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第二章 不思議な洞窟
第40話 行方
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「シン、もう朝だぞ」
「え?」
野営をして次の日。シャドウさんは夜の間ずっとキングレオと一緒に見張りをしていてくれたみたいだ。
「シャドウさん。起こしてくれれば交代したのに」
「ん? 私は寝ないからな。気にするな」
「え? 本当ですか?」
どうやら、シャドウさんは眠らないみたいだ。
「あれ? マールちゃんは?」
シャドウさんに感心していると隣で寝ていたマールちゃんがいないことに気が付く。
「ああ、マールは頑張っているよ」
「あ……」
シャドウさんは話しながら僕に背を向けてきた。その方向を見るとマールちゃんがいて、獣神に変身してる。
「おばあちゃん……」
マールちゃんはそう呟くと四足歩行になり、走り出した。
「追いかけるぞ!」
「はい! キングレオ!」
「ガオ!」
マールちゃんは我慢できなかったみたいだ。獣神化を制御してルーブナさんを探し出してくれる。
「おばあちゃん!」
「暴走はしているがルーブナを探すことに集中して攻撃はしてこないみたいだな」
マールちゃんの声を聞いてシャドウさんが推測を話す。暴走の方向を制限すれば扱えるのかもしれない。
それにしてもマールちゃんの速度は速い。キングレオの速度じゃ少しずつ離される。あと少しで見えなくなるけど、すぐにシャドウさんが闇の魔法で追跡し始める。
「森か!? シーレイクラインの町からそんなに遠くないところだったか!」
マールちゃんは元来た道を少し戻って森に入って行く。シーレイクラインの町から半日ほどの距離だ。こんな近くにエルフの森があったってこと?
「おばあちゃん! この中! おばあちゃん!」
「む!? 結界! 少し待っていろ」
マールちゃんが涙を浮かべながら報告してくる。シャドウさんが足元に魔石を並べて行く。
「よし、少しの間だけ結界に穴をあけるぞ。はっ! いまだ!」
シャドウさんが闇魔法を魔石に放つ。すると人が一人通れるくらいの穴が結界にできる。僕らは急いで中に入る。
「おばあちゃん! 近い!」
結界に入るとすぐにマールちゃんが走り出す。外よりもルーブナさんの場所がハッキリわかるみたいだ、さっきよりも速い。
「!? 獣人!?」
「おばあちゃん!」
大樹と言われる大きな木に扉が付いている風景が見えるとすぐにエルフ達に見つかってしまう。マールちゃんはそんなエルフ達を無視して走り去っていく。
「私は魔国マルグリアのシャドウ! 話ができるものはいるか?」
武器を構えだすエルフ達に声をあげるシャドウさん。
「侵入者と話が出来る者はいない!」
「……侵入したのは申し訳ないと思っている。だが、人を無理やり連れてきていないか? そのものの家族がこちらには二人もいるということは分かってくれ」
「……」
槍を構えるエルフ達にシャドウさんが手をあげて答える。エルフ達が俯いていると王冠を被ったエルフが近づいてくる。
「侵略を正当化するな、魔族よ。今、エルフの森は姫が戻ってきた素晴らしい日を送っているのだ。早々に立ち去れ。さもなくば、命はない」
「姫!? それってエリナさんですか! エリナさんなんですね!」
王冠を被ったエルフが怪訝な表情で話す。それに僕が声をあげて答えるとニヤッと口角をあげてきた。
「エリナティア姫だ。私の娘で私の妻」
「「!?」」
この人がエリナさんのお父さん! それなのに妻って何を言ってるんだ?
「次の満月に姫は子供を授かる。次代の王、私、ルドルフの息子をな」
唖然としていると更に追い打ちをかけてくる。やつは思った通りの僕の表情を見て口角をさらに上げていく。
「そんなことさせるわけがない!」
「おばあちゃん!」
『!?』
拳を固めて殴りかかろうと振り上げるとマールちゃんの声が聞こえてきた。横なぎの風が僕らを扇ぐと一つの大樹が倒れて行く。
「ど、どうした!」
「姫様と一緒に連れてきた人間を見て獣人が暴れています。魔法も矢も利きません!」
「な、なに!」
エルフの報告で驚き戸惑うルドルフ。チャンスだ!
