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第二章
第21話 宝剣VS神盾
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レイリアさんはストブリさんと共に外に出掛けていった。
しばらく二人で過ごしたいらしい。あとは自由にしていいとの事で。
「さっそく探索ですかね! 私様たちの王が過ごされる拠点です。欠陥を見つけた際は、王国に文句をつけてやりましょう! 権力者の後ろ盾を手に入れて、ますます王道の軌道に乗り始めましたよ」
「殆どタダで貰えたのに図々しい妖精ね……あのお姫さまはどう考えても特殊でしょ? 行使できる権力も少なそうだけど」
「わーい! 広いです。これでいつでもあるじさまと一緒です!」
「そうだね。みんなも人の姿で過ごせる。以前の宿では毎回元の姿に戻ってもらっていたし、これからは窮屈な思いをさせずに済むよ」
節約の為に一人部屋を借りていたけど。ここでなら十人以上は余裕だ。
「ふむ……窓枠に小さな埃が……これは新人メイドにさっそく教育ですねぇ」
「あの馬鹿妖精は放っておくとして、地下もあるみたいよ」
僕たちはまず新しい拠点の探索を行った。地下付きの二階建てだ。
下の貯蔵庫には豊富な食材が並んでいた。王国領で採れる名産品かな。
ライブラ様が料理データを活用する機会だと喜んでいた。期待は……半々。
二階に上ると広い寝室が四つある。多いのは来客用だろうか。
ここまで来ると管理が大変だけど、それも勝手にやってもらえると。
もう至れり尽くせりだ。スキル一回の対価としては貰い過ぎなくらい。
「ただいまです! ロロア様、こちらをどうぞです。私からのお引越し祝いです!」
ストブリさんが腕に抱えたたくさんの果実を机に並べてくれる。
その後ろでレイリアさんが、動き回るメイドさんを嬉しそうに眺めていた。
「わざわざありがとう。高かったでしょ? これはお返しを考えないと……!」
「いえいえ。私はレイリアの剣ですが、創造主様に粗相があれば、罰が当たりますです! 私の事もストブリと気軽に呼んでください! 創造主様っ!」
「創造主様って……ストブリも僕の事をロロアって呼んでもいいんだよ?」
「いけません、創造主様は創造主様です。呼び捨てだなんて、畏れ多い……!」
両手を振ってストブリは顔を蒼くさせる。罰なんて当たらないよ……?
薄々勘付いていたけど。【擬人化】は強い主従関係も構築するんだ。
しかも今回は他人のアイテムでだ。あまり気軽に使うのは良くないかも。
たとえばこれが聖杯などの宗教的偶像物に作用したら。
下手すると個人の問題を飛び越えて、戦争に発展しかねない。
神話級のアイテムは基本そういう背景がセットでついてくるから。
「おやおや、私様たちの王に献上品ですか。ブリちゃん好印象ですよ! ふむ、この果実はデータにありません。トロちゃんにまずは毒――味見をしてもらいましょうか」
「うん、たべる」
「エルにもください! 果汁を絞って美味しいジュースを蓄えたいです!」
何気に一番僕を崇拝しているライブラさんが献上物を確認している。
トロンが隣で皮ごと果実を齧っていた。エルは器に果汁を取り込んでる。
水龍の魔力水も空になって、最近では飲み物を蓄えては僕に届けてくれるんだ。
「……」
みんなが和気藹々としている中で。
アイギスだけはストブリの事をずっと見つめていた。
「ストームブリンガー、一つだけ尋ねたい事があるのだけど」
「はい! アイギスの神盾さん、なんでしょうか?」
ストブリは子供用の箒を手にして床の清掃をしていた。
「私と貴女は同じ国宝級。レアリティの差は僅かでしかない。両者がぶつかり合えば……一体どちらが強いのかしらね?」
挑戦的な瞳で、アイギスがそんな事を言い出す。
受け止めたストブリは、箒の動きを止めて笑顔になる。
「はい! もちろんそれは答えは決まっていますです。強いのは――――」
