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第二章 海へ
第二十三話 ヴィナスさんにも食べてもらお
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「本当にいいのですか?」
ヴィナスさんが心配そうにキッチンを覗いてきた。
ルキアの言葉通り、俺の料理を食べてもらうためにキッチンを借りたのだが、店同様に凄い散らかりっぱなしだ。
ヴィナスさんはそれもあってか、顔を赤くして心配しているみたいだ。しかし、キッチンであれば俺の料理チートが猛威を振るう。
「こんな汚れも一拭きですよ」
「えっ!凄い!」
フライパンにこびりついていた真っ黒な焦げも布巾で拭うと一瞬でツルッと取れる。更にキッチンとして部屋が使われていれば部屋内のしつこい汚れも一瞬で綺麗にできる。
箒でサッ、雑巾でツルッと一瞬で綺麗にできる。一か所を一回、拭いたり掃いたりすれば綺麗になるから時間もかからないのだ。
カマドもかなり埃をかぶっていたが一瞬で綺麗にして、別の所を綺麗にしている隙に火を付けておいて既にウルフの煮込みに着手している。掃除しながらも時間のかかる煮込みを作る・・・俺はいつからできた主夫になったんだ。これも料理チートのおかげだけどな。
「いい匂い・・」
「美味しそ~」
「二人とも、更にいい物作ってるから待っててくれよ~」
先ほど買ったばかりの米も調理しているのだ。鍋でコトコトと炊いていくと懐かしの米の炊ける匂いが武器屋全体に立ち込める。懐かしいといっても一か月たってないけどな。
「お父さんなんの匂いなの?」
「ふふふ、米だよ」
「米~?・・・ジャリジャリ~」
ルキアに米だと答えるとルキアが苦虫を噛み潰したよう様な顔で手で口を抑えた。精米もしているしあのジャリジャリではないんだぞルキア。茶色かった米も鍋に入っているのは真っ白な物だ。またまた料理チートで水洗いするとツルツルと皮が剥けていったんだなこれが、やっぱり料理チート先輩は凄いぜ。
「部屋は綺麗になったな。それに煮込みも完成。あとはご飯だ。料理チート先輩は信じているが出来ているだろうか」
「開けるの?ルキアが開けていい?」
「おっとルキア、まだだぞ。俺の勘がまだ開けるなと言っている」
俺の中の料理チート先輩がまだだ、と告げてきている。赤子泣いても蓋とるなという奴だな。ハンゴウスイハンでちょっとだけやったことあるからわかるぞ。
「よし、今だルキア」
「開ける~」
開けたとたん炊いていた米からキッチンに光が溢れた。一瞬、目を瞑らないといけない程だったが目を開けるとそこには白米達が自己主張するように立っていた。久しぶりの白米に心の中で手を振るとツヤツヤな体で手を振り返したような気がした。
「美味しいの?」
「おお、そうだった。問題は味だよな」
元の世界の米は品種改良のおかげでとても美味しい。しかし、この世界にそんな技術はないはずだ。形は日本米に見えるがたぶん味は違うはず。
「....美味しい!これは先輩のおかげか!」
元の世界と一緒の味に俺は感動を覚えた。本来のこの世界の米ではないかもしれないが、米が帰ってきた!
「ルキアも食べる~」
「私も食べたいです」
ルキアが急かす中、ヴィナスさんもカマドにやってきて、鍋を覗いている。あれだけの光を見たら興味をそそられるよな。
「じゃあ、おにぎりにしますね」
「「オニギリ?」」
ルキアとヴィナスさんを落ち着かせるためにそう言うと俺はおにぎりを皿にのせて机にのせていく。ただの塩握りだけど、輝いているせいか凄くおいしそうだ。
「これがあの米何ですか?茶色ではないんですね」
「そうなんですよ。俺の故郷ではあの茶色の状態では食べないんですよ、まあ体にいいとか言われて食べる人もいましたけどね。あの茶色の皮を剥いて白い肌を出して炊くんです。そうするとこういった白い実になるんです」
「凄いですね。あの皮を取るなんて・・」
ヴィナスさんは話しながらおにぎりを持ち上げていった。ヴィナスさんは何度も唾を飲み込んでいる。本能が食べたいと告げているようだ。
「煮込みもできました。食べましょう」
「わ~い!」
今にもかぶりついてしまいそうだったヴィナスさんに急かされながら俺はせっせと机に料理を置いていく、ルキアにも手伝ってもらって一気に終わらせて俺も机に向かって椅子に座った。
「では、「いただきます!」」
「いただきます?」
俺とルキアの言葉に戸惑いながらも真似をしてからおにぎりを口に運んだヴィナスさん、みるみる頬を赤く染めて口が緩んでいく。
「美味しい・・・」
そうだろうそうだろう。我々日本人の食文化は世界一だぞ。この世界でも覇権を取れるポテンシャルを持っているのだよ。
「これで泣かないで済むでしょ?」