「はっ!」
「ぐふっ!」
ルドルフのお腹に拳を突き入れる。やつはお腹の内容物をまき散らして僕を睨みつけてくる。
「ナイスだシン! おっと動くなよ。話し合いで済まさなかったのはお前達だ」
シャドウさんが腕に黒い魔力を纏ってルドルフの首を掴んで話す。僕も紫炎と水龍を鞘から抜いて威嚇する。
「ふ、ふははは。やはり外界は野蛮な者達ばかりだな! なあエリナティア」
「エリナさん!?」
「……」
首を掴まれながら話すルドルフ。やつの視線の先にエリナさんがいた。僕は驚いたと共に安堵した。
「シン! 彼女は催眠状態になっている」
「え!?」
「……!」
シャドウさんの声で我に返る僕。エリナさんが背中に隠し持っていた短剣で切りつけてくる。
「フハハハ。姫は外界の常識に洗脳されていたのでな。催眠魔法をかけさせてもらった」
「酷い……なんて酷いことを」
「酷い? 素晴らしいだろう。姫は今、私の言うことを何でも聞くんだぞ」
「素晴らしいものか!」
ルドルフの汚らしい声に嫌気がさして声を荒らげる。僕はやつを睨みつけて水龍を突きつける。
「娘に人を傷つけさせることの何が素晴らしいんだ!」
「!?」
紫炎と水龍を振り上げて声と共に振り下ろす。ルドルフの王冠と片腕が宙に飛ぶ。
「ぐ、ぐあぁぁ!」
「ルドルフ様!」
「動くな!」
「うっ!」
痛みに声をあげるルドルフ。兵士達に声をあげるとグミを食べさせる。
「う、腕が……お前は何者だ」
「……僕はただの孤児だ。エリナさんは僕の……大切な人だ。返してもらう」
エリナさんにもグミを食べさせる。生気のない瞳がすぐに光を取り戻す。
「し、シン? あれ? 私……短剣?」
今の状況が分からない様子のエリナさん。僕は何事もないと首を横に振って答えた。
「さて、こちらの用事は済んだ。マールを止めないとな」
「無事に帰れると思っているのか!」
「ほ~、私達とやるつもりか? 自慢じゃないが私達はレアリティレッドだぞ。全員」
「な!?」
シャドウさんがルドルフを離して声をあげるとやつは息を吹き返して話す。僕らがレッドだとわかったら驚き戸惑ってる。つい笑っちゃうな。僕が人に驚かれるなんてさ。
「エリナさん。いくよ!」
「シン? きゃ!」
シャドウさんと共にマールちゃんの元へ走る。 エリナさんをお姫様抱っこすると彼女は恥ずかしそうに顔を赤くさせる。あ、そうだ。
「ただいまエリナさん」
「あっ……おかえりなさいシン」
僕の声に答えると耳まで赤くなっていくエリナさん。やっといえた。
「え?」
野営をして次の日。シャドウさんは夜の間ずっとキングレオと一緒に見張りをしていてくれたみたいだ。
「シャドウさん。起こしてくれれば交代したのに」
「ん? 私は寝ないからな。気にするな」
「え? 本当ですか?」
どうやら、シャドウさんは眠らないみたいだ。
「あれ? マールちゃんは?」
シャドウさんに感心していると隣で寝ていたマールちゃんがいないことに気が付く。
「ああ、マールは頑張っているよ」
「あ……」
シャドウさんは話しながら僕に背を向けてきた。その方向を見るとマールちゃんがいて、獣神に変身してる。
「おばあちゃん……」
マールちゃんはそう呟くと四足歩行になり、走り出した。
「追いかけるぞ!」
「はい! キングレオ!」
「ガオ!」
マールちゃんは我慢できなかったみたいだ。獣神化を制御してルーブナさんを探し出してくれる。
「おばあちゃん!」
「暴走はしているがルーブナを探すことに集中して攻撃はしてこないみたいだな」
マールちゃんの声を聞いてシャドウさんが推測を話す。暴走の方向を制限すれば扱えるのかもしれない。
それにしてもマールちゃんの速度は速い。キングレオの速度じゃ少しずつ離される。あと少しで見えなくなるけど、すぐにシャドウさんが闇の魔法で追跡し始める。
「森か!? シーレイクラインの町からそんなに遠くないところだったか!」
マールちゃんは元来た道を少し戻って森に入って行く。シーレイクラインの町から半日ほどの距離だ。こんな近くにエルフの森があったってこと?
