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第三部第二章 ダンジョン
最終戦
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私たちの総攻撃が全く通用しない。どういうことなのだろうか?
貫通耐性はあるとしても、これだけ防御力が高い者はプランスとルカくらいだろう。なのにどうしてこんなにも強いのだ?
まるで私が弱いように見せられる。
ならどうやって勝つのだろうか? 私自身まだイメージがつかめない。
まるで、蟻が巨人を踏み潰すイメージがつかないようにして、イメージが全く湧かない。
イメージが湧かないということは、こちらに勝利の兆しはないようだ。
『ミア、魔力を死ぬ気で出せ・・・』
さりげなく、誰かが私の耳元で囁いた。まるでプランスのような優しい声で疎く丈夫ないつまでも聞ける声、天国から聞こえるような囁きはいつにも増して美しかった。
空耳でもいいからもう一度聞きたいと思った。この考えは別にシンプルでただ自然現象のような感じだった。
だけど今は、プランスの声でなんだか勇気を持てた。そうだよね、そうだよね! 魔力を死ぬ気で出せば何かが変わるかもしれないよね!
それにこのまま押されていては、何も変わらないから一か八か勝負しようじゃないか!
私はストックしていた魔力を、完全開放して空全体をオーラで纏った。
すると、何かが胸の奥で叫んでいる。
これはなんだ? もう一人の私じゃない、でも聞こえる。響いている。
なんて言っているのかがわからないけど、全てを解放する! 胸の奥で叫び蠢く者も発動。全てをここで出し切る!
「・・・なんて魔力・・・・・?」
「ミアがこのような魔力量を誇っているとは・・・・・」
何故かいつも以上に魔力を出しているにも関わらず、少しも疲れない。しかも、いつも以上に心地い。
そして、胸の奥で蠢く者も発動させた。何かは分からないけど、体がすごく熱くなる・・・・・。
まるで刺されたように痛い、マグマのシャワーを浴びているように熱い。
心臓がドクンと強く叩くが心拍数は全く上がらないし、神の囁きも聞こえないほどに耳が、痛い。
立ちくらみがしてくるが、敵の動きは良く見える。理由はずっと剣で刺してくるからだ。でも魔力で弾かれていて、逆に傷を負っているのは、敵の方であった。
とても無惨な姿に私は自分がやったことだけど、自分じゃないような気がしてしまった。
そして、何かが共通したように、何かが蘇ったように周りが遅く見え始め、さっきまでの症状がなくなったようになった。
そして、新たな力が手に入れたことが分かり、使い方すらも分かった。
まるで昔からこの魔力を使っているように、体が覚えていた。
どういうわけかわからないけど、なんだか勝つ未来が予想がついた、この魔力で押し切れるかもしれない。
「私たちは引きますよ、アン。いやダメか追いつかないかもしれんな・・・ならば、一緒に外に出ようぞ!」
ルドラはやはり、状況判断に長けている。これから私がどんな魔力を使うかも知っているようだ。それに仲間を、いやほぼ身内を巻き添いにしたくない。
私の体内に湧き上がる膨大な魔力は、今まで感じたことのない感覚だった。まるで自分が別人になったかのような錯覚さえ抱く。胸の奥で蠢く未知の力が、確かに私を支配しつつあるようだ。
「ミア、無茶をするなよ・・・!」
アンが焦った声で私を制止しようとする。しかし、私にはもう迷いはなかった。このまま立ち止まれば、今度こそ全てが終わる。私が変わらなければ、私たちに勝利はない。
