60 / 87
第二章 悪しき影
第六十話 サプライズは内緒
しおりを挟む
「ここがウサギノ宿屋?」
「はい、僕らが止まっている宿屋でラナさんの料理はとっても美味しいですよ」
「クル君は可愛いしね」
サーシャさんを連れて僕らの泊っている、[ウサギノ宿屋]に来ました。この町に来て、サーシャさんは宿屋には泊まらずに暮していたって聞いて連れてきました。やっぱり、屋根のある家で寝た方がいいよ。
「いらっしゃい、魔族の人は初めての客だね」
「こちらにご記入ください」
ラナさんとクル君は魔族だからと言って対応を変えるような人じゃないみたい。普通に接して宿帳を渡している。
「ふふ、ありがとう。本当に可愛いわね。食べちゃいたいくらい」
「あう、僕は男の子だから可愛いって言わないでください」
クル君の頭を撫でながら宿帳を書いていくサーシャさん。クル君はそう言っているけど、頭を撫でられっぱなしなのを見ると嫌じゃないんだろうな~。サーシャさんが美人だから嬉しそうだよ。
「ははは、食べられちゃ困るよ。クルは息子だからね」
ラナさんも豪快に笑っているよ。サーシャさんは二人を見てほほ笑んでる。いい人に会えると嬉しそうにするんだよね。屋台のおじさんの時も微笑んでいたからね。何だか、僕も嬉しいです。
「お邪魔します」
「ウーナさん?」
サーシャさんが宿帳に名前を書き終えると宿屋の入り口が開いてウーナさんが入ってきた。何かあったのかな?
「アレク君、指名依頼があったの。これは二人だけで来てほしいんだけど、いいかしら?」
「えっ? あ~・・・はい」
ウーナさんが一枚の紙をヒラヒラさせてそう言ってきた。僕は今回の事で報告して欲しいんだろうなと思って返事を返す。
「じゃあ、お願いね」
「はい・・」
ウーナさんはそれだけ言って帰っていった。今回もドランさんには迷惑をかけるからね。
「・・・じゃあ、私は自分の部屋を見るわね」
「じゃ、案内します」
サーシャさんが顎に手を当てて考え込んでから声をあげた。クル君が手を挙げて引率していきます。本当に可愛い子だな~。
「なんか、小さい頃のアレクみたい」
「ええ、僕は可愛くないでしょ」
「可愛かったよ~」
シーナが小さいころの僕がクル君くらい可愛かったと言ってきたよ。僕は否定するんだけど、シーナはクスクス笑ってる。なんか恥ずかしいな~。
「それよりも紙にはなんて書いてあるの?」
「ソルトさんの店に夜に来てくれだってさ」
「ソルトさんのお店?」
「防音の魔法がかかってるからね。内緒の話をするにはもってこいでしょ」
僕らの事は内緒にしたいからソルトさんのお店で話をしようって事だと思う。クードを倒したのは僕らだって知っているけど、なんで倒したかは知らないだろうからね。
「じゃあ、サーシャさんとのお買い物は今日はおしまいだね」
「残念だけど、そうだね」
クードを倒した人を探しているサーシャさんには一番内緒にしないといけない。彼女はいい人だけど、四天王の側近だから、上司である四天王の人に報告しないといけない。組織の為に行動しなくちゃいけないんだよね。
「今日だけだから、明日にはまた一緒に買い物できるよ」
「うん!」
残念そうにしているシーナを励ます。彼女は微笑んで頷いた。
サーシャさんをお姉ちゃんのように慕い始めてるんだよね。本当に僕から見ても仲のいい姉妹に見えたからね。シーナが少し羨ましく思えた。
「サーシャさんはゆっくりしていてくださいね」
「ええ、クル君と遊んでいるわ」
夕日が降りてくる頃、僕とシーナはウーナさんの持ってきた依頼に向かうことに。
ウーナさんに言われた通り、僕らだけで行かなくちゃいけないからサーシャさんは宿屋で待ってもらう。この依頼の本当の目的がクードの話をする為だから仕方ないね。
「いってらっしゃい」
「「行ってきます」」
僕らは宿屋を出てすぐにソルトさんのお店へと入っていく。
「さて、クル君。私は宿屋から出なかった。そう言う事にしてくれるかしら?」
「サーシャさん?」
「二人にサプライズプレゼントを用意しようと思っているの。いいわね?」
「そう言う事ですか、分かりました。サーシャさんは宿屋から出ていません」
「いい子ね」
「はい、僕らが止まっている宿屋でラナさんの料理はとっても美味しいですよ」
