47 / 50
第二章 不思議な洞窟
第47話 ブロンドという男
しおりを挟む
「俺は帝国軍人のケビンだ。この塔の責任者のライナに実験体を連れてきた」
「なんだと! ケビン?」
お父さんは正直に名乗った。すると偉そうなおじさんは驚き戸惑ってお父さんの顔を覗き見てくる。
「ライナの主人の名がケビンだったな」
「ああ、そのケビンだ」
「……」
睨みつけてくるおじさん。お父さんの答えを聞くと顎に手を当てて考え込む。
「急いでる。行くぞ」
「お~っと待て待て。儂はブロンド。この塔の副責任者だ」
僕らが歩き出そうと思ったら呼び止めてくるブロンド。
「ライナ様のところまで案内しよう。下の階だ」
「は? 上の階にいると聞いたが?」
下の人と違うことを言ってくる。お父さんが思わず声をあげるとニッコリ微笑んできた。
「上は誰もいませんよ。下の階です」
「……いや、上だな。お前の顔に嘘って書いてある。俺は騙せない」
ブロンドの言葉を信じないお父さんに連れられて階段を登り始める。ブロンドは歯を食いしばって睨みつけてきた。
「儂の言うことが聞けんと見える! 甘く見おって! 【アイスドゥーク】!」
「な!?」
特大のつららを作り出して放つ魔法アイスドゥーク。それを唱えてお父さんに放ってきたブロンド。
瞬時につららを切り捨てるお父さん。ブロンドを睨みつけると薄気味悪く笑った。
「剣を抜いたな」
「なに?」
ブロンドの声と共に警報が鳴る。
「ここは魔塔! 剣を許可なく抜くと敵とみなされる! さあ、ゴーレムども! 侵入者を排除してしまえ!」
全ての扉がしまり壁からゴーレムが生み出されていく。
「仕方ない。奴隷のふりはおしまいだ」
「そうですね」
シャドウさんの声に応じて紫炎と水龍を構える。大きな螺旋階段にゴーレムが何体も生まれ僕らに目を光らせる。
「まったく、魔法使いってやつは」
「簡単には行きませんね!」
お父さんがゴーレムへと大剣を打ちおろし。マールちゃんが獣神へと変化していく。怒りをゴーレムに向けることで制御できてるみたいだな。
「なんだこやつら! 奴隷じゃないのか!」
「残念でした!」
「ひぃ! 敵襲だ。全ゴーレムを投入しろ!」
次々とゴーレムをただの土くれに変えていく僕ら。ブロンドが悲鳴をあげて増援の声をあげるとゴーレムが追加されていく。
「ブロンド、どうしたのです。この騒ぎは?」
「ら、ライナ!」
「え!? ケビン?」
上階からお母さんが降りてくる。お父さんを見つけるとブロンドを睨みつける。
「なぜケビンがここにいるのです?」
「……さ、さあ。儂には分かりかねる」
お母さんが追及するとブロンドがそっぽを向いて答えた。誤魔化すように階段を下って行ってる。
「ゴーレム達、止まりなさい。ケビン、暴れるのはやめて」
お母さんの声と共にゴーレム達が止まる。
「本当にライナが責任者なんだな」
「ええ、魔塔主ともいうけれどね。それで? なんでケビンがここに?」
抱き合う二人。お母さんの声を聞いてお父さんが僕へと視線を移す。
「俺達の息子が生きていたんだよ。手紙は届いていないのか?」
「え!? ま、まさか……手紙なんて一通も届いていないわ」
二人は僕に近づいてくる。幻なんじゃないかと確認するように僕の頬に触れるお母さん。目には涙が溜まっていく。
「ほ、本当なのね。生きていてくれた」
「はい。何とか」
何度も何度も確認するように頬を摩ってくれるお母さん。抱きしめてくれると声をもらして涙していく。
「お母さん!」
「ルリ? どうしたの?」
階段の上の方から声が聞こえてくる。ルリってことは妹?
「すぐに逃げて!」
「え? な、なにこの揺れは?」
ルリちゃんが叫ぶと地震が起こる。ギシギシと塔が悲鳴をあげる。
「はははは。ではごきげんようライナ」
「ブロンド? 何を言っているの?」
ブロンドの声が塔の中に響く。さっきまでこの場にいたはずのブロンドだったけど、いつの間にかいなくなってた。
「ライナ。お前の研究結果はいただいた。これからは儂が引き継ぐ。気兼ねなく死んでくれ」
「ど、どういうこと?」
「はははは、お花畑の女よ。お前のこれまでの不運は儂の策略だったのだよ」
ブロンドは高笑いをして説明していく。僕らが逃げられないと思っているみたいだ。
「お前の才能は魔法研究だった。息子が生まれたことで研究を捨てたお前を儂は許せなかったぞ。儂は間違っていなかった。あれだけ研究してなしえなかったことを簡単になしてくれた。子供を攫って本当に良かった」
「な!? 子供を攫った! まさか、それはシュンのこと?」
「そうだ! 儂が人攫いに情報を流しやるように促した。ここまでうまくいくとは思わなかったがな。がははは」
ブロンドが僕を家族から奪った黒幕ってこと?
