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第二章 学校
第67話 ゴルグィード
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ラルクお兄ちゃんたちと話して、今日の所は寝ようと思って寝室で寝てると大きな音が聞こえてきたの。窓からお外を見ると空から音が降ってきていて、金色の輝きと青い輝きが見えたの。花火でもやってるの?
「アイ様! インクというものが来ていますが知っていますか?」
「インク? ウルランブルグの服屋よ。それが来ているの?」
「服屋ですか?」
レイおねえちゃんが凄い勢いで部屋に入ってきたの。インクさんは服屋さんなの、ルナちゃんと一緒に服を買ったの。
「アイ様!」
「あ、まだ許可していないぞ」
インクさんが部屋に入ってきたの。息が切れてて今にも倒れそうになっているの。
「どうしたのインク。そんなに急いで……というかウルランブルグからいつ来たのよ」
「そんなことはどうでもいいんです! アイ様、空を見ましたか?」
インクさんは息を切らせてアイの肩をつかんできたの、窓から空は見たの。頷いて答えるとインクさんは涙を溜めて話しだしたの。
「ゴルグィードが! ゴルグィードが死んじゃう!」
「じーじが?」
「インク!? ゴルグィード校長先生を知っているの?」
インクさんの言葉にルナちゃんが驚いているの。インクさんはルナちゃんの言葉に首を振ってこたえて言葉を続けたの。
「私がゴルグィードを知っていようがいまいがそれはどうでもいいんです! アイ様! お願いです。ゴルグィードを! 彼を助けてください」
「じーじがどうしたの?」
「戦っているんです……命を削って戦っているんです。短命な人族のくせに命を削って戦ってるんです。私達の為に……」
インクさんは涙を流しているの。頬を伝って床に落ちる綺麗な涙、アイは窓から空に飛んでいくの! じーじを救うの!
「ペンさん力を貸してほしいの!」
騒がしい空に向かいながらペンさんをポケットから取り出すの。ペンさんは一瞬で大きくなって剣になっていくの。アイの身長の二倍もある剣だけど、片手で持てるくらい軽いの~、お父さんが言うには選ばれたものなら軽いらしいの。アイは選ばれたみたいなの。聖剣グレイテスハウルちゃんっていうらしいの、アイはハウルちゃんって呼ぶの。
「見えてきたの~」
チカチカと光っていた二人に近づくと姿がはっきり見えてきたの。じーじは両手に剣をそれぞれ持っててお洋服が赤くなってて、もう一人はメイギスお姉さんだったの……。お姉さんがじーじをいじめているの?
「あら? アイちゃんじゃない。さっきのエルフはアイちゃんを呼びに行ったの?」
「フォッフォッフォ、力ない爺の我儘じゃよ。最後にアイちゃんに会いたくなってしまっただけじゃ。アイちゃんに戦いをさせようなんて思っちゃおらん」
「ふふ、最後だって分かっているのね。えらいじゃない」
メイギスお姉ちゃんはアイを見て微笑んでいるの。じーじをいじめていたのはやっぱり、お姉さんみたいなの。アイはお姉さんを叱るの! 喧嘩はメなの!
「喧嘩しちゃメなの!」
「喧嘩? 違うわよ。これは戦争よ」
「戦争?」
「そうよ。戦争」
喧嘩じゃないみたいなの。戦争ってなんなの?
「アイちゃんは子供だから知らないわよね。戦争っていうのは命の取り合い、殺し合いなのよ」
命の取り合い? それって凄く危険なことじゃないの?
「そんなことしちゃダメなの! 命は物じゃないの!」
「そうよ。だけど、やられたらやり返さないとなめられてもっと取られちゃうのよ。それが戦争なの。倍返しはもちろん、壊滅するくらいやり返さないと終わらないのよ」
「お姉ちゃんもじーじも死んでほしくないの! もう、アイは見たくないの!」
「ふぅ~。子供に分からせるのは無理ね。邪魔をするならアイちゃんも死んでもらうわ。まあ、本来の目的通りなのよね」
メイギスお姉ちゃんの目が金色に輝いてアイを見つめてきたの。元々、アイを狙ってきていたって言っているの。でも、メイギスお姉ちゃんはとっても優しく接してくれていたの。絶対に嘘なの!
「お前の相手は儂じゃろ!」
「死にぞこないがしつこいわね。女の子に嫌われるわよ」
「フォッフォッフォ、申し訳ないがこれでもモテモテなんじゃよ」
じーじがメイギスお姉ちゃんに剣を振り回しているの。メイギスお姉ちゃんは素手で剣を受け止めたり、はじいたりしていてとっても強いの。じーじは自分が攻撃するたびに血が飛び散っているの、じーじが死んじゃうの!
