異世界転生したら【スキル】が【グミ】でした 【魔王】の友達もできたので世界を平和にしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 新たな地で

第24話 シュブラナ帝国

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「いらっしゃいシン君。ゴールドの腕章を用意しておいたわよ」

「ええ!? もうゴールドですか?」

 冒険者ギルドにつくとヴィラさんが腕章をくれる。この間シルバーに上がったばかりなのに、もう上がるのか。

「あれだけのオークを倒してしまったんだもの、上がるのは必然よ」

「そういうものですか?」

「そう言うものよ」

 ヴィラさんは楽しそうに答えてくれる。魔物を沢山倒すと昇格も早くなるってことかな。

「ははは、ブロンズからゴールドへ一か月もかからずになるとはな」

「エッジさん」

 併設されている酒場からエッジさんが駆け寄ってくる。片手には木で作られたジョッキを持ってる。朝からお酒を飲んでるのかな?

「シン君。少しきな臭い話があるんだが聞いてくれるか?」

「え? きな臭い?」

「ああ、魔族領が関係してる話だ」

 エッジさんが耳打ちしてくる。魔族領ってことはシャドウさんの国の話かな?

「人族の国が二つあるのは知ってるな?」

「えっと、【オルデーナ王国】と【シュブラナ帝国】でしたっけ?」

 オルデーナ王国は僕らが今いる大陸を治めている国。オルデーナ王国も魔族を敵視しているけれど、シュブラナ帝国はそれに輪をかけて敵視している。シャドウさんの言っていた人族への印象は主に帝国の方だろうな。

「シャドウのこともあるから知っておいて欲しいと思ったんだ。出来れば彼に教えて、危険を知らせてほしくてね」

「え? それって魔族領が何かを企んでいるんじゃなくて、危ないっていう意味ですか?」

「ああ、シュブラナ帝国が大きな戦争を考えているって話だ」

 戦争……そんなことをしようとしてるのか。危険だな。早くシャドウさんに教えないと。

「分かりました。シャドウさんに知らせます。ありがとうございますエッジさん」

「おう! もう一人の英雄にもよろしく言っておいてくれよ」

 戦争の情報を教えてくれるとエッジさんは酒場の席に戻って行く。パーティーメンバーと仲良くお酒を楽しみだした。朝からみんな飲んでるな~。楽しそうだからいいけどさ。

 シャドウさんは僕と同じように英雄としてシーレイクラインで有名になった。僕とパーティーを組んでいるという話になっているのでエッジさん達も信頼してくれてる。
 元々は魔族を嫌っていたみんなだったけど、シャドウさんは信頼してくれた。みんな優しくていい人だな。

「シュブラナ帝国か……。ヴィラさん、少し調べてもらうことは出来ますか?」

「帝国の話?」

「はい、人を探してほしいんです」

 ヴィラさんに耳打ちする。
 僕は人攫いに攫われて、シーレイクラインで捨てられた。いくつもの馬車を乗り継いで、船に乗ってたどり着いた。
 人族の国は二つだ。オルデーナ王国とシュブラナ帝国。地図を見ると海を渡った先にあるのがシュブラナ帝国、ということは僕の両親は帝国人の可能性がある。ケビンお父さんとライナお母さん……見つけることが出来るかな?

「僕の本当の名前はシュンなんです」

「シュン? なんで偽名何て?」

「偽名じゃないんです。エリナさんがつけてくれた名だったので今の名前はシンなんです」

「なるほどね。少しエリナさんが羨ましいわ」

 説明するとヴィラさんが頬杖をついて微笑む。

「じゃあ、探す人の名前は分かる?」

「えっと、ケビンさんとライナさんです」

「男性と女性でいいの?」

「はい。僕の本当の両親です。出来れば内密に調べてほしいんですが」

「了解。結構、時間がかかると思うわ。待っていてね」

 やっとこの時が来た。ある程度力を手に入れて、みんなからの信頼も手に入れた。これで両親を探すにあたって邪魔になるものはなくなった、と思う。
 僕が無事だということを知らせるだけでも早くしておきたい。裕福じゃなかった僕の両親が無茶して僕を探してる可能性もあるから、早く安心させてあげたい。

「見つけたらまずはシュンは無事ということを知らせてほしいんです」

「分かったわ、調べてもらう人に言っておくわ。帝国にも冒険者ギルドはあるから安心して」

 二人は元気にしているだろうか……。おっと、安心している場合じゃない。シャドウさんの元に行かないと。

「じゃあヴィラさん。僕はシャドウさんのところに行ってきます」

「はい。行ってらっしゃい。両親のことは任せておいて」

 ヴィラさんに見送られて冒険者ギルドを後にする。
 シーレイクラインの城壁を出て近くの森に入る。相変わらずゴブリンが生まれている。紫炎に手を乗せて静かに近づく。

「はっ!」

「ギャ!? ……」

 背後から首を一閃。鞘から引き抜くと同時に切り捨てる、いわゆる抜刀術。ステータスのおかげもあって見えないほどの速度を実現されてる。ポトリとゴブリンの首が地面に落ちると魔石を残して消えていく。
 僕も強くなったな~。前からゴブリンは簡単に倒していたけど、今のゴブリンは自分が死んだことにも気が付いている様子はなかった。鋭すぎる攻撃で死んでから死んだことに気が付く。自分で言うのも可笑しいけど、恐ろしいな~。
 何体かのゴブリンを倒して洞窟の前までたどり着いた。シャドウさんはいるかな?

「シャドウさん」

「ん、来たかシン」

 洞窟に入って、シャドウさんの研究所に入る。彼は難しい顔をして、瓶に入った黒い液体を見せてきた。

「これがゴブリンを黒くさせた強化薬だ。失敗作だったが強化は成功している。後は私の言うことを聞かせるだけなのだ。そこで少し新たな試みを行った。これだ」

 シャドウさんがもう一つの瓶を取り出す。半分くらい赤くなっている黒い液体だ。

「これは?」

「ふむ、シンの血から作った魔物の一部を入れたものだ。そして、このゴブリンがこの液体を体内に入れたもの」

「ええ!? もう魔物に投与したんですか!?」

 ゴブリンも出てきてびっくりした。あんなことがあったのにすぐに実践してしまうとは思わなかった。

「シャドウさん……」

「ははは、私の夢だからな。そんなことよりも見てくれ」

 ジト目でシャドウさんを睨むと彼は楽しそうに笑ってゴブリンに水の入ったコップを持たせた。

「水を飲め」

「ギャ! ゴクッ」

「コップはここに置け」

「ギャ!」

「いうことを聞いてる?」

 シャドウさんの命令を素直に聞いて行くゴブリン。よく見るとおでこに赤い印みたいなものがついてるゴブリン、それを見て僕は奴隷の首輪を思い出した。

「気が付いたか? ゴブリンのでこについている赤い印は【隷属の印】だ。レッドの体にはその成分が入っているのだろうと推測される」

「だからレッド達は僕らの言うことを聞くのかな? でも、シャドウさんのゴブリンも元のは命令を聞きますよね?」

「うむ、確かに元のゴブリンは言うことを聞く。強化されることで破棄されてしまっているのかもしれんな。しかし、うまくいった。この薬を量産して魔物を戦力に加えられれば、魔物被害がなくなるぞ」

 疑問はあるものの、良い成果が出て上機嫌なシャドウさん。ってそんな話をしている場合じゃない。帝国の話をしないと。
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