「おばあちゃん! この中! おばあちゃん!」
「む!? 結界! 少し待っていろ」
マールちゃんが涙を浮かべながら報告してくる。シャドウさんが足元に魔石を並べて行く。
「よし、少しの間だけ結界に穴をあけるぞ。はっ! いまだ!」
シャドウさんが闇魔法を魔石に放つ。すると人が一人通れるくらいの穴が結界にできる。僕らは急いで中に入る。
「おばあちゃん! 近い!」
結界に入るとすぐにマールちゃんが走り出す。外よりもルーブナさんの場所がハッキリわかるみたいだ、さっきよりも速い。
「!? 獣人!?」
「おばあちゃん!」
大樹と言われる大きな木に扉が付いている風景が見えるとすぐにエルフ達に見つかってしまう。マールちゃんはそんなエルフ達を無視して走り去っていく。
「私は魔国マルグリアのシャドウ! 話ができるものはいるか?」
武器を構えだすエルフ達に声をあげるシャドウさん。
「侵入者と話が出来る者はいない!」
「……侵入したのは申し訳ないと思っている。だが、人を無理やり連れてきていないか? そのものの家族がこちらには二人もいるということは分かってくれ」
「……」
槍を構えるエルフ達にシャドウさんが手をあげて答える。エルフ達が俯いていると王冠を被ったエルフが近づいてくる。
「侵略を正当化するな、魔族よ。今、エルフの森は姫が戻ってきた素晴らしい日を送っているのだ。早々に立ち去れ。さもなくば、命はない」
「姫!? それってエリナさんですか! エリナさんなんですね!」
王冠を被ったエルフが怪訝な表情で話す。それに僕が声をあげて答えるとニヤッと口角をあげてきた。
「エリナティア姫だ。私の娘で私の妻」
「「!?」」
この人がエリナさんのお父さん! それなのに妻って何を言ってるんだ?
「次の満月に姫は子供を授かる。次代の王、私、ルドルフの息子をな」
唖然としていると更に追い打ちをかけてくる。やつは思った通りの僕の表情を見て口角をさらに上げていく。
「そんなことさせるわけがない!」
「おばあちゃん!」
『!?』
拳を固めて殴りかかろうと振り上げるとマールちゃんの声が聞こえてきた。横なぎの風が僕らを扇ぐと一つの大樹が倒れて行く。
「ど、どうした!」
「姫様と一緒に連れてきた人間を見て獣人が暴れています。魔法も矢も利きません!」
「な、なに!」
エルフの報告で驚き戸惑うルドルフ。チャンスだ!
「はっ!」
「ぐふっ!」
ルドルフのお腹に拳を突き入れる。やつはお腹の内容物をまき散らして僕を睨みつけてくる。
「ナイスだシン! おっと動くなよ。話し合いで済まさなかったのはお前達だ」
シャドウさんが腕に黒い魔力を纏ってルドルフの首を掴んで話す。僕も紫炎と水龍を鞘から抜いて威嚇する。
「ふ、ふははは。やはり外界は野蛮な者達ばかりだな! なあエリナティア」
「エリナさん!?」
「……」
首を掴まれながら話すルドルフ。やつの視線の先にエリナさんがいた。僕は驚いたと共に安堵した。
「シン! 彼女は催眠状態になっている」
「え!?」
「……!」
シャドウさんの声で我に返る僕。エリナさんが背中に隠し持っていた短剣で切りつけてくる。
「フハハハ。姫は外界の常識に洗脳されていたのでな。催眠魔法をかけさせてもらった」
「酷い……なんて酷いことを」
「酷い? 素晴らしいだろう。姫は今、私の言うことを何でも聞くんだぞ」
「素晴らしいものか!」
ルドルフの汚らしい声に嫌気がさして声を荒らげる。僕はやつを睨みつけて水龍を突きつける。
「娘に人を傷つけさせることの何が素晴らしいんだ!」
「!?」
紫炎と水龍を振り上げて声と共に振り下ろす。ルドルフの王冠と片腕が宙に飛ぶ。
「ぐ、ぐあぁぁ!」
「ルドルフ様!」
「動くな!」
「うっ!」
痛みに声をあげるルドルフ。兵士達に声をあげるとグミを食べさせる。
「う、腕が……お前は何者だ」
「……僕はただの孤児だ。エリナさんは僕の……大切な人だ。返してもらう」
エリナさんにもグミを食べさせる。生気のない瞳がすぐに光を取り戻す。
「し、シン? あれ? 私……短剣?」
今の状況が分からない様子のエリナさん。僕は何事もないと首を横に振って答えた。
「さて、こちらの用事は済んだ。マールを止めないとな」
「無事に帰れると思っているのか!」
「ほ~、私達とやるつもりか? 自慢じゃないが私達はレアリティレッドだぞ。全員」
「な!?」
シャドウさんがルドルフを離して声をあげるとやつは息を吹き返して話す。僕らがレッドだとわかったら驚き戸惑ってる。つい笑っちゃうな。僕が人に驚かれるなんてさ。
「エリナさん。いくよ!」
「シン? きゃ!」
シャドウさんと共にマールちゃんの元へ走る。 エリナさんをお姫様抱っこすると彼女は恥ずかしそうに顔を赤くさせる。あ、そうだ。
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