「ダメなの~!」
「うぐ、アイちゃん何をするんじゃ……」
「へ~、回復させているのね。でも、無駄よ。彼の力はそういう力も阻害するものだからね」
アイはじーじに抱き着いて精霊さんにお願いしているの。じーじを助けて、じーじの怪我を治してってお願いしているの。だけど、全然治らないの、お願いなの。頑張ってほしいの!
「邪魔よ。あなたも一緒に死になさい!」
「アイちゃん……」
「……何なの? なぜ、手が動かないの。それに涙が止まらない……」
庇おうと抱きしめてくれたじーじとアイに腕を振り下ろそうとしたメイギスお姉ちゃん、その腕は止まってアイ達には届かないみたいなの。メイギスお姉ちゃんは涙を拭ってるけど次から次へと流れ出る涙に戸惑っているの。お姉ちゃんは悲しいみたいなの。
「今がチャンスじゃ……仕留めねば! ぐっ」
「無理しちゃダメなの」
じーじが剣を構えてメイギスお姉ちゃんに近づこうとしたけど、体が痛いみたいで動けなくなっているの。
「今日の所は退散しようかしらね。次はないわよ、アイ。それにゴルグィード」
「フォッフォッフォ、今日仕留めなかったことを後悔するんじゃな」
「言ってなさいな。私はまだ本気じゃなかったのよ」
お姉ちゃんはそう言って飛んで行ってしまったの。アイはお姉ちゃんから目が離せなかったの。ずっと涙を流しているお姉ちゃんが気になってしょうがないの。
「帰ろうアイちゃん。どこか怪我したのか?」
「違うの。痛くないの。全然痛くないけど、お胸が苦しくて涙が止まらないの」
大好きなメイギスお姉ちゃんがじーじをいじめた事がとっても苦しいの。
「フォッフォッフォ、アイちゃんは相変わらず優しいの~」
じーじが頭をなでなでしてくれているの。それでも涙が止まらないの、なんでなの?
「……アイちゃんすまんが、インクに謝っておいておくれ」
「じーじ!?」
頭を撫でてくれてたじーじの手が消えていくの。じーじが霧みたいになって空に舞って行ってしまったの。微笑んで消えていくじーじ……、なんでなの……
「アイ様! インクというものが来ていますが知っていますか?」
「インク? ウルランブルグの服屋よ。それが来ているの?」
「服屋ですか?」
レイおねえちゃんが凄い勢いで部屋に入ってきたの。インクさんは服屋さんなの、ルナちゃんと一緒に服を買ったの。
「アイ様!」
「あ、まだ許可していないぞ」
インクさんが部屋に入ってきたの。息が切れてて今にも倒れそうになっているの。
「どうしたのインク。そんなに急いで……というかウルランブルグからいつ来たのよ」
「そんなことはどうでもいいんです! アイ様、空を見ましたか?」
インクさんは息を切らせてアイの肩をつかんできたの、窓から空は見たの。頷いて答えるとインクさんは涙を溜めて話しだしたの。
「ゴルグィードが! ゴルグィードが死んじゃう!」
「じーじが?」
「インク!? ゴルグィード校長先生を知っているの?」
インクさんの言葉にルナちゃんが驚いているの。インクさんはルナちゃんの言葉に首を振ってこたえて言葉を続けたの。
「私がゴルグィードを知っていようがいまいがそれはどうでもいいんです! アイ様! お願いです。ゴルグィードを! 彼を助けてください」
「じーじがどうしたの?」
「戦っているんです……命を削って戦っているんです。短命な人族のくせに命を削って戦ってるんです。私達の為に……」
インクさんは涙を流しているの。頬を伝って床に落ちる綺麗な涙、アイは窓から空に飛んでいくの! じーじを救うの!
「ペンさん力を貸してほしいの!」
騒がしい空に向かいながらペンさんをポケットから取り出すの。ペンさんは一瞬で大きくなって剣になっていくの。アイの身長の二倍もある剣だけど、片手で持てるくらい軽いの~、お父さんが言うには選ばれたものなら軽いらしいの。アイは選ばれたみたいなの。聖剣グレイテスハウルちゃんっていうらしいの、アイはハウルちゃんって呼ぶの。
「見えてきたの~」
チカチカと光っていた二人に近づくと姿がはっきり見えてきたの。じーじは両手に剣をそれぞれ持っててお洋服が赤くなってて、もう一人はメイギスお姉さんだったの……。お姉さんがじーじをいじめているの?
