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第三章
第62話 かつての強敵
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「人形風情が俺の邪魔をするなあああああああああ!」
「シュー」
白い魔導ゴーレムが煙を出しながら連続で拳をぶつけていく。
クロストが【剛力】で反撃するも、肉体がついていっていない。
本人は意識していないけど、身体の三分の一が潰れているんだ。
不安定な重心と膨張した肉の重み。小型ゴーレムに翻弄されるしかない。
僕は四発目の雷光弾を、剥き出しの心臓部へと射出する。
「ぐぎゃああああああああああああ」
洞窟の天井まで届く血飛沫をあげるが、まだ息は残されている。
小さな急所に魔法障壁を多重展開して威力を減衰させたのか。
それでも衝撃までは防ぎ切れず、白目を剥いて口から血泡を吹いている。
「これ以上は苦しみを長続きさせるだけだというのに……!」
【神化の秘宝】を使用した時点で死の運命が確定している。
ここで抗っても何も生まない。無意味に苦しさが増すだけだ。
「おれは……かみのちからを……てにいれた……あは、ははは」
無知というのは恐ろしい。彼は未だに全能感に浸っている。
度重なるスキル使用によって脳に負担が来ているのか。
呂律が回っていない。視線の動きも不規則になり不気味だ。
「マズイな……今の奴は意識を失い人間としての本能が薄れている。神話級の霊薬の力だけで動かされている状態だ。【理の破壊者】というのは、どこまで人の尊厳を傷付ければ気が済むんだ!」
ルガンさんが悔しそうに拳を地面に叩きつける。
あの霊薬が世間に出回ったらと考えると寒気がする。
「ルガンさん、その身体ではもう……僕に任せて離れていてください」
「ああ……ロロア、気を付けろ。生物としての、奴の最期の足掻きが来るぞ!」
死期を悟った生物ほど怖いものはない。
霊薬に無理やり生かされた怪物が白い息を吐く。
「ふぅ……ふぅ……」
姿が消えた。立っていた場所に腕が落ちている。
クロストは邪魔な肉を削ぎ落して身体を軽くしたんだ。
「があああああああああああ」
「冷静に……速さに惑わされずに……そこっ」
地面に滴る血痕の動きで行動を予測する。
アイギスを構えるも激しい衝撃に盾が弾かれる。
「動きを止めるな、止まったらやられる……!」
足元を転がりながらコクエンで背中を斬り付ける。
「ぐううううううううう」
傷口に闇の炎が宿った。自然治癒は発動していない。
攻撃スキル以外を捨てたんだ。殺戮生物と化している。
やるか、やられるかの勝負だ。
続いてトロンで足を狙う。魔力水を飲む暇はない。
またクロストは姿を消した。次は頭上から降り注ぐ。
「シューシュー」
着地地点に白い魔導ゴーレムが待機していた。
大きな揺れの衝撃もものともしない。
水流をまとった拳でクロストを壁へと押し遣る。
「そうか……やっとわかったよ。君はフォルネウスを宿しているんだね!」
かつての強敵、【星渡りの塔】最強の空遊魚の魔石だ。
心強い味方を得て、僕の身体も鼓舞される。足を撃ち抜いた。
「ぐうぎぎぎぎぎぎぎ」
痛みは感じていないだろうけど、肉体は正直だ。
片足だけでは体重を支えきれず速度が落ちている。
「逃がさないよ、クリエイト!」
【創造の樹木】で獣を捕らえる頑丈な檻を作る。
速さを取って腕を捨てたのがお前の敗因だ。壊せやしない。
「ぐおおおおおおおおお」
全身を闇の炎に包まれ、何度も体当たりで抵抗する怪物。
エルの魔力水を飲んで、最後の六発目の全力雷光弾を。
「……トドメだよ」
「シュウーシュウウウ」
隣で白い魔導ゴーレムが四連魔法陣を展開する。
雷光弾が水龍竜巻に包まれる。クロストの胸を貫いた。
体内に取り込まれた魔水が行き場を失い、
クロストの身体が風船のように膨らんでいく。
「ぐおお……おお――おおおおおおおお」
檻の中で爆発、バラバラに弾け飛んだ。
「……ふぅ。やっと終わった。想像以上に厳しい試験になったよ……」
安堵から血に濡れた地面に座り込む。全身が痺れて動かない。
しばらくすれば異変を察したギルドの人たちが来てくれるはず。
「シューシュー」
「ありがとう。助かったよ……僕だけじゃ厳しかったから」
白い魔導ゴーレムがまた煙を出しながら止まってしまった。
もしかしたらこの子は、【神化の秘薬】に反応したのかな。
「あとでレイリアに聞いてみよう」
「シュー」
白い魔導ゴーレムが煙を出しながら連続で拳をぶつけていく。
クロストが【剛力】で反撃するも、肉体がついていっていない。
本人は意識していないけど、身体の三分の一が潰れているんだ。
不安定な重心と膨張した肉の重み。小型ゴーレムに翻弄されるしかない。
僕は四発目の雷光弾を、剥き出しの心臓部へと射出する。
「ぐぎゃああああああああああああ」
洞窟の天井まで届く血飛沫をあげるが、まだ息は残されている。
小さな急所に魔法障壁を多重展開して威力を減衰させたのか。
それでも衝撃までは防ぎ切れず、白目を剥いて口から血泡を吹いている。
「これ以上は苦しみを長続きさせるだけだというのに……!」
【神化の秘宝】を使用した時点で死の運命が確定している。
ここで抗っても何も生まない。無意味に苦しさが増すだけだ。
「おれは……かみのちからを……てにいれた……あは、ははは」
無知というのは恐ろしい。彼は未だに全能感に浸っている。
度重なるスキル使用によって脳に負担が来ているのか。
呂律が回っていない。視線の動きも不規則になり不気味だ。
「マズイな……今の奴は意識を失い人間としての本能が薄れている。神話級の霊薬の力だけで動かされている状態だ。【理の破壊者】というのは、どこまで人の尊厳を傷付ければ気が済むんだ!」
ルガンさんが悔しそうに拳を地面に叩きつける。
あの霊薬が世間に出回ったらと考えると寒気がする。
「ルガンさん、その身体ではもう……僕に任せて離れていてください」
「ああ……ロロア、気を付けろ。生物としての、奴の最期の足掻きが来るぞ!」
死期を悟った生物ほど怖いものはない。
霊薬に無理やり生かされた怪物が白い息を吐く。
「ふぅ……ふぅ……」
姿が消えた。立っていた場所に腕が落ちている。
クロストは邪魔な肉を削ぎ落して身体を軽くしたんだ。
「があああああああああああ」
「冷静に……速さに惑わされずに……そこっ」
地面に滴る血痕の動きで行動を予測する。
アイギスを構えるも激しい衝撃に盾が弾かれる。
「動きを止めるな、止まったらやられる……!」
足元を転がりながらコクエンで背中を斬り付ける。
「ぐううううううううう」
傷口に闇の炎が宿った。自然治癒は発動していない。
攻撃スキル以外を捨てたんだ。殺戮生物と化している。
やるか、やられるかの勝負だ。
続いてトロンで足を狙う。魔力水を飲む暇はない。
またクロストは姿を消した。次は頭上から降り注ぐ。
「シューシュー」
着地地点に白い魔導ゴーレムが待機していた。
大きな揺れの衝撃もものともしない。
水流をまとった拳でクロストを壁へと押し遣る。
「そうか……やっとわかったよ。君はフォルネウスを宿しているんだね!」
かつての強敵、【星渡りの塔】最強の空遊魚の魔石だ。
心強い味方を得て、僕の身体も鼓舞される。足を撃ち抜いた。
「ぐうぎぎぎぎぎぎぎ」
痛みは感じていないだろうけど、肉体は正直だ。
片足だけでは体重を支えきれず速度が落ちている。
「逃がさないよ、クリエイト!」
【創造の樹木】で獣を捕らえる頑丈な檻を作る。
速さを取って腕を捨てたのがお前の敗因だ。壊せやしない。
「ぐおおおおおおおおお」
全身を闇の炎に包まれ、何度も体当たりで抵抗する怪物。
エルの魔力水を飲んで、最後の六発目の全力雷光弾を。
「……トドメだよ」
「シュウーシュウウウ」
隣で白い魔導ゴーレムが四連魔法陣を展開する。
雷光弾が水龍竜巻に包まれる。クロストの胸を貫いた。
体内に取り込まれた魔水が行き場を失い、
クロストの身体が風船のように膨らんでいく。
「ぐおお……おお――おおおおおおおお」
檻の中で爆発、バラバラに弾け飛んだ。
「……ふぅ。やっと終わった。想像以上に厳しい試験になったよ……」
安堵から血に濡れた地面に座り込む。全身が痺れて動かない。
しばらくすれば異変を察したギルドの人たちが来てくれるはず。
「シューシュー」
「ありがとう。助かったよ……僕だけじゃ厳しかったから」
白い魔導ゴーレムがまた煙を出しながら止まってしまった。
もしかしたらこの子は、【神化の秘薬】に反応したのかな。
「あとでレイリアに聞いてみよう」
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