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◎ドミニク視点 妹に振り回される日々
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「お兄ちゃん、お風呂に入らないの?」
「いらん。清潔魔法で充分だ」
書きかけの報告書にペンを走らせていた手を止め、声のする方へ顔を向けると、思わず眉が寄る。
「耳を隠せ」
湯上がりの少女クロエは、ほんのり湯気を纏い、焼けたチョコレートのような滑らかな肌が夜の光に艶を帯びていて、濡れた灰色の髪は毛先が額に貼りつき、葡萄のような深い紫の瞳には眠気が漂っている。
彼女は大きなあくびをして、ゆったりとした寝巻きを纏いながら、ぼんやりと夜空を見上げて窓辺に立っている。
ふいに吹き込んできた夜風に髪がそっと揺れ、それにつられるように、人間族には見えない長く尖った耳が無意識のうちに、わずかにぴくりと動いた。
「……あっ」
リラックスして反応の鈍かった彼女だったが、ようやくオレの意味に気づいたのか、はっとして自分の耳を手で押さえた。
「えへっ」と舌を出して笑い、ふわりと紫色の魔法の光が弾けると、彼女の耳はすっと、人間のものへと変わっていた。
彼女は精霊族、正確的には精霊族と魔族の混血で、双恵児である。
魔族と聞けば、世間では「悪」と結びつけてしまうかもしれないが、そうとは限れない。
神話では、創世神は世界の始まりに三つの大種族――〈天族〉、〈魔族〉、そして〈精霊族〉を創り出した。彼らはいずれも、純粋なる魔力から生まれし者たち。
天を司る〈天族〉は光属性の魔力を、地下に潜む〈魔族〉は闇属性の魔力を宿し、そして大地に根ざし、自然と共に生きる〈精霊族〉は地・水・火・風の四大自然の魔力を操る。
無論、魔力そのものには善悪の別などない。光が必ずしも正義を意味するわけではなく、闇が常に悪を表すとも限らない。
「お兄ちゃんにも見せたかったな。シアちゃん、超超超かわいいんですよ! 姫ちゃんとそっくりってね、月みたいな金の瞳をしていて、雪みたいなふわふわの髪で、とっても綺麗なのよ」
「そんなことどうでもいいから、早く休め」
「ねぇねぇ、シロもシアちゃんのことが好きですよね」
オレの言葉なんてまるで聞こえていないかのように、クロエは手のひらにちょこんと乗せた“何か”と楽しそうに話している。
今のオレには見えないが、その正体は知っている――妖精のシロだ。
精霊族の子供は、愛し合う二人の祈りから生まれる。
互いの魔力を重ね合わせ、大地に願いを捧げると、その想いが結晶となり、母地に命の種が宿る。
その種は大地の魔力を吸いながらゆっくりと育ち、力を蓄えたのち、芽鞘と呼ばれる殻を破って、新たな命がこの世界に誕生する。
クロエが母地から這い出てきた時、すぐ隣には同じく生まれたばかりの妖精たち、シロとネロがいた。
大人たちが新生の子供を迎えに行く時、彼ら三つの小さな命が仲良く、クロエの芽鞘を分け合っているらしい。
妖精には性別という概念がない。シロは白く、ふわふわとした丸い毛玉の姿。対照的に、ネロは黒い毛玉で、どちらも生まれながらにして貴重な空間魔法の力を持っている。
その固有魔法は時間や距離の制約を受けず、シロの口に入れたものは遠く離れた村にいるネロへと瞬時に転送できる。
隣のクロエはお喋りで妙にテンションが高くなり、眠気なんてどこかへ吹っ飛んだらしい。
けれど、オレにはシロが見えない。だからどう見ても、彼女はただの独り言をぶつぶつ言っているようにしか映らなかった。
オレはそれを無視して、黙々と報告書を書き続けることにした。
暫くして、書き終えたオレはペンを下ろし、ふと視線を感じて顔を上げた。
そこには、いつの間にかソファに静かに横たわっていたクロエが、大きな瞳を見開いて、じっとオレを見つめている。
オレは少し考えて、先に口を開く。
「本当に一人で行くつもりか?」
「む?一人じゃないよ、シロも一緒にいます」
そう言って彼女は、頭上に手をかざしながら得意げに示すが、残念ながら見えないものは見えない。
村を出て初めて知ったことだが、村では魔素が濃かったせいか、シロのような不思議な存在もはっきりと見えたが、今はそうはいかない。
「それに、お兄ちゃんはもうシアちゃんと約束したでしょう」
「それはお前が勝手に──!」
「でも、約束は大事ですよ」
「むっ」
ほんの数時間前、クロエにせがまれて乗った賭けを、今さらながら心の底から後悔している。
勝負の内容はシンプル。コインを投げて、出た面を当てるだけ──ただし、どんな手を使っても、自分が望む面を出せばいいというルール。
だが、オレは一つだけ、致命的な失念をしていた。それがシロの存在だ。
まさか、頭の中が年中春の花畑みたいなクロエが……最後の最後で、シロを使ってコインを操作してくるとは。
彼女が言っていたように、町に店を構えてそこから情報を集めるという案は、確かに一理ある。
それに、後方で情報収集に専念する方が、オレには向いているのも事実。
だが、オレは知っている。彼女の本当の狙いはオレの生みの親を探すことだという。
オレは子供の頃、親に捨てられ、クロエの両親に拾われた。捨てられた前の記憶はなく、正直なところ、探したいとも思っていなかった。
長老が「探し物」を命じたのはクロエと他の三人、オレは最初からその中に含まれていなかった。
けれど、頭がカラッポのクロエを一人で行かせるのは流石に心配で、仕方なく、生まれ親を探すという口実を使って、クロエと同行した。
しかし、同行したものの、旅の途中で自分がどれほどのお荷物か分かった。
子供の頃から病弱だったオレは、成長するにつれて多少回復したと思っていたが、まさか村を出た途端に倒れるとは、実に無さげない。
また……例えば、同じ食べ物を食べても、食物中毒になるのはオレだけで、恵まれた精霊族は皆萬毒不侵、双恵児のクロエもその属性を持っている。
また……例えば、必要なら彼女は七晩不眠不休で道を進めるが、オレはせいぜい三日が限界だ。
また……、とにかく、恵まれた精霊族め、チートすぎるだろう。
村での日常訓練で、オレの体力も魔力も武力もクロエに及ばないことはとっくに分かっていた。
だが、彼らはどんなに恵まれていても、力が強いあまり、誰もか美しいだけの単細胞生物だ。クロエもその血が顕著に現れ、狡猾な魔族の養父にはまるで似ていない。
くそ、また心配になってきた。
「言っておくが、オレがいなくても、シロばかりに頼るなよ」
シロには空間魔法のほかに、もう一つ副作用っぽい能力がある。それは、彼の近くにいる人間の内心に隠された本音を、勝手に増幅させてしまうというものだ。
相手の精神力によって差はあるものの、一般人相手にはほぼ自動的に発動する。もっとも、慣れればある程度は無効化できる。
ちなみに村にいた頃、この効果を実感していたのは、ほぼオレだけだった。他の連中は、あまりに思考が単純すぎて、口に出すことと心の中が完全に一致しているから。
「お兄ちゃんは心配性なんですね。分かっていますよ」
誰のせいだよ!
あまりに軽い返事に、オレはイラっとした。
この子は本当に分かっているのか? 今回売られたのだって、簡単に使用人の甘い話に乗せられて、危うあの商人の愛人にされたんだぞ。
たとえ本音の言葉であっても、相手が善意だと思うことが自分にとって善意とは限らない。
あの使用人は、傭兵として生きるより富豪の愛人になる方が良い生活を送れると本気で思っていたんだろう。
そして――クロエのような優しい主人に仕えたいと。
今のクロエの様子を見る限り、あの使用人に対して憎しみは抱いていない。自分を害した者にさえ、慈しみの目を向ける――彼女は双恵児としても、紛れない慈悲深き精霊族の一員だ。
でも、幸いにも、売られた先は魔族が統治する地域。人間の街のような濁った空気とは違い、純粋な闇の魔素が満ちるその土地は、村で育ったオレにとって、思いのほか居心地がよかった。
おかげで、街に来てから、あの吐き気みたいな感覚も、ちょっとだけ回復できた。
「お兄ちゃん」
「なに?」
「月の柔らかな光が、あなたの寝床を銀色に満たし、森の木々が奏でる夜の歌が、あなたを穏やかな眠りへと誘いますように」
「……ええ、明日の目覚めに、新たな希望の光が満ちていますように。どうぞ、安らかな夜を。おやすみ、クロエ」
ようやく目を閉じたクロエに、オレはため息をついた。
オレが一緒に行けない以上、注意事項くらいはまとめておくか。素直さが取り柄だから、書いたものにはちゃんと従うだろう。
「シロ、これを」
オレは報告書の紙を畳んで手を上げた。
すると、紙は少しずつ透明になりながら消えていく。
多分、シロが食べたんだろう。
