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第一章 異世界旅行
第18話 救出
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「すべての死骸をしまっておきます」
「わ~い! レベル15になった~」
リリスさんとエチルちゃんが声を上げます。魔物の死骸が大量に生まれてしまいました。凄い光景です。
あまり気持ちのいいものではないですね。
「ミスリル鉱石も私が取っておきますね」
「あ、私も手伝いますよ」
「いえ、私はもらってばかりなので。このくらいはやらせてください」
リリスさんが謙遜しています。オーガも簡単に倒してしまう強者なのに凄いです。尊敬します。
では私はエチルちゃんと奥に行ってみますか。
鉱山にはまだまだ先があります。ゴブリンはいないようですが。
「見事な柱ですね。ミスリルで作ったのでしょうか?」
暗くてよく見えませんが通路の中央に光を帯びている柱が鎮座しています。発光しているので少し明るいですが。このまま暗いのも嫌ですね。
「【光を】でどうでしょうか?」
「明る~い」
私独自の魔法を唱えると掌に小さな光が生まれる。エチルちゃんが喜んでくれる。
小さくても辺りを照らすには十分。まるでエチルちゃんのようですね。
「誰かいるの?」
「来るはずねえよ。ゴブリンが住んでるなんて情報はなかったんだからな」
光を頼りに更に奥に進んでいく。すると声が聞こえてくる。何か言い合いをしているような声ですが。
「どなたかいらっしゃいますか~?」
小さな部屋を発見しました。声のする部屋はここです。声を上げてみると二人の少年少女を発見しました。
「ひ、人?」
「た、助かった~」
二人は私とエチルちゃんをみてホッと胸をなでおろしています。
「お兄ちゃんたち大丈夫?」
「「獣人?」」
エチルちゃんが心配して近寄る。二人は怪訝な表情になってしまう。
「なんで獣人が一緒に?」
少年は怪訝な表情で声を上げる。
悲しいですが、これがこの世界の常識。私達はそれを避けてきた。
ですが決して避けて通れる道ではありません。いつかは対峙しなくてはいけないもの。今がその時です。
「エチルちゃん。二人の縄を外してあげてください」
「うん!」
私の声に答えて素直に二人の縄を解いていく。二人は私に手を差し出してくる。
「ありがとう助かりました」
「この恩は返します」
そう言ってくる二人に私は首を横に振ってこたえる。
「私はあなた達を助けていません。縄を取ってくれたのは誰ですか?」
二人にそう問いかけるとエチルちゃんが手を上げる。そう、彼女が二人の縄を取ってくれた。それなのにこの子達は……。
「獣人にお礼? 馬鹿げてる。こいつらは良くて奴隷だ。そんな奴に」
「彼女は奴隷ではありません。あなたと同じで自由に生きている。何かしてもらったらお礼を言う。普通のことですよ」
「で、でも……」
少年がぶつくさと何か言っています。この世界の常識を作った人を恨みますよ。
私の言葉を聞いても彼の心は変わっていないようです。仕方ありません。
「とにかく、お礼は彼女に言ってください。それができないなら私にお礼はいりません。私は”人族”なんですから助け合うのは普通なのでしょ?」
彼らの常識なら人族が人族を助けるのは普通。そういって私は二人を無視してリリスさんの元へと足を向ける。
「ま、待ってくれ。怪我をしてるんだ。助けてくれ」
「怪我?」
少年が少女の足を指さして声を上げる。まったく、この子達は……。
「エチルちゃん。【ヒール】と言ってみてください」
「【ヒール】!」
スキルが作用しているならば、そう思ってエチルちゃんに声をかける。すると思った通り、魔法のスキルが作用しているようです。
彼女の手のひらから光が出て少女の怪我を治していく。
「獣人が回復魔法!?」
「凄い!」
二人が驚いて声を上げる。エチルちゃんを見る目が変わっていきます。
「すげぇなお前!」
「どうやって覚えたの!?」
「え? ええっと今初めてつかって」
二人は大喜びでエチルちゃんに駆け寄る。その前に言うことがあるでしょうに……。
「お二人とも。何か言うことはないですか?」
喜ぶ二人に私は声をかける。二人は察した様子でエチルちゃんに手を伸ばす。
「ありがとう。助かったぜ」
「ありがとう」
握手を求めて声をかける二人、少しは獣人という壁を壊せたでしょうか。
「俺はルッソ」
「私はミラ。よろしくね」
二人は握手を交わして自己紹介を始める。それに合わせて私とエチルちゃんも名を名乗る。二人は笑顔で答えてくれる。
「私達、近くの村で冒険者になる特訓をしていたの」
「そうしたら落とし穴に落ちて。気絶している間に縄で縛られて。もう少し遅かったら俺達どうなってたか」
二人は事の顛末を話す。顔を見合ってエチルちゃんに視線を移すとほほ笑む。
「俺達は命の恩人に何を言ってたんだろうな」
「獣人だからって違いは耳と尻尾だけなのに……」
二人は再度顔を見合うとクスクスと笑って話す。エチルちゃんを見て差別しているのが可笑しいと感じてしまったんですね。
