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第3章 ルインズ
第15話 帰還 ポートミルト
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「お父さん、見えてきたよ~」
ルキアが声をあげて指さす。早めの帰還でなんだか懐かしい気持ちも薄れるな。
街の入口で一悶着あると思ったんだけど、何事もなくみんなが通れた。オラストロの兵士も無事に通れて船の準備に分かれた。
服も着替えているから服の効果がなくなっているんだけどな。彼らの中では王子になっているのかもしれない。なんとも気恥ずかしい。王子なんてがらじゃないしな。
「クレンさん。また来ました」
「マイサじゃないか。こんなに早く戻ってくるとはね~。何かあったのかい?」
マイサさん達と共にクレンさんの宿屋にやってきた。
クレンさんが迎えてくれてマイサさんを抱きしめてる。
クレンさんに何があったのかを説明すると、
「そりゃ大変だね。みんなを連れてきているのはそういう事かい。ダイロだけの船じゃ無理そうだね。よし、みんな。店はいったん閉める。海に戻るよ!」
「はい!」
クレンさんの言葉に店の女の子たちが声をあげる。
「ええ! 店を閉めるっていいんですか!」
「ああ、目的のための店だったからね。ダイロの嫁になった今となっちゃ店に未練はないよ。稼ぎに稼いだからね」
マイサさんの疑問にクレンさんは豪快に笑って話した。
ダイロさんと結婚するためだけに店を作ったってなんだか凄い人だな。
こんなに人を好きになってみたいもんだ。まあ、ダイロさんは遠慮しておくけどね。
「明日の朝には出発できるはずだよ。ダイロにも連絡しておいてくれよタツミ」
「わかりました。ジュダインさん達はこちらの船に乗りますよね」
「はい、オラストロの船は遠慮しておきますよ。彼らは良い人かもしれないですが船には多くの人がいるでしょ」
クレンさんの話に答えてジュダインさんに問いかける。
トム達は良い人かもしれないけど、別の人達はまだあったことがない。迫害意識の強い人はいるかもしれないからな。今は無駄な争いをしている場合じゃないしな。
「リステアさん達はどうします?」
「アルフレイティアと同じ船がいいと思うわ。それにタツミさんともね」
「え? 俺ですか?」
「ええ。だって王子なのだからアルフレイティアと結婚するんでしょ?」
「「ええ!?」」
「ち、違うよお母様。タツミさんは王子じゃないし。僕らはそんな関係じゃ」
リステアさんが凄いことを言ってきて、アルは顔を真っ赤にして否定しているが確認するように俺を見てくる。
いや、普通に違うからな。
「タツミさん結婚するんですか!?」
「いやいや、違うよマイサさん」
マイサさんが話に参加してきた。ややこしいことになりかねないので否定しているとアルが頬を膨らませて、
「むう、そんなに否定しなくてもいいでしょ……」
なんて小声で言ってきた。いやいや、リステアさんに全否定していたでしょうに。
「よかった~。タツミさんは誰もいませんよね~」
「そうとも限りませんよ。タツミさんは優しい人だから~」
なぜかマイサさんとアルの間に不穏な空気が。
「マイサさん! アル。今はそんなことしている場合じゃ」
「タツミさん! 私のことはマイサと呼んでください! アルフレイティアさんばっかりずるいです!」
とにかく、仲裁に入ろうと思ったらマイサさんに怒られてしまった。アルは愛称で呼んでいるのにマイサさんはさん付けなのが嫌なんだろう。
なぜか二人にモテてしまっているようだ。
「とにかく、ダイロさんのところへ……」
「あ~また逃げた~」
「またって何ですか?」
「えっとね~。裸で迫ったらね~」
「ええ! そんなことを……」
こそこそとマイサさんはアルにこの間の事を説明している。彼女的には自慢しているんだろうが俺としては迷惑この上ない。
アルにはカッコいいままの俺でいたかったんだけどな。
「タツミさんって本当にカッコいいな~」
ダイロさんの船へと向かう背中に投げかけられるアルからの称賛。悪くはないと思いながらも気づかぬふりでしのいでいく。
アルのことは嫌いではない、むしろ好きだ。しかし、男として接していた時期がそこそこ長かったので変な気持ちだ。
彼女の好意を無下にするわけにもいかないし。う~む、もてる男はつらいといった感じだな。
ってモテるなんて言えるときが来るとはな~。これも一種の異世界チートか?
