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第三章
第105話 再挑戦
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「おや、先に進んで生きて帰って来られたのか。下の様子はどうだった?」
三十階層の休憩所に戻ると、冒険者の男性が出迎えてくれる。
全員が無事なところを見て驚きながらも、拍手で称賛してくれた。
「魔物の数が異常でした。【深淵化】すると気配察知能力が高まるのか、引っ切り無しに襲われますね」
倒しても倒しても数分後には同じ数の敵に襲われる始末だ。
終わりが見えない消耗戦は、魔力もそうだけど気力が持たない。
「だろうな。二十階層まで進むのに念入りに準備したとしても、大量の物資を運ぶとなると荷物持ちの負担が大きすぎる。かといってあの大軍を前に大勢を引き連れるのは厳しい。まさに手詰まりって奴だ」
「あの、魔力回復薬を補充したいのですが。食料と交換できませんか?」
「いいだろう。正直、ここに残る者の多くが先に進むのを諦めている。誰かが解決してくれるか。もしくはギルドの応援待ちだ。食料を差し出せば喜んで取引に応じてくれるだろう」
「コクエン、手伝って貰っていいかな?」
「はい! かしこまりました!」
手分けして魔力回復薬をかき集めていく。
冒険者の男性が言っていた通り、殆どの人が物資を安く譲ってくれた。
「ん、何だお前たち。この先に進むつもりなのか?」
「見知らぬ顔だけど。若いのに命知らずね」
騒ぎを聞きつけて、僕の所に多くの人が集まってくる。
長期間足止めを受けた冒険者たちは仲間意識が芽生えているらしい。
「こんなに物資を集めてどうするんだ? 誰が持ち運ぶんだ」
一人が疑問を投げかける。魔力回復薬は嵩張るし数が揃えば重量もある。
「この子を頼ります」
僕はミミックを運んできて見せつける。
すると何人かが反応した。優秀な人ばかりだ。
「物資運搬にミミックを利用するなんて聞いた事がないわ」
「だが上手くやればかなり身軽になるな。手懐けるとはやるじゃねぇか」
手懐けたかどうかは、怪しいところなんだけどね。
ミミックの収納スペースを使えば、大半の問題が解決する。
「んで、肝心の魔物退治は誰がやるんだ? 腕前の自信のほどは?」
僕の貧弱な身体を見て、冒険者たちが当然の疑問を持った。
「ふん、なら試してみるか」
僕の前にティアマトさんが立ち塞がる。
その威圧を浴びただけで、数人が後退りした。
「手練れは我だけではないぞ。この者たちも我が認めた仲間だ」
「そ、そんな。私めはまだまだですよぉ……あはっ」
「うまうま」
師匠であるティアマトさんに肩を叩かれて、照れた表情でコクエンが。
トロンはぼんやりと果実を齧っていた。それが強者に見えるのが面白い。
「な、なるほど。優秀な護衛を連れているようだな」
「ここは君たちに託しても良さそうだな」
すると僕たちを期待してか、更に様々なアイテムを譲ってくれる。
使い捨ての魔法が宿った杖や、中には魔導銃も。複合属性の最新型だ。
「おー」
トロンは自分の仲間を握って天にかざして喜んでいた。
ありがたく僕の護身用に使わせてもらおう。お礼を伝える。
「礼なら結構だ。俺たちの為にも大量発生の元凶を突き止めて葬って欲しい」
「二十階層に取り残された人たちも、生存者が居たら救ってやってくれ」
「わかりました!」
ミミックの口にアイテムを詰め込んで、そして運搬ゴーレムまで運ぶ。
「これはまた豪勢な贈り物をいただきましたね」
ライブラさんが運転席から顔を覗かせていた。
「あらあら。魔導吸引の杖ではありませんか~。一度しか使えませんが、周囲環境から魔力を吸収して、その場に分け与える魔法陣を生み出す杖ですね。緊急時の突破口に利用できそうです」
ユグも杖を握ってニッコリと微笑んでいる。
確かエルフの国でしか買えない貴重なアイテムだ。
そして複合型魔導銃も。氷と毒という変わり種だった。
「ふーむ。複合型魔導銃ニヴルヘイム☆2.3。何だかパッとしませんね」
「それは贅沢過ぎないかな。☆があるだけでも貴重品だよ」
最近は☆が多い子ばかりと巡り会っていたから。
実際のところ☆1でもかなり貴重なはずなんだけどね。
「トロちゃんも主戦力となった今、ロロアさんの武器として活躍してもらいましょう」
「うん。そのつもり」
あとはエル用にも武器が欲しいけど、そこまで求めるのは贅沢かな。
「あるじさま、見てください!」
エルが眠っているミミックを頭に被ったまま駆け寄ってきた。
その両腕には見覚えのない一本の槍が。怪しげな輝きを放っている。
「えっ、それはどうしたの? 誰かから貰った?」
「ミミックさんの中に入ってました!」
「まだ把握していない物もたくさんありそうだね……」
「これは、☆1の雷霆の槍ですか。普段使いには良さそうですね」
「この子はエルが使いますね!」
エルが上半身を食べられたまま槍を振り回す。
お世辞にも使いこなせてはいないけど。やる気は伝わる。
「何だか良い事ばかりが続くね。今後もこの調子で進むといいけど」
「ロロアさんが挫けない限り、きっと上手くいきます。私様の勘は当たりますから!」
ライブラさんにそう言われると。何だかその気になってくる。
「よーし。気合を入れて頑張るぞ!」
ここに来て仲間が更に二人増えた。【擬人化】は当分先だろうけど。
少し先の未来を楽しみにして。もう一度二十階層を目指して再突入だ。
三十階層の休憩所に戻ると、冒険者の男性が出迎えてくれる。
全員が無事なところを見て驚きながらも、拍手で称賛してくれた。
「魔物の数が異常でした。【深淵化】すると気配察知能力が高まるのか、引っ切り無しに襲われますね」
倒しても倒しても数分後には同じ数の敵に襲われる始末だ。
終わりが見えない消耗戦は、魔力もそうだけど気力が持たない。
「だろうな。二十階層まで進むのに念入りに準備したとしても、大量の物資を運ぶとなると荷物持ちの負担が大きすぎる。かといってあの大軍を前に大勢を引き連れるのは厳しい。まさに手詰まりって奴だ」
「あの、魔力回復薬を補充したいのですが。食料と交換できませんか?」
「いいだろう。正直、ここに残る者の多くが先に進むのを諦めている。誰かが解決してくれるか。もしくはギルドの応援待ちだ。食料を差し出せば喜んで取引に応じてくれるだろう」
「コクエン、手伝って貰っていいかな?」
「はい! かしこまりました!」
手分けして魔力回復薬をかき集めていく。
冒険者の男性が言っていた通り、殆どの人が物資を安く譲ってくれた。
「ん、何だお前たち。この先に進むつもりなのか?」
「見知らぬ顔だけど。若いのに命知らずね」
騒ぎを聞きつけて、僕の所に多くの人が集まってくる。
長期間足止めを受けた冒険者たちは仲間意識が芽生えているらしい。
「こんなに物資を集めてどうするんだ? 誰が持ち運ぶんだ」
一人が疑問を投げかける。魔力回復薬は嵩張るし数が揃えば重量もある。
「この子を頼ります」
僕はミミックを運んできて見せつける。
すると何人かが反応した。優秀な人ばかりだ。
「物資運搬にミミックを利用するなんて聞いた事がないわ」
「だが上手くやればかなり身軽になるな。手懐けるとはやるじゃねぇか」
手懐けたかどうかは、怪しいところなんだけどね。
ミミックの収納スペースを使えば、大半の問題が解決する。
「んで、肝心の魔物退治は誰がやるんだ? 腕前の自信のほどは?」
僕の貧弱な身体を見て、冒険者たちが当然の疑問を持った。
「ふん、なら試してみるか」
僕の前にティアマトさんが立ち塞がる。
その威圧を浴びただけで、数人が後退りした。
「手練れは我だけではないぞ。この者たちも我が認めた仲間だ」
「そ、そんな。私めはまだまだですよぉ……あはっ」
「うまうま」
師匠であるティアマトさんに肩を叩かれて、照れた表情でコクエンが。
トロンはぼんやりと果実を齧っていた。それが強者に見えるのが面白い。
「な、なるほど。優秀な護衛を連れているようだな」
「ここは君たちに託しても良さそうだな」
すると僕たちを期待してか、更に様々なアイテムを譲ってくれる。
使い捨ての魔法が宿った杖や、中には魔導銃も。複合属性の最新型だ。
「おー」
トロンは自分の仲間を握って天にかざして喜んでいた。
ありがたく僕の護身用に使わせてもらおう。お礼を伝える。
「礼なら結構だ。俺たちの為にも大量発生の元凶を突き止めて葬って欲しい」
「二十階層に取り残された人たちも、生存者が居たら救ってやってくれ」
「わかりました!」
ミミックの口にアイテムを詰め込んで、そして運搬ゴーレムまで運ぶ。
「これはまた豪勢な贈り物をいただきましたね」
ライブラさんが運転席から顔を覗かせていた。
「あらあら。魔導吸引の杖ではありませんか~。一度しか使えませんが、周囲環境から魔力を吸収して、その場に分け与える魔法陣を生み出す杖ですね。緊急時の突破口に利用できそうです」
ユグも杖を握ってニッコリと微笑んでいる。
確かエルフの国でしか買えない貴重なアイテムだ。
そして複合型魔導銃も。氷と毒という変わり種だった。
「ふーむ。複合型魔導銃ニヴルヘイム☆2.3。何だかパッとしませんね」
「それは贅沢過ぎないかな。☆があるだけでも貴重品だよ」
最近は☆が多い子ばかりと巡り会っていたから。
実際のところ☆1でもかなり貴重なはずなんだけどね。
「トロちゃんも主戦力となった今、ロロアさんの武器として活躍してもらいましょう」
「うん。そのつもり」
あとはエル用にも武器が欲しいけど、そこまで求めるのは贅沢かな。
「あるじさま、見てください!」
エルが眠っているミミックを頭に被ったまま駆け寄ってきた。
その両腕には見覚えのない一本の槍が。怪しげな輝きを放っている。
「えっ、それはどうしたの? 誰かから貰った?」
「ミミックさんの中に入ってました!」
「まだ把握していない物もたくさんありそうだね……」
「これは、☆1の雷霆の槍ですか。普段使いには良さそうですね」
「この子はエルが使いますね!」
エルが上半身を食べられたまま槍を振り回す。
お世辞にも使いこなせてはいないけど。やる気は伝わる。
「何だか良い事ばかりが続くね。今後もこの調子で進むといいけど」
「ロロアさんが挫けない限り、きっと上手くいきます。私様の勘は当たりますから!」
ライブラさんにそう言われると。何だかその気になってくる。
「よーし。気合を入れて頑張るぞ!」
ここに来て仲間が更に二人増えた。【擬人化】は当分先だろうけど。
少し先の未来を楽しみにして。もう一度二十階層を目指して再突入だ。
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