40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 異世界旅行

第17話 共闘

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「あ! レベル上がった!? 凄い!?」

 しばらくしてリリスさんが嬉しそうに声をあげました。エチルちゃんと一緒になってゴブリンを倒していたのですが5匹目くらいですね。

「やっぱりすごい経験値みたいです。私、レベル上がるの久しぶり。31になっちゃった。パーティーとして認識されているみたいですね」

 リリスさんは嬉しそうに話しながら進んでいく。
 31レベルとは凄いです。私もレベル上げたいですが調教の効果のない私ではあまり上がらないでしょうね。残念です。
 私の仲間、パーティーメンバーとして加算されると経験値が入るという仕組みですね。スキルは面白いです。

「お姉ちゃん! 私もあがったよ~」

「凄いね! シゲルさんに感謝しないと」

 エチルちゃんも更にレベルが上がったようです。掌を見せているのを見ると5レベルになったんでしょうね。
 二人で私のお礼を言ってくれる。嬉しいような悲しいような‥‥。私もレベル上げたいです。

「このペースだと20もすぐかもしれないですね」

「うん! シゲルおじちゃんを守れるようになるね!」

「え? シゲルさんを守る?」

「うん! シゲルおじちゃんは大事な人だから」

 リリスさんの言葉に元気に答えるエチルちゃん。
 私が大事な人と言っています。涙腺が崩壊してしまいますよ。感激です。

「お父さんが言ってたんだ。『大事な人は自分の命をとしても守れ』ってこの前は逃げちゃったけど、今度はおじちゃんの代わりに戦う」

「はは、それは嬉しいですけど……命をかけてというのはやめてください。私はエチルちゃんの命よりも重い人間ではありません」

 エチルちゃんの重い言葉に私は苦笑いで答える。
 彼女の命を使ってまで私は生きたいとは思わない。彼女の命が助かるなら喜んでこの命を差し出します。彼女のお父様はそうやって命をかけたのでしょう。その結果、彼女を残せた。凄い人です。尊敬します。

「おじちゃん? どこか痛いの?」

「え? ああ。ははは、思わず泣いてしまいました。大丈夫、どこも痛くないですよ」

 涙を流すとエチルちゃんが心配して顔を覗いてくる。私の答えを聞くと抱き着いて来てくれる。

「涙を流すときはどこかわからないところが痛いんだってお父さんが言ってた。痛くなくても抱きしめると治るんだって」

「ほんとに。あなたのお父様は偉大な人ですね」

 嬉し泣きでもどこかわからないところが痛いから泣いている、ということですね。エチルちゃんの言葉に納得してしまう。
 確かにそうかもしれません。エチルちゃんに抱きしめられるとスッと元気が出てきます。

「じゃあ私も」

「り、リリスさん?」

 なぜかリリスさんも混ざって私を抱きしめてくれる。思ったよりも力が強いですね。鎧を着て居なくてよかったかもしれません。

「ではそろそろ」

「うん! あれ? リリスお姉ちゃん?」

 しばらくして二人に声を上げる。
 すると背中から抱き閉めてくれていたリリスさんが返事をしてくれません。顔をうずめているようですがどうしたんでしょうか。

「リリスお姉ちゃん! 起きて!」

「え? あ、はい……すみません。つい寝てしまいました」

 エチルちゃんが起こしてくれます。どうやら、寝ていたようですね。そんなに私の背中って睡眠を促してくれるのでしょうか。これもまた私には効果のない能力ですね。
 部長に怒られていた日々で一度も熟睡とは無縁でしたからね。

「青白い鉱石。ミスリルですね」

 二人の温かさが消えるころ。洞窟の奥へと進むと鉱石を発見しました。リリスさんが声を上げて、ミスリルだとわかる。

「鉱石だけじゃないみたいですね」

 通路に出来ている鉱石をたどっていくと大きな空洞、部屋が現れます。
 部屋の壁面いっぱいの鉱石。そして、それ以外の光る瞳。ギラリと私達を見つめてきます。

「オーガもいるようですね。エチルちゃんはゴブリンを。シゲルさんは無理せずに」

「「はい!」」

 リリスさんの声にエチルちゃんと共に答える。私はエチルちゃんから離れずにゴブリンと対峙します。

「ハァ! 体が動く。レベルアップのおかげね」

 オーガと言われた角を生やした人型の魔物。3メートル程の巨人、恐ろしいものですが、彼女は簡単に倒していく。調教は経験値だけじゃないのでしょうか?

『【共闘】を習得しました』

「おっと、これは……」

 色々考えながらゴブリンを倒しているとスキルを習得してしまいます。調教のスキルに感化されたのでしょうか。二人に変化は?

「なんだか凄い! 動きがわかる」

「な、なんですかこれ? スキルの効果?」

 エチルちゃんとリリスさんが歓喜して声を上げます。
 どうやら、敵の動きが遅くなっているようです。ということは私の槍術のスキルが作用している?
 共闘とは仲間のスキルを使用できるようになるということでしょうか? そうなるとスキルマシマシになりつつある私の仲間はつよつよになってしまいますね。

『レベルが上がりました』

「え? もしかして!?」

 レベルアップの声が聞こえてきます。
 これは嬉しい誤算ですよ。私にも二人の経験値が共有されたようです。二人が多くもらっている経験値の一部が私に入っているのでしょう。【共闘】スキルは私の味方です。
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