転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第二章 海へ

第三十話 服も作ろう

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 お昼を過ぎていたことに気づいて俺達は飯にすることにした。子供達も遊びに夢中になっていて忘れていたようだ。ルナさんも一緒になって気付かなかったみたいだな。

「すいません。またご飯を」

「いいんですよ。一応俺がこの施設の所有者なんだから」

 ご飯を小屋の中にあるキッチンで作っているとルナさんが申し訳なさそうに話してきた。

「それよりも大丈夫ですか?顔が赤いみたいですけど」

「えっ、どうしたんでしょうか・・」

「ルナさん!」

 ルナさんが急にその場に倒れた。急な事だったけど地面に倒れる前にキャッチできた。

「凄い熱だ」

 どうやら、ルナさんは熱を出してしまったようだ。今まで張りつめていたんだろうな。俺が色々やったから安心しきったのかもしれないな。ルナさんを小屋の二階にある藁のベッドに運ぶ。藁にシーツを敷いただけの簡素な物だ。ベッドから先に作るべきだったな。

「すいません。こんな時に・・」

「大丈夫、病人は安静にしていてください」

「本当にすいません」

 ルナさんは布団を頭までかぶって謝ってきた。今まで張りつめていたのだからしょうがない。サゲスが一人で無理させていたのが悪いんであって、ルナさんは悪くない。ワッツもそうだが男って言うのはなんでこう・・・女性に無理をさせるんだ。そういえばヴィナスさんの様子を見に行くの忘れていたな、明日にでも行ってみるか。とにかく今日は孤児院の建物を建設していく、一階部分を作ってベッドだ!

「謝らなくていいですよ。病気の事もルナさんが安心したって事だから、俺は嬉しいですよ。これからは頼ってください」

「・・はい、ありがとうございます」

 ルナさんはそう言って布団をかぶったまま寝息をたてていった。

「とりあえず、ヒールとキュアの魔法を使っておくか」

 誰にも見られていないのを確認して僧侶の服に着替えた。ヒールとキュアを使ってすぐに料理人の服に着替える。この世界の病気に魔法が有効かわからないけどとりあえず使っておく。状態異常を回復する魔法と体力回復の魔法だから有効だと思うんだけどね。

「お粥と子供たちの料理を作らないとな」

 キッチンに戻って白米を鍋にかける。卵があれば最高なんだけどな。っていうかこの世界に来てから鶏っぽい動物は見たことないな。ああ懐かしのTKGは食べられるのか・・・不安だ。
 とか言っている間に子供達のご飯ができた。毎回肉ばかりではダメなので市場で買っておいたキャベツとトマト、それに玉ねぎでホイコーローを作った。肉は蜘蛛の肉だけど大丈夫だろうかと心配していたが、オークの肉が美味しいと言っていたようにいらぬ心配だったようだ。

「このお肉、オークの肉より美味し~」

「美味しいね~」

 子供達は隣の子と顔を見合って美味しいと言っていた。ミスリルスパイダーの肉を使ったので普通の物よりは美味しいかもしれないな。ルキア達もおいしそうに頬を抑えている。因みに塩しかないのだが、ホイコーローもどきはトロトロでとても美味しい。早く醤油とかソースとか欲しい所だよな。脂とパンがあるから揚げ物もできるんだが、ソースがないと残念感が高いから作らないようにしている。揚げ物も早く食べたいぞ~。
 ってそんなことはいいから早く食べてルナさんにお粥だ。

「ルナさん大丈夫ですか?」

「あっ、すいません」

「また謝ってる。もう家族みたいなものなんですから謝らなくていいですよ」

「すいません」

「また~」

 ルナさんが謝らなくていいって言っているのに謝るものだからため息をつくと「はっ」といって口を抑えた、ルナさんは俯いてしまって申し訳なさそうにしている。

「熱はだいぶ良くなったみたいですね」

「はい、おかげさまで」

「えっと・・代わりの服はありますか?」

「え?・・・きゃ」

 ルナさんは服が乱れていて胸元がはだけていた。汗をかいてしまったようで服は結構ビショビショだ。

「この服しかないです。あとはこの布団くらいしか」

「そうですか・・・じゃあ市場に買い物行った方がいいかな」

「そんなことまでしてもらうわけには」

「大丈夫ですから。とりあえず、お粥を食べてください」

「はい・・」 

 服は大事だな。建物よりも先に買い物に行くか。ついでに子供達の服も買うかな。

「という事でみんなの服を買おうと思うんだけど、分らないから誰か代表で一緒に買いに行かないか?」
 
 子供の服を買うなんて初めての事だから子供達にそう言ったんだが子供達もわからない様子だった。

「タツミ兄ちゃん、子供用の服は売ってないよ」

「えっ売ってないのか?」

「うん。全部ルナお姉ちゃんが編んだんだ~」

 なるほど、元の世界のように子供用の服が売っているのは裕福だったからなのか。そうだよな。元の世界でも戦時中とかは自分達で編んだって聞いたことがある。これは職業の服をゲットした方が良さそうな案件だな。

「じゃあ、ちょっと市場に行って布地を買ってくるか」

「お兄ちゃんが編んでくれるの?」

「その予定だな」

「ヤッタ~」

「最初は僕のにして~」

「ずるいよ~、私から~」

 編んであげるといったとたん子供達は自分が最初だと言い合いになってしまった。賑やかなことだ。

「ルキアのは?」

「ん?あ~そうか、ルキアはずっと着ぐるみだもんな。普通の服も欲しいよな」

 親ばか失格だな。ルキアの私服を持っていないという失態を犯してしまっていた。これは早急に裁縫職人の服を手に入れないとな。
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