ルッソとミラは12歳くらいの子供。常識という鎖を外すのも容易かもしれませんね。
「わ~い! レベル15になった~」
リリスさんとエチルちゃんが声を上げます。魔物の死骸が大量に生まれてしまいました。凄い光景です。
あまり気持ちのいいものではないですね。
「ミスリル鉱石も私が取っておきますね」
「あ、私も手伝いますよ」
「いえ、私はもらってばかりなので。このくらいはやらせてください」
リリスさんが謙遜しています。オーガも簡単に倒してしまう強者なのに凄いです。尊敬します。
では私はエチルちゃんと奥に行ってみますか。
鉱山にはまだまだ先があります。ゴブリンはいないようですが。
「見事な柱ですね。ミスリルで作ったのでしょうか?」
暗くてよく見えませんが通路の中央に光を帯びている柱が鎮座しています。発光しているので少し明るいですが。このまま暗いのも嫌ですね。
「【光を】でどうでしょうか?」
「明る~い」
私独自の魔法を唱えると掌に小さな光が生まれる。エチルちゃんが喜んでくれる。
小さくても辺りを照らすには十分。まるでエチルちゃんのようですね。
「誰かいるの?」
「来るはずねえよ。ゴブリンが住んでるなんて情報はなかったんだからな」
光を頼りに更に奥に進んでいく。すると声が聞こえてくる。何か言い合いをしているような声ですが。
「どなたかいらっしゃいますか~?」
小さな部屋を発見しました。声のする部屋はここです。声を上げてみると二人の少年少女を発見しました。
「ひ、人?」
「た、助かった~」
二人は私とエチルちゃんをみてホッと胸をなでおろしています。
「お兄ちゃんたち大丈夫?」
「「獣人?」」
エチルちゃんが心配して近寄る。二人は怪訝な表情になってしまう。
「なんで獣人が一緒に?」
少年は怪訝な表情で声を上げる。
悲しいですが、これがこの世界の常識。私達はそれを避けてきた。
ですが決して避けて通れる道ではありません。いつかは対峙しなくてはいけないもの。今がその時です。
「エチルちゃん。二人の縄を外してあげてください」
「うん!」
私の声に答えて素直に二人の縄を解いていく。二人は私に手を差し出してくる。
「ありがとう助かりました」
「この恩は返します」
そう言ってくる二人に私は首を横に振ってこたえる。
「私はあなた達を助けていません。縄を取ってくれたのは誰ですか?」
二人にそう問いかけるとエチルちゃんが手を上げる。そう、彼女が二人の縄を取ってくれた。それなのにこの子達は……。
「獣人にお礼? 馬鹿げてる。こいつらは良くて奴隷だ。そんな奴に」
「彼女は奴隷ではありません。あなたと同じで自由に生きている。何かしてもらったらお礼を言う。普通のことですよ」
「で、でも……」
少年がぶつくさと何か言っています。この世界の常識を作った人を恨みますよ。
私の言葉を聞いても彼の心は変わっていないようです。仕方ありません。
「とにかく、お礼は彼女に言ってください。それができないなら私にお礼はいりません。私は”人族”なんですから助け合うのは普通なのでしょ?」
彼らの常識なら人族が人族を助けるのは普通。そういって私は二人を無視してリリスさんの元へと足を向ける。
「ま、待ってくれ。怪我をしてるんだ。助けてくれ」
「怪我?」
少年が少女の足を指さして声を上げる。まったく、この子達は……。
「エチルちゃん。【ヒール】と言ってみてください」
「【ヒール】!」
スキルが作用しているならば、そう思ってエチルちゃんに声をかける。すると思った通り、魔法のスキルが作用しているようです。
彼女の手のひらから光が出て少女の怪我を治していく。
「獣人が回復魔法!?」
「凄い!」
二人が驚いて声を上げる。エチルちゃんを見る目が変わっていきます。
「すげぇなお前!」
「どうやって覚えたの!?」
「え? ええっと今初めてつかって」
二人は大喜びでエチルちゃんに駆け寄る。その前に言うことがあるでしょうに……。
「お二人とも。何か言うことはないですか?」
喜ぶ二人に私は声をかける。二人は察した様子でエチルちゃんに手を伸ばす。
「ありがとう。助かったぜ」
「ありがとう」
握手を求めて声をかける二人、少しは獣人という壁を壊せたでしょうか。
「俺はルッソ」
「私はミラ。よろしくね」
二人は握手を交わして自己紹介を始める。それに合わせて私とエチルちゃんも名を名乗る。二人は笑顔で答えてくれる。
「私達、近くの村で冒険者になる特訓をしていたの」
「そうしたら落とし穴に落ちて。気絶している間に縄で縛られて。もう少し遅かったら俺達どうなってたか」
二人は事の顛末を話す。顔を見合ってエチルちゃんに視線を移すとほほ笑む。
「俺達は命の恩人に何を言ってたんだろうな」
「獣人だからって違いは耳と尻尾だけなのに……」
二人は再度顔を見合うとクスクスと笑って話す。エチルちゃんを見て差別しているのが可笑しいと感じてしまったんですね。
ルッソとミラは12歳くらいの子供。常識という鎖を外すのも容易かもしれませんね。
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