転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
103 / 113
第3章 ルインズ

第10話 本物の王子?

しおりを挟む
「隷属の首輪を破壊すればよろしいのですね?」

 シルバさんから距離をとって精霊使いの服に着替えた。
 早速、ウンディーネを呼び出すと隷属の首輪を破壊できるみたいなので頷いてこたえる。

 ウンディーネの指に空気中の水が集まっていく。親指の先ほどの大きさになった水が、瞬きするほどの一瞬でシルバさんへと飛んでいき、首を一回転したと思ったら首輪を破壊していた。
 首には何一つ傷がなく、首輪だけがなくなっている。精霊っていうのはやはりすごいんだと、改めて思った。

「マスター、これでよろしいでしょうか?」

「あ、ああ。ありがとう」

「ではまた、いつでもお呼びください」

 ウンディーネは微笑んで消えていった。
 シルバさんに近づいて抱き上げる。とりあえず、みんなのところに行こう。

「なぜ幽閉されていたリステアが塔から出ている!」

 首輪を破壊するとシルバさんは気を失ってしまった。仕方なくシルバさんを抱えて、階段を下っているとそんな声が聞こえてきた。
 オラストロの王子の服に着替えなおしておこう。王子なら何とかなるだろう。

「ですから、リステア様は毒を盛られて!」

「生きているではないか! そんな世迷言を」

 下り終わるとそこには、カールさんとルインズの兵士っぽい人が口論しているのが見えた。
 シルバさんを下ろすと気が付いたアスベルが近寄って心配そうにシルバさんを見つめた。

「大丈夫、気を失っているだけだ」

「はい、ありがとうタツミ兄さん」

 若干涙目のアスベル。何とか無事に助けることが出来たな。

「あれは! ……。なぜウルフマンの首輪が!」

 ルインズの兵士っぽい奴が狼狽えながらシルバさんを指さした。首輪がないことに驚いている様子だ。
 ということはあいつがアルフレドを連れ去った一味か?

「何をしているの! リステアお母様! 大丈夫ですか?」

「ああ、アルフレイティア。お帰りなさい」

「探していたんですよ。幽閉って言っていたけど、こんな近くにいたんだね」

 雪が積もる庭に白いドレスを着た女性がリステアさんを心配そうに近寄り肩に手をおいた。リステアさんも嬉しそうに表情を緩ませていて、安心しきっているように見える。
 綺麗な女性だけど、これまたどこかで会ったことあるような人だな。

「姫様! そのものは犯罪者です! 仲良くお話など!」

「あっ! ちょっと……。ええ!? タツミさん!?」

 ルインズの兵士がそういって女性をリステアさんから引きはがした。
 引きはがす過程で俺と目が合ったお姫様。驚いている様子だ。

「姫様! そちらはオラストロの王子様ですよ。襟にオラストロの証が」

「ええ!? タツミさんが王子!? ってことは僕とタツミさんが結婚するの!?」

 兵士の言葉に目をチカチカさせるお姫様。

「アルフレドお兄ちゃん?」

「アルフレド!?」

 ルキアがスンスンと鼻を鳴らして何かに気が付いたみたいで声をあげた。
 アルフレドと同じ匂いがするみたいで名前をあげるとお姫様がうんうんと頷いているのが見える。

「そうだよ! 僕はアルフレド。タツミさん! 王子っていうのはどういうこと?」

「ははは、まあ、成り行きでね」

 王子という立場を利用しているので兵士も普通に話すのを許している状況。
 アルフレドの無事を確認出来てよかった。しかし、なんで女の子? それも最強に可愛いじゃないか。

「お姫様ってことでいいのかな?」

「あ、はい。実はルインズのお姫様で~。色々と嫌になって理由つけて外に言っていたんです……」

 まあ、お姫様って色々と苦労があっただろうからな~。

「でも、まさかタツミさんが王子なんて……なんだか嬉しいです」

 もじもじとアルフレドが手遊びして言って来た。これは偽物というのを言うべきかな。

「まて! その王子は偽物だ!」

 言おうか言うまいか考えていると本物の王子がやってきた。隊長服の場合は、隊長自身も自分の想像している隊長を俺に見ている。なので効くみたい、王子は自分以外の王子を知らないみたいだから効果がないのかもしれないな。

「オラストロの王子が二人……」

 ルインズの兵士は困惑している様子だ。その間に近づいてきた王子が剣を抜いて俺を切りつけてきた。
 王子の服には細い剣が付属されているのでそれで防ぐと憎しみのこもった表情を俺に向けてくる。

「よもや無事に帰れると思うなよ」

 防がれたことでバックステップを踏む王子。
 この王子、かなり弱いぞ。細い剣というのもあるが、全然力を入れなくて防げた。

「王子! 兵士を集めてきました!」

「おい!? 王子が二人いるぞ!?」

 オラストロの兵士が集まってきた。予め集めるように命令していたんだろうな。王子のやつ、得意げにニヤニヤとこちらを見てきているよ。

「おい、どうすれば?」

「どっちが本物なんだ?」

 うろたえる兵士達。その姿にイライラし始めた王子が近くにいた兵士を切りつけた。

「王子! 何を!」

「本物も見抜ける馬鹿はいらん!」

「王子! おやめください」

 一人を切りつけてかばうように間に入った兵士も切りつけようとする馬鹿王子。死んではいないが大量に出血している。すぐに治さないと死ぬな。
 仕方ない治してやるか。なせか王子の服でも回復魔法の【ヒール】が使える。さらに上の【エリアヒール】間で使えるよ。オラストロの歴代の王子がそういう力を持っていたのかもしれないな。

「治してやる動くな」

「……。凄い! 一瞬で治っていく」

 治してやると周りの兵士達も驚いて声をあげた。

「隙だらけだ! 死ね!」

「タツミさん! 危ない!」

 キンッ!
 治している様子を隙と見た王子が剣を振り上げて切りつけてきた。
 間にはいったアルフレドが短剣で防いでくれた。

「……。こいつは偽物だ! 王子と姫様を助けろ!」
 
「何をする!? 私が本物だぞ!? 離せ! 離せ~!」

 その様子を見ていた兵士達が大きな声をあげて本物の王子を拘束していく。
 本物の王子は罵詈雑言を喚き散らし退場していった。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

村人召喚? お前は呼んでないと追い出されたので気ままに生きる

丹辺るん
ファンタジー
本作はレジーナブックスにて書籍化されています。 ―ー勇者召喚なるものに巻き込まれて、私はサーナリア王国にやって来た。ところが私の職業は、職業とも呼べない「村人」。すぐに追い出されてしまった。 ーーでもこの世界の「村人」ってこんなに強いの? それに私すぐに…ーー

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...