「私よね」「私でございます!」
同時の答え。
「「…………」」
そして二人の時間が止まった。あ、嫌な予感が。
「アイギス……?」
「ストブリ……?」
僕とレイリアさんは二人の間に立って距離を作る。
鋭い視線が飛び交っている。和やかな雰囲気が吹っ飛んだ。
「聞き捨てならないわね、異界の神が定めた☆0.1の差は絶対よ!」
「所詮は0.1です。私はレイリアの、王女の剣として些細な敗北すら許されないのです。足りないのであればそれを補うレイリアの力があります。武具の実力は、所有者の能力含めて語られます!」
「そんなの私だって同じよ。ロロアは、マスターはね、共に神話級を目指すと言ってくれたの。私は英雄を生かす武具として、一度たりとも負けさせない覚悟があるわ!」
「あるじさま、剣と盾の喧嘩です?」
「……ますた、おなかへった」
とんでもない事になってきた。
「まぁ予想通りの状況ですね。優れたアイテム同士が、用途が近い者が揃えば当然序列を気にします。武具は壊れでもしない限り基本的に一枠しか空きがないですからね。私様のような唯一無二の存在であれば気にせず済みますが」
「予想していたなら止めて欲しかったよ……ライブラさん」
アイギスのような盾が今後も頻繁に出て来られても困るけど。
気を遣ってあげられなかった僕の落ち度かな。闘争心がすごいや。
「国宝級までいくと誰もが自分に絶対の自信を持ちますから。一度始まると簡単には止まりませんよ」
「ロロア様、私はどうすればいいのでしょうか?」
「ここは一度、勝負してハッキリさせた方が後々の為にもいいかもしれません」
僕はそう言って、レイリアさんにも納得してもらった。
◇
【星渡りの塔】の一階層に僕たちはやってきた。
まさか腕試しの為だけに戻ってくるとは思わなかったけど。
―――――――――――――――――――――――――――――
アイギスの神盾☆5.1【擬人化】
・魔法障壁
・退魔結界
・自己修復
・帯電
・反射
・???
―――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――
ストームブリンガー☆5.0【擬人化】
・風刃
・闇刃
・飛翔
・生命吸収
・黒嵐
・???
―――――――――――――――――――――――――――――
ストームブリンガーのスキルは風と闇の複合属性だ。
対するアイギスは雷と光。比べてみると反発し合うのも当然か。
「まずは小手調べね。後輩に華を持たせてあげる。自由に攻撃してきなさい」
「むぅ……創造主様の盾とはいえ、遠慮はしないですよ!」
ストブリの足元に黒い風が纏わる、姿が消えた。
アイギスの死角を突いて蹴りが放たれた、
小さな身体に見合わない身体能力だ。
「……甘いわね。それが渾身の一撃ならば、貴女はもう主人を守れないわよ?」
「んなっ!?」
アイギスは視線を向けずに片腕で止めてみせた。
動きを封じられたストブリは慌てて抵抗する。
余裕の表情を崩さずアイギスは手放した。
「い、今のは小手調べです! 先手を譲ってもらったお返しです!」
「あらそう。だったら次は期待しているから」
国宝級のアイギスの実力は、冒険者のAランク以上はある。
冒険者でもこれほどの練度を持つ人は、今の僕の記憶にはない。
「風よ、王女の剣として恥じない働きを見せるのです!」
「未来の英雄の盾を貫くと豪語するなら、破損する気でやってみなさい!」
不可視の風の刃が何層にも重なり殺到する。
アイギスはその場を動かず、全部を受け止めた。
「通じない……次っ、腐敗の黒き刃!」
一陣の風に闇が混入した。周囲の木々を腐らせる。
アイギスは頑なに動かない。受け止めた腕が変色していく。
「アイちゃん、この戦いでは盾に徹するするつもりですね。その気であれば最初の一撃で終わっていましたから」
「というか、受け止めて大丈夫なの? 腕が黒くなっているけど……!」
「あるじさま、あいぎすさんなら大丈夫です」