「お母さん! 上に行かないと! 危ない!」
「分かったわルリ! ケビン!」
「おうよ! みんな、一気に登って行くぞ!」
ルリの声でみんな我に返る。ブロンドの声で唖然としてしまったな。お母さんの声でお父さんが僕らに号令をかける。
お母さんを抱えて走るとルリも抱えて階段を登って行くお父さん。僕らもついていくとすぐに頂上にたどり着いた。
「なんだと! ケビン?」
お父さんは正直に名乗った。すると偉そうなおじさんは驚き戸惑ってお父さんの顔を覗き見てくる。
「ライナの主人の名がケビンだったな」
「ああ、そのケビンだ」
「……」
睨みつけてくるおじさん。お父さんの答えを聞くと顎に手を当てて考え込む。
「急いでる。行くぞ」
「お~っと待て待て。儂はブロンド。この塔の副責任者だ」
僕らが歩き出そうと思ったら呼び止めてくるブロンド。
「ライナ様のところまで案内しよう。下の階だ」
「は? 上の階にいると聞いたが?」
下の人と違うことを言ってくる。お父さんが思わず声をあげるとニッコリ微笑んできた。
「上は誰もいませんよ。下の階です」
「……いや、上だな。お前の顔に嘘って書いてある。俺は騙せない」
ブロンドの言葉を信じないお父さんに連れられて階段を登り始める。ブロンドは歯を食いしばって睨みつけてきた。
「儂の言うことが聞けんと見える! 甘く見おって! 【アイスドゥーク】!」
「な!?」
特大のつららを作り出して放つ魔法アイスドゥーク。それを唱えてお父さんに放ってきたブロンド。
瞬時につららを切り捨てるお父さん。ブロンドを睨みつけると薄気味悪く笑った。
「剣を抜いたな」
「なに?」
ブロンドの声と共に警報が鳴る。
「ここは魔塔! 剣を許可なく抜くと敵とみなされる! さあ、ゴーレムども! 侵入者を排除してしまえ!」
全ての扉がしまり壁からゴーレムが生み出されていく。
「仕方ない。奴隷のふりはおしまいだ」
「そうですね」
シャドウさんの声に応じて紫炎と水龍を構える。大きな螺旋階段にゴーレムが何体も生まれ僕らに目を光らせる。
「まったく、魔法使いってやつは」
「簡単には行きませんね!」
お父さんがゴーレムへと大剣を打ちおろし。マールちゃんが獣神へと変化していく。怒りをゴーレムに向けることで制御できてるみたいだな。
「なんだこやつら! 奴隷じゃないのか!」
「残念でした!」
「ひぃ! 敵襲だ。全ゴーレムを投入しろ!」
次々とゴーレムをただの土くれに変えていく僕ら。ブロンドが悲鳴をあげて増援の声をあげるとゴーレムが追加されていく。
「ブロンド、どうしたのです。この騒ぎは?」
「ら、ライナ!」
「え!? ケビン?」
上階からお母さんが降りてくる。お父さんを見つけるとブロンドを睨みつける。
「なぜケビンがここにいるのです?」
「……さ、さあ。儂には分かりかねる」
お母さんが追及するとブロンドがそっぽを向いて答えた。誤魔化すように階段を下って行ってる。
「ゴーレム達、止まりなさい。ケビン、暴れるのはやめて」
お母さんの声と共にゴーレム達が止まる。
「本当にライナが責任者なんだな」
「ええ、魔塔主ともいうけれどね。それで? なんでケビンがここに?」
抱き合う二人。お母さんの声を聞いてお父さんが僕へと視線を移す。
「俺達の息子が生きていたんだよ。手紙は届いていないのか?」
「え!? ま、まさか……手紙なんて一通も届いていないわ」
二人は僕に近づいてくる。幻なんじゃないかと確認するように僕の頬に触れるお母さん。目には涙が溜まっていく。
「ほ、本当なのね。生きていてくれた」
「はい。何とか」
何度も何度も確認するように頬を摩ってくれるお母さん。抱きしめてくれると声をもらして涙していく。
「お母さん!」
「ルリ? どうしたの?」
階段の上の方から声が聞こえてくる。ルリってことは妹?
「すぐに逃げて!」
「え? な、なにこの揺れは?」
ルリちゃんが叫ぶと地震が起こる。ギシギシと塔が悲鳴をあげる。
「はははは。ではごきげんようライナ」
「ブロンド? 何を言っているの?」
ブロンドの声が塔の中に響く。さっきまでこの場にいたはずのブロンドだったけど、いつの間にかいなくなってた。
「ライナ。お前の研究結果はいただいた。これからは儂が引き継ぐ。気兼ねなく死んでくれ」
「ど、どういうこと?」
「はははは、お花畑の女よ。お前のこれまでの不運は儂の策略だったのだよ」
ブロンドは高笑いをして説明していく。僕らが逃げられないと思っているみたいだ。
「お前の才能は魔法研究だった。息子が生まれたことで研究を捨てたお前を儂は許せなかったぞ。儂は間違っていなかった。あれだけ研究してなしえなかったことを簡単になしてくれた。子供を攫って本当に良かった」
「な!? 子供を攫った! まさか、それはシュンのこと?」
「そうだ! 儂が人攫いに情報を流しやるように促した。ここまでうまくいくとは思わなかったがな。がははは」
ブロンドが僕を家族から奪った黒幕ってこと?
「お母さん! 上に行かないと! 危ない!」
「分かったわルリ! ケビン!」
「おうよ! みんな、一気に登って行くぞ!」
ルリの声でみんな我に返る。ブロンドの声で唖然としてしまったな。お母さんの声でお父さんが僕らに号令をかける。
お母さんを抱えて走るとルリも抱えて階段を登って行くお父さん。僕らもついていくとすぐに頂上にたどり着いた。
2
あなたにおすすめの小説
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
異世界での異生活
なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる