異世界転生したら【スキル】が【グミ】でした 【魔王】の友達もできたので世界を平和にしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
34 / 50
第二章 不思議な洞窟

第34話 新たな仲間

しおりを挟む
「来たか。待ってたぞ」

 孤児院にマールちゃんとルーブナさんを迎えて次の日。シャドウさんの研究所にマールちゃんとやってくると彼が迎えてくれた。

「ティアラと話す前に一つやりたいことがある。マール少し血をくれ」

「え!? 血!?」

 シャドウさんがそう言ってナイフを構える。マールちゃんは怖がって僕の後ろに隠れた。

「シャドウさん……」

「シンは分かっているだろ? 血から魔物を作り出すことが出来るのを」

「分かってますけど、言い方って言うのがあるじゃないですか……」

 呆れて声をもらすとシャドウさんが当たり前かのように答えた。マールちゃんはまだまだ子供なんだからオブラートに包まないと怖がっちゃうよ。

「魔物を作れるんですか?」

「うん、シャドウさんは魔王の血族なんだ。レッドは僕の血から作ったんだよ」

 研究所にいるレッドを指さしてマールちゃんの疑問に答える。

「あんなに可愛い魔物を……作ってくださいシャドウさん!」

 マールちゃんは何かを期待してシャドウさんに人差し指を突き立てる。シャドウさんは口角をあげるとナイフをマールちゃんの人差し指に当てる。一滴の血が零れ落ちると木の皿で受け止める。

「シン、グミをマールに。あとお前の血も」

 シャドウさんに言われてヒールグミをマールちゃんに渡す。僕の人差し指を彼に向けるとすぐにナイフが当てられて血が一滴落ちてマールちゃんの血と混じる。

「瓶に入れて私の血と混ぜる。強化薬はまだやめておこう。獣神の血の魔物となると危険だ」

 僕の血の魔物がチートな魔物だった。それ以上の存在かもしれない獣神の血から作った魔物はもっとすごいだろうな。

「生まれるぞ!」

「「!?」」

 血の混ざった瓶を地面に落とす。するとモクモクと煙が立ち込めて形を成していく。レッドの時と誕生の仕方が違うな。

「ガオ~!」

「おお、これはキングレオか! 初めて見たぞ!」

 大きなライオンの魔物が雄たけびをあげる。シャドウさんが嬉しそうに声をあげてキングレオの体を摩る。キングレオはちゃんと言うことを聞くみたいだな。大人しくて猫みたいにお腹を見せてきてる。

「うむ、シンの血のおかげで隷属の印もついているな。成功だ」

「可愛いけど、大きい……」

 シャドウさんが話しながらキングレオの顎を摩る。猫のようにゴロゴロと喉を鳴らす姿はマールちゃんのお気に召したようだ。だけど、複雑な様子。レッドみたいに小さな魔物が良かったみたいだな。

「このサイズならば乗れるな。もう二体作って移動に使うか」

 シャドウさんがそう言って魔物を作り出していく。二体のキングレオが新たに生まれた。

「キングレオは大きさを自由に変えられる。ほら」

「す、すごい!?」

 大きいままだと洞窟から出るのもやっとと言った感じだったけど、大きさを変えられるなら大丈夫だな。

「小さい! 可愛い!」

「ガウ!」

 僕らよりも小さくなったキングレオをマールちゃんが抱きしめる。僕の横に来たキングレオも同じサイズになってくれたから頭を撫でると嬉しそうに喉を鳴らした。

「よし! ティアラと話しに行くか!」

「はい」

 魔物を作り終わると奥の通路に歩き出す。
 通路にみんなで入るとすぐにティアラさんの声が聞こえてきた。

『皆さん、お待ちしておりました』

 壁に描かれるティアラさんの姿。前回よりも鮮明に見える。

『皆さんの絆が大きく力をつけたようですね。かなり長い時間話せるようになりました』

「……そう言う話はいい。それよりも帝国の話だ」

 ティアラさんの言葉にシャドウさんは照れた様子で頬を掻くと声をあげた。

『ふふ、そうですね。いじめるのはここまで……。シュブラナ帝国はやはり禁忌を侵してしまったようです』

「禁忌?」

 ティアラさんの言葉に首を傾げる。魔物と人の融合をやったんだっけ? それだけでも危ないのに更に禁忌?

『魔物と人の融合を禁忌である闇の精霊を使って行った。闇の精霊、アーラースーンを人の中で育て世界に放つ。融合によってステータスを二つ持つ闇の精霊を……』

 ただでさえ危険な融合をそんな魔物で……。

「ん? 闇の精霊は大昔の魔物だろ? 六つの属性の精霊の一つである闇の精霊は他の属性の精霊達の力で封印された。魔王に伝わる書物に書いてあったと思ったが」

『はい、その通りです。帝国の地下に封印され、誰も入ることが出来ないようにしたはずなのですが。私の目も欺き封印を解いたものがいるようです』

 シャドウさんが首を傾げて考えを呟くとティアラさんが悲しそうに答えた。神も欺く人がいるってことか。

「女神様でもわからない人がいるんですか?」

『私も万能ではありません。レアリティレッドの人々しか見ることは出来ないのです』

 マールちゃんの疑問に答えるティアラさん。

「前回も言っていましたね。なんでレッドの人は見ることが出来るんですか?」

『レッドの方々は皆、神の力を持っています。それが神界や我々神の波長と合うのです。その為、我々の力が届くようになる。それを更に強化しているのがその地下通路です。自然にできたと思うと出来すぎたものですが』

「!? おい!? この洞窟はお前が作ったんじゃないのか?」

 僕の言葉にティアラさんが答える。するとシャドウさんが驚いて声をあげる。彼女は確かにこの洞窟に誘導したと言っていたと思ったけど?

『誘導は光を使えばできました』

「光!? 確かに私が洞窟を見つけた時は……朝日が一つの柱のように降りたって示してきていた」

『ふふ、そうですそれです』

 シャドウさんの時に誘導したのか。彼が洞窟に入ったことで僕のところにも洞窟が出来たのかな? マールちゃんのところに洞窟が出来たのは最近みたいだったし。

『そろそろ時間ですね。最後に、帝国の船が再度シーグリアに向かっているようです。用心してください』

 ティアラさんはそう言って姿が見えなくなった。

「腑に落ちないな」

「何がですか?」

「制限があると言っているが見えすぎだ」

 シャドウさんはティアラさんを信頼していないみたいだな。情報は確かみたいだけど。

「とにかく、シーグリアに行きましょう。帝国がくるんだったら知らせないと」

「ああ、そうだな」

 考え込むシャドウさんの手を引っ張ってシーグリアへと歩き出す。外に出たらすぐにキングレオ達に乗り込んでシーグリアだ。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。 僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。 僕の夢……どこいった?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界での異生活

なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。 大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。 そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。 しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。 戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。 「面白いじゃん?」 アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

処理中です...