転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第二章 海へ

第二話 野営

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「よし、テント完成だな」

 森に入ってしばらく道沿いに進んできたんだが、日がオレンジ色になってきたので野営の準備をすることになった。森に入った時が昼ちょっとすぎだったから約4時間程進んだことになる。
 サンとトラの進むスピードは人の歩くスピードの二倍ほど、時速で10キロくらいだ。という事は40キロ進んだことになる。森なのでまっすぐ進んでいるのかいないのかわからないが単純に考えるとそう言うことになるよな。

「焚火も火魔法使いになれば一瞬だ」

 火魔法使いの服に着替えて重ねた薪に火をつける。本当に便利だな俺のチート。アイサに感謝しないとな。

「お父さん、魔物いたよ~」

「ガウ!」

 サンとルキアが木陰から出てきてウサギ型の魔物を手に現れた。角突きのウサギの魔物は依頼で見たホーンラビットとか言う魔物だろう。ランクはブロンズだからそんなに強い魔物ではない。

「偉いなルキア」

「えへへ、サンが手伝ってくれたの」

「サンも偉い偉い」

 二人の頭を撫でる。二人は見合ってほほ笑んでいる。サンは体はでかいが子供なんだよな。トラを親と思っている節もあるしな。

「ルキア達のおかげで解体屋の服がテストできるな」

 という事で解体屋の服に着替える。肉包丁と白マスクそれにビニールのようなエプロン・・・現代でありそうな作業着だな。

「おお、どこから切ればいいのかラインが入るな」

 まずは腹からか、ゴブリン達の戦闘と討伐部位の採取を経験しているとはいえ、内臓を引き出すのは流石に堪えるな。

「このためのゴム手袋か、この世界にもゴムって作れているのかな?」

 オーバーテクノロジーっぽいんだが、人前で出しても大丈夫かな?

「まあ、そういう事は後で考えよう」

 ウサギの首を落として、おなかを裂いていく、そして、皮を剥いだ。
 初めてやるのに綺麗に剥がせた。血抜きもお腹を捌いたときに一瞬でされた。これもスキルの恩恵なのかもしれないな。解体屋の最上位の人物はこういったスキルで解体しているんだろうな。現代にも欲しい能力だ。

「良し、綺麗にできたな。あとは調理だな」

 ウサギの料理なんてしたことないからな。適当にハーブのような香草と一緒に焼いてみよう。鮮度はばっちりだから美味しいと思うが。

「できたぞ~。サンとルキアがとってきたんだから二人の物だな。俺とトラはウルフ肉の煮込みだ」

 俺はそう言ってサンとルキアにウサギ肉の香草焼きを皿に入れて渡す。

「みんなで一緒に食べよ」

「ん? いいのか?」

「みんな一緒がいい」

 あ~本当に可愛いなルキアは~。

「じゃあ全員に切り分けるぞ。足りなかったら言えよ。まだまだオークとかの肉はあるからな」

 ウルフの煮込みも運び屋の服に入っているのでいくらかある。やっぱりポーターは便利だな~。ポロロちゃんに同行してもらえばもっと簡単なんだが、悪いんだよな。本当の俺じゃないかもしれない顔に惚れられてもうれしくないしな。

「う~ん、美味しいな~。ウサギの肉は鶏肉みたいだな。ササミよりも少し柔らかい」

 ルキア達もおいしそうに食べていく。
 一口口に入れては頬を抑えているルキア、サンとトラもすごい勢いで食べている。そういえば、トラの角は生え変わらないのか? トラは俺に角を授けたわけだが、今も生え変わってないんだよな。回復魔法しても生えなかったから体とは別の物なんだろうな。

「ふ~食った食った」

 食事も済ませて俺はテントの中で敷布団の上に寝っ転がった。テントの大きさは大人が川の字で寝れるくらいの大きさだ。丁度布団がワンセット入る。普通はテントだけで後は地面なのだが、それじゃ現代社会で生きていた俺では寝れないだろうからな。布団は買っておいたのだ。フカフカとまではいかないが厚めなので結構快適。

「もう寝るの?」

「ルキアはまだ寝ないのか?」

 寝ようと考えていたんだが、ルキアはまだまだ眠くないみたいだ。俺の問いに首を横に振っている。しかし、結構夜も深くなってきたしな~。

「そうだ、まだ精霊魔法使いの服を試してなかったな」

 火魔法使いばかりに目が行っていて精霊魔法を忘れていたよ。

「じゃあちょっと探索してみるか」

「いいの?」

「ああ、ルキアのおかげで精霊魔法を思い出したよ」

 俺はルキアを撫でて精霊魔法使いの服に着替えた。サゲスの服装は黒っぽいローブだったが精霊魔法使いの服は襟や袖に水色の線と金粉のような模様がついていた。よく見ると裏地には赤と緑の線が描かれている。

「どうやって呼べばいいのかな?」

 野営地から少し歩いてきて野球場くらいひらけた所を見つけてつぶやいた。ルキア達は開けた場所という事ではしゃいでいる。

「キャルルル」

「ガウガウ~」

 サンとトラは歩きっぱなしだったにもかかわらず元気だな。本当に二人が従魔になってくれてよかったよ。

「ウィンディーネとか言っていたよな」

 火魔法使いと一緒なら魔法名、すなわち精霊の名前を言えば来るはずだが。

《呼ばれましたか?》

「うお!」

 エコーのかかった声が背後からして俺は驚いて振り返った。

「だれ~お姉さん」

《私はウィンディーネ》

 ルキアの疑問の声に半透明で水色の女性が答えた。どうやら、俺のつぶやきに反応したようだ。呟いただけで呼べるのか、何とも便利なものだな。

《マスター、何用か?》

「あ~っと・・・ちょっと呼んでみたんだ。すまない」

《・・・》

 頼み事は何もないというとシュンとして俯いてしまうウィンディーネ、無表情だけど何だか悪いことしたな。

「え~っと、ウィンディーネは鏡って知ってるか?」

《はい、鏡ならば水鏡というものを知っています》

「水鏡?」

 ウィンディーネは俺の疑問に少し声を弾ませて答えた。相変わらず無表情だ。
 水鏡と聞いて俺が首を傾げているとウィンディーネは宙に手をかざした。彼女の手から水が出てきて宙に円を描いて水が溜まっていく。水は透き通るように綺麗で光を反射してウィンディーネを映し出している。

《これです》

「なるほど」

 水でできた鏡って事だな。これで自分の顔を確認できるな。

「そのまま維持してくれるか?」

《はい》

 ウィンディーネに鏡を維持してもらって俺はウィンディーネに顔を向ける。反対側の水鏡も鏡になっているので向き合う形で立ってみたがウィンディーネの顔が見えるので何だか恥ずかしいな。それでもサゲスの家でも確認できなかった自分の顔が確認できる。さてさてどうなんだろうか?

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