「……ますた、みて」
トロンが指差す先、黒ずんだ腕が徐々に自己修復されていく。
「少し強めにいくわよ!」
そして、最後の風を力一杯に跳ね返した。
「くっ、反射ですか!」
メイド服を翻して、ストブリが空中を飛翔した。
「だったらそれ以上の攻撃をするまでです! みなさんの生命力を貰いますです!」
ストブリは右手を伸ばして、僕たち以外の地表の生命力を吸収していく。
数秒ごとに闇が膨れ上がる。次の一撃ですべてを決めるつもりなんだ。
「これが私の全力です! 避けるなら今のうちですよ!?」
「ご忠告どうも。私はこの場を譲るつもりは一ミリもないわ!」
頑固な二人が向かい合う。最初に動いたのはストブリだ。
「うわああああああああああああああ!!」
黒い嵐を伴った複合属性の蹴りだ。まともに受けたら生物は消滅する。
アイギスは不敵な笑顔を浮かべ、魔法障壁を強める。更には全身が帯電した。
「本気を出せる相手が見つかって良かったわ。悪いけど貴女は私の神話への足掛かりにさせてもらう」
衝撃が大地を揺らした。稲妻と嵐がぶつかり合う。
光と闇が入り混じり、二人の叫びが重なり合った。
「負けません、負けませんですううううううう!」
「私は気合だけで抜けられる壁じゃないのよっ!」
足元は崩れ埋まっている、だけど一歩を引いていない。
なんて頼もしい背中だろうか。彼女の覚悟が伝わってくる。
たった一人の、僕の盾として吠えてくれている。
感動で震える。ああ、僕もこの子に相応しい人物になりたいと。
きっとこの気持ちは、対するレイリアさんも同じだけ感じているはず。
「ストブリ、貴女は私の唯一の友です! 私は貴女を勝利を信じています!」
まさしく王女の激励だ。その瞬間、ストブリの全身に赤い膜が覆った。
「いけませんっ、本当に【王女の激励】が発動しています。唐突に均衡が崩れては両者に深刻なダメージが! 盾のアイちゃんはともかく、ブリちゃんは修復ができません!」
ライブラさんが珍しく狼狽えた、レイリアさんも無意識だったらしい。
「そんなっ、止まって……私のスキル。お願いだから邪魔をしないで……!」
祈るだけで【王女の激励】が発動してしまうんだ。確かに扱い辛い力だ。
「あるじさま、エルが行きます!」
不死身のエルがアイギスの後ろを支え、時間を稼ぐ。
「……ん。バン、バン」
そしてトロンがストブリに向けて雷光弾を放っていく。
闇を削り、少しでも威力を減衰させる。それでも勢いは止まらない。
【王女の激励】の効果は徐々に累積していく。ストブリに負荷が掛かっていく。
「トロン、今すぐ私を撃ちなさい!」
「……わかった」
アイギスの言葉に数瞬で頷きトロンが指から放つ。
「ストームブリンガー、貴方も国宝級なら我慢しなさいよ!」
雷光弾を取り込んだ身体で足を掴むと、全身を回転させて地面に叩きつけた。
「うああああああああっ!?」
「くっ!」
眩い光が爆発して、アイギスの身体も吹き飛ばされる。
僕とレイリアさんは倒れたお互いの大事な子の元に走った。
「アイギス、大丈夫!?」
「平気よ、私には自己修復があるから。でも……」
アイギスの視線は元いた位置に向けられている。
「はぁ……盾としては失格ね。動いた時点で私の負けよ。貴方に、恥をかかせてしまったわ」
「そんな訳ないよ!」
僕は無意識に大声を出してしまった。
「たったそれだけで君を見捨てるようなマスターは僕が認めない!」
「で、でも……もしこれが実戦なら、私は貴方を……!」
「盾で防ぎ切れない攻撃なら、僕の自慢の足がある。どちらか片方だけじゃないといけない理由はないよね!? アイギス、この一戦だけですべてを諦めるようなら僕は怒るよ!」
強く言い聞かせると、アイギスは何故か頬を赤らめた。
「う、うん……ごめんなさいロロア、許して。私、次も頑張るから……マスターに褒めてもらえるように……」
とても嬉しそうに答えてくれるけど。言葉だけで聞くと僕が鬼畜なような?