なんて冗談のようなことを考えながら店を出て街の外へと歩き出す。リステアさん達とアル、マイサさんがついてきた。
歩きながらマイサさんとアルが仲良く話している。さっきまでにらみ合っていたように見えたけど、もう仲良くなってるよ。女性ってよくわからないな。
「おう! タツミ! 覚悟はできてるか?」
ダイロさんの船に着くと指の骨をポキポキと鳴らす彼が迎えてくれた。
よし! 受けてたとう!
俺とダイロさんの殴り合いは少し続いた。もちろん、俺の勝ちだ! 手加減してオラストロの王子の服で対応したがなかなかよかった。オラストロの王子の服は回復もできるし、戦闘もそこそこ強かった。オラストロの歴代の王子の中で一番強い王子の能力になっていることになるが大海賊に勝てるのだから相当優秀な王子だったんだろうな。
「ちぃ。勝てない気はしていたがこうもやられるとは。アルフレドの坊やも取り戻しているようだしな。大したもんだほんとに」
ダイロさんは悔しそうな表情で褒めてきた。そんなに褒められても恥ずかしいぞ。
「何照れてやがる。さあ、早く乗れ。帰るぞ」
「ああ、そうしたいんだけどな」
「キャンキャン!」
「グルルルル!」
船に乗ろうと思ったら背後から殺気を感じて振り返る。リステアさん達を先に船に乗せていくと鋭い斬撃が地面を切りつけた。
「ふふふ、逃がさないわよ」
黒幕自らお出ましだ。
ルキアが声をあげて指さす。早めの帰還でなんだか懐かしい気持ちも薄れるな。
街の入口で一悶着あると思ったんだけど、何事もなくみんなが通れた。オラストロの兵士も無事に通れて船の準備に分かれた。
服も着替えているから服の効果がなくなっているんだけどな。彼らの中では王子になっているのかもしれない。なんとも気恥ずかしい。王子なんてがらじゃないしな。
「クレンさん。また来ました」
「マイサじゃないか。こんなに早く戻ってくるとはね~。何かあったのかい?」
マイサさん達と共にクレンさんの宿屋にやってきた。
クレンさんが迎えてくれてマイサさんを抱きしめてる。
クレンさんに何があったのかを説明すると、
「そりゃ大変だね。みんなを連れてきているのはそういう事かい。ダイロだけの船じゃ無理そうだね。よし、みんな。店はいったん閉める。海に戻るよ!」
「はい!」
クレンさんの言葉に店の女の子たちが声をあげる。
「ええ! 店を閉めるっていいんですか!」
「ああ、目的のための店だったからね。ダイロの嫁になった今となっちゃ店に未練はないよ。稼ぎに稼いだからね」
マイサさんの疑問にクレンさんは豪快に笑って話した。
ダイロさんと結婚するためだけに店を作ったってなんだか凄い人だな。
こんなに人を好きになってみたいもんだ。まあ、ダイロさんは遠慮しておくけどね。
「明日の朝には出発できるはずだよ。ダイロにも連絡しておいてくれよタツミ」
「わかりました。ジュダインさん達はこちらの船に乗りますよね」
「はい、オラストロの船は遠慮しておきますよ。彼らは良い人かもしれないですが船には多くの人がいるでしょ」
クレンさんの話に答えてジュダインさんに問いかける。
トム達は良い人かもしれないけど、別の人達はまだあったことがない。迫害意識の強い人はいるかもしれないからな。今は無駄な争いをしている場合じゃないしな。
「リステアさん達はどうします?」
「アルフレイティアと同じ船がいいと思うわ。それにタツミさんともね」
「え? 俺ですか?」
「ええ。だって王子なのだからアルフレイティアと結婚するんでしょ?」
「「ええ!?」」
