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第一章 新しき世界
第8話 神
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「100体ですね」
「おお、もうそんなに倒したか。じゃあ、帰るか」
しばらくダンジョンでオークを倒していると100体のオークのお肉がマジックバッグに収まった。1体で一つの塊が落ちていたので単純に100体のオークを倒したことになります。その中の30体程が私が単独で倒しました。
レベルは最初の1体で上がったので簡単に上がると思っていたんですがそんなに甘くありませんでした。30体も倒して10レベルしか上がっていません。なので今のステータスはこんな感じです。
名前 ユアサ マモル
レベル 30
HP 250
MP 300
STR 80
DEF 85
DEX 93
AGI 99
INT 150
MND 150
スキル
【マジックバッグ】【剥ぎ取りの極意】【焼き上手】
なぜか魔法を使う人のステータスになっています。もしや、私は魔法使いなのでしょうか?
「30レベルになると教会で職業を得られる。それで少しはましになるだろう」
「へ? 職業ですか?」
「おう、俺は斧術士って職業についてる」
どうやら、この世界の神様はゲーマーなようですね。職業で強くなるなんてゲームの世界ですよ。
「よし、一度町に帰ろう。少し休憩したら出口に向かうぞ」
「はい、休憩はありがたいです」
すぐに帰ると思ったら休憩を挟んでくれるようです。正直な話、魔物とは言え動物をしめる行為は私の精神に悪すぎます。解体はスキルが勝手にやってくれる感じなので出来ていたんですがね。
休憩に丁度いい高さのレンガのベンチがあります。ちょっと失礼して、
「よっこらせ……。あれ? な、なんですかこれ~」
「ま、マモル!?」
ベンチだと思ったそのレンガが座ると同時に無くなって下の階に落ちて行く。バタバタと抵抗しなかったのが良かったのか、私は一回転して足で着地が成功しています。奇跡とはこういうことでしょうか?
「だ、大丈夫かマモル?」
「あ、はい。なんとか」
「待ってろ、今ロープを」
オットーさんが焦りながらロープを垂らしてくれる。
「早く上がってこい」
「ありがとうございますオットーさん。ん?」
「ど、どうしたマモル? 魔物か?」
「い、いえ……。何か呼ばれたような」
ロープを掴んで上がろうと思ったら誰かの声が聞こえたように感じた。後ろを振り返っても誰もいない。気のせいでしょうか?
「早くのぼってこい。魔物が湧くぞ。階層に人が入ると魔物が湧き始めるはずなんだ」
「一向に湧きませんね。オットーさんすみません。少し見てきていいですか?」
「……わかった。だが一人では行かせられねえ。俺もいく」
声は確かに聞こえてた。私は怖いもの見たさで奥へと歩き出す。オットーさんがすぐに飛び降りてきて前を歩いてくれる。
「実はよ。次の階層に行くなんて言う罠は存在しねえんだ」
「では今の状況は」
「ああ、あり得ない」
オットーさんでも聞いたことがない状況になっているようですね。
私達は警戒しながら一つしかなかった通路を通って行く。私が落ちた所は洞窟のような内装だった。だけど、一つ通路を通るとまるで人が作ったかのようなレンガ造りの通路になっていた。
「まるで遺跡だな。人の手が入ってる」
オットーさんも同じ考えのようです。壁を触って呟いています。
「明るくなってるな」
通路に零れ来る光。通路は前が見えない程の暗さではなかったのですが部屋からこぼれてくる光は太陽のような光で思わず声が出てしまう。
「ん? 神の像か?」
「綺麗ですね。眩しいですね……」
光の差し込む部屋に入ると中央に男性の像が飾られていた。思わず綺麗だと思い声をもらすと光が更に強くなっていく。思わず目を瞑ってしまう。
『こんにちはマモルさん』
「え? あれ?」
目を瞑って次に目を開くと目の前に像と同じ男性が立っていました。周りの風景も白い世界に代わっています。
唖然としていると地面から椅子が彼と私の後ろに現れて彼が座ると私も座るように促された。
「ケセルセスと申します」
「え?」
「名前です」
机も現れて頬杖をついて自己紹介をしてくれるケセルセスさん。頭が追い付かない私は頷くことしかできません。
「ははは、急なことで理解が追い付いていませんね」
「は、はぁ。す、すみません」
ケセルセスさんは楽しそうに笑う。
「あ、あの。今のこの状況は?」
「神界に来てもらいました。安心してください、あちらの時間は止まっています。いや違いますね。こちらの時間の流れが速くて止まっているようになっているが正解ですね」
ケセルセスさんは終始楽しそう。私が困惑しているのが嬉しいのかもしれません。
「さて、本題に移りますね」
ケセルセスさんが椅子から立ち上がると、杖が地面から生えてくる。その杖を取ると彼は杖で画像を映し出す。
「あ!」
「そうです。あなた方が召喚された時の映像です」
杖から白い世界に映像が映し出される。まるでプロジェクターですね。
「勇者サクラさんを召喚する魔法陣。サクラさんのお母様モミジさんとあなたは巻き込まれてしまいました」
ケセルセスさんはとても悲しそうに話しています。
「クーナリアの王。グーダラ王は大変なことをしてくれました」
頭を抱えるケセルセスさん。
「勇者召喚をしてしまうとは。それも未完成な。無事にこちらに来れたからよかったものを」
「未完成だったんですか!?」
「はい。その為大きな魔法陣になりお二人を巻き込んでしまいました」
まさかの未完成な召喚ですか。たまったものじゃないですね。
「あのような王のもとに勇者を居させてはなりません。早急にサクラさんとモミジさんを救出しなくてはならないのですが問題があります。私が手を下せないのです」
ケセルセスさんがそう言うと持っていた龍の装飾がされている杖を手渡してくる。
「神は自分で作った世界に直接干渉することはできません。なので別の世界から来ていただいたあなたに力を授けます」
「私にですか?」
「はい。この杖には龍、ドラゴンの力が付与されています。私の作った世界で最強の存在ドラゴン。その力がすべて入っています。これを使い、王から二人を救い出してください」
わ、私が二人を救うということですか。責任重大ですね。確かに杖からは凄い力が流れてきているように感じます。
「マジックバッグにしまってもあなたに力が流れるようになっています。どうか、よろしくお願いします」
「あっ!? ちょっと……」
ケセルセスさんが話し終わると大きな光を生みだして目を瞑ると元の像の前に戻った。
「他には何もねえな、帰るかマモル……ん? どうしたマモル?」
「い、いえ……帰りましょう」
急展開の状況で頭が追いつけていません。とにかく、早く帰りましょう。
名前 ユアサ マモル
レベル 30
HP 250(60000)
MP 300(60000)
STR 80(31500)
DEF 85(31400)
DEX 93(31600)
AGI 99(31000)
INT 150(33000)
MND 150(33000)
スキル
【マジックバッグ】【剥ぎ取りの極意】【焼き上手】【秘匿【ドラゴンの魂】
「おお、もうそんなに倒したか。じゃあ、帰るか」
しばらくダンジョンでオークを倒していると100体のオークのお肉がマジックバッグに収まった。1体で一つの塊が落ちていたので単純に100体のオークを倒したことになります。その中の30体程が私が単独で倒しました。
レベルは最初の1体で上がったので簡単に上がると思っていたんですがそんなに甘くありませんでした。30体も倒して10レベルしか上がっていません。なので今のステータスはこんな感じです。
名前 ユアサ マモル
レベル 30
HP 250
MP 300
STR 80
DEF 85
DEX 93
AGI 99
INT 150
MND 150
スキル
【マジックバッグ】【剥ぎ取りの極意】【焼き上手】
なぜか魔法を使う人のステータスになっています。もしや、私は魔法使いなのでしょうか?
「30レベルになると教会で職業を得られる。それで少しはましになるだろう」
「へ? 職業ですか?」
「おう、俺は斧術士って職業についてる」
どうやら、この世界の神様はゲーマーなようですね。職業で強くなるなんてゲームの世界ですよ。
「よし、一度町に帰ろう。少し休憩したら出口に向かうぞ」
「はい、休憩はありがたいです」
すぐに帰ると思ったら休憩を挟んでくれるようです。正直な話、魔物とは言え動物をしめる行為は私の精神に悪すぎます。解体はスキルが勝手にやってくれる感じなので出来ていたんですがね。
休憩に丁度いい高さのレンガのベンチがあります。ちょっと失礼して、
「よっこらせ……。あれ? な、なんですかこれ~」
「ま、マモル!?」
ベンチだと思ったそのレンガが座ると同時に無くなって下の階に落ちて行く。バタバタと抵抗しなかったのが良かったのか、私は一回転して足で着地が成功しています。奇跡とはこういうことでしょうか?
「だ、大丈夫かマモル?」
「あ、はい。なんとか」
「待ってろ、今ロープを」
オットーさんが焦りながらロープを垂らしてくれる。
「早く上がってこい」
「ありがとうございますオットーさん。ん?」
「ど、どうしたマモル? 魔物か?」
「い、いえ……。何か呼ばれたような」
ロープを掴んで上がろうと思ったら誰かの声が聞こえたように感じた。後ろを振り返っても誰もいない。気のせいでしょうか?
「早くのぼってこい。魔物が湧くぞ。階層に人が入ると魔物が湧き始めるはずなんだ」
「一向に湧きませんね。オットーさんすみません。少し見てきていいですか?」
「……わかった。だが一人では行かせられねえ。俺もいく」
声は確かに聞こえてた。私は怖いもの見たさで奥へと歩き出す。オットーさんがすぐに飛び降りてきて前を歩いてくれる。
「実はよ。次の階層に行くなんて言う罠は存在しねえんだ」
「では今の状況は」
「ああ、あり得ない」
オットーさんでも聞いたことがない状況になっているようですね。
私達は警戒しながら一つしかなかった通路を通って行く。私が落ちた所は洞窟のような内装だった。だけど、一つ通路を通るとまるで人が作ったかのようなレンガ造りの通路になっていた。
「まるで遺跡だな。人の手が入ってる」
オットーさんも同じ考えのようです。壁を触って呟いています。
「明るくなってるな」
通路に零れ来る光。通路は前が見えない程の暗さではなかったのですが部屋からこぼれてくる光は太陽のような光で思わず声が出てしまう。
「ん? 神の像か?」
「綺麗ですね。眩しいですね……」
光の差し込む部屋に入ると中央に男性の像が飾られていた。思わず綺麗だと思い声をもらすと光が更に強くなっていく。思わず目を瞑ってしまう。
『こんにちはマモルさん』
「え? あれ?」
目を瞑って次に目を開くと目の前に像と同じ男性が立っていました。周りの風景も白い世界に代わっています。
唖然としていると地面から椅子が彼と私の後ろに現れて彼が座ると私も座るように促された。
「ケセルセスと申します」
「え?」
「名前です」
机も現れて頬杖をついて自己紹介をしてくれるケセルセスさん。頭が追い付かない私は頷くことしかできません。
「ははは、急なことで理解が追い付いていませんね」
「は、はぁ。す、すみません」
ケセルセスさんは楽しそうに笑う。
「あ、あの。今のこの状況は?」
「神界に来てもらいました。安心してください、あちらの時間は止まっています。いや違いますね。こちらの時間の流れが速くて止まっているようになっているが正解ですね」
ケセルセスさんは終始楽しそう。私が困惑しているのが嬉しいのかもしれません。
「さて、本題に移りますね」
ケセルセスさんが椅子から立ち上がると、杖が地面から生えてくる。その杖を取ると彼は杖で画像を映し出す。
「あ!」
「そうです。あなた方が召喚された時の映像です」
杖から白い世界に映像が映し出される。まるでプロジェクターですね。
「勇者サクラさんを召喚する魔法陣。サクラさんのお母様モミジさんとあなたは巻き込まれてしまいました」
ケセルセスさんはとても悲しそうに話しています。
「クーナリアの王。グーダラ王は大変なことをしてくれました」
頭を抱えるケセルセスさん。
「勇者召喚をしてしまうとは。それも未完成な。無事にこちらに来れたからよかったものを」
「未完成だったんですか!?」
「はい。その為大きな魔法陣になりお二人を巻き込んでしまいました」
まさかの未完成な召喚ですか。たまったものじゃないですね。
「あのような王のもとに勇者を居させてはなりません。早急にサクラさんとモミジさんを救出しなくてはならないのですが問題があります。私が手を下せないのです」
ケセルセスさんがそう言うと持っていた龍の装飾がされている杖を手渡してくる。
「神は自分で作った世界に直接干渉することはできません。なので別の世界から来ていただいたあなたに力を授けます」
「私にですか?」
「はい。この杖には龍、ドラゴンの力が付与されています。私の作った世界で最強の存在ドラゴン。その力がすべて入っています。これを使い、王から二人を救い出してください」
わ、私が二人を救うということですか。責任重大ですね。確かに杖からは凄い力が流れてきているように感じます。
「マジックバッグにしまってもあなたに力が流れるようになっています。どうか、よろしくお願いします」
「あっ!? ちょっと……」
ケセルセスさんが話し終わると大きな光を生みだして目を瞑ると元の像の前に戻った。
「他には何もねえな、帰るかマモル……ん? どうしたマモル?」
「い、いえ……帰りましょう」
急展開の状況で頭が追いつけていません。とにかく、早く帰りましょう。
名前 ユアサ マモル
レベル 30
HP 250(60000)
MP 300(60000)
STR 80(31500)
DEF 85(31400)
DEX 93(31600)
AGI 99(31000)
INT 150(33000)
MND 150(33000)
スキル
【マジックバッグ】【剥ぎ取りの極意】【焼き上手】【秘匿【ドラゴンの魂】
応援ありがとうございます!
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