結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第六部第一章 運命の時

十話

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 ルカがゾンビの顔面に拳を向けると、ゾンビは後ろに下がった。すると先ほど放った、スカル・シルフィードがルカの背中に近づいてきた。
 ルカは、嫌なオーラしか感じず避けようとはしなかった。ゾンビは度々スカル・シルフィードと言葉を吐き、「グァアアアア」と悲鳴のようなものをあげる。ルカはお構いなしに、握り拳を元部下にぶつけた。するとゾンビはルカを吸収するように、拳に緑の液をつけた。すると、ルカの体はうまく動けなくなり、次第には緑の液がルカの体全体を覆った。
 だけど身動きが取れなくなるだけで、人体へのダメージはなかった。だけど次に来る攻撃スカル・シルフィードの毒攻撃が襲ってきた。
 ルカの背中が焼けるように痛む中、菌がルカの体内に入っていく。その感覚は、ルカの苦痛だったが、プランスに与えられた痛みよりもマシだと、四肢を凄まじいスピードで動かして、なんとか緑の液から逃れることができた。だけどまだ毒が抜けていないようで、酷い痛みにルカは、ただ走ることしかできなかった。
 魔力が使えるのなら簡単に、ゾンビを消滅させることができたものの、今は魔力ものを武器も使えない。正真正銘の拳での語り合いだ。
 でもゾンビは何も考えずに魔力を使ってくる。
 ルカはそのことを一方的な暴力だと思っているようだ。だけどルカも、やられてばかりではない。拳を振った時に発生する、風圧を利用して、なんとか遠距離攻撃を繰り返し、新たな武器を手に入れたが、ゾンビを倒せるまでには至らなかった。
 ゾンビを倒す方法は、頭を潰せばいいものの、そう簡単に風圧が頭に当たることはなかった。その理由は至って簡単で、ゾンビの反射能力がえげつないのだ。
 それは元精鋭の部下ということもあるのだろうか、それとも強化されたから新たな魔力攻撃で攻められるのだろうか。ルカはわからなかったが、ただただ風圧の攻撃を連発している。

 ちょっと後ろに下がって、距離を取りつつスカル・シルフィードの存在に気づいた。だけど、逃げてるだけでは勝てないと、片手を引きちぎり、武器に変える。
 これは武器とはならない。手を治すわけでもないからただ、自分の体の一部となっているため、殴って攻撃する時となんだ変わらない。

 ルカは手で作られた剣で、ゾンビの後頭部目掛けて飛んでいき、振り下ろすと、ゾンビはあまりのスピードに動きが見切れず、ルカに硬い硬い頑丈な手によって頭が粉砕された。これで一体を倒せたということだ。

 どんどん行こうじゃねえかと、ルカは手の剣でゾンビ遠無双していく。だけどそんな中、外ではようやく、命の安全が保障されたとちょっぴり思って寝ている平素達がいた。
 これは仮眠だからすぐに起きるつもりが、三十分以上寝てしまっていることに気づいた兵士は、再びルカのことを待つ。
 その兵士のほとんどが、ルカが死体で帰ってくるよう、願っていた。だけどそんな願い叶うはずもないと、あくびを漏らしているものまでいた。いつもの緊張感はなくなっているようだ。
 理由はこの場に、問題を起こそうとする者がいないからだ。ただいまの状況を感じていたいと、皆は思っているのだ。怠惰な時もあっていいじゃないかと、皆は同時に思っており、同時に部屋の中にいるルカへの憎悪と憎しみが高まるばかりだった。この怠惰な時もルカが帰ってこれば終わるのだから、そんな気持ち抱いても、普通だ。

 今までの時間を奪っておいて、この時間も縛られたら、死ぬ気で内乱やクーデターを起こすことだろう。
 もしもそうなったら、魔族もこの時を利用してルカを落とす可能性もあるが、プランスならば遠距離から殺すことができる。
 だけどこのクーデターを起こすということは、仕返しという念が込められているのだろうから、少し手伝うけど、ルカを殺すまでは手助けしないだろう。
 そうすることによって、国民の憎悪が解消されて一番の目的自由を国民全員は手に入れることができるだろう。魔族も、人間との交流もできて得られるものもあるだろうから、力を貸す可能性があるのだ。
 けれどプランスのことだ、出来るだけ平和に解決したがるだろう。

「どうにか、ならならねえかな・・・・・・・」

 部下が一人小声で呟く。誰も聞こえていないような顔をして、涙が出そうな顔をしている。そのことにルカは気づいていたが、あえて泳がしているのだ。
 泳がせる理由は至ってシンプルで、更なる恐怖を与えてちゃんとした奴隷に化せるのだ。そうすることによって、ズタズタに引き裂かられた心では何も考えることが出来なくなり、ルカの言うことしか聞けなくなるのだ。
 それで自分が、正しいと見せつけることにより、更なる権力を得ることもできるのだ。けれどその分、国民の不安は高まるばかりだろう。

「はあ・・・・・・。もういっそのこと・・・・・・」

 みんなが同時に呟くと大きな声に変わった。部下全員が死にたいと思っておるけど、自分が死んだから家族はどうなるんだと自殺することが出来ない。
 だけどルカとしては、全員同時に自殺されたらそれこそ困るだろう。
 攻めの歩がなくなってしまって、悪魔に特攻させる以外なくなるだろう。でも悪魔と名前がつけられているのだから、言うことを聞かないかもしれないから、ルカは一斉に自殺されたら困るのだ。けれど怒りに身を任せたまま、部下の家族を殺す可能性が高いのだ。
 つまり、自分の命と共に大切な者の命まで人質として取られているのだ。

 つくづく部下に嫌われる原因だろう。
 
 
 部屋に中では、ルカのターンだった。自分の手を投げ飛ばしてゾンビの身動きを取れなくしたり、スカル・シルフィードを風圧で吹き飛ばしたりしている。
 どうやら風圧で亡霊も倒せるらしい。だけどゾンビは無限と言わんばかり、スカル・シルフィードを出してくる。まるでルカの間合いを囲うように、亡霊が湧いてきて、時にはルカにダメージを与える時もある。
 眼には見えないから、ルカでも避けることは困難だ。そのため、ゾンビに近づくことが出来ないのだ。強行突破をすることもできるが、一気に毒を体内に、流されると思うと、ルカの精神は病む。
 もしかしたら動けなくなるまで、毒が注入されるかもしれない、とルカはプランスに与えられた恐怖を思い出していて、恐怖で強行突破を躊躇っていた。
 よほどプランスの事が恐怖だったのだろう。昔プランスと戦った時はこんな恐怖、湧いてこなかったのに、前回戦った時は物凄く恐怖を感じた。
 これは圧倒的な力の差を感じ取ったからだろう。

 ルカは風圧で近づいてくる、スカル・シルフィードを吹き飛ばしているが、結局元の位置に戻り、それ以上奥には押し込めない。そのため亡霊は押し潰されてはまたスカル・シルフィードで呼び出せれるの繰り返しだ。
 亡霊が死んだ途端にゾンビに近づくことはできるかもしれないが、亡霊の壁を壊すことはできないだろう。

「やるじゃねえか。でも俺なら勝てるかもしれねえな」

 ルカは片方の腕も引き抜き、片手を投げ飛ばした。すると亡霊の壁を打破して、ルカはそのまま投げた片手をキャッチしてそのまま片手を再び、投げてゾンビの頭を吹き飛ばして、後の七体はルカの光速技で顔を吹き飛ばした。これでなんとか、勝ったというべきだろう。
 ルカは何気に澄ました顔をして、ゾンビが灰になっていくところを見た。
 この灰をかき集めて、固めることによって、新たなゾンビを作る事が可能だ。だけど、ルカがやるわけじゃない。
 部下が命懸けでゾンビを作るのだ。
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