125 / 303
第8章 道化師は移ろう
第179話 魔幻の地獄 ティデリストア#5
しおりを挟む
クラウンは困惑していた。それは様々な意味でだ。
まずは隣にいる自分自身。最初は偽物かと思ったが、見ている限りだと自分そのものだ。まあ、あまり自分の容姿など目にかけないので信用度は低いが。
そして次に、自分が持っている武器だ。腰にあるはずの黒き刀身を収めた鞘はなく、代わりに右手に見覚えのある杖を持っている。
さらにその杖を持った手はごつごつとしていなく、小さくスラッとした女性的な手つき、また女体化のような現象かと思われたが、それを決定的に否定するのが服装だ。
その服装は神官のような感じで、白色を基調としている。それは黒を基調としている自分の恰好とは正反対だ。
少し体つきを確かめて見る。腕や脚を触ってみても、いつも感じるような筋肉質のものではなく、柔らかく張りがあるような感じだ。
そして、決定的なのは胸だ。触ってわかる僅かな胸のふくらみと柔らかさはもはや否定出来る言葉を全て蹴散らしていくようである。
つまりこの体は.......
「え? どうなってるの!?」
「あれ? 私が隣にいる......」
クラウンより少し大げさにもう一人のクラウンとリリスは自分の手足を見ながら思わず驚きの声を上げる。
そのことにクラウンは僅かに鋭い目つきで二人を眺めると思わずため息を吐いた。それはらしくない行動をもう一人のクラウンがしているからだ。
なよなよとした感じではないが、女性っぽい動きはなんとも気が引けるというものだ。やはり堂々として欲しいものである。
とはいえ、二人が困惑している状況は理解しているので、まだ何も言うつもりは無いが。
すると、もう一人のクラウンとリリスが見つめ合うと同時にクラウンの方へと目線を合わせ始めた。
「ここに私がいて.......」
もう一人のクラウンがリリスの顔へと指差し、何かを確認していく。
「そこに私がいる.......」
リリスはクラウンの方へと指差すとリリスと似たような言葉を吐きながら何かを確かめる。そして、二人は同時に理解したのか声を揃えて告げた。
「「入れ替わってる!?」
「まあ、そういうことだな」
雪姫は冷めたように同意した。つまり現在、クラウンは雪姫の体に、雪姫はリリスの体に、リリスはクラウンの体にとシャッフルされたように中身が入れ替わっているのだ。
(※よって、地の文では通常通りの名前でお送りしますが、イメージされる場合はクラウン→雪姫、雪姫→リリス、リリス→クラウンの体とイメージしてください)
すると、雪姫は突然顔を赤らめながら身をよじらせていく。そして、恥ずかしそうに縮こまっていく。
それから、潤んだ瞳でクラウンへと尋ねた。
「仁、変なこと......してないよね?」
「.......」
クラウンは思わず頭を掻いた。これはどうして返答したらいいかわからなかったからだ。
確かめるためとはいえ、胸に触れたのは事実。それに関しては否定する言葉を見つけていない。
なら、黙っておけばいいのでは? と思うかもしれないが、それだと恐らく沈黙は肯定と見なされて気まずい空気になることは間違いないだろう。とはいえ、もう既に気まずい状況であることには変わりないのだが。
それは他人が許可なく自分の心にズカズカ入っていくようなもので、現在はむしろ心そのものとなってしまっている始末。
そうなると他人の体であれど、操作するのは自分自身。これほどまでに嫌なことはないだろう。
しかし、そこはわきまえているクラウン。もちろん、そんなことはしないし、したところで得るものは何もない。
「悪い、胸だけ触った」