「ふふ、そうね。ルキアちゃんとタツミさんのおかげでもう大丈夫よ」
ヴィナスさんはそう言ってほほ笑んだ。その笑顔はとても綺麗だった。
ワッツの奴は何をやっているんだ。
「あの人がいなくなってから家事も滞っていたけど、今日からしっかりとお掃除するわ」
「そうですね。お店も埃をかぶっていましたしね」
ヴィナスさんはガッツポーズで話した。あれだけ汚れるには相当な時間ほったらかしにしていたんだろうからな。
「あの、またご飯を作りにきていただけないかしら。料理は少しするのだけど、こんなにおいしくはできないもの・・」
「ええ、いいんですか?逆に嬉しいです」
「ルキアも嬉しい~、サンとトラも呼んでいい?」
「え?」
ルキアが喜んでサンとトラも呼ぶと言うとヴィナスさんは首を傾げた。
「俺の従魔で三眼熊とトライホーンがいるんです。今は孤児院を守ってもらっているんですけど」
「そうなんですか・・タツミさんは三人も従魔にしているんですね」
ヴィナスさんは驚いている。従魔はその人の技量で人数が決まる。三人という数字は中々のものらしい。全員を連れて冒険者ギルドに着くとギョっとした目で見られることも多々あるからな。
「賑やかで楽しそうね」
ヴィナスさんはふふふと笑って歓迎してくれるみたいだ。俺は美人と食事が出来てヴィナスさんは美味しい食べ物が食べられる。WINWINな関係という奴だな。
「じゃあ僕らは孤児院に戻ります」
「今日はありがとうございました。あの人だけじゃなくて私まで助けてもらって」
「あれ?助けたっていいましたっけ?」
「ふふ、ルキアちゃん達、従魔を従えている方だもの。そうじゃないかと思ったの。勘は当たっていたみたいですね」
「ははは」
ワッツを助けたというか依頼をこなしたという感じだけど結果的には助けたことになるのかもしれないな。
俺とルキアは手を振って見送るヴィナスさんと別れた。最初にあった時よりも綺麗な立ち姿で俺は見とれてしまう。
ヴィナスさんが心配そうにキッチンを覗いてきた。
ルキアの言葉通り、俺の料理を食べてもらうためにキッチンを借りたのだが、店同様に凄い散らかりっぱなしだ。
ヴィナスさんはそれもあってか、顔を赤くして心配しているみたいだ。しかし、キッチンであれば俺の料理チートが猛威を振るう。
「こんな汚れも一拭きですよ」
「えっ!凄い!」
フライパンにこびりついていた真っ黒な焦げも布巾で拭うと一瞬でツルッと取れる。更にキッチンとして部屋が使われていれば部屋内のしつこい汚れも一瞬で綺麗にできる。
箒でサッ、雑巾でツルッと一瞬で綺麗にできる。一か所を一回、拭いたり掃いたりすれば綺麗になるから時間もかからないのだ。
カマドもかなり埃をかぶっていたが一瞬で綺麗にして、別の所を綺麗にしている隙に火を付けておいて既にウルフの煮込みに着手している。掃除しながらも時間のかかる煮込みを作る・・・俺はいつからできた主夫になったんだ。これも料理チートのおかげだけどな。
「いい匂い・・」
「美味しそ~」
「二人とも、更にいい物作ってるから待っててくれよ~」
先ほど買ったばかりの米も調理しているのだ。鍋でコトコトと炊いていくと懐かしの米の炊ける匂いが武器屋全体に立ち込める。懐かしいといっても一か月たってないけどな。
「お父さんなんの匂いなの?」
「ふふふ、米だよ」
「米~?・・・ジャリジャリ~」
ルキアに米だと答えるとルキアが苦虫を噛み潰したよう様な顔で手で口を抑えた。精米もしているしあのジャリジャリではないんだぞルキア。茶色かった米も鍋に入っているのは真っ白な物だ。またまた料理チートで水洗いするとツルツルと皮が剥けていったんだなこれが、やっぱり料理チート先輩は凄いぜ。
「部屋は綺麗になったな。それに煮込みも完成。あとはご飯だ。料理チート先輩は信じているが出来ているだろうか」
「開けるの?ルキアが開けていい?」
「おっとルキア、まだだぞ。俺の勘がまだ開けるなと言っている」
俺の中の料理チート先輩がまだだ、と告げてきている。赤子泣いても蓋とるなという奴だな。ハンゴウスイハンでちょっとだけやったことあるからわかるぞ。
「よし、今だルキア」
「開ける~」
開けたとたん炊いていた米からキッチンに光が溢れた。一瞬、目を瞑らないといけない程だったが目を開けるとそこには白米達が自己主張するように立っていた。久しぶりの白米に心の中で手を振るとツヤツヤな体で手を振り返したような気がした。
「美味しいの?」
「おお、そうだった。問題は味だよな」
元の世界の米は品種改良のおかげでとても美味しい。しかし、この世界にそんな技術はないはずだ。形は日本米に見えるがたぶん味は違うはず。
「....美味しい!これは先輩のおかげか!」
元の世界と一緒の味に俺は感動を覚えた。本来のこの世界の米ではないかもしれないが、米が帰ってきた!