「もしかしてアイちゃんって……マゾ――――まぁ深い事を詮索するのはなしとしましょう。友人の趣味趣向にツッコむのは野暮ってものです。やはり属性過多だとは思いますが……」
「らいぶらさんのお話は難しいです……」
「……ぐぅ。おなかすいた」
こちらはとりあえず問題なかった。
ストブリとレイリアさんはどうだろうか。
「参りました……私の負けです。未来の英雄の盾を貫けなかった私は、王女の剣失格です……」
「何を言うのです! 貴女がいなくなるというのであれば、たった一人の友を失うくらいなら……! 私はこの場で命を絶ちましょう!」
「あわわわ。やめてくださいです! 嘘です! 私はまだ王女の剣を続けますからっ!」
向こうは向こうで盛り上がっていた。……二人が無事でよかった。
しばらく二人で過ごしたいらしい。あとは自由にしていいとの事で。
「さっそく探索ですかね! 私様たちの王が過ごされる拠点です。欠陥を見つけた際は、王国に文句をつけてやりましょう! 権力者の後ろ盾を手に入れて、ますます王道の軌道に乗り始めましたよ」
「殆どタダで貰えたのに図々しい妖精ね……あのお姫さまはどう考えても特殊でしょ? 行使できる権力も少なそうだけど」
「わーい! 広いです。これでいつでもあるじさまと一緒です!」
「そうだね。みんなも人の姿で過ごせる。以前の宿では毎回元の姿に戻ってもらっていたし、これからは窮屈な思いをさせずに済むよ」
節約の為に一人部屋を借りていたけど。ここでなら十人以上は余裕だ。
「ふむ……窓枠に小さな埃が……これは新人メイドにさっそく教育ですねぇ」
「あの馬鹿妖精は放っておくとして、地下もあるみたいよ」
僕たちはまず新しい拠点の探索を行った。地下付きの二階建てだ。
下の貯蔵庫には豊富な食材が並んでいた。王国領で採れる名産品かな。
ライブラ様が料理データを活用する機会だと喜んでいた。期待は……半々。
二階に上ると広い寝室が四つある。多いのは来客用だろうか。
ここまで来ると管理が大変だけど、それも勝手にやってもらえると。
もう至れり尽くせりだ。スキル一回の対価としては貰い過ぎなくらい。
「ただいまです! ロロア様、こちらをどうぞです。私からのお引越し祝いです!」
ストブリさんが腕に抱えたたくさんの果実を机に並べてくれる。
その後ろでレイリアさんが、動き回るメイドさんを嬉しそうに眺めていた。
「わざわざありがとう。高かったでしょ? これはお返しを考えないと……!」
「いえいえ。私はレイリアの剣ですが、創造主様に粗相があれば、罰が当たりますです! 私の事もストブリと気軽に呼んでください! 創造主様っ!」
「創造主様って……ストブリも僕の事をロロアって呼んでもいいんだよ?」
「いけません、創造主様は創造主様です。呼び捨てだなんて、畏れ多い……!」
両手を振ってストブリは顔を蒼くさせる。罰なんて当たらないよ……?