「アン、ルドラ、私は・・・もう大丈夫」
自分でも驚くほど冷静な声が出た。まるで別の誰かが喋っているような、そんな不思議な感覚に包まれていた。
「お前たちは下がって。私がやる・・・」
私の言葉に、アンが一瞬驚いた表情を見せた。しかし、その瞳に宿る決意を見て、彼女は頷いた。
「分かった。ミア、気をつけて」
アンとルドラが後退し始めた。その瞬間、私の体はさらに熱を帯び、胸の奥で蠢く何かが完全に目覚めた。
「これで終わりだ・・・!」
私は両手を掲げ、全ての魔力を一点に集中させる。胸の中で暴れる力を制御するのは難しいが、今ならやれる気がする。全てをかけて、この魔族を倒す。
「これで終わらせる!」
轟音と共に、私の魔力が放たれた。まるで世界が震えるかのような強大な力が、空間を揺らしながら魔族に向かって直進する。魔族はその圧倒的な力を前に、動くことすらできない。彼の目には一瞬の恐怖が映り込んでいた。
「ぐっ・・・! これほどの力とは・・・!」
魔族はなんとか防御しようとしたが、その魔力の壁は私の攻撃によって瞬時に打ち砕かれた。そして、私の魔力が彼を貫き、圧倒的な破壊力で彼の存在を消し去った。
「・・・やった」
全身から力が抜ける。私は膝をつき、疲れが一気に押し寄せてきた。しかし、その一方で、胸の中に残る新たな力が確かに存在していることを感じる。
「ミア、大丈夫か?」
ルドラが駆け寄ってきた。彼の表情には心配が浮かんでいるが、その目には敬意の色も見て取れた。
「大丈夫・・・・・ただ、少し疲れただけ」
私は微笑んで答えた。勝利を手にした安堵感が私を包む。
「これで、終わったのかな・・・」
アンが近づいてきた。彼女の表情もまた、安堵とともに新たな決意を秘めているように見える。
「いや、これが始まりかもしれない」
ルドラが静かに言った。その言葉に、私は再び覚悟を固める。確かに、これで全てが終わったわけではない。だが、今の私たちなら、この先も乗り越えられるだろう。
「行こう。まだやるべきことがある」
そう言って、私は立ち上がり、再び仲間たちと共に歩み始めた。この新たな力とともに、どんな未来が待っているのかはわからない。しかし、私はもう迷わない。
貫通耐性はあるとしても、これだけ防御力が高い者はプランスとルカくらいだろう。なのにどうしてこんなにも強いのだ?
まるで私が弱いように見せられる。
ならどうやって勝つのだろうか? 私自身まだイメージがつかめない。
まるで、蟻が巨人を踏み潰すイメージがつかないようにして、イメージが全く湧かない。
イメージが湧かないということは、こちらに勝利の兆しはないようだ。
『ミア、魔力を死ぬ気で出せ・・・』
さりげなく、誰かが私の耳元で囁いた。まるでプランスのような優しい声で疎く丈夫ないつまでも聞ける声、天国から聞こえるような囁きはいつにも増して美しかった。
空耳でもいいからもう一度聞きたいと思った。この考えは別にシンプルでただ自然現象のような感じだった。
だけど今は、プランスの声でなんだか勇気を持てた。そうだよね、そうだよね! 魔力を死ぬ気で出せば何かが変わるかもしれないよね!
それにこのまま押されていては、何も変わらないから一か八か勝負しようじゃないか!
私はストックしていた魔力を、完全開放して空全体をオーラで纏った。
すると、何かが胸の奥で叫んでいる。
これはなんだ? もう一人の私じゃない、でも聞こえる。響いている。
なんて言っているのかがわからないけど、全てを解放する! 胸の奥で叫び蠢く者も発動。全てをここで出し切る!
「・・・なんて魔力・・・・・?」
「ミアがこのような魔力量を誇っているとは・・・・・」
何故かいつも以上に魔力を出しているにも関わらず、少しも疲れない。しかも、いつも以上に心地い。
そして、胸の奥で蠢く者も発動させた。何かは分からないけど、体がすごく熱くなる・・・・・。
まるで刺されたように痛い、マグマのシャワーを浴びているように熱い。
心臓がドクンと強く叩くが心拍数は全く上がらないし、神の囁きも聞こえないほどに耳が、痛い。
立ちくらみがしてくるが、敵の動きは良く見える。理由はずっと剣で刺してくるからだ。でも魔力で弾かれていて、逆に傷を負っているのは、敵の方であった。
とても無惨な姿に私は自分がやったことだけど、自分じゃないような気がしてしまった。
そして、何かが共通したように、何かが蘇ったように周りが遅く見え始め、さっきまでの症状がなくなったようになった。
そして、新たな力が手に入れたことが分かり、使い方すらも分かった。
まるで昔からこの魔力を使っているように、体が覚えていた。
どういうわけかわからないけど、なんだか勝つ未来が予想がついた、この魔力で押し切れるかもしれない。
「私たちは引きますよ、アン。いやダメか追いつかないかもしれんな・・・ならば、一緒に外に出ようぞ!」
ルドラはやはり、状況判断に長けている。これから私がどんな魔力を使うかも知っているようだ。それに仲間を、いやほぼ身内を巻き添いにしたくない。
私の体内に湧き上がる膨大な魔力は、今まで感じたことのない感覚だった。まるで自分が別人になったかのような錯覚さえ抱く。胸の奥で蠢く未知の力が、確かに私を支配しつつあるようだ。
「ミア、無茶をするなよ・・・!」
アンが焦った声で私を制止しようとする。しかし、私にはもう迷いはなかった。このまま立ち止まれば、今度こそ全てが終わる。私が変わらなければ、私たちに勝利はない。
「アン、ルドラ、私は・・・もう大丈夫」
自分でも驚くほど冷静な声が出た。まるで別の誰かが喋っているような、そんな不思議な感覚に包まれていた。
「お前たちは下がって。私がやる・・・」
私の言葉に、アンが一瞬驚いた表情を見せた。しかし、その瞳に宿る決意を見て、彼女は頷いた。
「分かった。ミア、気をつけて」
アンとルドラが後退し始めた。その瞬間、私の体はさらに熱を帯び、胸の奥で蠢く何かが完全に目覚めた。
「これで終わりだ・・・!」
私は両手を掲げ、全ての魔力を一点に集中させる。胸の中で暴れる力を制御するのは難しいが、今ならやれる気がする。全てをかけて、この魔族を倒す。
「これで終わらせる!」
轟音と共に、私の魔力が放たれた。まるで世界が震えるかのような強大な力が、空間を揺らしながら魔族に向かって直進する。魔族はその圧倒的な力を前に、動くことすらできない。彼の目には一瞬の恐怖が映り込んでいた。
「ぐっ・・・! これほどの力とは・・・!」
魔族はなんとか防御しようとしたが、その魔力の壁は私の攻撃によって瞬時に打ち砕かれた。そして、私の魔力が彼を貫き、圧倒的な破壊力で彼の存在を消し去った。
「・・・やった」
全身から力が抜ける。私は膝をつき、疲れが一気に押し寄せてきた。しかし、その一方で、胸の中に残る新たな力が確かに存在していることを感じる。
「ミア、大丈夫か?」
ルドラが駆け寄ってきた。彼の表情には心配が浮かんでいるが、その目には敬意の色も見て取れた。
「大丈夫・・・・・ただ、少し疲れただけ」
私は微笑んで答えた。勝利を手にした安堵感が私を包む。
「これで、終わったのかな・・・」
アンが近づいてきた。彼女の表情もまた、安堵とともに新たな決意を秘めているように見える。
「いや、これが始まりかもしれない」
ルドラが静かに言った。その言葉に、私は再び覚悟を固める。確かに、これで全てが終わったわけではない。だが、今の私たちなら、この先も乗り越えられるだろう。
「行こう。まだやるべきことがある」
そう言って、私は立ち上がり、再び仲間たちと共に歩み始めた。この新たな力とともに、どんな未来が待っているのかはわからない。しかし、私はもう迷わない。
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