結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第三部一章 人生というのは残酷非道

村から出る

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 離れに向かう途中、私は周囲の景色に目を凝らした。星々が夜空に煌めき、満月が静かに照らしている。村の灯りが点々と輝く中で、私たちはまるで小さな光の海を進んでいるように感じた。夜の冷たい風が心地よく、髪を揺らすその感触に、私は少しだけ気持ちを落ち着けることができた。

 離れに着くと、そこは村の中心から少し離れた静かな場所に位置していた。周囲の木々が風にそよぎ、その音がまるで自然の囁きのように感じられる。離れの扉を開けると、柔らかい灯りが室内を温かく照らしていた。家具もシンプルでありながら、どこかほっとする雰囲気が漂っている。

「どうぞ、おくつろぎください」と言って、案内してくれた村人が微笑んだ。その優しい言葉に、私の心は少しだけ安らいだ。

 アンと共に、私たちは離れの中で少しだけリラックスすることにした。テーブルの上には簡素な料理が並べられており、温かいスープの香りが心を和ませてくれる。私はそのスープを一口飲んで、ほっと息をついた。

「アン、ここで少し休んでから、また旅を続けよう」と言った私に、彼女は静かに頷いた。

「そうね、ここで休むのも悪くないわ。明日のために、少しでも体力を回復しておかないと」と答えた彼女の声には、安堵と決意が混じっていた。

 食事を終えた後、私は窓の外に目を向けた。外には満月が美しく輝いており、その光が森の中に柔らかい影を落としていた。静かな夜に包まれながら、私は心の中でプランスのことを考え続けた。彼の姿、彼の笑顔、そして彼の声が、私を支え続けている。

「プランス、あなたの意志をしっかりと受け継いで、これからも前に進むわ」と、心の中で静かに誓いを立てた。

 その誓いが、私に新たな力を与えてくれることを願いながら、私は静かに眠りについた。翌朝、陽光が柔らかく差し込むと、私は目を覚まし、気持ちを新たにして再び旅路に立ち向かう決意を固めた。

 離れを出ると、村の人々が温かく見守ってくれた。長老もその中に含まれており、昨日の出来事についてお礼を言うと、彼は深い感謝の意を示してくれた。

「どうか、無事に旅を続けてください。私たちの村も、あなたたちの成功を祈っています」と長老が言ったその言葉に、私たちは感謝の気持ちを込めて頭を下げた。

 その後、アンと共に村を離れ、再び森の中を歩き始めた。新たな旅路が私たちを待っている。その先に何が待ち受けているのかは分からないが、プランスの意志を胸に、私たちはしっかりと前を見据えて進んでいく。

 シルバーはというと、魔力探知からして前を歩いているようで一旦休憩しているらしく、脅かそうとしているのかもしれない。

 それなら全力で驚いてあげなければならないと思う。
 だけど、後数分でシルバーのところである。脅かすことも出来ないだろう。それなら尚更試したくなってしまうのが、馬のシルバーだろう。
 馬だからって舐めてはいけない生物というのがまさにシルバーだろう。
 シルバーは人間の言葉を話す。そんな馬聞いたことがないから今だに耳を疑う。
 それは私自身がシルバーという存在を完全に認識できていないからなのかもしれない。
 だから今日は親近感を強めるためにもっと会話をしなくてはならない。

 そして、シルバーが休んでいると思われる、草原に出ると辺り一面が光っているようで眩しく見えた。
 それは決して赤く光る鉱石ではなく、幸せの色で、この世に存在しないような景色であった。
 ただ地平線のところまでずっと草原で、窪んでいるところや、洞窟もあったりするが、木一本となくただ美しい森であった。
 それは世界の始まりに見える。もしかしたら、ベリズリーが近いからなのかもしれない。
 ベリズリーは魔界の扉らしいから。
 新世界が待っているのかもしれない。それは喜ばしいことである。

「ミア、シルバーがいるよ」

 アンの指を差す先にはシルバーがいた。白い毛皮は白馬の象徴と言われるほどである。

 その時ふと、薬草を取って来てくれと長老に言われたことを思い出した。
 だけど私が村を出た時、何も終われなかったからいいのだろうか?

「やっと来たであるか、遅すぎるわ」

 勝ち誇った顔でシルバーは近づいてくる。
 たぶん私とアンのことを待っていたのだろう。それは自分の方が早いと知って欲しかったのだろう。

「シルバー、今日は乗っていい?」

 私とアンはもうへとへとで呪文飛行はもう出来ないというところまで来ている。

「わいをなんだと思ってはる? 世界最高の馬やぞ!」

 シルバーは難なく乗せてくれて私たちは一旦娯楽というところまで来ていると、さっきまでの森が風に揺れ木々の葉枝が柔らかに揺れた。
 そして私たちのも風に揺れて髪が横に流れた。

「ありがとうシルバー」

「アンがわいに乗るのはこれで初めてか?」

「たぶんそうだと思います」

 アンはゆっくりシルバーに跨り私の背中を抱きしめた。 
 プランスもこんな感じだったんだろうと考えると太陽が私を照らした気がする。

「二人とも落ちないようお願いするぜ~!」


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