「あら? アイちゃんじゃない。さっきのエルフはアイちゃんを呼びに行ったの?」
「フォッフォッフォ、力ない爺の我儘じゃよ。最後にアイちゃんに会いたくなってしまっただけじゃ。アイちゃんに戦いをさせようなんて思っちゃおらん」
「ふふ、最後だって分かっているのね。えらいじゃない」
メイギスお姉ちゃんはアイを見て微笑んでいるの。じーじをいじめていたのはやっぱり、お姉さんみたいなの。アイはお姉さんを叱るの! 喧嘩はメなの!
「喧嘩しちゃメなの!」
「喧嘩? 違うわよ。これは戦争よ」
「戦争?」
「そうよ。戦争」
喧嘩じゃないみたいなの。戦争ってなんなの?
「アイちゃんは子供だから知らないわよね。戦争っていうのは命の取り合い、殺し合いなのよ」
命の取り合い? それって凄く危険なことじゃないの?
「そんなことしちゃダメなの! 命は物じゃないの!」
「そうよ。だけど、やられたらやり返さないとなめられてもっと取られちゃうのよ。それが戦争なの。倍返しはもちろん、壊滅するくらいやり返さないと終わらないのよ」
「お姉ちゃんもじーじも死んでほしくないの! もう、アイは見たくないの!」
「ふぅ~。子供に分からせるのは無理ね。邪魔をするならアイちゃんも死んでもらうわ。まあ、本来の目的通りなのよね」
メイギスお姉ちゃんの目が金色に輝いてアイを見つめてきたの。元々、アイを狙ってきていたって言っているの。でも、メイギスお姉ちゃんはとっても優しく接してくれていたの。絶対に嘘なの!
「お前の相手は儂じゃろ!」
「死にぞこないがしつこいわね。女の子に嫌われるわよ」
「フォッフォッフォ、申し訳ないがこれでもモテモテなんじゃよ」
じーじがメイギスお姉ちゃんに剣を振り回しているの。メイギスお姉ちゃんは素手で剣を受け止めたり、はじいたりしていてとっても強いの。じーじは自分が攻撃するたびに血が飛び散っているの、じーじが死んじゃうの!
「ダメなの~!」
「うぐ、アイちゃん何をするんじゃ……」
「へ~、回復させているのね。でも、無駄よ。彼の力はそういう力も阻害するものだからね」
アイはじーじに抱き着いて精霊さんにお願いしているの。じーじを助けて、じーじの怪我を治してってお願いしているの。だけど、全然治らないの、お願いなの。頑張ってほしいの!
「邪魔よ。あなたも一緒に死になさい!」
「アイちゃん……」
「……何なの? なぜ、手が動かないの。それに涙が止まらない……」
庇おうと抱きしめてくれたじーじとアイに腕を振り下ろそうとしたメイギスお姉ちゃん、その腕は止まってアイ達には届かないみたいなの。メイギスお姉ちゃんは涙を拭ってるけど次から次へと流れ出る涙に戸惑っているの。お姉ちゃんは悲しいみたいなの。
「今がチャンスじゃ……仕留めねば! ぐっ」
「無理しちゃダメなの」
じーじが剣を構えてメイギスお姉ちゃんに近づこうとしたけど、体が痛いみたいで動けなくなっているの。
「今日の所は退散しようかしらね。次はないわよ、アイ。それにゴルグィード」
「フォッフォッフォ、今日仕留めなかったことを後悔するんじゃな」
「言ってなさいな。私はまだ本気じゃなかったのよ」
お姉ちゃんはそう言って飛んで行ってしまったの。アイはお姉ちゃんから目が離せなかったの。ずっと涙を流しているお姉ちゃんが気になってしょうがないの。
「帰ろうアイちゃん。どこか怪我したのか?」
「違うの。痛くないの。全然痛くないけど、お胸が苦しくて涙が止まらないの」
大好きなメイギスお姉ちゃんがじーじをいじめた事がとっても苦しいの。
「フォッフォッフォ、アイちゃんは相変わらず優しいの~」
じーじが頭をなでなでしてくれているの。それでも涙が止まらないの、なんでなの?
「……アイちゃんすまんが、インクに謝っておいておくれ」
「じーじ!?」
頭を撫でてくれてたじーじの手が消えていくの。じーじが霧みたいになって空に舞って行ってしまったの。微笑んで消えていくじーじ……、なんでなの……
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