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文化祭
第48話 文化祭当日の朝
しおりを挟む「……ん」
目が覚めた。
「はあ、はあ……」
息が、荒い。
汗をかいている。
「また……夢?」
スマホを確認する。
『11月15日(土) 5:52』
十一月十五日。
文化祭当日。
「……夢だったのか」
また、変な夢を見た。
体育祭の時と同じような。
文化祭当日。
メイドさんとして、お客さんに接客して――
そして、夜。
家に帰って――
処理して。
「……」
体を確認する。
下半身。
硬くなっている。
朝立ち。
「そんなに日も経ってないのに……」
体育祭が、十月二十五日。
今日が、十一月十五日。
三週間しか経っていない。
でも、また――
溜まってしまっている。
「くそ……」
この生活。
女子高生として過ごす日々。
タッキングをして、ブラジャーをつけて、制服を着て――。
でも、体は男のまま。
欲望も、男のまま。
「どうする……」
時計を見る。5:55。
文化祭は、9:00開始。
学校には、7:30に集合。
まだ、時間はある。
でも――
また、処理するのか?
文化祭の前に?
「……」
体育祭の時を思い出す。
あの時も、朝に処理した。
そのおかげで、何とか乗り切れた。
でも、騎馬戦の時――
結局、興奮してしまった。
トイレに逃げ込んだ。
「今日も、同じことが……」
メイドさんとして、お客さんに接客する。
短いスカートで。
胸を強調するデザインで。
もし、興奮したら――
タッキングが、限界を迎える。
バレる。
「……やるしかない」
ベッドから起き上がる。
シャワー室へ向かう。
ドアを閉めて――
「……」
下着を脱ぐ。
タッキングを解除する。
硬くなったものが、解放される。
「はあ……」
鏡を見る。
胸が膨らんでいる体。
でも、下半身は男のまま。
「俺は……何なんだ」
呟く。
でも、今はそんなこと考えている場合じゃない。
手を伸ばす。
そして――
-----
十分後。
全てが終わった。
「……はあ」
シャワーを浴びる。
温かいお湯が、体を流れていく。
「これで、大丈夫……」
処理した。
今日一日、何とか持つはずだ。
たぶん。
シャワーを出て、タオルで体を拭く。
そして――
準備を始める。
美山理事長から届いた、新しいアイテム。
より強力なタッキング用のテープ。
肌に直接貼るタイプ。
「……」
説明書を読む。
『医療用テープです。
強力な粘着力で、一日中しっかりと固定します。
剥がす時は、専用のリムーバーを使用してください。』
専用のリムーバーも、一緒に入っていた。
「よし……」
テープを使って、丁寧にタッキングをする。
いつもより、しっかりと。
より強力なショーツも履く。
ぴったりフィットして、ずれない。
「これなら、大丈夫」
次に、シリコン製の胸パッド。
前回のものより、さらに自然。
触っても、本物に近い感触。
ブラジャーに入れる。
そして、ブラジャーをつける。
鏡を見る。
「……完璧」
胸の形が、自然。
Bカップの、綺麗な膨らみ。
誰が見ても、本物に見える。
「よし」
制服を着る。
いや、今日は制服じゃない。
メイド服は、学校で着る。
だから、普段着。
女性用のブラウスと、スカート。
メイクをする。
いつもより、少し丁寧に。
文化祭だから。
ウィッグをつける。
黒髪のセミロング。
鏡で、全身を確認する。
「……行ける」
完璧だ。
バレない。
きっと、大丈夫。
「……」
でも、不安は消えない。
桜井さんたちの企み。
まだ、それが何なのかわからない。
「今日、わかるのか……」
カバンを持って、家を出る。
朝の空気が、冷たい。
十一月。
秋の終わり。
もうすぐ、冬。
「……」
駅へ向かう。
電車に乗る。
車内には、他の学校の生徒たちもいる。
文化祭シーズン。
みんな、楽しそうだ。
でも、私は――
不安でいっぱいだった。
学校に着いたのは、7:20。
まだ、校門には生徒がまばら。
教室へ向かう。
廊下を歩く。
二年A組。
ドアを開ける。
「おはよー!」
もう、何人か来ていた。
高橋さん、田村さん、鈴木さん――。
そして、桜井さん。
「おはよう、みゆきちゃん! 早いね!」
桜井さんが、笑顔で迎えてくれた。
「お、おはよう……」
「今日、頑張ろうね!」
「う、うん……」
笑顔を作る。
でも、心の中では――
警戒していた。
今日、何かが起こる。
桜井さんたちが、何かを仕掛ける。
『気をつけないと……』
そう思いながら、私は文化祭の準備を始めた。
運命の日が――
始まろうとしていた。
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