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第4話
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「お? グラーフか。珍しいな仕事してるなんて」
「おい、そりゃないだろ。俺は毎日仕事してるぞ」
「あ~? あれが仕事だ~あ? なに寝言言ってんだ」
地下室につくと上の階の倍の広さのフロアが広がってた。ドワーフのおじいさんがグラーフさんと言い合いになってる。
「あ~もういい。こっちのアクアス君が獲物をたくさん持ってるみたいなんで案内してやったんだ。仕事してくれ」
「ふん。もういいは儂の方じゃよ。まったく。この小僧が獲物をいっぱい持っとるということはマジックバッグ持ちか。なかなか期待できそうじゃな。って! エルザが外に出ておるのか!?」
ドワーフさんは僕を見たと思ったらエルザさんを見て驚いてる。
彼女は恥ずかしそうに髪で顔を隠してしまった。何か事情がありそうだな~。
「お前、呪われてるエルフが受付につくなんてできないって言っていたじゃないか。受付に座ったのか?」
「は、はい。座ったのはいいんですけど、皆さんに警戒されてしまって……」
あ~それで受付に座ったらどよめきがたったのか。なるほど。
「ふむ。それで最初のお客さんがこの小僧だったというわけか。エルザの事を知らなければ警戒もせんしな」
「はい。それでついでに呪いも解いてくれて」
「なに!? 呪いを解いたじゃと!? 小僧!? 本当か!」
がしっと両肩を掴まれる僕。ブンブン体を揺さぶられながら頷くと肩を離して唖然としてる。
「夢のようじゃ。これで自由になったんじゃな。よかったの~エルザ」
「ありがとうございますバラッゾさん……」
エルザさんと握手を交わすドワーフさんのバラッソさん。二人とも泣いてしまってる。
「小僧、名は?」
「アクアスです」
「儂はバラッソじゃ。エルザの件、儂からもお礼を言わせてくれ。ありがとう」
深くお辞儀をしてお礼を言って来た。
本当に嬉しそうに泣いてるバラッソさん。グラーフさんも少し泣いているように見える。エルザさんはグラーフさん達には愛されていたのかな。
「さあ、獲物を出すがいい。割増しで換金するぞ」
涙を豪快に拭ってバラッソさんは大剣と言っていい包丁を肩に担いだ。そこまで大物でもないと思うんだけど。
「じゃあ」
街道で倒した魔物を出せるだけ出す。すべては流石に出せないので少しずつ換金してもらおう。
「凄い数だな。こりゃ、災害クラスの群れが発生してたみたいだ」
「えっとこれで十分の一です」
「な、なに!? 天災クラスだな……」
グラーフさんは唖然として呟いた。そんなに危ない状況だったのか。気づかなかったな~。
「ふむ。腕の見せどころじゃな。とりあえず、金貨十枚と言ったところじゃな」
「ロードとキングもあるんだが」
「なに!? おお、そうか、この量を統率していたんだからいてもおかしくないな。では白金貨三枚と金貨十枚じゃな」
このくらいの量でそんなにもらえるのか~……。すぐにルミナさんと新婚生活を送れそうだな~。
「マスター。ランクはどうしますか?」
「あ~そうか。登録しに来たんだよな」
エルザさんの疑問にグラーフさんが考え込んでしまった。グラーフさんよりも強いって言うのがわかっちゃってるからな~。いきなりSランクじゃ更に目立っちゃうな~って今更かな。
「最初からSランクだと他の支部から文句がきそうだ。適当やってんじゃねえってな。だから、Cランクってことでいいか? Cランクから本格的な討伐のクエストが受けれるようになるからな。稼ぎがよくなるんだ、ってアクアスには関係ないか」
今更稼ぎは確かに関係ないかもね。群れを倒すだけで金貨とかもらっちゃってるからな~。
普通は倒せない群れだったみたいだけど、余裕だったな。
「アクアス。欲しい素材とかはないか? キングやロードから取れる魔石とか」
「ん~。これと言ってないですね。武器も使いませんし」
「武器を持って居らんのか……どうやって倒したんじゃ? そういうことを聞いちゃいかんもんじゃな」
バラッソさんの質問に答えるとうなだれるように頭を抱えてしまった。戦闘方法を聞くのは野暮ってことなんだろうな。
「金は上で渡そう」
「はい」
卸した魔物はバラッソさんに任せてグラーフさんとエルザさんと共に受付に戻る。
受付に戻るとお金がどっさりと積まれていく。
「使いやすいように両替してしまいましたがよろしかったですか?」
気を使って大銀貨や大銅貨に変えてくれたみたい。
普通の商店や屋台じゃ銀貨以上は使わないからおつりがないとかになっちゃうってルミナさんに言われたっけ。
銅貨から始まって大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨と通貨は大きくなる。白金貨一枚で家が買えちゃうから目的は達成されたも同然だな~。
「ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ。本当にありがとうございました。このご恩はこれから返させていただきますね」
「え? あ~はい?」
にっこりと微笑むエルザさん。恩を返すという言葉に首を傾げながら、ギルドを後にする。
「今だ!」
「ん?」
ギルドをでると一斉に男達が襲い掛かってきた。
みんな空中で水にドボン、なんで襲ってくるかな~?