「ち、違うよお母様。タツミさんは王子じゃないし。僕らはそんな関係じゃ」
リステアさんが凄いことを言ってきて、アルは顔を真っ赤にして否定しているが確認するように俺を見てくる。
いや、普通に違うからな。
「タツミさん結婚するんですか!?」
「いやいや、違うよマイサさん」
マイサさんが話に参加してきた。ややこしいことになりかねないので否定しているとアルが頬を膨らませて、
「むう、そんなに否定しなくてもいいでしょ……」
なんて小声で言ってきた。いやいや、リステアさんに全否定していたでしょうに。
「よかった~。タツミさんは誰もいませんよね~」
「そうとも限りませんよ。タツミさんは優しい人だから~」
なぜかマイサさんとアルの間に不穏な空気が。
「マイサさん! アル。今はそんなことしている場合じゃ」
「タツミさん! 私のことはマイサと呼んでください! アルフレイティアさんばっかりずるいです!」
とにかく、仲裁に入ろうと思ったらマイサさんに怒られてしまった。アルは愛称で呼んでいるのにマイサさんはさん付けなのが嫌なんだろう。
なぜか二人にモテてしまっているようだ。
「とにかく、ダイロさんのところへ……」
「あ~また逃げた~」
「またって何ですか?」
「えっとね~。裸で迫ったらね~」
「ええ! そんなことを……」
こそこそとマイサさんはアルにこの間の事を説明している。彼女的には自慢しているんだろうが俺としては迷惑この上ない。
アルにはカッコいいままの俺でいたかったんだけどな。
「タツミさんって本当にカッコいいな~」
ダイロさんの船へと向かう背中に投げかけられるアルからの称賛。悪くはないと思いながらも気づかぬふりでしのいでいく。
アルのことは嫌いではない、むしろ好きだ。しかし、男として接していた時期がそこそこ長かったので変な気持ちだ。
彼女の好意を無下にするわけにもいかないし。う~む、もてる男はつらいといった感じだな。
ってモテるなんて言えるときが来るとはな~。これも一種の異世界チートか?
なんて冗談のようなことを考えながら店を出て街の外へと歩き出す。リステアさん達とアル、マイサさんがついてきた。
歩きながらマイサさんとアルが仲良く話している。さっきまでにらみ合っていたように見えたけど、もう仲良くなってるよ。女性ってよくわからないな。
「おう! タツミ! 覚悟はできてるか?」
ダイロさんの船に着くと指の骨をポキポキと鳴らす彼が迎えてくれた。
よし! 受けてたとう!
俺とダイロさんの殴り合いは少し続いた。もちろん、俺の勝ちだ! 手加減してオラストロの王子の服で対応したがなかなかよかった。オラストロの王子の服は回復もできるし、戦闘もそこそこ強かった。オラストロの歴代の王子の中で一番強い王子の能力になっていることになるが大海賊に勝てるのだから相当優秀な王子だったんだろうな。
「ちぃ。勝てない気はしていたがこうもやられるとは。アルフレドの坊やも取り戻しているようだしな。大したもんだほんとに」
ダイロさんは悔しそうな表情で褒めてきた。そんなに褒められても恥ずかしいぞ。
「何照れてやがる。さあ、早く乗れ。帰るぞ」
「ああ、そうしたいんだけどな」
「キャンキャン!」
「グルルルル!」
船に乗ろうと思ったら背後から殺気を感じて振り返る。リステアさん達を先に船に乗せていくと鋭い斬撃が地面を切りつけた。
「ふふふ、逃がさないわよ」
黒幕自らお出ましだ。
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