転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第3章 ルインズ

第8話 企て

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「こちらです!」

 名乗りもしない執事服のおじいさん。すっごい急いで城の中を進んでいく。
 中庭について、おじいさんの走っていく方向を見ると大きな塔が見えた。

「おっき~」

「そうだな」

 ルキアが嬉しそうに感想を述べた。肯定して微笑む。

「!? 父さんの匂い!」

 ルキアにホッとしているとアスベルがクンクンと鼻を鳴らして走り出した。方向はおじいさんの方だから大丈夫だ。

「父さん!」

「アスベル! アスベルか! 生きていたのか」

 おじいさんよりも早くアスベルが塔に入ると声が上がった。
 歓喜の声と鳴き声が周辺に響く。

「シルバ様のお知合いでしたか。それはよかった。ってそんなことを言っている場合じゃありません。早く、リステア様のもとへ!」

 おじいさんはその様子を微笑んでみてすぐに階段を登っていった。
 
「あなたがアスベルを助けてくれたのですか」

「僕は運がよかったんだ。それよりも父さん。首……」

「ああ、これか……」

 泣きはれた顔で見つめてきたアスベルのお父さん、シルバと言われたお父さんは悲しそうに首に手を当てる。

「私達ウルフマンは王族のペットとして献上品にいいんだと。オラストロの王子に明け渡し、姫と婚姻をとげるとか言っていたよ」

 ウルフマンは高価な奴隷と言っていたっけか。王族が欲しがりそうなモフモフではあるけど、ひどいことをするもんだな。
 キャットマンと違って普通の人のようだと思ったら首輪の効果で冷静になっているってことなんだろうな。ペットにするのにあんなに凶暴だったら大変なことになるし、首輪にそういう効果がついているのが想定されるよな。

「王子様! 早く!」

「王子? あなたが?」

「ああ、今だけそうなんですよ。それは後程説明します。アスベルはお父さんといなさい。ルキアも待っていなさいすぐに戻るからな」

「は~い」

 俺はアスベルとルキアを置いて塔を登る。螺旋階段の途中から覗く窓から城が見下ろせるくらいになると扉が見えて執事のおじいさんが開けて待っていてくれた。
 手招きをして『お早く』と急かしてくる。そんなにやばい状況なのか?
 
「こちらです!」

 部屋は二部屋あるようでおじいさんについていくと扉があった。開いておじいさんと一緒に入る。
 中に入るとキングサイズのベッドが一つあった。

「苦しい……」

「ああ、王女様! 今、助けてくれる方をお連れしました。あと少しの辛抱です!」

 ベッドには美麗な女性がねていた。執事のおじいさんの言葉も聞こえないほど苦しいのか胸を抑えている。

 執事のおじいさんが困った顔で見つめてきたのですぐに医者の服に着替えて検査を始める。

 
【リステア】 病体

 種族 人間

 年齢 46歳

 状態異常

 寄生

 持病

 なし


「寄生!」

 検査結果を見て思わず声を張り上げてしまう。執事のおじいさんはその言葉に驚いてオロオロし始めてしまった。

「寄生とは虫ということですか?」

「たぶん、そうだと思います」

 オロオロしながら質問してくるおじいさん。答えて考え込む。
 寄生というのは寄生虫ということだよな。ということは食べ物かなんかが影響していると思うんだけど。

「最近何か食べましたか? もちろん毎日食べていると思うんですけど」

「そ、そうですね。特別変わったものはお召し上がりになっていないかと思われますが……。あっ! そういえば、王様がお土産と言ってクッキーを持ってきてくれまして、リステア様は大層喜んで食べていました……。まさかそれに?」
 
 おじいさんに大きくうなずく。王女様を王様が毒殺か、何とも世知辛い。だけど、毒殺ならもっと直接的な毒をつかうとおもうんだけどな。
 わざわざ、寄生虫なんて使う理由が思い当たらないな。

「王様が毒殺なんてする理由はわかりますか?」

「いえ、……皆目見当もつきません」

「そうですか……」

 おじいさんの言葉の間が気になるけど、今は王女様を治すことに専念しよう。

 しかし、寄生虫を倒すにはどうしたらいいんだ? 回復魔法で行けるのだろうか、とりあえず、回復魔法を当ててみるか。
 僧侶の服に着替える。医者の服に着替えたときもそうだけど、おじいさんが驚いてみてくるんだよな。
 まあ、そりゃそうだよな。一瞬で服が別のものになるんだからね。

「【ヒール】」

 回復をかけるとリステアさんは穏やかな表情になったけど、すぐに痛みで顔を歪める。

「ダメか」

「【キュア】の魔法はできないのですか?」

 おじいさんが指摘してきたのですぐにキュアの魔法をかけた。苦しそうにしていたから回復に気を取られてたよ。
 みるみる顔色がよくなってリステアさんは目を開けて微笑んだ。

「ありがとうカール」

「いえ! 執事として当たり前のことをしたまでです!」

 おじいさんはカールというらしい。名前を呼ばれて泣きながら執事らしくお辞儀をしてる。
 カールさんを見て、すぐに俺へと視線を移すと微笑んで寝ながらお辞儀をしてくれた。
 とても綺麗な人だ。だけど、なんでか会ったことがあるような気がする。不思議な感じだ。
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