「「「「「ゴボボボ」」」」」
「あれ? ゴリーさん?」
「ゴボボボ」
エルザさんに悪態をついてたゴリーさんもその中にいた。あんなやられ方したのにまた襲ってくるなんて頭悪いのかな?
「「「「「ゴホッゴホッ!」」」」」
「ゴリーさん。今度やったら死んじゃいますよ。諦めてください」
「だ、誰がゴリーだ! ラリーだ!」
ありゃ、名前を間違えちゃってた。失敗失敗。
「失礼しました、ラリーさん。皆さんもやめてくださいね。次やってきたらグラーフさんに言いますからね」
「ぐっ。覚えてろよ」
「いやいや、こっちのセリフですよラリーさん。次やったらグラーフさんに言いますからね! 大事なことなので二度言いますけど」
再三にわたって忠告する。
こんな街中で襲ってくるなんてどうかしてるね。
しかし、ルミナさんとの新婚生活が一気に近づいたな~。買える家を見ておいたほうがいいかもしれないな~。
ふふふ、楽しみだ。ルミナさんとの愛の巣。
「おい、そりゃないだろ。俺は毎日仕事してるぞ」
「あ~? あれが仕事だ~あ? なに寝言言ってんだ」
地下室につくと上の階の倍の広さのフロアが広がってた。ドワーフのおじいさんがグラーフさんと言い合いになってる。
「あ~もういい。こっちのアクアス君が獲物をたくさん持ってるみたいなんで案内してやったんだ。仕事してくれ」
「ふん。もういいは儂の方じゃよ。まったく。この小僧が獲物をいっぱい持っとるということはマジックバッグ持ちか。なかなか期待できそうじゃな。って! エルザが外に出ておるのか!?」
ドワーフさんは僕を見たと思ったらエルザさんを見て驚いてる。
彼女は恥ずかしそうに髪で顔を隠してしまった。何か事情がありそうだな~。
「お前、呪われてるエルフが受付につくなんてできないって言っていたじゃないか。受付に座ったのか?」
「は、はい。座ったのはいいんですけど、皆さんに警戒されてしまって……」
あ~それで受付に座ったらどよめきがたったのか。なるほど。
「ふむ。それで最初のお客さんがこの小僧だったというわけか。エルザの事を知らなければ警戒もせんしな」
「はい。それでついでに呪いも解いてくれて」
「なに!? 呪いを解いたじゃと!? 小僧!? 本当か!」
がしっと両肩を掴まれる僕。ブンブン体を揺さぶられながら頷くと肩を離して唖然としてる。
「夢のようじゃ。これで自由になったんじゃな。よかったの~エルザ」
「ありがとうございますバラッゾさん……」
エルザさんと握手を交わすドワーフさんのバラッソさん。二人とも泣いてしまってる。
「小僧、名は?」
「アクアスです」
「儂はバラッソじゃ。エルザの件、儂からもお礼を言わせてくれ。ありがとう」
深くお辞儀をしてお礼を言って来た。
本当に嬉しそうに泣いてるバラッソさん。グラーフさんも少し泣いているように見える。エルザさんはグラーフさん達には愛されていたのかな。
「さあ、獲物を出すがいい。割増しで換金するぞ」
涙を豪快に拭ってバラッソさんは大剣と言っていい包丁を肩に担いだ。そこまで大物でもないと思うんだけど。
「じゃあ」
街道で倒した魔物を出せるだけ出す。すべては流石に出せないので少しずつ換金してもらおう。
「凄い数だな。こりゃ、災害クラスの群れが発生してたみたいだ」
「えっとこれで十分の一です」
「な、なに!? 天災クラスだな……」
グラーフさんは唖然として呟いた。そんなに危ない状況だったのか。気づかなかったな~。
「ふむ。腕の見せどころじゃな。とりあえず、金貨十枚と言ったところじゃな」
「ロードとキングもあるんだが」