薄々勘付いていたけど。【擬人化】は強い主従関係も構築するんだ。
しかも今回は他人のアイテムでだ。あまり気軽に使うのは良くないかも。
たとえばこれが聖杯などの宗教的偶像物に作用したら。
下手すると個人の問題を飛び越えて、戦争に発展しかねない。
神話級のアイテムは基本そういう背景がセットでついてくるから。
「おやおや、私様たちの王に献上品ですか。ブリちゃん好印象ですよ! ふむ、この果実はデータにありません。トロちゃんにまずは毒――味見をしてもらいましょうか」
「うん、たべる」
「エルにもください! 果汁を絞って美味しいジュースを蓄えたいです!」
何気に一番僕を崇拝しているライブラさんが献上物を確認している。
トロンが隣で皮ごと果実を齧っていた。エルは器に果汁を取り込んでる。
水龍の魔力水も空になって、最近では飲み物を蓄えては僕に届けてくれるんだ。
「……」
みんなが和気藹々としている中で。
アイギスだけはストブリの事をずっと見つめていた。
「ストームブリンガー、一つだけ尋ねたい事があるのだけど」
「はい! アイギスの神盾さん、なんでしょうか?」
ストブリは子供用の箒を手にして床の清掃をしていた。
「私と貴女は同じ国宝級。レアリティの差は僅かでしかない。両者がぶつかり合えば……一体どちらが強いのかしらね?」
挑戦的な瞳で、アイギスがそんな事を言い出す。
受け止めたストブリは、箒の動きを止めて笑顔になる。
「はい! もちろんそれは答えは決まっていますです。強いのは――――」
「私よね」「私でございます!」
同時の答え。
「「…………」」
そして二人の時間が止まった。あ、嫌な予感が。
「アイギス……?」
「ストブリ……?」
僕とレイリアさんは二人の間に立って距離を作る。
鋭い視線が飛び交っている。和やかな雰囲気が吹っ飛んだ。
「聞き捨てならないわね、異界の神が定めた☆0.1の差は絶対よ!」
「所詮は0.1です。私はレイリアの、王女の剣として些細な敗北すら許されないのです。足りないのであればそれを補うレイリアの力があります。武具の実力は、所有者の能力含めて語られます!」
「そんなの私だって同じよ。ロロアは、マスターはね、共に神話級を目指すと言ってくれたの。私は英雄を生かす武具として、一度たりとも負けさせない覚悟があるわ!」
「あるじさま、剣と盾の喧嘩です?」
「……ますた、おなかへった」
とんでもない事になってきた。
「まぁ予想通りの状況ですね。優れたアイテム同士が、用途が近い者が揃えば当然序列を気にします。武具は壊れでもしない限り基本的に一枠しか空きがないですからね。私様のような唯一無二の存在であれば気にせず済みますが」
「予想していたなら止めて欲しかったよ……ライブラさん」
アイギスのような盾が今後も頻繁に出て来られても困るけど。
気を遣ってあげられなかった僕の落ち度かな。闘争心がすごいや。
「国宝級までいくと誰もが自分に絶対の自信を持ちますから。一度始まると簡単には止まりませんよ」
「ロロア様、私はどうすればいいのでしょうか?」
「ここは一度、勝負してハッキリさせた方が後々の為にもいいかもしれません」
僕はそう言って、レイリアさんにも納得してもらった。
◇
【星渡りの塔】の一階層に僕たちはやってきた。
まさか腕試しの為だけに戻ってくるとは思わなかったけど。
―――――――――――――――――――――――――――――
アイギスの神盾☆5.1【擬人化】
・魔法障壁
・退魔結界
・自己修復
・帯電
・反射
・???
―――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――
ストームブリンガー☆5.0【擬人化】
・風刃
・闇刃
・飛翔
・生命吸収
・黒嵐
・???
