無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流

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2章 魔術対抗試験編

カイルVSミア

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 まさか2人の対戦を見ることになるとは思いもしなかった。
 しかしどんな戦いになるのか気になるというのが本音だ。
 2人とも闘技場に行ったようだし、俺はモニター越しに見学でもしますか。

「……で、あなたはなぜ俺の隣で? 」
「あら、先程戦った相手が隣だと何か不便でも?」

 まぁ横で一緒に試合を見ようとしているセリアのことは気にせず集中しよう。

 ◇

「よぉミア! さっきぶりだな! 」
「……うん、そうだね  」
「1回お前とはどっちが強いかハッキリしたかったところだ!」
「私はどっちが上とか興味ないけど、模擬戦なら仕方ないよね 」

 モニター越しからでもお互いの意欲の差が明らかになってるあたり2人らしいな。

『2戦目も同じく制限時間は10分です! 精一杯お互いの魔法をアピールしていってください。 では始めっ!!』

「先手必勝っっ!! 俺から行くぞ! 雷中級魔法【  ライトニングスフィア⠀】」
「……そうくると思ってた。 【  風の精霊シルフィードよ、我が呼び声に応えよ⠀】」

 カイルは雷魔法で球状の雷エネルギーを形成しミアに放つが、彼女は高さにして自分の3倍近くもあろう風の精霊を呼び出し、その雷魔法を弾かせた。

「……が甘いっ!! 空間魔法【⠀ディメンションウェイブ  】」

 しかしカイルは別方向に弾かれたライトニングスフィアを空間魔法で取り込み、またミアの方向へ向くよう再度空間から発生させた。
 どうやらあの空間魔法は空間から出したり仕舞ったりできるようだ。
 だが、またまたミアの精霊が弾く。
 すごく面白い戦いをしている。

「カイル・ブレイズはハルが居なければ私に次ぐ第2席なの。なんせ空間魔法という特異魔法と五大元素の雷魔法を使いこなす魔道士なのだから。 」
「……特異魔法? 」
「ハル、あなたが使っていた闇魔法なんかがそうじゃない 」
「なるほど、そうか 」
「知らなかったの!? ……まぁいいわ。 ちなみにミア・ローズももちろん優秀、彼女は精霊魔法という極めて珍しい特異魔法と水魔法を使いこなす魔道士。 どっちが勝つかなんて想像もできないわね  」

「……くっ! 上級魔法まで弾いてくるとは! だが、その精霊様を長時間出しておくのも少々キツイだろう? 」
「……10分くらいなら大丈夫だよ 」
「そうか! ではまだ楽しめるな! 行くぞ!」

 カイルは雷のエーテルバフを纏い、攻撃を仕掛けた。
 ミアと風の精霊は構えを取り強力な風を自身に纏うことで守りを固めている。

「2人ともすごいな……。 でもミアが防戦一方に…… 」
「いいえ、ミア・ローズはそんなに弱くなくてよ 」
「……あぁ。 俺も知ってる!  」

「オラオラオラオラオラァァ!!!!」
「……くっ! シルフィード! そろそろいくよっ! 【⠀スカイバースト  】」

 するとモニターには映されていなかった空部分に浮いてある無数の風の塊が急降下し、地面に激突していった。
 オラオラと殴りまくっていたカイルも流石にそれには気づき、避け始めるが数が多すぎて避けきれていない。

 カイルもなんとか耐えきったが、ボロボロだ。
 しかしミアもかなりの魔力を使ったのだろう、風の精霊は消えており、なんとか立っているという感じだ。

『残り5分です! 』

 まだそんなに時間あるのか。
 これはどちらかが戦闘不能になるまで続くな。
 だが、カイルはまだ雷のエーテルバフを纏っており、ミアは片膝をつき息を切らしている。
 もう勝負決まってしまったのか。

「ミア! 降参しないか? 俺はまだ一撃喰らわすことができるぞ! 」
「……しない! 春陽さんも諦めなかったから! 」
「そうか! なら遠慮はしない! 」

 カイルは雷を纏い、雷鳴の如くミアの元へ疾走した。
 シュン───
 ドガッ───
 鈍い音と共にカイルは地で倒れ込んでいる。

 あまりに速い速度で事が進んだので、すぐには何が起きたかよく分からなかったが、倒れているカイルの目の前には土の壁が立ちはだかっていた。
 どうやらミアが使った魔法のようだ。
 どこまでが計算なのか分からないがどうにせよこの勝負ミアの勝ちで決まりだな。

『第2戦 勝者 ミア・ローズ 』

 ウォォォォ───

 そして先程まで倒れていたカイルもずるずると起き始めて、ミアと肩を貸し合いながら待機室へ向かっていくのだった。
 
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