結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第一部 第二章 聖騎士

夕食を共にする。

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 そう私が問うと彼は「そりゃそうよ」と手を振り、痛そうな顔で見つめてくる。
 
「シルバーって意外に噛む力強いんだね」

 微笑むと、パッとシルバーが立ち上がって、自惚れるように、空を見上げて、いた。

「わいは、石でも砕けるほど顎が強いぞよ」

 シルバーは走り回ってどうもご機嫌良さそうだった。

 プランスは半泣き状態で果樹を微塵切りにして、どんどん透明のビニール袋に果樹を入れる。多分あのまま搾ってドレッシングに変えるのだろう。

 一度本で読んだことがあったから、基本的なドレッシングの作り方を知っていた。
 だから、自分でドレッシングを作ろうと材料を探したけれど、あまり上手くいかず、味が変になってしまった。

「そんなわけないでしょ? そんな美しい白馬様が・・・・・」

 小馬鹿にしたようにして、言ってみたら逆にシルバーは褒め言葉だと思ったのか、さらに走るスピードを上げる。
 確かにシルバーは他の馬とは比べものにならないくらいの、足を誇っている。なので、聖騎士の馬からも逃げ切れるのだ。

「あいつ、綺麗で美しい馬だけど、顎強くないんだ。だから今あいつが言ったことは全部嘘」

 彼は現実を知らせるように、シルバーの秘密を明かす。そんなことも知らないで、シルバーはご機嫌で帰ってきた。

「シルバー、おかえり。早いね」

 微笑ましく顎を撫でる。シルバーは、目を閉じてご機嫌に横になった。さっき秘密を明かした、プランスにもご機嫌そうに接してなんだか可哀想に思えてきた。
 まあ、さっきのプランスの言葉はシルバーに黙っておこう。あまり現実を教えるとよくないことが起こりそうだから。

「当たり前じゃ、それで飯はまだかい?」

「シルバー、ほらよ」

 そう彼はシルバーに林檎を投げた。シルバーは嬉しそうに一口で食べてしまった。
 だから、今になって後悔してもっと美味しく味わえばよかったと、いう顔で横になった。シルバーはやっぱり、天然気質な子なのかもしれないと感じた。
 
「シルバーお前食べるの早すぎ」

 プランスが見せる、シルバーとの笑い方は私の時とは、全然違くて私の時は優しく微笑んでくれている。

「貴方達可愛いね」

 そう思って微笑ましく感じ、会話を聞いているだけで、可愛いねと声が出てしまった。
 まるで、通りがかりのおばさんのようだ。
 
 私も自由時間の時に屋敷から出たら、おばさんに『貴女可愛いね』と言われた経験が数多く存在する。今じゃプランスと村から出たので、そんな経験もうなくなることだろうな。

「わいが可愛いだと? 美しいと呼びたまえ」

 シルバーは自分の方が身分が確実に高いと思っているらしく、威張り散らした顔をした。でも、この世は平等の世界だからシルバーの勝手な妄想は面白い。

「こらこらシルバー。ごめん調子に乗ったシルバーで・・・・・」

 プランスは飼い主だからみたいな顔で、頭を下げる。それに対して私は何か不自然に感じたので「なんで頭下げるに?」とプランスに問う。

「いやただふざけただけ、俺こういう演技得意なんだ!」

 プランスも自慢するように言った。まあ、プランスは特技を磨くのが上手いから、本当は努力家が才能なのだろう。

 でも、努力家じゃなければできるものも出来ないものに変わり、ゴミ箱に捨てられることになる。

「そうなの、ってドレッシングの調子どう?」

「どうってもう完成して、サラダにかけてるところだけど」

 そう言っている時、彼は真面目な顔でいろいろな部分からドレッシングを丁寧に、かけていた。ああ、やっぱり彼の顔は美しい。

「嘘、いつのまにか出来上がってたのね?」

 私の言葉と同時に、シルバーが自分の分がもうそろそろで出来上がると、思ったのか浮かれた顔をした。

「わいのはまだかい? 腹ペコで早くしてくれ」

「分かった分かった。はいどうぞミア」

 プランスがサラダが入ったお皿を渡してくれた。今日は恐怖なことが多くて、食欲がないのでサラダくらいがちょうどいい。それに、プランスの異世界袋にはリトルドラゴンの肉がまだ残っている。
 だから明日から食べれるかもしれない。

「ありがとう、貴方綺麗に料理を作るわね」

 プランスは「当たり前だ」と言い癖なのか、いつも通りのことを言った。

「わいのわいのは?」

「はいどうぞ、林檎ね」

 そう彼は異世界袋から林檎を五個取り出し、シルバーの前に優しく置いて、シルバーは頬張る。馬に林檎五個は少ない気がしたが、プランスのことだから、何か仕掛けの魔力でもかかっているのだろう。
 そう指でサラダを使んで口に運んだ。

「ウマウマ!」

「馬だけに?」

 私はツッコミを入れると、シルバーは一時停止したようにピクリとも動かなくなって、プランスは顔を横に向けてピクリとも動かなくなった。
 私は咄嗟に頭に浮かんだ。

 もしかして、シルバーは家族同然だから人なのかもしれない。

 こんな考えが浮かんでミスをしてしまった私に自身を、恨んでしまった。
 まあでも、丸く解決・・・・・

 そう思った時、プランスとシルバーがゲラゲラ笑い初めて、今まで堪えていたように笑い出した。

 この時ようやく私は一息ついた。
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