「なに!? おお、そうか、この量を統率していたんだからいてもおかしくないな。では白金貨三枚と金貨十枚じゃな」
このくらいの量でそんなにもらえるのか~……。すぐにルミナさんと新婚生活を送れそうだな~。
「マスター。ランクはどうしますか?」
「あ~そうか。登録しに来たんだよな」
エルザさんの疑問にグラーフさんが考え込んでしまった。グラーフさんよりも強いって言うのがわかっちゃってるからな~。いきなりSランクじゃ更に目立っちゃうな~って今更かな。
「最初からSランクだと他の支部から文句がきそうだ。適当やってんじゃねえってな。だから、Cランクってことでいいか? Cランクから本格的な討伐のクエストが受けれるようになるからな。稼ぎがよくなるんだ、ってアクアスには関係ないか」
今更稼ぎは確かに関係ないかもね。群れを倒すだけで金貨とかもらっちゃってるからな~。
普通は倒せない群れだったみたいだけど、余裕だったな。
「アクアス。欲しい素材とかはないか? キングやロードから取れる魔石とか」
「ん~。これと言ってないですね。武器も使いませんし」
「武器を持って居らんのか……どうやって倒したんじゃ? そういうことを聞いちゃいかんもんじゃな」
バラッソさんの質問に答えるとうなだれるように頭を抱えてしまった。戦闘方法を聞くのは野暮ってことなんだろうな。
「金は上で渡そう」
「はい」
卸した魔物はバラッソさんに任せてグラーフさんとエルザさんと共に受付に戻る。
受付に戻るとお金がどっさりと積まれていく。
「使いやすいように両替してしまいましたがよろしかったですか?」
気を使って大銀貨や大銅貨に変えてくれたみたい。
普通の商店や屋台じゃ銀貨以上は使わないからおつりがないとかになっちゃうってルミナさんに言われたっけ。
銅貨から始まって大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨と通貨は大きくなる。白金貨一枚で家が買えちゃうから目的は達成されたも同然だな~。
「ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ。本当にありがとうございました。このご恩はこれから返させていただきますね」
「え? あ~はい?」
にっこりと微笑むエルザさん。恩を返すという言葉に首を傾げながら、ギルドを後にする。
「今だ!」
「ん?」
ギルドをでると一斉に男達が襲い掛かってきた。
みんな空中で水にドボン、なんで襲ってくるかな~?
「「「「「ゴボボボ」」」」」
「あれ? ゴリーさん?」
「ゴボボボ」
エルザさんに悪態をついてたゴリーさんもその中にいた。あんなやられ方したのにまた襲ってくるなんて頭悪いのかな?
「「「「「ゴホッゴホッ!」」」」」
「ゴリーさん。今度やったら死んじゃいますよ。諦めてください」
「だ、誰がゴリーだ! ラリーだ!」
ありゃ、名前を間違えちゃってた。失敗失敗。
「失礼しました、ラリーさん。皆さんもやめてくださいね。次やってきたらグラーフさんに言いますからね」
「ぐっ。覚えてろよ」
「いやいや、こっちのセリフですよラリーさん。次やったらグラーフさんに言いますからね! 大事なことなので二度言いますけど」
再三にわたって忠告する。
こんな街中で襲ってくるなんてどうかしてるね。
しかし、ルミナさんとの新婚生活が一気に近づいたな~。買える家を見ておいたほうがいいかもしれないな~。
ふふふ、楽しみだ。ルミナさんとの愛の巣。
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