―――――――――――――――――――――――――――――
ストームブリンガーのスキルは風と闇の複合属性だ。
対するアイギスは雷と光。比べてみると反発し合うのも当然か。
「まずは小手調べね。後輩に華を持たせてあげる。自由に攻撃してきなさい」
「むぅ……創造主様の盾とはいえ、遠慮はしないですよ!」
ストブリの足元に黒い風が纏わる、姿が消えた。
アイギスの死角を突いて蹴りが放たれた、
小さな身体に見合わない身体能力だ。
「……甘いわね。それが渾身の一撃ならば、貴女はもう主人を守れないわよ?」
「んなっ!?」
アイギスは視線を向けずに片腕で止めてみせた。
動きを封じられたストブリは慌てて抵抗する。
余裕の表情を崩さずアイギスは手放した。
「い、今のは小手調べです! 先手を譲ってもらったお返しです!」
「あらそう。だったら次は期待しているから」
国宝級のアイギスの実力は、冒険者のAランク以上はある。
冒険者でもこれほどの練度を持つ人は、今の僕の記憶にはない。
「風よ、王女の剣として恥じない働きを見せるのです!」
「未来の英雄の盾を貫くと豪語するなら、破損する気でやってみなさい!」
不可視の風の刃が何層にも重なり殺到する。
アイギスはその場を動かず、全部を受け止めた。
「通じない……次っ、腐敗の黒き刃!」
一陣の風に闇が混入した。周囲の木々を腐らせる。
アイギスは頑なに動かない。受け止めた腕が変色していく。
「アイちゃん、この戦いでは盾に徹するするつもりですね。その気であれば最初の一撃で終わっていましたから」
「というか、受け止めて大丈夫なの? 腕が黒くなっているけど……!」
「あるじさま、あいぎすさんなら大丈夫です」
「……ますた、みて」
トロンが指差す先、黒ずんだ腕が徐々に自己修復されていく。
「少し強めにいくわよ!」
そして、最後の風を力一杯に跳ね返した。
「くっ、反射ですか!」
メイド服を翻して、ストブリが空中を飛翔した。
「だったらそれ以上の攻撃をするまでです! みなさんの生命力を貰いますです!」
ストブリは右手を伸ばして、僕たち以外の地表の生命力を吸収していく。
数秒ごとに闇が膨れ上がる。次の一撃ですべてを決めるつもりなんだ。
「これが私の全力です! 避けるなら今のうちですよ!?」
「ご忠告どうも。私はこの場を譲るつもりは一ミリもないわ!」
頑固な二人が向かい合う。最初に動いたのはストブリだ。
「うわああああああああああああああ!!」
黒い嵐を伴った複合属性の蹴りだ。まともに受けたら生物は消滅する。
アイギスは不敵な笑顔を浮かべ、魔法障壁を強める。更には全身が帯電した。
「本気を出せる相手が見つかって良かったわ。悪いけど貴女は私の神話への足掛かりにさせてもらう」
衝撃が大地を揺らした。稲妻と嵐がぶつかり合う。
光と闇が入り混じり、二人の叫びが重なり合った。
「負けません、負けませんですううううううう!」
「私は気合だけで抜けられる壁じゃないのよっ!」
足元は崩れ埋まっている、だけど一歩を引いていない。
なんて頼もしい背中だろうか。彼女の覚悟が伝わってくる。
たった一人の、僕の盾として吠えてくれている。
感動で震える。ああ、僕もこの子に相応しい人物になりたいと。
きっとこの気持ちは、対するレイリアさんも同じだけ感じているはず。
「ストブリ、貴女は私の唯一の友です! 私は貴女を勝利を信じています!」
まさしく王女の激励だ。その瞬間、ストブリの全身に赤い膜が覆った。
「いけませんっ、本当に【王女の激励】が発動しています。唐突に均衡が崩れては両者に深刻なダメージが! 盾のアイちゃんはともかく、ブリちゃんは修復ができません!」
ライブラさんが珍しく狼狽えた、レイリアさんも無意識だったらしい。
「そんなっ、止まって……私のスキル。お願いだから邪魔をしないで……!」
祈るだけで【王女の激励】が発動してしまうんだ。確かに扱い辛い力だ。
「あるじさま、エルが行きます!」
不死身のエルがアイギスの後ろを支え、時間を稼ぐ。
「……ん。バン、バン」
そしてトロンがストブリに向けて雷光弾を放っていく。
闇を削り、少しでも威力を減衰させる。それでも勢いは止まらない。
【王女の激励】の効果は徐々に累積していく。ストブリに負荷が掛かっていく。
「トロン、今すぐ私を撃ちなさい!」
「……わかった」
アイギスの言葉に数瞬で頷きトロンが指から放つ。
「ストームブリンガー、貴方も国宝級なら我慢しなさいよ!」
雷光弾を取り込んだ身体で足を掴むと、全身を回転させて地面に叩きつけた。
「うああああああああっ!?」
「くっ!」
眩い光が爆発して、アイギスの身体も吹き飛ばされる。
僕とレイリアさんは倒れたお互いの大事な子の元に走った。
「アイギス、大丈夫!?」
「平気よ、私には自己修復があるから。でも……」
