【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)

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第2章 王国と魔道

第49話 冒険者のお仕事

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「やあムラタ」

「おはようございますドールスさん」

 ギルドがなくなったので僕は城門にやって来た。ドールスさんが挨拶してくれる。

 冒険者ギルドがなくなっていても、魔物がいなくなったわけじゃない。魔物は増えると群れとなって町を襲うようになる。
 その前に間引きをしないといけないんだ。間引きした魔物の魔石を取っておけば、冒険者ギルドが元の戻った時に換金できる。それまではお金にならないので、普通の冒険者は暮らしていけないな。
 
「オルディナにやられたことは聞いたよ。城壁の警備を増やしておいた。その分、城壁の外の警備がすくなくなってる、冒険者の負担になるだろう。すまない」

「僕は大丈夫ですけどね。みんなはお金が足りなくなっちゃうかもしれないですね」

 ドールスさんが謝ってくれると僕は苦笑いをして後ろを振り返る。ルーザーさんとエクスも苦笑いだ。
 エクスなんて遠出の依頼をやってきて、拠点が出来るって喜んでいたのに。報酬ももらえずにタダ働きになってしまった。まあ、彼もギルドが元に戻ればお金がもらえるけどね。

「オルクスはもう俺の故郷と言ってもいい町だ。その町の為になることなら無報酬でもがんばれる」

「お! いいこと言うじゃねえかエクス。流石は俺を目指した男だ」

 エクスがそう言って顔を赤くさせる。ルーザーさんに肩を抱かれると更に顔を赤くさせる。
 恥ずかしいけど言わずにはいられなかったんだろうな。僕も同意する。
 オルクスは僕の異世界での故郷だ。この町は絶対に守りたい。

「とりあえず、城壁の周辺の魔物を間引きしていこう。多くの冒険者が町を離れちまったからな」

「そうですね……。俺達は右回りで行きます」

「おう、じゃあ、俺とムラタは左回りだ」

 城壁の外に出てルーザーさんが声を上げる。エクスの提案を受け入れて左回りに城壁の外を通る。
 近くの森、僕が初めてゴブリンを狩った場所だ。そこを少しかすめて左回りに進んでいく。

「ジャネット達は赤い夜か?」

「うん! お姉ちゃん達は赤い夜だよ~」

「ははは、そうか」

 ルーザーさんの声に答えるルナちゃん。村スキルのウィンドウにはゾンビと戦うジャネット達が映る。
 城門に向かう途中を歩いている時に赤い夜が発生した。そして、今に至るまで撃退できない。
 魔物の数が増えてしまったから倒すにも時間がかかる。イカルスのバリスタも5機まで増やしているのに倒す速度が間に合ってない。
 本来はルナちゃんが戦力になっていたんだろう。彼女は魔物を仲間に出来る。それを使っていたら、いくら魔物が増えても倒せる。
 更に土の防衛者も仲間になっていたのかも。ルナちゃんを一生スキルの中で戦わせることになったと思うと胸が痛む。ジャネット達もそうだ。少しでも村スキルの中の戦いを楽にしてあげないと。
 イカルスに期待するしかないか。ジャネット達も意見を述べてほしいんだけどな。

「ん? コボルトか。仕留めるぞ」

「はい!」

 左回りに城壁の外を進んでいくとコボルトと遭遇する。
 3匹のコボルト。ルーザーさんが瞬時に2匹の首を狩り取り、残りの1匹を僕が仕留める。
 僕も強くなってきた。コボルトのナタを剣で受け止めて、蹴り飛ばす。しりもちをついたコボルトにとどめとばかりに剣を突き入れる。
 あの洞窟であった時よりも簡単に倒すことが出来る。ステータスも上がった、命を狩り取ることに怯えることもない。
 嗚咽することもなくなった。僕はまた一つ強くなって、この世界の住人になれた。……気がする。

「あ~、コボルトさん捕まえた~」

「ガウガウ!」

 3匹のコボルトのうち、1匹がルナちゃんの物になった。背丈が同じくらいで抱き合ってる。
 コボルトは力もあるからルナちゃんを抱き上げて見せてくれる。敵としてやってきた彼も仲間になると、優しい表情でルナちゃんの隣を歩いてくれる。

『赤い夜に勝利しました。報酬が得られます』

 左半分程、城壁の外を歩いてくると赤い夜の知らせがやってくる。
 報酬は【21000ラリ】と【生命のポーション】だ。ポーションは初めて見るな。

「終わったのか」

「あ、はい」

「いつ見ても不思議だな」

 ルーザーさんが出てきたアイテムを見て笑う。目の前にアイテムが急に現れるんだもんな。そりゃ驚く。

「ジャネット達を呼ぶのか?」

「あ、いえ……」

「え? お姉ちゃん達呼ばないの?」

「ん~……」

 ルーザーさんの問いかけに口ごもる。ルナちゃんはルーンに会いたいみたい。
 でも、彼女達は2時間程戦っていた。それなのにこちらに呼んで戦ってもらうなんてさせられない。いつまでも頼ってちゃダメなんだ。

『村人からお願いが届いています』

「あ! イカルス」

 二人と話しているとイカルスからお願いが届いた。

『錬金術師のお店を作りたい』

「錬金術師? ってことはポーションか」

 報酬で届いた赤色のポーション。報酬と同時にお願いしてくれた。
 彼が欲しがるってことは、ポーションは結構いいものなのかもな。

『鍛冶屋の設備も新調してほしい』

「お願い二つ目だ」

 イカルスは更に設備の向上を要求してくる。僕は二つ返事で了承する。ラリには余裕があるからね。

「ね~、お姉ちゃん呼んで~」

「あ~、うん。そうだね」

 イカルスからのお願いを終えると、ルナちゃんがお願いしてくる。
 僕はルーンだけを呼び出した。

「マスター? 私だけ呼んだのですか?」

「あ~、うん。ルナちゃんがどうしてもっていうから」

「……」

 首を傾げて聞いてくるルーンに答える。ルナちゃんはそんな彼女に抱き着いて抱っこをねだっていた。
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