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第一章 新たな地で
第23話 激戦を終えて
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「シン~。そろそろ起きなさ~い」
「ん……ふぁ~。もう朝か~」
孤児院の自室で寝ているとエリナさんの声が聞こえてくる。
冒険者ギルドで大宴会が開催された日から二日後。僕もお酒を飲まされて昨日は頭が痛くて依頼は出来なかった。主役と言われて無理やり飲まされてしまった。夜寝てもまだお酒が抜けていないような気がする。
「キュアグミを食べよう」
グミの入った革袋からキュアグミを取り出して口に放り込む。キュアグミはレモン味で二日酔いもスッキリする。
「おはようございますエリナさん」
「おはようシン。英雄さんはお寝坊さんね」
「ははは、エリナさんもやめてくださいよ。僕が英雄なんておかしいですから」
朝の挨拶をするとエリナさんは嬉しそうに英雄と言ってくる。本当に嬉しそうに言うからからかっている様子はないけど、僕には不釣り合いな称号だから恥ずかしい。
「本当のことでしょ。はぁ~、シンがみんなに認められて嬉しいわ」
「エリナさん」
更に喜びを露わにして僕の頭を撫でてくれる。エリナさんが喜ぶと僕も嬉しい。
「今日は冒険者ギルドに行くの?」
「商人ギルドに行ってから行く予定です」
「グミを卸すのね」
「はい。そろそろなくなると思うので。それとイチリさんに会えたらお礼が言いたくて」
イチリさんからもらった水龍がなかったら黒い魔物に苦戦していたと思う。紫炎も普通の剣よりは強いけど、水龍ほどじゃなかったから。
彼には感謝してもしきれない。今回得た報酬を少し分けたいと思ってるんだよな~。受け取ってくれるだろうか。
「凄いわよね。白金貨なんて初めて見たわ」
エリナさんがそう言って天井を見上げる。
オーク達の魔石やお肉を戦利品で得たわけだけど、そのほとんどを冒険者ギルドに卸した。その報酬が白金貨にまで上がってしまったんだよな。
彼女は天井を見上げて白金貨を思い出しているんだろう。前世の世界の価値で言うと1兆円……とんでもない価値だ。
「孤児院が綺麗になったのも驚いたけどね」
「レッドのおかげだ」
エリナさんはそう言ってレッドを撫でてる。レッドは戦闘に参加できなかったけれど、町の役に立ってくれてる。
城壁の傷んでいるところを修復してくれたりして見た。もちろん、シャドウさんと一緒にやって彼は大喜びだった。
「レッドは孤児院にいるかい?」
「!」
「じゃあ革袋に入って」
レッドは基本、家にいることが好きみたいだけど、今日は一緒に来てくれるみたいだ。
エリナさんに見送られて、まずは商人ギルドを訪れる。
商人ギルドの衛兵さんには顔パスで入れるようになった。認められたみたいでよかったよ。
「シン君。待ってましたよ」
セインさんが僕に気が付いて声をかけてくる。促されるまま受付に座ると金貨の入った革袋を机に置く。
「グミが好調に売れています。在庫が乏しくなってきたので追加してほしいんです」
「やっぱりそうですか。そろそろなくなると思ってきました」
思っていた通り、在庫がなくなりかけていたみたいだ。僕は追加でヒールグミの入った革袋を手渡す。
「こ、こんなに!? 助かります。では数えますね……。こちら代金です」
ヒールグミは500個ほど作っておいた。大金貨20枚が机に置かれる。お金を持ち歩くのも億劫だな。マジックバッグが欲しいところだ。
「シン君。そろそろお金を持つのが疎ましくなってきているでしょう」
「はい。戦利品を持てなくて困ってて」
「そうでしょうそうでしょう。そこでこれです!」
セインさんは嬉しそうに頷くと机の上にポシェットを置いた。もしかして、これって!
「マジックバッグです! それも最上級の無限に入るマジックバッグ。中に入れたものの時間が止まるので重宝するんですよ」
凄い嬉しそうに解説してくれるセインさん。
「売ってくれるんですか?」
「もちろんです。シン君は今稼ぎ頭ですからね。これからもということで大金貨10枚でお売りしますよ」
「それならすぐに買います!」
さっき手渡された大金貨20枚の入った革袋から10枚を手渡す。念願のマジックバッグがこんなに簡単に手に入るなんて思わなかった。これで戦利品を諦めないで済むようになったな。
「では、これからの更なるシン君の成功を祈っております」
「ありがとうございます」
取引を終えて商人ギルドを後にする。次はイチリさんの鍛冶屋さんに寄って行こう。
「ごめんください」
イチリさんの鍛冶屋に入って声をかける。返事がないけど、中から刀を打つ音が聞こえてくる。仕事中かな。
「イチリさん」
「……まだだ、まだ水龍には程遠い」
音のする奥の部屋に入るとイチリさんが難しい顔で汗を流しながら刀を打っていた。集中しているみたいで僕の声には気づかない。
「イチリさん!」
「わっ!? し、シン君!? いつの間に!?」
近くまで近寄って大きな声をあげる。やっと気が付いてくれた。
「ちょっと待っててくれ。一度完成させるから」
「気にしないで作業してください。今日はお礼を言いに来ただけですから」
「お礼?」
僕の言葉を聞いて首を傾げるイチリさん。何のお礼なのか分かっていないみたいだ。
「水龍のおかげで生き残ることが出来ました。本当にありがとうございます」
「ええ!? いやいや、それはシン君の実力だよ」
「いえ、正直言って水龍がなかったら大変なことになってたと思います」
黒くなったオークは本当に強かった。グミで強化していた僕でも傷を負うほど。最後の戦いのときも冒険者と兵士さんが怪我をしていたし、一筋縄じゃいかない魔物だった。
「そうか……。紫炎でも難しかったかい?」
「正直……」
「そうか。水龍には程遠いと思ってはいたがそんなに違うか」
悔しそうに言っているはずのイチリさんだったけど、顔は満面の笑み。武者震いをしているようにも見える。
「こうしちゃいられない! 更にいい刀を作るぞ!」
「あっ、イチリさん! お金を……ってもう聞いてない」
イチリさんは楽しそうに刀を打ち始めてしまった。お金を渡そうと思ったのにもう自分の世界には行ってしまってる。仕方ないから大金貨10枚を置いていこう。これでも足りないくらいの【大業物水龍】良い買い物をさせてもらった。
「ん……ふぁ~。もう朝か~」
孤児院の自室で寝ているとエリナさんの声が聞こえてくる。
冒険者ギルドで大宴会が開催された日から二日後。僕もお酒を飲まされて昨日は頭が痛くて依頼は出来なかった。主役と言われて無理やり飲まされてしまった。夜寝てもまだお酒が抜けていないような気がする。
「キュアグミを食べよう」
グミの入った革袋からキュアグミを取り出して口に放り込む。キュアグミはレモン味で二日酔いもスッキリする。
「おはようございますエリナさん」
「おはようシン。英雄さんはお寝坊さんね」
「ははは、エリナさんもやめてくださいよ。僕が英雄なんておかしいですから」
朝の挨拶をするとエリナさんは嬉しそうに英雄と言ってくる。本当に嬉しそうに言うからからかっている様子はないけど、僕には不釣り合いな称号だから恥ずかしい。
「本当のことでしょ。はぁ~、シンがみんなに認められて嬉しいわ」
「エリナさん」
更に喜びを露わにして僕の頭を撫でてくれる。エリナさんが喜ぶと僕も嬉しい。
「今日は冒険者ギルドに行くの?」
「商人ギルドに行ってから行く予定です」
「グミを卸すのね」
「はい。そろそろなくなると思うので。それとイチリさんに会えたらお礼が言いたくて」
イチリさんからもらった水龍がなかったら黒い魔物に苦戦していたと思う。紫炎も普通の剣よりは強いけど、水龍ほどじゃなかったから。
彼には感謝してもしきれない。今回得た報酬を少し分けたいと思ってるんだよな~。受け取ってくれるだろうか。
「凄いわよね。白金貨なんて初めて見たわ」
エリナさんがそう言って天井を見上げる。
オーク達の魔石やお肉を戦利品で得たわけだけど、そのほとんどを冒険者ギルドに卸した。その報酬が白金貨にまで上がってしまったんだよな。
彼女は天井を見上げて白金貨を思い出しているんだろう。前世の世界の価値で言うと1兆円……とんでもない価値だ。
「孤児院が綺麗になったのも驚いたけどね」
「レッドのおかげだ」
エリナさんはそう言ってレッドを撫でてる。レッドは戦闘に参加できなかったけれど、町の役に立ってくれてる。
城壁の傷んでいるところを修復してくれたりして見た。もちろん、シャドウさんと一緒にやって彼は大喜びだった。
「レッドは孤児院にいるかい?」
「!」
「じゃあ革袋に入って」
レッドは基本、家にいることが好きみたいだけど、今日は一緒に来てくれるみたいだ。
エリナさんに見送られて、まずは商人ギルドを訪れる。
商人ギルドの衛兵さんには顔パスで入れるようになった。認められたみたいでよかったよ。
「シン君。待ってましたよ」
セインさんが僕に気が付いて声をかけてくる。促されるまま受付に座ると金貨の入った革袋を机に置く。
「グミが好調に売れています。在庫が乏しくなってきたので追加してほしいんです」
「やっぱりそうですか。そろそろなくなると思ってきました」
思っていた通り、在庫がなくなりかけていたみたいだ。僕は追加でヒールグミの入った革袋を手渡す。
「こ、こんなに!? 助かります。では数えますね……。こちら代金です」
ヒールグミは500個ほど作っておいた。大金貨20枚が机に置かれる。お金を持ち歩くのも億劫だな。マジックバッグが欲しいところだ。
「シン君。そろそろお金を持つのが疎ましくなってきているでしょう」
「はい。戦利品を持てなくて困ってて」
「そうでしょうそうでしょう。そこでこれです!」
セインさんは嬉しそうに頷くと机の上にポシェットを置いた。もしかして、これって!
「マジックバッグです! それも最上級の無限に入るマジックバッグ。中に入れたものの時間が止まるので重宝するんですよ」
凄い嬉しそうに解説してくれるセインさん。
「売ってくれるんですか?」
「もちろんです。シン君は今稼ぎ頭ですからね。これからもということで大金貨10枚でお売りしますよ」
「それならすぐに買います!」
さっき手渡された大金貨20枚の入った革袋から10枚を手渡す。念願のマジックバッグがこんなに簡単に手に入るなんて思わなかった。これで戦利品を諦めないで済むようになったな。
「では、これからの更なるシン君の成功を祈っております」
「ありがとうございます」
取引を終えて商人ギルドを後にする。次はイチリさんの鍛冶屋さんに寄って行こう。
「ごめんください」
イチリさんの鍛冶屋に入って声をかける。返事がないけど、中から刀を打つ音が聞こえてくる。仕事中かな。
「イチリさん」
「……まだだ、まだ水龍には程遠い」
音のする奥の部屋に入るとイチリさんが難しい顔で汗を流しながら刀を打っていた。集中しているみたいで僕の声には気づかない。
「イチリさん!」
「わっ!? し、シン君!? いつの間に!?」
近くまで近寄って大きな声をあげる。やっと気が付いてくれた。
「ちょっと待っててくれ。一度完成させるから」
「気にしないで作業してください。今日はお礼を言いに来ただけですから」
「お礼?」
僕の言葉を聞いて首を傾げるイチリさん。何のお礼なのか分かっていないみたいだ。
「水龍のおかげで生き残ることが出来ました。本当にありがとうございます」
「ええ!? いやいや、それはシン君の実力だよ」
「いえ、正直言って水龍がなかったら大変なことになってたと思います」
黒くなったオークは本当に強かった。グミで強化していた僕でも傷を負うほど。最後の戦いのときも冒険者と兵士さんが怪我をしていたし、一筋縄じゃいかない魔物だった。
「そうか……。紫炎でも難しかったかい?」
「正直……」
「そうか。水龍には程遠いと思ってはいたがそんなに違うか」
悔しそうに言っているはずのイチリさんだったけど、顔は満面の笑み。武者震いをしているようにも見える。
「こうしちゃいられない! 更にいい刀を作るぞ!」
「あっ、イチリさん! お金を……ってもう聞いてない」
イチリさんは楽しそうに刀を打ち始めてしまった。お金を渡そうと思ったのにもう自分の世界には行ってしまってる。仕方ないから大金貨10枚を置いていこう。これでも足りないくらいの【大業物水龍】良い買い物をさせてもらった。
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