「うぅ......」
クラウンは正直に白状した。雪姫はしっかりと言ってくれたことに嬉しさを感じたが、場所が場所であるために恥ずかしさの方が勝りさらに顔が赤くなっている。
そんな雪姫の様子を見て同調するように恥ずかしくなるリリス。恥ずかしがっている雪姫を見るという光景はなんとも言葉にはし難い。
そして、さらにそんなリリスを見て思わず目頭を押さえるクラウン。リリスの恥ずかしがっている姿などダレトクであろうか。
『違う。違うんだ!』
「!」
その時、クラウンは脳内に突然言葉が過ってきた。その言葉は誰かから脳内に直接伝えられてきた感じではなく、ふと湧き上がってきた感じ。
そして直後に襲ってくる頭痛。その痛みは誰かに頭を押さえつけられているような感じである。そんな鈍い痛みが頭の中を駆け巡る。
クラウンはふと二人に視線を移していく。すると、リリスも雪姫もある一点を呆然と見つめながら、頭を手で押さえている。
ということは、同時にその痛みが襲ってきたということだろうか。それが今の試練というわけなのだろうか。
しかし、先ほどの脳内に響いた声。とても聞き覚えのあるように聞こえたのはなぜだろうか。
「二人とも大丈夫か?」
「ええ、なんとか」
「うん、少しずつ引いてきた」
「なら、とりあえず進むぞ。また分断された。他の奴らも心配だしな」
「そうね。そうしましょ」
クラウンはリリスの言葉遣いにやはり何とも言えない心地を抱きながらも、頑張って目を瞑ることにした。今はそれどころじゃない。
『やめて。そんなことを言いたいんじゃない』
再び湧き上がってきた誰かに訴えかけるような声。そして、その声は先ほど聞いたのが男の声だとすれば、女の声であった。
これは何だろうか。何の声が脳内に響いているというのだろうか。誰と誰の声なのだろうか。
言葉だけが唐突に流れていくだけで、その時をイメージさせるような映像は流れてこない。なので、すぐに答えを見つけ出すことは出来ない。
なら、原点に戻ってみるべきか。まず自分は誰で、誰の体と入れ替わっているのかを。
そう考えると、自分はクラウンで、雪姫の体に入っていると言える。そして、出来ることは自分で思考をしっかりと出来て、さらに雪姫の体を動かすことが出来る。
現状で把握しているのはそれだけ......いや、本当にそれだけなのだろうか? まだ考えが浅い気がする。
今動かしているが雪姫の体としたら、その体自体にも情報を持っていたりするのではないだろうか?
よくスポーツをする時に「体に動きを沁み込ませる」という言葉があるが、それが動き以外も沁み込んでいたとしたら?
動き以外も覚えることがあるとすればそれは――――――記憶だ。英単語を暗記するように記憶も覚えている可能性が高い。
そもそもこの体は雪姫のもので、自分は言うなれば精神だけが入れ替わったようなものだ。体の中身がそっくりそのまま入れ替わったわけじゃない。
となると、先ほどの二つの声は雪姫の記憶によるものだということになる。それが断定的ではないが、そうである可能性が高い。
その記憶が思い出される......いや、漏れ出ているとすれば、自分の体と雪姫の体が適合し始めたということになるのだろうか。
現在の状況が魔法による適合であるので、完全に入れ替わって適合しそのままということはないだろうが、それでもこの状態は危険であることに変わりない。
それは見られたくない誰かに自分の記憶が勝手に覗かれてしまうということ。それが意図的でなくても。
今の状況であまり思い出せないのは体と精神が適合していないのもそうだが、どこにどんな記憶があるのかを知らないからであると思う。
ある科学者は「人は一度見聞きした者は忘れない。ただ記憶の引き出しから自由に記憶を引き出せないだけである。そして、それに対して思い出せないのを『忘れた』と言っているだけである」と言った。
それを踏まえて仮にある最悪の考えを想定するととても酷いことになる。これは可能性ではなく、断定の方だ。
その最悪の考えとは体と精神がほぼ適合した時に精神の方へと記憶が共有されていくということ。それは本人でさえ封印した記憶を覗けてしまうということ。
クラウンは額に僅かに汗をかき、右手に持った杖を強く握っていく。そして、心拍数が上がっていく。少しうるさく心音が聞こえてくる。
それから、少し苦しそうな顔でリリスを見た。それはあくまで仮にその考えが正解だとするとリリスに自分の過去が見られてしまうということになる。
今までもこれからもずっと言う予定のなかった記憶がリリスへと覗かれてしまう記憶がある。そして、そう思う理由は他にもあった。
それは雪姫の記憶からであろう二つの声のことだ。あれが雪姫の記憶だとすれば、女の声を恐らく雪姫の声だ。
そして、最初に聞いた男の声、あれは――――――自分の声だ。そう想定してしまったからかもしれないが、あの声に、あの言葉は恐らくあの時の記憶だ。
その記憶が最初に出てきたということは、考えられることとしては最近あった一番インパクトの強い記憶であるからだろう。
それは無意識に思い出すほど記憶にこびりついてしまっていると言っても過言ではない。となると、自分の最近で一番インパクトのある記憶はいろいろとあるが、恐らく雪姫と同じ時の記憶だろう。
あの時が一番インパクトがあった。それは何者にも染められないし、変わることのないクラウンの原点なのだから。
リリスの様子から見る限り、ちょくちょくと頭を押さえる仕草が見られるが、自分の方をあまり見ないということはまだその記憶には至っていないのだろう。
まあ、気を遣って気にしてない振りをしているのかもしれないが、さすがにあの記憶だけは見て見ぬふりは出来ないだろうしな。
とはいえ、リリスが自分の原点の記憶を思い出すのは時間の問題だ。それまでにこの場所を通り過ぎればいい。
「二人とも走るぞ」
「え? ええ、わかったわ」
「うん」
クラウンは先頭に立って走り出す。その後を不思議そうに、だけど少しだけクラウンの意図を読み取ったような顔をしながら走り出していく。
そしてしばらくの間、何もない道を走り続けた。魔物一匹すら出てこない。いや、もっと言えば必要ないのだろう。
すると遠くの方に結界が張られた道があり、その結界の前に言葉が彫られた祭壇があった。そして、その祭壇の言葉は――――――
『現在の記憶を一つ述べよ。偽りには罰が下る』
まずは隣にいる自分自身。最初は偽物かと思ったが、見ている限りだと自分そのものだ。まあ、あまり自分の容姿など目にかけないので信用度は低いが。
そして次に、自分が持っている武器だ。腰にあるはずの黒き刀身を収めた鞘はなく、代わりに右手に見覚えのある杖を持っている。
さらにその杖を持った手はごつごつとしていなく、小さくスラッとした女性的な手つき、また女体化のような現象かと思われたが、それを決定的に否定するのが服装だ。
その服装は神官のような感じで、白色を基調としている。それは黒を基調としている自分の恰好とは正反対だ。
少し体つきを確かめて見る。腕や脚を触ってみても、いつも感じるような筋肉質のものではなく、柔らかく張りがあるような感じだ。
そして、決定的なのは胸だ。触ってわかる僅かな胸のふくらみと柔らかさはもはや否定出来る言葉を全て蹴散らしていくようである。
つまりこの体は.......
「え? どうなってるの!?」
「あれ? 私が隣にいる......」
クラウンより少し大げさにもう一人のクラウンとリリスは自分の手足を見ながら思わず驚きの声を上げる。
そのことにクラウンは僅かに鋭い目つきで二人を眺めると思わずため息を吐いた。それはらしくない行動をもう一人のクラウンがしているからだ。
なよなよとした感じではないが、女性っぽい動きはなんとも気が引けるというものだ。やはり堂々として欲しいものである。
とはいえ、二人が困惑している状況は理解しているので、まだ何も言うつもりは無いが。
すると、もう一人のクラウンとリリスが見つめ合うと同時にクラウンの方へと目線を合わせ始めた。
「ここに私がいて.......」
もう一人のクラウンがリリスの顔へと指差し、何かを確認していく。
「そこに私がいる.......」
リリスはクラウンの方へと指差すとリリスと似たような言葉を吐きながら何かを確かめる。そして、二人は同時に理解したのか声を揃えて告げた。
「「入れ替わってる!?」
「まあ、そういうことだな」
雪姫は冷めたように同意した。つまり現在、クラウンは雪姫の体に、雪姫はリリスの体に、リリスはクラウンの体にとシャッフルされたように中身が入れ替わっているのだ。
(※よって、地の文では通常通りの名前でお送りしますが、イメージされる場合はクラウン→雪姫、雪姫→リリス、リリス→クラウンの体とイメージしてください)
すると、雪姫は突然顔を赤らめながら身をよじらせていく。そして、恥ずかしそうに縮こまっていく。
それから、潤んだ瞳でクラウンへと尋ねた。
「仁、変なこと......してないよね?」
「.......」
クラウンは思わず頭を掻いた。これはどうして返答したらいいかわからなかったからだ。
確かめるためとはいえ、胸に触れたのは事実。それに関しては否定する言葉を見つけていない。
なら、黙っておけばいいのでは? と思うかもしれないが、それだと恐らく沈黙は肯定と見なされて気まずい空気になることは間違いないだろう。とはいえ、もう既に気まずい状況であることには変わりないのだが。
それは他人が許可なく自分の心にズカズカ入っていくようなもので、現在はむしろ心そのものとなってしまっている始末。
そうなると他人の体であれど、操作するのは自分自身。これほどまでに嫌なことはないだろう。
しかし、そこはわきまえているクラウン。もちろん、そんなことはしないし、したところで得るものは何もない。
「悪い、胸だけ触った」
「うぅ......」
クラウンは正直に白状した。雪姫はしっかりと言ってくれたことに嬉しさを感じたが、場所が場所であるために恥ずかしさの方が勝りさらに顔が赤くなっている。
そんな雪姫の様子を見て同調するように恥ずかしくなるリリス。恥ずかしがっている雪姫を見るという光景はなんとも言葉にはし難い。
そして、さらにそんなリリスを見て思わず目頭を押さえるクラウン。リリスの恥ずかしがっている姿などダレトクであろうか。
『違う。違うんだ!』
「!」
その時、クラウンは脳内に突然言葉が過ってきた。その言葉は誰かから脳内に直接伝えられてきた感じではなく、ふと湧き上がってきた感じ。
そして直後に襲ってくる頭痛。その痛みは誰かに頭を押さえつけられているような感じである。そんな鈍い痛みが頭の中を駆け巡る。
クラウンはふと二人に視線を移していく。すると、リリスも雪姫もある一点を呆然と見つめながら、頭を手で押さえている。
ということは、同時にその痛みが襲ってきたということだろうか。それが今の試練というわけなのだろうか。
しかし、先ほどの脳内に響いた声。とても聞き覚えのあるように聞こえたのはなぜだろうか。
「二人とも大丈夫か?」
「ええ、なんとか」
「うん、少しずつ引いてきた」
「なら、とりあえず進むぞ。また分断された。他の奴らも心配だしな」
「そうね。そうしましょ」
クラウンはリリスの言葉遣いにやはり何とも言えない心地を抱きながらも、頑張って目を瞑ることにした。今はそれどころじゃない。
『やめて。そんなことを言いたいんじゃない』
再び湧き上がってきた誰かに訴えかけるような声。そして、その声は先ほど聞いたのが男の声だとすれば、女の声であった。
これは何だろうか。何の声が脳内に響いているというのだろうか。誰と誰の声なのだろうか。
言葉だけが唐突に流れていくだけで、その時をイメージさせるような映像は流れてこない。なので、すぐに答えを見つけ出すことは出来ない。
なら、原点に戻ってみるべきか。まず自分は誰で、誰の体と入れ替わっているのかを。
そう考えると、自分はクラウンで、雪姫の体に入っていると言える。そして、出来ることは自分で思考をしっかりと出来て、さらに雪姫の体を動かすことが出来る。
現状で把握しているのはそれだけ......いや、本当にそれだけなのだろうか? まだ考えが浅い気がする。
今動かしているが雪姫の体としたら、その体自体にも情報を持っていたりするのではないだろうか?
