結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第六部第一章 運命の時

九話

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 そんなことをしている間に、ルカは今もなお修行している。プランスに勝つためだけとなっているが、でも半分はは負けた自分をひれ伏せるために、鍛錬していると言っても過言ではない。

 だけど、全然前回の自分よりステータスが上がらない。そのため、ルカの心はズタボロになっていた。なんでこんなにも自分は弱いのだと自暴自棄になっているが、強くなりたい理由が腐っているとしか言いようがない。
 
 勿論理由はこの世界を支配することだ。まさに悪魔のような発想だ。いや悪魔の血を引いているから、悪魔なのか。
 だけど元からの性格だから、最初っから悪魔だったのだろう。

 そしてルカは滝行に向かった。和風の修行だけれど山の頂上ではルカの部下が氷結魔法で水を凍らせておる。そのため冷えた水に加えて氷の衝撃まで生じる。しかも魔力を消すため、生身で何発ものを硬い氷を受けなければならない。普通の氷ではなく、魔力が込められているために威力が上がっている。そんな瓦礫をルカは胃に返さないように、平然とやって抜けるが、内心全身痛く寒く、血が凍ってしまって血流が悪いなんてものじゃ表せないほど、事態は深刻になっている。

「はぁはぁ」

 ルカが息を吐くと、息は吹雪のように凍っており、触ったら冷たすぎて手が凍ってしまいそうな勢いだ。でもこんなことをしたってプランスには勝てないのは明白だ。
 なぜならこの修行は、忍耐力を高めるだけであって、一撃で仕留められたら元もこうもないのだ。そんな最強必殺技から目を背けてルカは現実逃避というばかりに精神的トレーニングに励む。

 (くそ、これだけではだめだ。もっともっと・・・・・・・。強くならなくては)

 まるでアスリートのようなことを思っているのだが、目的が、アスリートとは全く違う。
 
 ルカから見る景色は青い空に加えて紅い夕陽が目を覚まそうとしているところだった。そしてルカの視界から見える、遠いところにある地平線はその向こうにルカの目的が詰まっていると、ルカは感じた。
 それに緑の森林がルカの穢れな心を改めるために、必要だったが、逆に森林が穢れてしまいそうだった。それほどにもルカは、汚れた心の持ち主だった。
 そんな時だった、ルカの後頭部目掛けて大岩が落ちてきたのだ。幸い魔力は感じなかったけど、さすがにちょっと痛いかもしれないと、ルカは覚悟を引き締めた。
 すると大岩がルカの後頭部にあたり、大岩は砕けちった。流石ルカの頭というべきなのだろうか。軽々、大岩を粉砕した。だけど瓦礫がおっちょくってるほどに、痛かった。
 普通の大岩なら全く痛くないはずなのに、魔力に浸された水聖水によって強化されているのかもしれない。そういう面も踏まえると、ルカはプランスには勝てないものの、相当な力の持ち主ということがわかる。
 でもどんな力を手に入れようとも、無限大の力を保有する、プランスには勝てないだろう。同時にミアにも勝てないと思われるので、こんな修行、無駄な時間を費やしているだけなのだ。
 こんな時間があるのなら、和解するために、心を決める方がいいだろう。その方がなんだかんだで、ルカの方が強いと見られるだろうに。

 山の頂上に居る者達も戦争なんてしたくないと思っているし、ルカのことを力だけ強い、最低最悪の奴と思っているものもいる。
 それは部下に嫌われるようなことをずっとしているからだ。
 例えば、部下を広場に集めて袋叩きにするのだ。そうすることによって、自分の方が強いと見せつけるのだ。この行為は、ルカ自身、言葉じゃわからないから体罰で従えるべし、と思っているからであり、昔からの風趣ではないのだ。

