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3章 空中都市編
兄の想い
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どういうことだ。
やっぱりやつには俺たちが見えていなかった。
何が起こったか分からないが、まずはノクティス様だ。
「ノクティス様!! 」
「うわぁぁぁぁん、兄さぁぁぁぁん 」
大事な妹がこんなに泣き叫んでいても、当の本人はピクリとも動かない。
カイルとミアは今にも泣き出しそうだが、グッと堪えているよう見える。
1番悲しんでいるセレスティアに配慮してだろうか。
「…………ティアたん、そんなに泣いてどうしたんだい? 」
「兄さん! よかったぁぁっ!! 」
セレスティアはノクティス様の胸に飛び込み、泣きじゃくっている。
兄としては嬉しい光景だろうな。
それにしても無事でよかった。
「ノクティス様、無事でよかったです。 それにしてもアイツはなんなんですか? ノクティス様に攻撃を与えることができるということは…… 」
「……ああ、あれは魔族の神『マルコス・グリモアハート』。 どうやら僕を殺しに来たらしい。 ティアたんが無事でよかった。 ……ついでに君たちも 」
「あの……そのマルコスって子、私達が見えてなかったようなんですが、何かご存知ですか? 」
それは俺も気になっていたところだ。
ミアが先に聞いてくれるとはありがたい。
「それは、僕の神技だよ。 あいつの知覚を操って、如何にも僕が死んだように見せたのさ。 ついでにここに入った人を感知できなくさせた 」
なるほど、ノクティス様の特殊能力的なものだろう。
セレスティアが未来を予見できるように、ノクティス様は人の知覚を操れる、といったところか。
「……グハッ! …………もう時間がないようだな 」
大量の血を吹き出したノクティス様をみて、セレスティアは再び真っ青な顔となり、
「兄さんの力が薄まっていってる……。 やだよぉ……。 ううっ 」
震えた声でそう言った。
やばい、このままじゃノクティス様が……。
俺ならもしかすると治せるかもしれない。
「ノクティス様、回復してください! 『治癒』」
俺は目いっぱいの魔力を込めてその魔法を放った。
頼む、これで治ってくれ。
「おい、人間……神に人の魔法は効かない…… 」
「そんな…… 」
回復魔法が効かないとなると、どうにもできないぞ……。
そしてノクティス様の体内に宿していた魔力が漏れ始めている。
この世界で……いや、現実世界でもそうだが、人に死に直面したことはない。
しかし彼から伝わってくる魔力はとても儚く弱々しい。
これがこの世界の死……というやつなのか。
「そこの……人間、ちょっとこい 」
あれ、指差されてる?
その指はミアでもカイルでもなく、真っ直ぐ俺を目指しているようだ。
「はい、ノクティス様 」
俺は言われるままに近づいた。
何かきっと大事なことだ。
「お前……パージを使えるんだろ? ティアたんが、なんでも魔法が使えるんだと自慢してたぞ 」
なんだその自慢は……。
しかし神を浄化させる魔法、パージか。
ちょうど昨日教えてもらったな。
でも人の魔法は神に効かないんじゃなかったか?
「はい、昨日練習してみました。 でもさっき効かないって ……」
「いや、パージだけは別だ。 神に対する唯一の魔法、だからそれが使えるのはすごいことだぞ。 誇っていい 」
特別な魔法というのは分かった。
だがパージを使った浄化とこのまま命を落とす、この差が俺には分からない。
現実世界でいう安楽死的なものなのだろうか。
それならパージをかけた方がいいに決まっている。
「早く……頼む。 このままだと俺を殺したのは『マルコス』ということになり、この神技はやつに引き継がれる。 だが、お前がパージで俺を浄化させると話は別だ」
つまり神に手を下した最後の人物へとその神の力が引き継がれる、そういうことか。
たしかにこれ以上魔族側を強くしてはいけない。
それなら俺が……。
よし、覚悟はできた。
「なんとなく状況は分かりました。やってみます 」
「ああ、頼んだ 」
「ああああああ…… お願い……春陽、パージを使わないでぇ。 まだ兄さんに生き残る方法があるかもしれない…… 」
「ティア…… 君も神なら分かるだろ? もう生き続けられるほど力がないって。 兄さんを困らせないでくれ。 これじゃ安心して逝けないじゃないか 」
「……でも、でもボクはこれからどうしたら…… 」
「そこに良い子分たちがいるじゃないか。 それに、これからすることだってあるんだろ? 」
「うん……。 でも…… 」
「おい、人間。 もう限界だ。 パージを……うぐっ…… 」
やばい、再び傷口を抑えて唸り始めたぞ。
セレスティアには悪いが、そろそろ魔法をかけないとだな。
昨日したように神様を浄化するイメージをし、ノクティス様に手をかざす。
そして、その魔法名を口にした。
『パージ』
「春陽、やめてぇぇっ!! 」
そういってセレスティアは俺の手を掴み、放たれた魔法の向きを変えようとする。
その力はとんでもなく強く、彼女の本気の気持ちが伝わってきた。
しかしその努力の甲斐なく、魔法は彼をを包んでいく。
イメージ通りだ。
周りに集められた光はとても暖かくノクティス様を包んでおり、少しずつ少しずつ彼は粒子と化していく。
「ティア……こっちにおいで 」
セレスティアは少し落ち着いたのかゆっくりと兄の元へ向かっていく。
ノクティス様は傍にきた妹を、大きな手で包み込んだ。
「兄さん…… 」
「ティア、僕の妹でいてくれてありがとう。 僕の分まで生きてくれ……なんて言わない。 君は君らしく生きてくれ。 僕はいつでも君の味方……だよ 」
妹を包み込んでいたその手は、徐々に開かれ、力なく地面に叩きつけられる。
そして妹へ最高の笑顔を向けたのち、彼は粒子となって空へ消えていったのだった。
やっぱりやつには俺たちが見えていなかった。
何が起こったか分からないが、まずはノクティス様だ。
「ノクティス様!! 」
「うわぁぁぁぁん、兄さぁぁぁぁん 」
大事な妹がこんなに泣き叫んでいても、当の本人はピクリとも動かない。
カイルとミアは今にも泣き出しそうだが、グッと堪えているよう見える。
1番悲しんでいるセレスティアに配慮してだろうか。
「…………ティアたん、そんなに泣いてどうしたんだい? 」
「兄さん! よかったぁぁっ!! 」
セレスティアはノクティス様の胸に飛び込み、泣きじゃくっている。
兄としては嬉しい光景だろうな。
それにしても無事でよかった。
「ノクティス様、無事でよかったです。 それにしてもアイツはなんなんですか? ノクティス様に攻撃を与えることができるということは…… 」
「……ああ、あれは魔族の神『マルコス・グリモアハート』。 どうやら僕を殺しに来たらしい。 ティアたんが無事でよかった。 ……ついでに君たちも 」
「あの……そのマルコスって子、私達が見えてなかったようなんですが、何かご存知ですか? 」
それは俺も気になっていたところだ。
ミアが先に聞いてくれるとはありがたい。
「それは、僕の神技だよ。 あいつの知覚を操って、如何にも僕が死んだように見せたのさ。 ついでにここに入った人を感知できなくさせた 」
なるほど、ノクティス様の特殊能力的なものだろう。
セレスティアが未来を予見できるように、ノクティス様は人の知覚を操れる、といったところか。
「……グハッ! …………もう時間がないようだな 」
大量の血を吹き出したノクティス様をみて、セレスティアは再び真っ青な顔となり、
「兄さんの力が薄まっていってる……。 やだよぉ……。 ううっ 」
震えた声でそう言った。
やばい、このままじゃノクティス様が……。
俺ならもしかすると治せるかもしれない。
「ノクティス様、回復してください! 『治癒』」
俺は目いっぱいの魔力を込めてその魔法を放った。
頼む、これで治ってくれ。
「おい、人間……神に人の魔法は効かない…… 」
「そんな…… 」
回復魔法が効かないとなると、どうにもできないぞ……。
そしてノクティス様の体内に宿していた魔力が漏れ始めている。
この世界で……いや、現実世界でもそうだが、人に死に直面したことはない。
しかし彼から伝わってくる魔力はとても儚く弱々しい。
これがこの世界の死……というやつなのか。
「そこの……人間、ちょっとこい 」
あれ、指差されてる?
その指はミアでもカイルでもなく、真っ直ぐ俺を目指しているようだ。
「はい、ノクティス様 」
俺は言われるままに近づいた。
何かきっと大事なことだ。
「お前……パージを使えるんだろ? ティアたんが、なんでも魔法が使えるんだと自慢してたぞ 」
なんだその自慢は……。
しかし神を浄化させる魔法、パージか。
ちょうど昨日教えてもらったな。
でも人の魔法は神に効かないんじゃなかったか?
「はい、昨日練習してみました。 でもさっき効かないって ……」
「いや、パージだけは別だ。 神に対する唯一の魔法、だからそれが使えるのはすごいことだぞ。 誇っていい 」
特別な魔法というのは分かった。
だがパージを使った浄化とこのまま命を落とす、この差が俺には分からない。
現実世界でいう安楽死的なものなのだろうか。
それならパージをかけた方がいいに決まっている。
「早く……頼む。 このままだと俺を殺したのは『マルコス』ということになり、この神技はやつに引き継がれる。 だが、お前がパージで俺を浄化させると話は別だ」
つまり神に手を下した最後の人物へとその神の力が引き継がれる、そういうことか。
たしかにこれ以上魔族側を強くしてはいけない。
それなら俺が……。
よし、覚悟はできた。
「なんとなく状況は分かりました。やってみます 」
「ああ、頼んだ 」
「ああああああ…… お願い……春陽、パージを使わないでぇ。 まだ兄さんに生き残る方法があるかもしれない…… 」
「ティア…… 君も神なら分かるだろ? もう生き続けられるほど力がないって。 兄さんを困らせないでくれ。 これじゃ安心して逝けないじゃないか 」
「……でも、でもボクはこれからどうしたら…… 」
「そこに良い子分たちがいるじゃないか。 それに、これからすることだってあるんだろ? 」
「うん……。 でも…… 」
「おい、人間。 もう限界だ。 パージを……うぐっ…… 」
やばい、再び傷口を抑えて唸り始めたぞ。
セレスティアには悪いが、そろそろ魔法をかけないとだな。
昨日したように神様を浄化するイメージをし、ノクティス様に手をかざす。
そして、その魔法名を口にした。
『パージ』
「春陽、やめてぇぇっ!! 」
そういってセレスティアは俺の手を掴み、放たれた魔法の向きを変えようとする。
その力はとんでもなく強く、彼女の本気の気持ちが伝わってきた。
しかしその努力の甲斐なく、魔法は彼をを包んでいく。
イメージ通りだ。
周りに集められた光はとても暖かくノクティス様を包んでおり、少しずつ少しずつ彼は粒子と化していく。
「ティア……こっちにおいで 」
セレスティアは少し落ち着いたのかゆっくりと兄の元へ向かっていく。
ノクティス様は傍にきた妹を、大きな手で包み込んだ。
「兄さん…… 」
「ティア、僕の妹でいてくれてありがとう。 僕の分まで生きてくれ……なんて言わない。 君は君らしく生きてくれ。 僕はいつでも君の味方……だよ 」
妹を包み込んでいたその手は、徐々に開かれ、力なく地面に叩きつけられる。
そして妹へ最高の笑顔を向けたのち、彼は粒子となって空へ消えていったのだった。
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