転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第3章 ルインズ

第11話 まさかのまさか

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「王子! ご命令を」

 本物の王子を退場させると一斉に兵士達が跪いて目を輝かせて見つめてきた。
 本物はあっちなんだが、ここの兵士達は俺を王子として認識したみたいだな。

「えっと、元の配置にもどれ。あ、略奪はしないように。税収はとるな」

『はっ!』

 命令を聞くと一斉に声をあげて答えて持ち場に戻っていった。
 あの後、あの王子はどうなるんだ? 王子を語ったとか言って死刑になるのかな? まあ、あんな王子がどうなろうと知ったことじゃないけど、オラストロは大丈夫か?

「タツミさん」

「ああ、ありがとうな。アルフレド」

「……。アルって呼んでくださいって言いましたよね」

「あっ、ああ。忘れてたよ。アル……」

「うむ、よろしい」

 かばってくれたアルにお礼を言う。愛称で呼ぶと嬉しそうに微笑んで握手を求めてきた。
 握手するとそのまま手を握られてリステアさんの前へ。

「あら、アルフレイティアはタツミさんと仲がいいのね」

「そんなことより、エスラルが死んだっていうのは本当なんですか?」

 クスクスと笑うリステアさん。その様子にアルがため息交じりに結構深刻な話をし始めた。

「ふふふ、心配しないで、エスラルは死んでいないわ。生きているわよ」

「やっぱり。お母様がエスラルを殺したなんてお父様が言うからおかしいと思ったんです」

 更に深いため息をつくアル。

「エスラルはある村にいるのよ。ジュダインって人が治めている村で獣人の村なの」

「ええ!? ジュダインさんの村ですか!?」

「あら? 知っているの?」

 まさかの名前に声をあげてしまった。リステアさんが首を傾げてみてくるので頷いて見せるとニコッと微笑んで話を続けようとすると、

「王女様。とりあえず、城内に。皆さんもお寒いでしょう」

 カールさんがリステア様の体を気遣って話した。確かに雪も降っているなか外で話すのは体に良くないよな。

 カールさんに案内されて城内の一室にみんなで入る。カールさんと言い合いになっていた兵士はいつの間にかいなくなっていたな。なんだか嫌な予感がする。
 結局リステアさんに毒を盛ったやつは王様なのか? あんまり考えたくない話だが、気になるところだ。

「温か~い」

 暖炉のある部屋でルキアが暖炉の前に走っていく。俺もあやかって横に座るとすぐにルキアが足に乗ってきた。自然と頭を撫でてしまう。

「ふふふ、昔を思い出すわ。アルフレイティアもああやって私に乗ってきていたのよ」

「そんなこともあったっけ」

 綺麗な女性が二人、昔を思い出して笑いあっている。カールさんは泣きそうになっているよ。なんだかいろいろ苦労しているのが伺える。
 リステアさんがソファーに座ると話始めた。

「獣人をあまりよく思っていないオラストロと結束することで獣人を外へと追いやろうとしているのよあの人」

「それでエスラルをジュダインさんのところに?」

 リステアさんの言葉に答えると彼女は大きくうなずいた。

「次期王のエスラルに獣人も私達と変わらないって教えてあげていたの。そんなときに私だけ国に帰ってくるとエスラルを殺したって騒ぎ出して……。今思えば獣人をよく思っていない誰かがいたのかしらね」

 リステアさんは大きくため息をついた。
 なるほどね。獣人を迫害しようとしている誰かがいて、王様を利用しているやつがいるのか。
 そうなると、王様はすでに支配されていそうだな。オラストロと結びつこうとしているのがいい証拠だ。
 オラストロとつながれば、必ず獣人を迫害するだろうからな。

「……。そんなことの為に僕は連れ戻されて……ダイロさん達にも大きな迷惑を……」

「ダイロさん達の事は心配するな。ちゃんと治っているよ。それよりもこれからだろ」

「タツミさん……。はい!」

「うっ!?」

 アルを慰めるとキラキラした瞳で見つめてきた。可愛すぎて目を背けてしまう。
 
「どうしたんですかタツミさん」

「あっ、いやなんでもない。それよりもだ。リステアさんに毒を盛ったやつを探さないとな」

「ええっ! 毒!?」

 ごまかすように本題に入るとアルは驚いてる。流石に親が毒を盛られたなんて話は驚くよな。

「それは私が知っています」

「父さん!」

 アスベルのお父さん、シルバさんが声をあげた。

「アスベルと共に奴隷として捕まっていた私は船を壊されて船の外へと出ました。アスベルを探しましたがどこにも……。私は必死で泳いでいると奴隷商の船を壊したと思われる船に拾われたのです」

「それは知ってるよ。僕も乗っていた船だ。あいつら酷いんだ。奴隷商の船ってだけで高位魔法を放ったんだよ」

 シルバさんはこれまでの話をし始めた。
 やっぱり、アルの乗っていた船のやつらだったみたいだな。

「ウルフマンだとわかったやつらは私に奴隷の首輪をつけてあの塔に置いていったのです。奴らは”保険”と言っていました」

「保険ね……」

 シルバさんの話でだんだん見えてきたな。

「そいつの顔を覚えていますか?」

「はい!」

 よし、ここから反撃だ。
 と思っていると部屋の扉が強く叩かれた。

「姫! ご無事ですか! 返事がない! 突撃するぞ!」

『応っ』

 返事も待たずに兵士達は扉を蹴破って入ってきた。
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