 その後、滝修行が終わり、メイド達にタオルで体を拭かせると、震えるように、山を下山する。この山は高くて全然、屋敷が見えない。
 だけどルカはあらかじめ作っておいた一本道を辿り屋敷に向かう。後ろからはさっき頂上にいた者が走ってルカの背中を追う。
 ルカの顔は憎悪と憎しみが降り積もって爆発したような顔をしていてとても恐ろしく部下は、話しかけることさえもできない。もしも今話しかけたら、最悪の場合殺されるかもしれないからだ。
 だけど兵隊が少なくなっているから、プランスも気持ちのままに殺しはしないだろう。でもルカの部下には悪魔の部隊もいるから、まだ予備部隊は多い。
 殺す可能性もあるのだ。確かに精鋭とかは流石に殺さないと思われるが、精鋭でもない兵士はすぐに殺されるだろう。

 ルカは、周りの木で守られていると思って、優雅に歩き出す。今度の修行は魔力をゼロにして、あらかじめ作っておいた、死体ゾンビと武器なしで戦うのだ。そのため、ルカは今この森林に囲まれて、気を落ち着かせているのだ。

 鳥が鳴く。鳥が飛ぶ。風で気が揺れる。などとルカは全てに意識を送っているのだ。するとルカは急に立ち止まった。動物の死骸があったのだ。おそらく鳥の死骸だ。
 ルカにとってこんな死骸などどうも思わないが、靴が汚れると、部下に処理させる。部下は姿勢を低くして、ルカの足元に近寄る。触れようものなら殺されると思っているのか、とても慎重に行動している。そういうところから察するに、ルカと部下では大きな溝があるらしい。部下達は渋々死なないために、死骸を異世界袋の中に入れた。この時、兵士は凄まじい恐怖に襲われただろう。何せ機嫌が悪いルカの足元にいるのだ。
 いつ蹴り飛ばされてもおかしくなかったのだ。でもなんとか平和に、この場を乗り切れたことは、部下にとっては命を取り戻せたと言ってもおかしくないほどに、喜んだ。

 ルカは再び歩き出した。その時の顔にも、憎悪と憎しみがプロットされていて、誰も近づきたくないと、思っていたが、メイドは嫌でも隣に居ろと言われたので、今はずっと隣にいる。
 ルカ自身別に意味はないらしい。

 屋敷に着くと、執事が新たな修行部屋を建設しい終わっていた。そして颯爽と挨拶を済ませて、ルカから離れる。こんなふうに、嫌われているのに、ルカ自身は心地いいのだ。
 時には嘲笑まであげることもたまにあるくらいに心地いいとルカは感じて好かれてなくとも、自分が従えているという、事実だけで快適な暮らしができていると思い込んでいる。

 誰しも、こんなふうに上に立っても意味がないと思うだろうけど、こうすることによって、数々の戦争を生き抜いて勝ち続いてきたのだ。

「よし、ドアを開けろ」

 ルカがそういうと、黙々と兵士がドアを開けた。部屋の外壁は真っ黒で立ち入り禁止とまで言いそうな結果が張ってある。それに部屋の中も真っ暗で死体が十体倒れていた。後ろでは、兵士がご武運を、と手を振った。あの兵士達の内心では、この修行で死んでくれないかと、ずっと願っている。
 だけどルカは強すぎるため無傷で何時も戻ってくるが、日々ゾンビを強化しているため今日こそはと、部下達は神に縋るように願った。

 ルカは肩慣らしと言わんばかりに、肩を回し、高くジャンプした。この部屋は特殊な魔力で作られているため、無限に広がる部屋となっいる。

「早く甦れよ」

 とルカが言うとこの部屋全体に響いたと思ったら、「グァアアアア」とゾンビが蘇った。この死体は以前ゼレーナ王国の精鋭だった、者達だ。
 ルカは部下が死んだことに動揺はしないが、精鋭が死んだという、戦力不足、というところに落ち込むことがあって、ミアに殺された部下の件に関してブチギレたのもその影響だ。

「スカル・シルフィード!」

 ゾンビが発音すると、眼には見えない物体が近づいてきていることをルカは確認して、即座にゾンビに近づく。するとどんどんゾンビが蘇ってきて「グァアアアア」とルカを食べたそうな、声を唸らせる。
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