「ルキアも食べる~」
「私も食べたいです」
ルキアが急かす中、ヴィナスさんもカマドにやってきて、鍋を覗いている。あれだけの光を見たら興味をそそられるよな。
「じゃあ、おにぎりにしますね」
「「オニギリ?」」
ルキアとヴィナスさんを落ち着かせるためにそう言うと俺はおにぎりを皿にのせて机にのせていく。ただの塩握りだけど、輝いているせいか凄くおいしそうだ。
「これがあの米何ですか?茶色ではないんですね」
「そうなんですよ。俺の故郷ではあの茶色の状態では食べないんですよ、まあ体にいいとか言われて食べる人もいましたけどね。あの茶色の皮を剥いて白い肌を出して炊くんです。そうするとこういった白い実になるんです」
「凄いですね。あの皮を取るなんて・・」
ヴィナスさんは話しながらおにぎりを持ち上げていった。ヴィナスさんは何度も唾を飲み込んでいる。本能が食べたいと告げているようだ。
「煮込みもできました。食べましょう」
「わ~い!」
今にもかぶりついてしまいそうだったヴィナスさんに急かされながら俺はせっせと机に料理を置いていく、ルキアにも手伝ってもらって一気に終わらせて俺も机に向かって椅子に座った。
「では、「いただきます!」」
「いただきます?」
俺とルキアの言葉に戸惑いながらも真似をしてからおにぎりを口に運んだヴィナスさん、みるみる頬を赤く染めて口が緩んでいく。
「美味しい・・・」
そうだろうそうだろう。我々日本人の食文化は世界一だぞ。この世界でも覇権を取れるポテンシャルを持っているのだよ。
「これで泣かないで済むでしょ?」
「ふふ、そうね。ルキアちゃんとタツミさんのおかげでもう大丈夫よ」
ヴィナスさんはそう言ってほほ笑んだ。その笑顔はとても綺麗だった。
ワッツの奴は何をやっているんだ。
「あの人がいなくなってから家事も滞っていたけど、今日からしっかりとお掃除するわ」
「そうですね。お店も埃をかぶっていましたしね」
ヴィナスさんはガッツポーズで話した。あれだけ汚れるには相当な時間ほったらかしにしていたんだろうからな。
「あの、またご飯を作りにきていただけないかしら。料理は少しするのだけど、こんなにおいしくはできないもの・・」
「ええ、いいんですか?逆に嬉しいです」
「ルキアも嬉しい~、サンとトラも呼んでいい?」
「え?」
ルキアが喜んでサンとトラも呼ぶと言うとヴィナスさんは首を傾げた。
「俺の従魔で三眼熊とトライホーンがいるんです。今は孤児院を守ってもらっているんですけど」
「そうなんですか・・タツミさんは三人も従魔にしているんですね」
ヴィナスさんは驚いている。従魔はその人の技量で人数が決まる。三人という数字は中々のものらしい。全員を連れて冒険者ギルドに着くとギョっとした目で見られることも多々あるからな。
「賑やかで楽しそうね」
ヴィナスさんはふふふと笑って歓迎してくれるみたいだ。俺は美人と食事が出来てヴィナスさんは美味しい食べ物が食べられる。WINWINな関係という奴だな。
「じゃあ僕らは孤児院に戻ります」
「今日はありがとうございました。あの人だけじゃなくて私まで助けてもらって」
「あれ?助けたっていいましたっけ?」
「ふふ、ルキアちゃん達、従魔を従えている方だもの。そうじゃないかと思ったの。勘は当たっていたみたいですね」
「ははは」
ワッツを助けたというか依頼をこなしたという感じだけど結果的には助けたことになるのかもしれないな。
俺とルキアは手を振って見送るヴィナスさんと別れた。最初にあった時よりも綺麗な立ち姿で俺は見とれてしまう。
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