転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 異世界

第三十二話 ポーターとは

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「タツミさん、こっちは片付いた」

「ああ、わかった。こっちも後、二匹だ」

 街道を歩いていたらウルフの群れに囲まれてそれぞれ撃退していた。サンとトラがいなかったら結構やばかったかもしれない。
 ウルフ達は30匹ほどいて、ポロロちゃんとアイサを守りながらの戦闘になったんだ。
    アイサは魔法でいくらか戦えるが近接はナイフ一本で防げるか防げないかの微妙なところ、ポロロちゃんも同じようなものだ。
    ポーターとはアイテムバッグのスキルの為にすべてを無くしたような職業なのが今回の旅でわかったよ。
    ステータスがすべて凡人以下で武器を扱うスキルもない、これでは一人で生活するのはジャングルに裸で行くようなものだ。要は死ねって言われている感じ。
 ポーターの多くは商人ギルドに所属して荷馬車を少なくする為の道具として使われる。この世界には奴隷と言うのがあるらしいがポーターも奴隷にされることがあるとか、ポロロちゃんが俺達の仲間になりたがったのは優しそうだからと言っていたがこういう話があったからだろうな。この情報もポロロちゃんから聞いたしな。

「これで全部だな・・お疲れ、サンとトラ」

「キュルル」「ガウ~」

 サンとトラは前衛でウルフ達をかき回しながら撲滅していってくれた。ウルフにかみつかれたりしていたが軽傷で済んでいる。獣同士の戦いには慣れているようだな。

「今回復させるからな」

 サンとトラを撫でながら僧侶の服に着替えてヒールをかけていく、サンとトラに初めて魔法をかけた時も思ったがMPの消費がかなり少ないような気がする。ゲームなんかでヒールとか使うと5とか減るのだが1しか減らないんだよな。
    僧侶の最高位の人っていうのがどの程度か知らないけど回復魔法消費MP減みたいなスキルをいっぱい持っているのかな?これならいくら使っても大丈夫そうだ。

「おとうさん・・」

「ん?どうした?」

 サンとトラを撫でながら回復しているとルキアが俺のズボンを引っ張ってきた。

「私も・・」

「・・・ああ~、はいはい、ルキアは甘えん坊だな」

「えへへ」

 サンとトラを撫でていたから自分も撫でてほしいという事らしい。姪っ子や甥っ子を知っているのでこう言うのも何だか懐かしいな。自分もやってほしいなんて思うんだよな~。
 ルキアもウルフを数匹倒している。三眼熊の着ぐるみは大変優秀だ。ファイアボールを使っているんだけどMPの消費がなくて更に無詠唱、かなりのチートだな。

「サンちゃん!」

「ガウガウ!」

 ルキアの定位置はサンの上だ。サンも上に乗られることを喜んでいるようでルキアを可愛がっている。調べたらサンは雌のようでルキアの事を子供だと認識したみたいなんだよな。因みにトラは雄だ。トラがサンを育てていたのはサンが三眼熊のくせに弱腰だったからなのかな。二人が話せればそういう事も聞けるのだが。

「タツミさん、解体手伝ってください」

「あ、ああ」

 オッズ達が解体をし始めていた。ウルフの数が38匹、これを全部解体するのは大変だ。なので5匹ほど解体して肉にする。あとはポロロちゃんのアイテムバッグへ入れてギルドに新鮮な状態で納品だ。これでさらにお金ががっぽがっぽ。

「ウルフの肉は固いんだよな・・」

「オッズ、大丈夫だよ。私たちにはタツミさんがいるんだからさ」

 オッズとアイサが俺に熱いまなざしを向けてきた。元の世界の知識でも狼なんかの肉は筋が多くて食えたものではないと言っていた。しかし、ここは料理チートの服で解決だろう。俺自身も期待しているぞ。

「じゃあ、こっちのウルフ達は全部しまいますね」

「ああ、ポロロちゃんありがとう」

「私はこれしかできないので」

 献身的にウルフ達をしまっていくポロロちゃん。ポーターの立ち位置を知っているためこういった自分を下に見る傾向があるな。今回のサンとトラとの戦闘時も彼女なりに頑張っていた。ポーションをいつでも使えるように洞窟で構えていたし、今回のウルフもナイフとポーション片手にオッズをサポートしていた。
    少しアイサから嫉妬っぽい顔をされていたがまあ、そこはオッズハーレムでいいんじゃないかな?俺はそういうのに無縁だしな。

「ポロロちゃんも頑張ってるよ。オッズの回復したりしてただろ?」

「あれは守ってくれているからで・・・私自身が攻撃に参加できれば」

 やっぱり後ろめたさを感じているようだな。だけど、サポートしあってこそのパーティーだからな。

「ポロロちゃんは自分のできることをやっていたよ。戦闘は俺達の仕事。ポロロちゃんはアイテムの管理が仕事だよ。みんながそれぞれの仕事を全うして初めてパーティーになるんだ。そうだろ?」