よくスポーツをする時に「体に動きを沁み込ませる」という言葉があるが、それが動き以外も沁み込んでいたとしたら?
動き以外も覚えることがあるとすればそれは――――――記憶だ。英単語を暗記するように記憶も覚えている可能性が高い。
そもそもこの体は雪姫のもので、自分は言うなれば精神だけが入れ替わったようなものだ。体の中身がそっくりそのまま入れ替わったわけじゃない。
となると、先ほどの二つの声は雪姫の記憶によるものだということになる。それが断定的ではないが、そうである可能性が高い。
その記憶が思い出される......いや、漏れ出ているとすれば、自分の体と雪姫の体が適合し始めたということになるのだろうか。
現在の状況が魔法による適合であるので、完全に入れ替わって適合しそのままということはないだろうが、それでもこの状態は危険であることに変わりない。
それは見られたくない誰かに自分の記憶が勝手に覗かれてしまうということ。それが意図的でなくても。
今の状況であまり思い出せないのは体と精神が適合していないのもそうだが、どこにどんな記憶があるのかを知らないからであると思う。
ある科学者は「人は一度見聞きした者は忘れない。ただ記憶の引き出しから自由に記憶を引き出せないだけである。そして、それに対して思い出せないのを『忘れた』と言っているだけである」と言った。
それを踏まえて仮にある最悪の考えを想定するととても酷いことになる。これは可能性ではなく、断定の方だ。
その最悪の考えとは体と精神がほぼ適合した時に精神の方へと記憶が共有されていくということ。それは本人でさえ封印した記憶を覗けてしまうということ。
クラウンは額に僅かに汗をかき、右手に持った杖を強く握っていく。そして、心拍数が上がっていく。少しうるさく心音が聞こえてくる。
それから、少し苦しそうな顔でリリスを見た。それはあくまで仮にその考えが正解だとするとリリスに自分の過去が見られてしまうということになる。
今までもこれからもずっと言う予定のなかった記憶がリリスへと覗かれてしまう記憶がある。そして、そう思う理由は他にもあった。
それは雪姫の記憶からであろう二つの声のことだ。あれが雪姫の記憶だとすれば、女の声を恐らく雪姫の声だ。
そして、最初に聞いた男の声、あれは――――――自分の声だ。そう想定してしまったからかもしれないが、あの声に、あの言葉は恐らくあの時の記憶だ。
その記憶が最初に出てきたということは、考えられることとしては最近あった一番インパクトの強い記憶であるからだろう。
それは無意識に思い出すほど記憶にこびりついてしまっていると言っても過言ではない。となると、自分の最近で一番インパクトのある記憶はいろいろとあるが、恐らく雪姫と同じ時の記憶だろう。
あの時が一番インパクトがあった。それは何者にも染められないし、変わることのないクラウンの原点なのだから。
リリスの様子から見る限り、ちょくちょくと頭を押さえる仕草が見られるが、自分の方をあまり見ないということはまだその記憶には至っていないのだろう。
まあ、気を遣って気にしてない振りをしているのかもしれないが、さすがにあの記憶だけは見て見ぬふりは出来ないだろうしな。
とはいえ、リリスが自分の原点の記憶を思い出すのは時間の問題だ。それまでにこの場所を通り過ぎればいい。
「二人とも走るぞ」
「え? ええ、わかったわ」
「うん」
クラウンは先頭に立って走り出す。その後を不思議そうに、だけど少しだけクラウンの意図を読み取ったような顔をしながら走り出していく。
そしてしばらくの間、何もない道を走り続けた。魔物一匹すら出てこない。いや、もっと言えば必要ないのだろう。
すると遠くの方に結界が張られた道があり、その結界の前に言葉が彫られた祭壇があった。そして、その祭壇の言葉は――――――
『現在の記憶を一つ述べよ。偽りには罰が下る』
0
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる