未完成のロボット

りんくま

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ボットの左手は、大きなへこみができていた。木の枝が折れて飛んできた。闇雲に伸ばした手のひらに、強く当たってしまった。

左肩は、ますます動きづらくなっていた。無理矢理に動かした為、歯車がずれてしまったようだった。

こーすけとピヨは、ボットに何度もお礼を言った。

数日後、
無事に卵から雛がかえった。

「ボット!ボット!生まれたんだなコレ!」

こーすけが、洞穴にいたボットを呼びにきた。ボットは、ゆっくりと巣に近づいていく。麦わら帽子の中を覗き込むと、小さな雛が元気いっぱいに鳴いていた。

足に空いた穴が痛い。
ボットは、小さな命を見て、自分が許せなかった。

「こーすけ、私は、悪いロボットなんです」

突然の告白にこーすけとピヨは、驚いた。だけど、ボットの悲しそうな声を聞いて、静かにボットの話しを聞いた。

何年も前に出会った小鳥の親子。ボットは、助けて欲しいと頼まれたこと、だけど歩き続けるために、邪魔だと巣を踏みつけて行ったことを話した。

「足の穴は、その時の小鳥が開けた穴です」

巣と一緒に落ちた小鳥の雛は、どうなったか知らない。小鳥のお母さんもお父さんもどうなってしまったか知らない。

ボットは、片付けを落として全てを話した。

「お母ちゃんは、死んだよコレ」

こーすけは、ボットに伝えた。

「お母ちゃん?こーすけ、あの親子のことを知っているのですか?」

こーすけは、コクリと頷いた。

「だって、その時の雛って、僕なんだなコレ」

ボットは、こーすけが、あの時の雛だという事実に驚いた。

「あの時、お父ちゃんが穴を開けてごめんなさいなんだなコレ」
「なぜ、こーすけが謝るのです。私が憎くないんですか?」

酷いことをしたのはボットだというのに、こーすけは、父親のことを謝った。どうしてこーすけが謝る必要があるのか、ボットには理解できなかった。
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