試しに、紙が消えたあたりを指でなぞってみたが、何の感触もなかった。
やっぱり、見えないってのは不便だ。
「いらん。清潔魔法で充分だ」
書きかけの報告書にペンを走らせていた手を止め、声のする方へ顔を向けると、思わず眉が寄る。
「耳を隠せ」
湯上がりの少女クロエは、ほんのり湯気を纏い、焼けたチョコレートのような滑らかな肌が夜の光に艶を帯びていて、濡れた灰色の髪は毛先が額に貼りつき、葡萄のような深い紫の瞳には眠気が漂っている。
彼女は大きなあくびをして、ゆったりとした寝巻きを纏いながら、ぼんやりと夜空を見上げて窓辺に立っている。
ふいに吹き込んできた夜風に髪がそっと揺れ、それにつられるように、人間族には見えない長く尖った耳が無意識のうちに、わずかにぴくりと動いた。
「……あっ」
リラックスして反応の鈍かった彼女だったが、ようやくオレの意味に気づいたのか、はっとして自分の耳を手で押さえた。
「えへっ」と舌を出して笑い、ふわりと紫色の魔法の光が弾けると、彼女の耳はすっと、人間のものへと変わっていた。
彼女は精霊族、正確的には精霊族と魔族の混血で、双恵児である。
魔族と聞けば、世間では「悪」と結びつけてしまうかもしれないが、そうとは限れない。
神話では、創世神は世界の始まりに三つの大種族――〈天族〉、〈魔族〉、そして〈精霊族〉を創り出した。彼らはいずれも、純粋なる魔力から生まれし者たち。
天を司る〈天族〉は光属性の魔力を、地下に潜む〈魔族〉は闇属性の魔力を宿し、そして大地に根ざし、自然と共に生きる〈精霊族〉は地・水・火・風の四大自然の魔力を操る。
無論、魔力そのものには善悪の別などない。光が必ずしも正義を意味するわけではなく、闇が常に悪を表すとも限らない。
「お兄ちゃんにも見せたかったな。シアちゃん、超超超かわいいんですよ! 姫ちゃんとそっくりってね、月みたいな金の瞳をしていて、雪みたいなふわふわの髪で、とっても綺麗なのよ」
「そんなことどうでもいいから、早く休め」
「ねぇねぇ、シロもシアちゃんのことが好きですよね」
オレの言葉なんてまるで聞こえていないかのように、クロエは手のひらにちょこんと乗せた“何か”と楽しそうに話している。
今のオレには見えないが、その正体は知っている――妖精のシロだ。
精霊族の子供は、愛し合う二人の祈りから生まれる。
互いの魔力を重ね合わせ、大地に願いを捧げると、その想いが結晶となり、母地に命の種が宿る。
その種は大地の魔力を吸いながらゆっくりと育ち、力を蓄えたのち、芽鞘と呼ばれる殻を破って、新たな命がこの世界に誕生する。
クロエが母地から這い出てきた時、すぐ隣には同じく生まれたばかりの妖精たち、シロとネロがいた。
大人たちが新生の子供を迎えに行く時、彼ら三つの小さな命が仲良く、クロエの芽鞘を分け合っているらしい。
妖精には性別という概念がない。シロは白く、ふわふわとした丸い毛玉の姿。対照的に、ネロは黒い毛玉で、どちらも生まれながらにして貴重な空間魔法の力を持っている。
その固有魔法は時間や距離の制約を受けず、シロの口に入れたものは遠く離れた村にいるネロへと瞬時に転送できる。
隣のクロエはお喋りで妙にテンションが高くなり、眠気なんてどこかへ吹っ飛んだらしい。
けれど、オレにはシロが見えない。だからどう見ても、彼女はただの独り言をぶつぶつ言っているようにしか映らなかった。
オレはそれを無視して、黙々と報告書を書き続けることにした。
暫くして、書き終えたオレはペンを下ろし、ふと視線を感じて顔を上げた。
そこには、いつの間にかソファに静かに横たわっていたクロエが、大きな瞳を見開いて、じっとオレを見つめている。
オレは少し考えて、先に口を開く。
「本当に一人で行くつもりか?」
「む?一人じゃないよ、シロも一緒にいます」
そう言って彼女は、頭上に手をかざしながら得意げに示すが、残念ながら見えないものは見えない。
村を出て初めて知ったことだが、村では魔素が濃かったせいか、シロのような不思議な存在もはっきりと見えたが、今はそうはいかない。
「それに、お兄ちゃんはもうシアちゃんと約束したでしょう」
「それはお前が勝手に──!」
「でも、約束は大事ですよ」
「むっ」
ほんの数時間前、クロエにせがまれて乗った賭けを、今さらながら心の底から後悔している。
勝負の内容はシンプル。コインを投げて、出た面を当てるだけ──ただし、どんな手を使っても、自分が望む面を出せばいいというルール。