「クル君は可愛いしね」
サーシャさんを連れて僕らの泊っている、[ウサギノ宿屋]に来ました。この町に来て、サーシャさんは宿屋には泊まらずに暮していたって聞いて連れてきました。やっぱり、屋根のある家で寝た方がいいよ。
「いらっしゃい、魔族の人は初めての客だね」
「こちらにご記入ください」
ラナさんとクル君は魔族だからと言って対応を変えるような人じゃないみたい。普通に接して宿帳を渡している。
「ふふ、ありがとう。本当に可愛いわね。食べちゃいたいくらい」
「あう、僕は男の子だから可愛いって言わないでください」
クル君の頭を撫でながら宿帳を書いていくサーシャさん。クル君はそう言っているけど、頭を撫でられっぱなしなのを見ると嫌じゃないんだろうな~。サーシャさんが美人だから嬉しそうだよ。
「ははは、食べられちゃ困るよ。クルは息子だからね」
ラナさんも豪快に笑っているよ。サーシャさんは二人を見てほほ笑んでる。いい人に会えると嬉しそうにするんだよね。屋台のおじさんの時も微笑んでいたからね。何だか、僕も嬉しいです。
「お邪魔します」
「ウーナさん?」
サーシャさんが宿帳に名前を書き終えると宿屋の入り口が開いてウーナさんが入ってきた。何かあったのかな?
「アレク君、指名依頼があったの。これは二人だけで来てほしいんだけど、いいかしら?」
「えっ? あ~・・・はい」
ウーナさんが一枚の紙をヒラヒラさせてそう言ってきた。僕は今回の事で報告して欲しいんだろうなと思って返事を返す。
「じゃあ、お願いね」
「はい・・」
ウーナさんはそれだけ言って帰っていった。今回もドランさんには迷惑をかけるからね。
「・・・じゃあ、私は自分の部屋を見るわね」
「じゃ、案内します」
サーシャさんが顎に手を当てて考え込んでから声をあげた。クル君が手を挙げて引率していきます。本当に可愛い子だな~。
「なんか、小さい頃のアレクみたい」
「ええ、僕は可愛くないでしょ」
「可愛かったよ~」
シーナが小さいころの僕がクル君くらい可愛かったと言ってきたよ。僕は否定するんだけど、シーナはクスクス笑ってる。なんか恥ずかしいな~。
「それよりも紙にはなんて書いてあるの?」
「ソルトさんの店に夜に来てくれだってさ」
「ソルトさんのお店?」
「防音の魔法がかかってるからね。内緒の話をするにはもってこいでしょ」
僕らの事は内緒にしたいからソルトさんのお店で話をしようって事だと思う。クードを倒したのは僕らだって知っているけど、なんで倒したかは知らないだろうからね。
「じゃあ、サーシャさんとのお買い物は今日はおしまいだね」
「残念だけど、そうだね」
クードを倒した人を探しているサーシャさんには一番内緒にしないといけない。彼女はいい人だけど、四天王の側近だから、上司である四天王の人に報告しないといけない。組織の為に行動しなくちゃいけないんだよね。
「今日だけだから、明日にはまた一緒に買い物できるよ」
「うん!」
残念そうにしているシーナを励ます。彼女は微笑んで頷いた。
サーシャさんをお姉ちゃんのように慕い始めてるんだよね。本当に僕から見ても仲のいい姉妹に見えたからね。シーナが少し羨ましく思えた。
「サーシャさんはゆっくりしていてくださいね」
「ええ、クル君と遊んでいるわ」
夕日が降りてくる頃、僕とシーナはウーナさんの持ってきた依頼に向かうことに。
ウーナさんに言われた通り、僕らだけで行かなくちゃいけないからサーシャさんは宿屋で待ってもらう。この依頼の本当の目的がクードの話をする為だから仕方ないね。
「いってらっしゃい」
「「行ってきます」」
僕らは宿屋を出てすぐにソルトさんのお店へと入っていく。
「さて、クル君。私は宿屋から出なかった。そう言う事にしてくれるかしら?」
「サーシャさん?」
「二人にサプライズプレゼントを用意しようと思っているの。いいわね?」
「そう言う事ですか、分かりました。サーシャさんは宿屋から出ていません」
「いい子ね」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
759
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる