドウさん?」
シャドウさんは黒い笑みを浮かべると僕に迫ってきた。レッドも怖がって部屋の隅に逃げて行く。僕は何をされてしまうんだ~?
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