アイギスの視線は元いた位置に向けられている。
「はぁ……盾としては失格ね。動いた時点で私の負けよ。貴方に、恥をかかせてしまったわ」
「そんな訳ないよ!」
僕は無意識に大声を出してしまった。
「たったそれだけで君を見捨てるようなマスターは僕が認めない!」
「で、でも……もしこれが実戦なら、私は貴方を……!」
「盾で防ぎ切れない攻撃なら、僕の自慢の足がある。どちらか片方だけじゃないといけない理由はないよね!? アイギス、この一戦だけですべてを諦めるようなら僕は怒るよ!」
強く言い聞かせると、アイギスは何故か頬を赤らめた。
「う、うん……ごめんなさいロロア、許して。私、次も頑張るから……マスターに褒めてもらえるように……」
とても嬉しそうに答えてくれるけど。言葉だけで聞くと僕が鬼畜なような?
「もしかしてアイちゃんって……マゾ――――まぁ深い事を詮索するのはなしとしましょう。友人の趣味趣向にツッコむのは野暮ってものです。やはり属性過多だとは思いますが……」
「らいぶらさんのお話は難しいです……」
「……ぐぅ。おなかすいた」
こちらはとりあえず問題なかった。
ストブリとレイリアさんはどうだろうか。
「参りました……私の負けです。未来の英雄の盾を貫けなかった私は、王女の剣失格です……」
「何を言うのです! 貴女がいなくなるというのであれば、たった一人の友を失うくらいなら……! 私はこの場で命を絶ちましょう!」
「あわわわ。やめてくださいです! 嘘です! 私はまだ王女の剣を続けますからっ!」
向こうは向こうで盛り上がっていた。……二人が無事でよかった。
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はるか五億四千万年前、この星は六柱の竜王によって治められていた。火・水・風・土・闇・光――それぞれの力が均衡を保ち、世界は一つの大きな生命のように静かに巡っていた。だが星の異変をきっかけに竜の力は揺らぎ、その欠片は“魂”となって新たな生命に宿る。やがて誕生した人類は文明を築き、竜の力を利用し、ついには六大陸そのものを巨大な封印装置へと変えて竜王を眠りにつかせた。
それから幾千年。
現代では六つの大国がそれぞれ封印を管理し、かろうじて世界の均衡を保っている。しかし各地で異常な魔獣が出現し、封印の揺らぎが噂されはじめていた。
そんな世界を気ままに旅する青年がいる。名はブラック・ドラグニル。三年前からハンターとして魔獣を討伐し、その肉を味わいながら各地を渡り歩く放浪者だ。規格外の実力を持ちながら名誉や地位には興味がなく、ただ「世界のうまいものを食べ尽くす」ことを楽しみに生きている。
ある日、光の王国ルミナリア近郊で王女ユリアナが大型魔獣に襲われる事件が起きる。死を覚悟した騎士団の前に現れたブラックは、その怪物をわずか数十秒で討ち倒す。彼にとっては雑魚同然だったが、その圧倒的な強さは王国中に知れ渡る。王女は自由に生きる彼の姿に心を奪われるが、ブラックは次の目的地へ向かう計画を練るばかり。
だが彼自身はまだ知らない。
自らが竜族の末裔であり、世界を再び“統合”へ導く鍵となる存在であることを。
竜の封印が揺らぐとき、自由を愛する青年は世界の命運を左右する選択を迫られる。
これは、竜の記憶と人の魂が交錯する壮大なファンタジー叙事譚である。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
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この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
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突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
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スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
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この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
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16歳になったばかりの高校2年の主人公。
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