「そうですけど・・・前のパーティーでは戦闘もできないくずとか言われて、それで私も変わろうと」

 なるほど、戦闘がすべてだと思ってる輩がいるんだな。ゲームなんかだと確かに戦闘がメインだからポロロちゃんのようなポーターは使わないかもしれない。だが、それはアイテムボックスやらバッグがあるからである。
    もともと収納できるアイテムがあるのなら、ポーターはいらないだろう。システム的に持てるアイテムが限られているとつまらないからな。
 ここは現実の世界だ。持てるアイテムが限られていると稼ぎも違ってくるし、戦闘にも支障が出る。リュックをいっぱい背負っていると急な出来事に対応できない。今回見たいな群れとの遭遇も荷物がかさばっていないから冷静に対処できたといえるだろう。
    ポーターがいるだけで恩恵はでかいんだよな。まあ、俺がポーターに変身してしまえばいいんだが、今はなかったことにしておこう。

「ポロロちゃんパーティーっていうのはみんなが補ってなっているんだ。パーティーが全員で10だとするだろ?ポーターはいくつまかなっていると思う?」

「・・1ですか?」

「違うよ。パーティーが10だとすると、ポーターっていうのは5なんだよ」

「半分ですか?」

 俺は地面に10本の線を引いてポロロちゃんに説明していく。半分の線を横にひいていくとポロロちゃんが驚いている。

「戦闘って一時的なものだろ?だけど、ポーターっていうのはずっとパーティーの為に働いているんだよ。アイテムがかさばらないっていうね」

「で、でも、戦闘出来ないと怪我とか死んじゃったりとか」

「そこは他の職業の人の責任だ。ポーターが気にすることじゃないよ。ポロロちゃんみたいにポーションをいつでも使えるようにしている事は大事だけどね」

 ポロロちゃんにポーターがどれだけすごいかを説明していく。パーティーとしてさぼるのはよくないけど、ポロロちゃんくらい動いていれば別段気にすることではないよな。

「だけど、半分も補っているんですか?」

「そうだよ」

「それは言いすぎじゃ?」

 俺とポロロちゃんの話を聞いていてオッズが割って入ってきた。

「オッズもポーターを甘く見てるのか?」

「いや、そういうわけじゃないけど、半分は言いすぎじゃないかなって」

 やっぱり、この世界ではポーターは甘く見られてるな。ちゃんと教えておかないとな。

「じゃあオッズはこのウルフを33匹持ってくれ」

「えっ無理ですよ・・・、あっ」

「な?そうなるだろ。俺達は何のために働いているかを考えれば気づけることなんだよな」

 確かに戦闘は大事だ。生き死にがかかっているからな。だけど、勝てない相手にわざわざ戦闘を持ち掛けなくていい。戦える相手じゃなかったら逃げればいいし、そもそもそんな依頼を受けなければいい。じゃあどんな依頼で金を稼ぐ? 納品とかだろ?

「お金の為に働いてるんだろ? 金を稼ぐのに強い相手と戦わなくたっていいんだよ。今回だってオッズは俺がいたから強い相手の依頼を受けた。そうだろ?」

「タツミさんがいなかったらゴブリンとかスライムとかもっと弱い依頼を受けるつもりでした」

「オッズは偉いさ、身の丈に合った依頼を選んでこなして借金を返そうとしていたんだからさ。まあ、やられそうになってたけどな」

 オッズの頭をポンポンしてやると赤くなってうつむいた。

「アイテムを多く持てるっていうのはそれだけすごいんだよ。巨人が仲間だとしても持てない量のアイテムを持ってくれるんだからな。今回なんてそうだろ? あの洞窟にあったアイテムを全部もってきたんだからそれだけで金貨二枚ほどの稼ぎだ。ポロロちゃんがいなかったら銀貨5枚以下じゃないか?」

「確かに・・」

「俺達の目的は金だ。金の価値がすべて、パーティーの中で一番価値の高い職業はポーターなんだよ。だから半分はポロロちゃん、君の力って事」

「・・・」

 ポロロちゃんは俯いてしまった。あら?気分悪くしちゃったかな?

「ううっ、そんなこと言われたの初めてで、すいません」

 ああ、泣いちゃったのか。

「泣くほどの事じゃないぞ。ポーターは冒険者達の宝、だから絶対に守らないといけないわけだ。この数字はそう言った意味もある。ポーターがやられたら、宝物が奪われるんだよ。絶対に守らないといけない。もちろん、前衛は全員を守らないといけないけどな」

 俺は最後にそう言ってオッズと肩を組んだ。前衛としては全員を守るものだけど、ポーターは一番守らないといけない。大体は私情を挟んじゃうもんだけどな。オッズはアイサを守るだろうから。

「ううっ、ありがとうございます」

「私も何だか今までのポーターへの考えが間違いなのがわかったよ」

 ポロロちゃんは泣き出してしまった。アイサはポロロちゃんを慰めながら目から鱗のようで感心していた。それほど凄い事じゃないけどな。
 普通に考えて当たり前なんだよな。元の世界にポーターがいたら絶対に大儲けできる。トラックなんかいらなくなって更に物流も早くなる。アイテム入れて飛行機に乗れば数トンのアイテムが行き来できるんだぞ。凄いよな。ポーターの容量がどの程度かわからんけど。

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