だが、オレは一つだけ、致命的な失念をしていた。それがシロの存在だ。
まさか、頭の中が年中春の花畑みたいなクロエが……最後の最後で、シロを使ってコインを操作してくるとは。
彼女が言っていたように、町に店を構えてそこから情報を集めるという案は、確かに一理ある。
それに、後方で情報収集に専念する方が、オレには向いているのも事実。
だが、オレは知っている。彼女の本当の狙いはオレの生みの親を探すことだという。
オレは子供の頃、親に捨てられ、クロエの両親に拾われた。捨てられた前の記憶はなく、正直なところ、探したいとも思っていなかった。
長老が「探し物」を命じたのはクロエと他の三人、オレは最初からその中に含まれていなかった。
けれど、頭がカラッポのクロエを一人で行かせるのは流石に心配で、仕方なく、生まれ親を探すという口実を使って、クロエと同行した。
しかし、同行したものの、旅の途中で自分がどれほどのお荷物か分かった。
子供の頃から病弱だったオレは、成長するにつれて多少回復したと思っていたが、まさか村を出た途端に倒れるとは、実に無さげない。
また……例えば、同じ食べ物を食べても、食物中毒になるのはオレだけで、恵まれた精霊族は皆萬毒不侵、双恵児のクロエもその属性を持っている。
また……例えば、必要なら彼女は七晩不眠不休で道を進めるが、オレはせいぜい三日が限界だ。
また……、とにかく、恵まれた精霊族め、チートすぎるだろう。
村での日常訓練で、オレの体力も魔力も武力もクロエに及ばないことはとっくに分かっていた。
だが、彼らはどんなに恵まれていても、力が強いあまり、誰もか美しいだけの単細胞生物だ。クロエもその血が顕著に現れ、狡猾な魔族の養父にはまるで似ていない。
くそ、また心配になってきた。
「言っておくが、オレがいなくても、シロばかりに頼るなよ」
シロには空間魔法のほかに、もう一つ副作用っぽい能力がある。それは、彼の近くにいる人間の内心に隠された本音を、勝手に増幅させてしまうというものだ。
相手の精神力によって差はあるものの、一般人相手にはほぼ自動的に発動する。もっとも、慣れればある程度は無効化できる。
ちなみに村にいた頃、この効果を実感していたのは、ほぼオレだけだった。他の連中は、あまりに思考が単純すぎて、口に出すことと心の中が完全に一致しているから。
「お兄ちゃんは心配性なんですね。分かっていますよ」
誰のせいだよ!
あまりに軽い返事に、オレはイラっとした。
この子は本当に分かっているのか? 今回売られたのだって、簡単に使用人の甘い話に乗せられて、危うあの商人の愛人にされたんだぞ。
たとえ本音の言葉であっても、相手が善意だと思うことが自分にとって善意とは限らない。
あの使用人は、傭兵として生きるより富豪の愛人になる方が良い生活を送れると本気で思っていたんだろう。
そして――クロエのような優しい主人に仕えたいと。
今のクロエの様子を見る限り、あの使用人に対して憎しみは抱いていない。自分を害した者にさえ、慈しみの目を向ける――彼女は双恵児としても、紛れない慈悲深き精霊族の一員だ。
でも、幸いにも、売られた先は魔族が統治する地域。人間の街のような濁った空気とは違い、純粋な闇の魔素が満ちるその土地は、村で育ったオレにとって、思いのほか居心地がよかった。
おかげで、街に来てから、あの吐き気みたいな感覚も、ちょっとだけ回復できた。
「お兄ちゃん」
「なに?」
「月の柔らかな光が、あなたの寝床を銀色に満たし、森の木々が奏でる夜の歌が、あなたを穏やかな眠りへと誘いますように」
「……ええ、明日の目覚めに、新たな希望の光が満ちていますように。どうぞ、安らかな夜を。おやすみ、クロエ」
ようやく目を閉じたクロエに、オレはため息をついた。
オレが一緒に行けない以上、注意事項くらいはまとめておくか。素直さが取り柄だから、書いたものにはちゃんと従うだろう。
「シロ、これを」
オレは報告書の紙を畳んで手を上げた。
すると、紙は少しずつ透明になりながら消えていく。
多分、シロが食べたんだろう。
試しに、紙が消えたあたりを指でなぞってみたが、何の感触もなかった。
やっぱり、見えないってのは不便だ。
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